銀河漂流バイファム 登場メカ

銀河漂流バイファム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 03:13 UTC 版)

登場メカ

基本的には『銀河漂流バイファム』関連のもの。『バイファム13』関連は後述の「用語」の節を参照。

ラウンドバーニアン

ウェア・パペット

ウェア・パペットは、ラウンドバーニアン(RV)と並ぶ地球側の宇宙兵器[15]。双方とも元々は宇宙開発におけるEVA(船外作業機)から発達したものであり、大型化したものがRV、宇宙服の延長上にある人間に近いサイズのものがウェア・パペットである[15]

宇宙服に装甲と動力による補助を付け加えた一種のパワードスーツ。関節部にはモーターアシスト機能のある補助動力ユニットが内蔵されており、宇宙空間はバーニアで移動する[15]。「オールオーバー」と「トウィンクル・ヘッド」の2タイプが存在する。ヘルメットの形状(スーツと一体型か独立型か)など細部が異なっているが、性能面ではほとんど差はない。トゥインクル・ヘッドの方が新型ではあるものの、旧型のオールオーバーの方が周辺機器や装備(パペットファイターなど)が充実している。

宇宙での戦闘においても4連装ロケットガンや他の手持ち武器を携行してRVを支援し、船外活動によって宇宙艦艇の主砲として(発砲の際の反動が影響するため)艦から離して使用するニュートロン・バズーカの運用も行う[15]。また、ウェア・パペット(オールオーバー・タイプ)を制御ユニットとする宇宙戦闘機パペットファイターも機動兵器としては効果的である[15]

