ドルビーCタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:09 UTC 版)
「ドルビーノイズリダクションシステム」の記事における「ドルビーCタイプ」の解説
民生用。概念的にはBタイプノイズリダクションシステムを2回通したのと同じで、効果も2倍である。ドルビーBタイプは高域のみのノイズ低減効果を実現したものだが、Cタイプでは高音に加え中音域のノイズ低減も実現している。 さらにCタイプでは、過大信号が入力されたときに磁気飽和することを防ぐ目的で伸張操作を行い(アンチサチュレーション)、これにより歪みにくくなる。これらの操作により、入力信号のスペクトラムの山谷は小さくなる。その結果録音レベルを高く設定することができ、より高いノイズ低減効果を得ることができる。 ノイズリダクションの効果がBタイプより大きいため、ノイズリダクションを経由すると発生する音質の変化もBタイプに比べて大きくなるデメリットがある。また動作点の調整がシビアであり、録音されたのと異なる機材で再生すると音が変わってしまいやすかった。 Bタイプとの互換性はないため、Cタイプで記録したテープをBタイプしか装備していない再生(録再)機器で再生すると、高域が目立つ再生音になり、逆にBタイプで記録したテープをCタイプ対応の再生機器で「Cタイプのスイッチを入れて再生」すると、逆に高域がこもった再生音になる。ただし、Cタイプの回路をBタイプに切り替えることは簡単であり、多くの機種ではBタイプとCタイプの両方に対応したドルビーICで機能を実現していたことから、Cタイプの内蔵機器のほとんどすべては、Bタイプにも対応している。 ラジカセ、ヘッドホンステレオなどのローエンド機やカーオーディオまで幅広く普及したBタイプに比べ、Cタイプは中 - 高級機でのみの搭載となる事が多い。 ちなみに、日本においてバブル景気全盛の1980年代末期 - 1990年代最初期には、ごく一部の高価格帯のCDラジカセやヘッドホンステレオ(ポータブルステレオカセットプレーヤー)、カーオーディオなどにもCタイプが搭載されていた機種も存在していた。また、日本の音響メーカーとして最後にCタイプが搭載された機種は2005年4月に発売されたオンキヨー(旧法人。現・オンキヨーホームエンターテイメント)のハイコンポ(プレミアムミニコンポ)「INTEC205」シリーズ用カセットデッキのK-505FX(メタルテープ(TYPE IV)による録音・再生対応、およびドルビーHX PROによる録音対応機種としても最後に発売された機種)である。
※この「ドルビーCタイプ」の解説は、「ドルビーノイズリダクションシステム」の解説の一部です。
「ドルビーCタイプ」を含む「ドルビーノイズリダクションシステム」の記事については、「ドルビーノイズリダクションシステム」の概要を参照ください。
- ドルビーCタイプのページへのリンク