織物 織物の概要

織物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 00:32 UTC 版)

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手織機で織る女性(インド
平織の経糸 (1、赤)と緯糸 (2、青)
ドイツドルニエ社のコンピューター制御によるレピア織機

織物は一般的には織機で製作される。織機は「はた(機)」とも呼び、織機を使って織ることを機織り(はたおり)とも言う。織機の基本的な原理は、経糸(たていと)を張りその間に緯糸(よこいと)を通すもので、この通し方(織り方)と糸の素材や太さ等によって、布地の基本的な性格が決まる[2]。代表的な織り方には平織綾織(斜文織)・繻子織の3種があり、これを「三原組織(さんげんそしき)」と呼び、更に絡み織(綟り織、もじりおり)を加えて四原組織とする場合もある[3]。これらの組織を複雑にしたり、使用する糸の色や太さ等を変えたり、あるいは多様な染色を施すことによって、複雑な染織品が生産される。

機織りは先史時代から行なわれ、織物は衣服寝具敷物家具、さまざまな道具日用品等に幅広く使われるほか、タペストリー等の芸術品としても製作されてきた。織物業の専門化や機織り技術の程度は文明地域時代によってかなり幅があるが、総論すれば、産業革命以前には、自家用の布は各家庭で織られる場合が多く、専門職人による高品質な織物は富裕層のほぼ独占するところであった。18世紀以降、イギリスフランスを中心に織物産業の機械化が始まり、これが産業革命の一原動力となった。紡績技術の進歩や、牧羊綿花栽培の集約化、そして19世紀に入って力織機が開発され、安定した品質の織物が大量生産されるようになった[4]。近年では商業的な織物生産は、コンピュータ制御のジャカード織機を使ったものがほとんどとなっている。一方、人力で織機を動かす伝統的な織物生産も行なわれており、高い付加価値を持つ製品として流通したり、手芸の一つとして行なわれることもある。日本語において、手織り(ており)とはもともと工房ではなく自宅で織物を生産すること、またその製品を指していたが、明治時代に日本に力織機が導入されて以後は、このような人力で動かす織機(手織機)を用いて織ること、またその完成品も手織りと呼ばれるようになった[5]

なお、織りはござ等を作る時にも用いられる技法であり、また日本語の「織り」にほぼ相当する英語の weave にはなどを編むことも含まれる。




注釈

  1. ^ ただし、英語の textile は狭義には織物を指すが、広義には編物不織布等を含む布製品全般を指す概念であり、厳密に「織物」だけを指すには woven fabric 等の表現が使われる[1]

出典

  1. ^ "textile, adj. and n." OED Online. Oxford University Press, December 2014. Web. 16 March 2015.
  2. ^ Collier 1974, p. 92
  3. ^ 角山幸洋「織物」『日本大百科全書』。
  4. ^ 並木覚「力織機」『日本大百科全書』。
  5. ^ 「ており」『日本国語大辞典』。
  6. ^ “Centuries-old fabric found in Çatalhöyük”. hurriyet daily news. (2014年2月3日). http://www.hurriyetdailynews.com/centuries-old-fabric-found-in-catalhoyuk.aspx?pageID=238&nID=61883&NewsCatID=375 2014年2月7日閲覧。 
  7. ^ Woven linen”. University College London (2003年). 2015年3月19日閲覧。
  8. ^ Items of ancient Egyptian dress”. University College London (2003年). 2015年3月19日閲覧。
  9. ^ [1]
  10. ^ a b Pacey, Arnold (1991), Technology in world civilization: a thousand-year history, MIT Press, pp. 40–1, ISBN 0262660725 
  11. ^ a b c d Backer
  12. ^ George Unwin (editor) (1918年). “The estate of merchants, 1336-1365: IV - 1355-65”. Finance and trade under Edward III: The London lay subsidy of 1332. Institute of Historical Research. 2011年11月18日閲覧。
  13. ^ William Page (Editor) (1911年). “Industries: Silk-weaving”. A History of the County of Middlesex: Volume 2: General; Ashford, East Bedfont with Hatton, Feltham, Hampton with Hampton Wick, Hanworth, Laleham, Littleton. Institute of Historical Research. 2011年11月18日閲覧。
  14. ^ a b Freethy 2005, p. 62
  15. ^ Guest 1823, p. 8
  16. ^ W. English, The Textile Industry (1969), 89–97; W. H. Chaloner, People and Industries (1093), 45–54
  17. ^ Timmins
  18. ^ Guest 1823, p. 47-48
  19. ^ Bellerby 2005, p. 17
  20. ^ Freethy 2005, p. 86
  21. ^ "An Act for continuing severall Laws therein mentioned, and for explaining the Act intituled An Act to prevent the Exportation of Wooll out of the Kingdoms of Ireland and England into Forreigne Parts and for the Incouragement of the Woollen Manufactures in the Kingdom of England" Statutes of the Realm: volume 7: 1695-1701 (1820), pp. 600-02. URL: http://www.british-history.ac.uk/report.asp?compid=46972. Date accessed: 16 February 2007.
  22. ^ John A. Garraty; Mark C. Carnes (2000). “Chapter Three: America in the British Empire”. A Short History of the American Nation (8th ed.). Longman. ISBN 0-321-07098-4. http://edweb.tusd.k12.az.us/uhs/WebSite/Courses/APUSH/1st%20Sem/Garraty%20Short%20History%20Chapters%201-18/chapter_threei.htm 
  23. ^ Bartholomew Dean 2009 Urarina Society, Cosmology, and History in Peruvian Amazonia, Gainesville: University Press of Florida ISBN 978-0813033785 [2]
  24. ^ Bartholomew Dean. "Multiple Regimes of Value: Unequal Exchange and the Circulation of Urarina Palm-Fiber Wealth" Museum Anthropology February 1994, Vol. 18, No. 1, pp. 3–20 available online)(paid subscription).
  25. ^ David A. Scott, Pieter Meyers, ed (1994). Archaeometry of Pre-Columbian Sites and Artifacts: Proceedings of a Symposium Organized by the UCLA Institute of Archaeology and the Getty Conservation Institute, Los Angeles, California, March 23–27, 1992. Getty Publications. p. 8. ISBN 978-0-89236-249-3 





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