元は大人用に開発されたものだったため、背の低い子供達がこれを着用するには脚部内部に「高ゲタ」の装備が必要となった。

宇宙艦艇

外宇宙練習艦ジェイナス
異星人の襲撃を受けたクレアド星からの脱出に利用され、その後子供たち13人による、ククト星までの果てない旅に使用された宇宙船。4等級恒星間宇宙船。ヘルメス級2番艦。同型艦にホダカがあるが、1番艦ヘルメスがすでに退役しているところからも判るように、このクラスは相当な旧式艦である。半球状の居住スペースとラウンドバーニアンの格納庫がある下部主船体、後ろに伸びた航行用の部位から構成される。その形状は、キノコの軸部分に串団子を突き刺した形を想像すると理解しやすい。なお、この串団子部分のデザインは、NHKで放映されていたアニメ「キャプテン・フューチャー」に登場する「コメット号」から翼を除いた姿に酷似しており、当時のアニメ誌上で茶化されたこともあった。
クレイ8000系と呼ばれるコンピュータが航行を管理するシステムとなっており、乗組員は直接操作以外にコンピュータと対話して命令を指示することができる。艦ごとにコンピュータに愛称が付けられており、ジェイナスのコンピュータは「ボギー」と命名されていた(声:秋山るな)。ボギーと子供達が対話をする描写は、本作の制作企画書に盛り込まれていた「コンピュータと共存する子供」というテーマ[注釈 25]を反映したものであった。
本来は軍人が恒星間航行の練習をするための船であるため本格的な戦闘はあまり考慮されておらず、艦自体の武装は連装の格納式ビーム砲座が上下合わせて8基あるだけである。ただし、練習艦ゆえに未熟な乗員による操船が行われることを考慮し、コンピュータによる乗組員のバックアップ能力は通常の軍艦よりも高い。
艦橋や居住ブロックといった施設は、艦上方のキノコの傘に相当する部分に集中している。恒星間を航行可能な練習艦だけあって長期間の航行に耐えうる設計がなされており、エンディングにも登場した大樹を植えたホログラムを投影する廊下をはじめ、娯楽室、大量の食事を一括調理する自動調理器を備えた大食堂、巨大なバスルームなど客船並の居住施設を備えていた。なお、艦内倉庫の奥深くには大量のエロ本が積まれていたが、これは前艦長の趣味とされている。
推進機関周囲に接続された数個のブロックはドッキング・カーゴと呼ばれ、分離させて大気圏突入カプセルとして使用することができ、劇中ではRV2機を搭載して突入降下している。ジェイナス自身にも大気圏突入能力はあるがこれはあくまでも非常手段であり、船体には大気圏内での運用能力や自力での大気圏離脱能力はない。ククト星に強行着陸した際にジェイナスは擱座し、放棄される。その際、格納庫ハッチの一部は切り出され、バイファム、ネオファムの盾として流用された。子供達の脱出後も、しばらくはボギーは稼働しており、ミーラァらが調査のために乗船した際には、モニターに「AHO、BAKA、AHO、BAKA」と表示させながら、スコットらの行方を語ることなくはぐらかし、秘密通信にて状況を連絡するなどの活躍を見せた。船体は戦後も回収されることはなく、本作の2年後の後日談となるOVA版においてもそのままであった。
RV収容数は多く、クレアド星脱出後の戦闘で数機が撃墜されているにもかかわらず、ロディやバーツの使用した機体の他にもケンツが1度だけ使用したバイファム8号機や、これもスコットが1度だけ使用したイエローの練習機、未使用のネオファムまで存在している上、主船体下部左右の専用格納庫にパペット・ファイターを少なくとも十数機、小型艇2機、後部の格納庫にニュートロンバズーカ6機を搭載している。また、中盤で地球軍から補給を受けた際に少なくともトゥランファム2機も運び込まれている。
なお、企画段階では本艦の名称は「グラドス」だった[16]。この名称は一部制作スタッフが共通の同社制作『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年放映開始)において敵勢力の名称に転用されることになり、ゆえに『レイズナー』は設定や声優などにも共通点が多い。また書籍によっては「バージニアン」とも紹介されたが、いずれも企画段階での変遷である[17]
カールビンソン級宇宙駆逐艦
本作の設定では、国連の常任理事国に相当する米・ソ・英・仏・中が宇宙艦を保有していることになっている。主力として登場したのは3等級カールビンソンタイプ宇宙駆逐艦で、タウト星で沈んだのは駆逐艦レーガン[注釈 26]ほか、一隻(艦名不詳)。最終回でカチュアとジミーを除く11人の子供を収容したのは駆逐艦バンガード(英国海軍の伝統的艦名)である。形状は『バイファム』の宇宙艦艇類では珍しい宇宙戦艦ヤマト式の水上艦艇型で、主な武装は大型の連装ビーム砲塔3基。左右舷側に連装ビーム副砲塔をそれぞれ3基ずつ。艦首に多連装ミサイルランチャー。RV他の機動兵器を多数搭載する。ジェイナスと同じく搭載コンピュータ(レーガンのそれは「クラウド」)による補助が行われている。
ピケット艦
宇宙駆逐艦の随伴艦として登場した哨戒艦。黄色い警戒色と四角い船体が特徴。哨戒が主任務だけあって外見からは目立った武装はない。地球、ククトを問わず、バイファム登場の宇宙艦艇が如何なる方法でワープなどの超光速恒星間航行を行っているのかは、劇中では示されていない。
XU23a
ククト軍の中型輸送艇。大気圏内外両用で主に序盤によく登場した。ちょうどキノコのような形状をしており、笠の下にあるローター状のブレードを回転させながら、飛行時は「ピロロロロ」と独特の音を発する(ククトの艦艇類は、全てこの音を出しながら飛行する)。内部にはウグなどのARVを搭載しているほか、自身も胴体四方に4基とキノコでいう軸の部分に2基の連装ビーム砲を装備している。その形からは想像できないほど高速で移動することができる。塗装は茶色。XU23aとは地球側が付けた識別コード。後に残骸となり幽霊船として漂う本艦を見て、マキは「寒そう」との感想を洩らしていた。
宇宙戦闘艦
劇中中盤より登場する、薄緑色をしたククト軍の大型宇宙艦艇。左右に主翼を持った航空機型で、輸送艇であるXU23aと違って本格的な宇宙戦闘母艦らしく、火力や搭載ARVの数は段違いに高い。タウト星の戦いでは、被弾した本艦がタウト星へ墜落して誘爆。タウト星崩壊の原因となった。本艦はククト星の艦艇類では唯一、ローター状の機関を持たない。なお、17話に出て来た残骸と23話に登場したククト戦闘艦も本艦と同系列の艦艇だが、形状および色が微妙に異なる。
リベラリストの大型シャトル
ジェダたちリベラリストが建造した宇宙船。地球軍と接触するためにククト星を飛び立ち、劇中終盤のロディらの母船となる。シャトルと呼ばれているが宇宙輸送船で、ククト軍大型輸送機の拡大発展型。例に違わず、下部に大型ローター状の機関を持つ。非武装船だが、RVを搭載可能なカーゴコンテナを6つ接続可能で護衛用にバイファム、ネオファム、トゥランファム各1機とギャドル3機を収納していた。塗装は青紫。
カーゴロケット
リベラリストの基地から打ち上げられた垂直離床型ロケット。大型シャトルへ接続するカーゴコンテナを輸送し、衛星軌道上で本船とランデヴーする。

航空機 / 宇宙艇

飛行艇
地球軍の小型輸送機。上部に連装銃座がある。謎の遺跡を発見した現場へ軍司令官を送り届けた。機体形状は四角いバス型で揚力を発生させる翼や、着陸でホバーの描写はあるが底部にノズルも見当たらず、どんな原理で飛行しているのかは謎である(ローター状の機関で完全に重力制御飛行を会得しているククトニアンと違い、地球側の重力制御は宇宙船内の人工重力発生に留まっている)。
ラピッドファイター
クレアド星やベルウィック星に配備された大気圏内用単座戦闘機。カナード付き三発機で翼下のミサイルポッドが武器。第1話ではシャトルを護衛してウグと戦った。
パペット・ファイター
地球軍の単座式宇宙用戦闘機。ジェイナスにも搭載されており、主にマキが搭乗している。カチュアが行方不明になった時にはケイトがこれで出撃した。後にカチュアも使用してケンツやロディの危機を救っている。ウェア・パペット「オールオーバー」を着用した状態で搭乗するため、戦闘機側の生命維持装置は簡略化されている。武装は機首に小型のビームガンと前後に計4基の多連装ミサイルポッド。高速で接近し近距離でミサイルを一斉発射する一撃離脱型の使われ方が多かった。永野護のメカデザイン初仕事。サンライズ入社後、パペットファイターの図面を上司に見せたところ、デザインが初採用されて試用期間が終了した[18]。1980年代のF1ウイングカーモチーフとなっている[19]
高空・宇宙両用戦闘機
赤い機体色の地球軍新型戦闘機。文字通り、大気圏上層部と宇宙空間の双方で使用可能。武装は機首にビーム砲。左右側面に大型ミサイル計4発。胴体前後に多連装ミサイルポッドを計4基。終盤近くに援軍として多数登場し、ロディらを襲うククト軍部隊を蹴散らした。
シャトル
非武装の大型宇宙往還機。第1話で脱出用に使われたほか、ククト星での地球人捕虜収容所での奪還作戦にも登場。この時、クレアの父・バーブランド大佐が機長を務めていた。
小型シャトル
ベルウィック星の第二ステーションに残されていた小型宇宙往還機。ベルウィック星との往還に使用された。
輸送機
ベルウィック星に配備された先尾翼型の双発輸送機。軍へ救援を求め、ラピッドファイターでジワイメルゥ基地へ赴いたクレーク博士の帰路に使用された。
小型艇
オレンジ色の非武装小型艇。ジェイナスにも搭載されている。ククトニアンのラレドが本機に乗って漂流していたほか、ジェイナスからの船出やタウト星への呼びかけなど、カチュアが良く使用した。サイズに比べて航続距離は長い。大気圏突入性能がある。
兵員輸送艇
地球軍の小型輸送艇。ジェイナスへの人員輸送を担当した。劇中では「回送シャトル」と称されていた。全長15m。
曳航艇
地球軍の曳船型輸送艇。ワイヤー牽引する形で物資を曳航輸送する非武装艇で、エンジンは箱状艇体四方からX字状に伸びた支柱先へ配されており、曳航物資に直接噴射炎が掛からぬ構造になっている。ジェイナスへ補給物資を届けたほか、タウト星へもスリングパニアーなどを輸送している。
ニュートロンバズーカ
ケンツがジェイナスの格納庫で発見した、自力で移動可能な大型のビーム砲。RVの手持ち武器ではなく、発砲の際の反動が艦に影響するため、ウェア・パペットで艦から離し、人間の手による船外活動の要領で管制操作を行う。しかし、大型であるために姿勢制御などの取り回しが難しく、小回りがまったく利かない。出力は大きく、一撃で異星人の中継基地を破壊したほどだったが、ジェイナスで実戦に使われたのはその一度きりだった。だが、タウト星での戦いでは駆逐艦レーガン以下のローデン艦隊が、火力支援用に複数運用している描写がある。
ピーピングトム / VRC
どちらもジェイナスに搭載された宇宙用無人偵察ロケット。ピーピングトムは有線式。VRCは偵察ポッドである。後にジェイナスの不時着位置を偽装するため、ククト星にてエクストラ力線をトレースした波長を出すデコイとして全機使われた。
標的ブイ
ジェイナスに搭載されている小型無人機。機動性が高く、RVの射撃訓練に用いられる。本体からバーニアアームが左右に伸び、胴体中央にセンサーらしき物を備えている。低出力ビームガンによる模擬射撃も可能で、敵として撃ち返して来る実践的な射撃標的になる。
戦闘機
タウト星に配備されていたククト軍の小型戦闘機。キャノピーを持たない閉鎖型コクピットを備えている。ローデン艦隊接近の報を受け、ジェダやミューラァが脱出に用いた。ククト星へと向かったため、大気圏突入能力を備えている模様。平たいリフティングボディ型とミューラァ使用の主翼を持つ型の二種がある。
フローティングタンク
ARVを2機搭載できる浮遊戦車。初登場はベルウィック星のジャーゴ偵察隊。機体下部に単装ビーム砲塔を装備。機首にコクピットらしき物があるが、有人機なのかどうかは不明。ククト星でも長距離偵察や哨戒に使われており、ミューラァ隊も使用している。XU23a同様、機体底部にローター状の機関を持つ。
大型フローティングタンク
アメンボを彷彿とさせる形をした大型浮遊戦車。X字状の支柱先端(着陸脚)へそれぞれARVを1機搭載可能。ククト軍でも最新鋭機らしく、ミューラァはこれの到着に期待していた。武装は機首の連装ビーム砲のほか、上部に三連装ミサイルランチャーも装備している。ジェイナスの子供達は、見た目からこれを「ばってん印」と呼称していた。本機に密航してガイらがコロニーから来たところから、宇宙での運用と大気圏への突入も可能な模様。機体底部にローター式の機関とサーチライトを持つ。
大型輸送機
茶色いククト軍の大型輸送機。大気圏突入や離脱、宇宙空間での航行も可能。ククト星収容所襲撃では囚人たちが本機を奪取。ガイ、メルらククトニアンの子供達の両親脱出用に使われた。やはり機体下部に大型ローター状のものがある。機首に大型サーチライトを持つものの、武装は特に無い様子。
ホバーヘリ
リベラリストたちの小型連絡機。パイロットのほか、数名の同乗が可能でスコットらを乗せて通信基地へ赴いた。連絡機だが、機首にビーム砲があり戦闘にも対応する。ジェダが搭乗して大型フローティングタンクと空戦を行った。翼状のパーツの下に一基ずつローターがある。

車両類

地球軍戦車
地球軍の装軌式装甲車両。小型の単装砲塔と連装ビーム砲。車体後部に多連装ミサイルランチャーを持つ。戦車というよりも対空自走砲に近く、直接戦闘向きの車両ではない。クレアド星の空港でウグと戦ったが撃破されている。劇中では「特車」と呼ばれていた。
APC
第1話で使われた地球軍の装甲兵員輸送車。装輪式で民間人を空港へ緊急輸送するのに使用された。装甲は施されているがウグのビームには耐えられず、ロディの目前で破壊されて多数の民間人が犠牲になっている。
バギー
軍用の六輪ビーグル。オープントップでロールバー上に自衛用重機関銃を1基備えている(無いタイプもある)。ベルウィック星のアゾレック基地に残されていた物で、クレーク博士探索などに使用された。ククト星ではジェイナスを捨て旅に出たスコットら一行の移動用として活躍した。ソフトスキン(非装甲車両)で本来は戦闘には不向きだが、スコットが牽引式の連装ミサイルランチャーを用いて、XU23aを撃墜したこともある。
トラック
無蓋の幌付きトラック。同じくアゾレック基地にあった物。ジワィメルゥ基地へ赴くために使用。途中、敵輸送艇と遭遇。バーツが運転してXU23aへの体当たりを試みた。
トレーラー
軍用大型車両。牽引するトレーラーにはかなりの貨物が搭載可能で、ククト星では「再生装置」を積み、スコットが運転する指揮車両として主に使われていた。運転室のキャビン上に小型レーダーを装備可能。非武装だが、ケンツとジミーがキャビン上に乗ってバズーカを撃ったこともある。また、カチュアを人質に捕虜になっていたミューラァが逃走に用いたが、地球式の運転台を見て「なんだこの車は?まるで旧時代の代物だな!」と絶句していた。
運搬車
ジェイナス艦内で使われる電動カート。元々は台車を連結して、弾薬や機械部品といった重量物運搬に使用される作業用である(オープニングにも登場している)。ジミーが発見、マルロとルチーナを同乗させて廊下を得意げに運転していた。
ジープ / 装甲車
ククト軍の装輪式地上車両だが、ジェダたちリベラリストも使用している。塗装はどちらも茶色。装甲車は大型で、上部には人が操作する開放式単装ビーム砲が装備されている。ミューラァにトレーラーを奪われた後、スコットら一行の足にもなった。

その他の用語

レコーダー
スコットが用いた記録装置。ジェイナス号艦長の航海日誌として一行の旅路が全て記録されており、その内容は中盤からは本編冒頭のナレーションにも使われていた。トレーラーに搭載していたために一時ミューラァに奪われるが、後にスコットがトレーラーごと奪還した。
謎の遺跡(再生装置)
クレアド星で発見された石碑のような形状の構造物で、学術資料としてクレーク博士がジェイナスへと持ち込んだ。実はククトニアンが彼らの抗争(核戦争とケイトは分析している)で荒廃した惑星に設置した環境再生システム。正式名称はリフレイドストーン。ミューラァは「再生装置」と呼んでいた。また再びククトニアン同士での抗争が起きた時に備えて、開発に携わったククトニアンのリベラリストによりククト製のコンピュータを狂わせるエクストラ力線を発する機能が隠されており、この機能が発動したおかげでジェイナスは当初のククト軍の猛攻から生き延びることができた。しかし、その事実が知られたのは相当後になってからで、当初は何に使われるものかまったく不明だった。
ククト星の地表にも同じ物が設置されていたが、エクストラ力線の効果を防ぐためにククト政府軍の手により中枢部分が抜き取られていた。ジェイナスを捨てたスコットが守り神としてトレーラーへ搭載したが、終盤ではククト政府軍側でもエクストラ力線を防ぐシールドを開発したため、効果は無効化された。その後サライダ博士より友好の証として13人へ贈られ、最終回には地球へと持ち帰られた。
中継基地
タウト星へのジェイナス進路上に存在するククト軍の宇宙基地。古い艦船を改造した物で、ARVや艦艇の補給施設として機能するほか、長距離ビームを発射していた。これを排除するためにジェイナス号の子供達は初めて長距離先制攻撃を行った。ニュートロンバズーカの直撃を受け、基地の要員はXU23aで脱出。その直後に爆発、破壊される。
タウト星
ククト星の半人工の衛星。ククト軍一大拠点であり地球人やククトニアンの反体制派の収容設備でもある。囚人の反乱で政府軍が一掃された後、一時、地球軍の補給拠点にもなったが、戦闘により誘爆。周囲のローデン艦隊とククト艦隊を飲み込んで消滅した。後にリベラリストの大型シャトル内で、残骸と化したタウトを見たクレアは「本当に死の衛星になってしまったのね」と嘆いていた。
監視衛星
タウト星周囲の四方に浮かぶ軍事用大型人工衛星。一基が壊れており、この間隙を縫ってジェイナスがタウト星へと近づいた。衛星だが自航能力があり、ある程度の火力とARV搭載機能も持つ。戦闘中、再生装置の影響で二基の監視衛星同士が衝突、破壊されてしまう。
スペースバズーカ
地球軍の歩兵用制式対RV兵器で単発式の肩撃ち型無反動砲。命中部位によっては一撃でARVを仕留めるのも可能。劇中ではケンツが良く担いでいた。信管は敏感で落としただけでも爆発するので、砲弾は慎重に取り扱う必要がある(ジミーは誤ってすれ違うククト軍のジープへ砲弾を落としてしまい、結果的に敵を撃破している)。「スペースミリタリー2001改」が制式名称。
軍用銃器類
地球軍の制式軍用銃。ビーム小銃は単射と連射が可能。銃身が長いライフルタイプと短いカービンタイプの二種類が確認できる。軍用拳銃も存在するが、アイキャッチとバーツがローデン大佐へ突きつけた以外の場面に登場せず、未発砲に終わっている。バギー装備の重機関銃はビームではなく実体弾式。ククト製のビーム小銃も機能的には地球製と大差ないがトリガーガードが大きく、銃口が上下にある連装なのが特徴。
ビームガン
バーツの私物。エネルギーパックにコードで接続するタイプの拳銃。軍用ではなく、元々は民生用のバーミント猟(小害獣駆除)用、もしくはサバイバルガンの類に入る市販銃である。バーツからスコットとの関係がこじれたクレアへ貸し出され、彼女がククト星の廃墟で、思う存分射撃でストレス発散する一幕もあった。
キャンピング用品
コンプレッサーで膨らませるバルーンテント。折りたたみ式のテーブル。調理用コンロ(ストーブ)。ガスランタンなどが存在。軍用品でどれもデザインが垢抜けなく、ミリスペック仕様なためにごつい。元々、アゾレック基地の備品であり[注釈 27]、ベルウィック星始め、ククト星の旅でも活躍した。他に民生用らしいシチュー用の大鍋もあったが、ガイの放ったバズーカで中身ごと吹き飛んでしまった。
サバイバルキット
ドッキングカーゴ内に搭載の非常用品。チューブ状の栄養食や飲料水ボトルが入ったトランク。医薬品や殺虫剤。豚印のミート缶のほか、コンロなどのキャンプ用品も若干セットされている。他にサバイバルキットではないがロープ付きの銛を発射し、巻き取り機構のある舫(もやい)銃やビスケット状の携行食糧もRV内の装備品には存在した。
旗付きバルーン
シャロン製作。ククト星突入時にはぐれたロディたちへの目印としてジェイナスより掲げられた物。気球のケーブルにレッドベアの旗(シャロン作)とイチゴ柄のパンツが括り付けられている。シャロンがケンツに語った所によると「敵が来るたんびに旗を揚げたり、降ろしたり」と大変だったらしい。
簡易テント
旅路で女子トイレや更衣室に用いられるようにシャロンが製作したテント。形状記憶合金の枠に布を張った物で、小さく折り畳まれているが日光を浴びて熱により展長する。ただし、ケンツに「夜はどうする」と指摘されたようにアイディア倒れの観もある。
マイクロ翻訳機
ジェダたちリベラリストが開発した補聴器サイズの翻訳機。ククト語と地球語を同時翻訳可能な高性能メカ。13人がリベラリストと合流後、これによってククト側との意思疎通が円滑となった。
ミューラァの腕時計
アナログ式軍用腕時計。ロディを追い詰めている時に時間を確認していた。ククトの時計は文字盤に針が一本しかない。
エクストラ力線探知機
ARVデュラッヘの右腕部に装着する探査装置。再生装置を追うミューラァが使用したが、発見するのはダミーばかりだった。
装甲宇宙服
ウェア・パペットに相当するククトニアンの機動宇宙服。背中にX字状のバーニアアームが伸びているのが特徴。ジェダらリベラリストが船外作業用に使用した。

注釈

  1. ^ OPテロップに「原案」として富野由悠季がクレジットされ、「原作」は監督の神田とメイン脚本家の星野の名前が連なっているのはこういう事情によるもの。
  2. ^ ジュール・ヴェルヌの小説『二年間の休暇』の邦題。これをモチーフにするプランは、『機動戦士ガンダム』の企画時にも出されていた。
  3. ^ その後も、本作と同じサンライズ制作の『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年)、『恐竜冒険記ジュラトリッパー』(1995年)、『無限のリヴァイアス』(1999年)などで同様のプロットが用いられている。
  4. ^ 「何があっても最後には地球に帰ってくる。途中がどんなに格好悪くても帰ってくればヒーロー」というのがコンセプト。
  5. ^ JAXAの職員も認めるほど。
  6. ^ 企画書の段階では全52話だった[7]
  7. ^ 当時のアニメ番組は1年間4クール52本やるのが普通だった。
  8. ^ 途中で駆逐艦レーガンと接触するエピソードは打ち切り版脚本の流用で、本来は子供たちがそのまま地球へ連れて行かれて終わる予定だった。
  9. ^ 渡辺は、本作品の音楽を担当していたワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)のディレクターが父・渡辺宙明と繋がりがあったことから抜擢されたという[9]
  10. ^ なお、このアルバムには、発売元であるワーナー・パイオニアが販促用として発行していたチラシ「バイファム・NEWS(ニュース)」を、特別号と称して第1から10に加え増刊までセットにした小冊子が付録になった。この「バイファムNEWS」を付録にするという企画は、後年発売されたCD-BOX(WPC6-8098/8101)にも踏襲されていた。
  11. ^ 総集編が2本(『カチュアからの便り』『集まった13人』)、およびオリジナル脚本の新作2本(『消えた12人』『"ケイトの記憶"涙の奪回作戦!』)が制作・販売された。
  12. ^ 3本ほどの作品を同時に抱えていて多忙だった大河原のアシストと永野自身に対する新人研修のためだった。
  13. ^ ベルウィック星からステーションに駐機されていたジェイナス号に帰還した際、制作スタッフのミスから、初めて訪れたはずのバーツがまるでジェイナスでずっと一緒に行動していたかのように発言している(なお「元のまま」と発言したのはロディである)
  14. ^ OVA3巻『消えた12人』のラストで、16歳の誕生日を迎える。
  15. ^ OVA第2巻および第4巻では「あたし」とも言っている。
  16. ^ 設定資料では10歳。
  17. ^ 41話。ただし、ほとんど習熟していないこともあって、機体制御の段階で破綻をきたしており、同時に出撃していたマキには「あんた操縦できんの?」といわれている。
  18. ^ 第11話終盤でのスコットの語りでは11歳。
  19. ^ 45話。誕生会に便乗させてもらったお礼に贈呈されたもの。
  20. ^ 声優が『ど根性ガエル』のひろし(ケンツ=野沢)とピョン吉(ジミー=千々松)。『ミンディ・ゾーン みんだ☆なお作品集』、株式会社みのり書房、1986年4月5日発行、42頁より。
  21. ^ 最終話で、乗船名簿登録のシーンが再度あり、そのときは5歳と申告し、マルロの突込みを招いたが、45話(最終話の1話前)でルチーナの誕生会を催しており、実は長い伏線にもなっている。
  22. ^ カチュアの回想シーン。第2ステーションから離脱するシャトルに搭乗、しかし直後に、カチュアの目の前で攻撃を受けてしまっている。
  23. ^ 「元来、ククトニアンは平和的人種で、過去の異星人の襲来と交配によって好戦的なククトニアンが登場した。また、この異星人は地球にも来訪して地球人との交配も行っており、ゆえにククトニアンと地球人との混血児も誕生することができる」という設定[13]
  24. ^ 15話でラレドによって語られる。
  25. ^ 『バイファム・パーフェクトメモリー』(みのり書房〈『月刊OUT』1985年1月増刊号〉、1984年)に掲載された本作の企画書に記されている[要ページ番号]
  26. ^ 放送当時の米国大統領名である。現実の水上艦艇に実在する人名をつける場合は、故人の名前であるのが通例であり、本作品が未来世界を描いていることを演出している。
  27. ^ 宇宙軍のジェイナスには不必要な陸戦装備である。
  28. ^ 制作中だった『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』は途中交代を余儀なくされた。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『グレートメカニックG 2016AUTUMN』双葉社、2016年9月、24-27頁。ISBN 978-4575464979 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 『グレートメカニックG 2016AUTUMN』双葉社、2016年9月、22-23頁。ISBN 978-4575464979 
  3. ^ 『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション (B‐CLUB SPECIAL)』バンダイ、1991年5月、48-58頁。ISBN 978-4891891558 
  4. ^ 『グレートメカニックG 2017WINTER』双葉社、2017年12月、12-36頁。ISBN 978-4575465068 
  5. ^ 『グレートメカニックG 2016AUTUMN』双葉社、2016年9月、15頁。ISBN 978-4575464979 
  6. ^ 平山亮三編「キャラクター情報◎「銀河漂流バイファム」」『マーチャンダイジングライツレポート』1983年8月号、商品化権資料センター、1983年8月1日、7頁。 
  7. ^ 星山博之「資料3『銀河漂流バイファム』企画書」『星山博之のアニメシナリオ教室』雷鳥社、2007年6月27日、290-303頁。ISBN 978-4-8441-3435-0 
  8. ^ 『月刊モデルグラフィックス』2012年6月号 p33-p40
  9. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 渡辺俊幸」『スーパー戦隊Official Mook 20世紀』《1999 救急戦隊ゴーゴーファイブ講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年6月9日、32頁。ISBN 978-4-06-509611-6 
  10. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、333頁。ISBN 4-87131-025-6
  11. ^ 大河原邦男アイアンワークス[要ページ番号]
  12. ^ a b 「メカニックデザイナー 大河原邦男展」開催記念『大河原邦男&永野護トークショー』レポート”. GUNDAM.INFO. 株式会社サンライズ (2015年9月11日). 2021年5月14日閲覧。
  13. ^ 『グレートメカニックG 2016AUTUMN』双葉社、2016年9月、17頁。ISBN 978-4575464979 
  14. ^ 名前の由来、ビジュアルのモデル共に別冊アニメディア「銀河漂流バイファムPART2」P.94
  15. ^ a b c d e 『グレートメカニックG 2016AUTUMN』双葉社、2016年9月、16頁。ISBN 978-4575464979 
  16. ^ 『バイファム パーフェクトメモリー』[要ページ番号]
  17. ^ [ MJマテリアル2 RVバイファム スーパーメカニックガイド]
  18. ^ Mamoru Nagano On 'L-Gaim', 'Gundam' And The Fractal Nature Of 'The Five Star Stories'”. forbes.com. Forbes (2019年4月4日). 2021年5月14日閲覧。
  19. ^ 『The Five Star Stories OUTLINE』角川書店、2001年12月、104頁。ISBN 9784048534635 
  20. ^ 『サンライズロボットアニメ大解剖』(2019年1月27日、三栄書房発行)105ページより。
  21. ^ 『福島民報』1983年12月2日付朝刊、テレビ欄。
  22. ^ 『福島民報』1985年5月5日付朝刊 - 1986年4月27日付朝刊、テレビ欄。
  23. ^ 『北國新聞』1984年10月5日付朝刊、テレビ欄。
  24. ^ 『北國新聞』1984年8月10日付 - 1985年7月17日付各朝刊、テレビ欄。
  25. ^ 『サンライズロボットアニメ大解剖』(2019年1月27日、三栄書房発行)12ページより。
  26. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1984年5月号、学習研究社、96 - 98頁。 
  27. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1984年5月号、学習研究社、98頁。 
  28. ^ Staff & Cast”. SUNRISE. 2010年9月30日閲覧。
  29. ^ 朝日新聞・東京 縮刷版 1998年8月20日 25頁(縮刷版では785頁)
  30. ^ 朝日新聞・東京 縮刷版 1998年9月24日 12頁(縮刷版では1140頁)
  31. ^ 朝日新聞・東京 縮刷版 1998年10月6日 9頁(縮刷版では300頁)
  32. ^ アニメージュ1999年2月(166頁)・1999年3月号(186頁)
  33. ^ 朝日新聞 縮刷版 1998年8月21日 15頁(縮刷版では827頁)
  34. ^ アニメージュ1999年2月(166ページ)






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「銀河漂流バイファム」の関連用語

銀河漂流バイファムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



銀河漂流バイファムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの銀河漂流バイファム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS