オーラ 語義・用法

オーラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 13:28 UTC 版)

語義・用法

現代日本では、人間の存在感や風格がある様子を指して「オーラがある」と表現することがある[5]。単に「人間の雰囲気」という意味でも使われる[6]

英語aura18世紀に使われ始めた言葉で、などの微かな芳香、人や場所に感じられる独特の雰囲気などを表す[7]。英語としてはやや文語的な表現である。漢字表記では「奥拉」となる[要出典]

精神医学においては、アウラ英語版(オーラ)は、かつては癲癇や偏頭痛の発作の前ぶれの症状を表す用語として用いられた(現在では、発作の前兆とされたものは実際には前駆症状ではなく部分発作そのものであると考えられている)。後述の#精神医学におけるアウラ(オーラ)を参照。

ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンは「複製技術時代の芸術作品」などの論文で、複製ではないオリジナルの芸術に人が見出す権威、崇高さを指して「アウラ」(オーラ)[注 3] という言葉を用いた[8]

超心理学ニューエイジ・スピリチュアリティの分野では、オーラとは、宗教美術における後光光背のように、人や物体を取り巻く微妙に輝く層であるとされる。このようなオーラの描写は、しばしばその人物が特別な力や神聖さを持つことを暗示している。全ての物体や生物がオーラを発しており、生来の超能力者または訓練によって感知できるとされ、インド神話における第三の目英語版なども関連付けられる[9][10]。人間の性格の特徴とオーラの各層の色には関連があるとする記述も見られる[11][12][13]。人間を取り巻く思考や感情の地図として描写されることもある[14]

オーラは近代神智学特有の概念ではないが、日本には大正時代に近代神智学の著作を介して広まり、人体の周りにその人の資質や思想に応じて現れる様々な色と形の光であり、アストラル体の別名ともされた。オーラは神智学の影響の弱かった戦前の日本でかなり普及した神智学系の概念で、日本では気とオーラを同一視する見方もあり、儒教や近世養生論と結びつき、道徳的行為が良いオーラを通して健康を守るともいわれた[15]

このように、オーラ (aura) という言葉には「霊気」、花などの香気、癲癇やヒステリーの発作の前兆、人物のカリスマ性の表現など、さまざまな意味・用法がある[16]。比較文化史家の竹下節子は、オーラは比喩的なもの、現実的な現象とされるもの、生命力をあらわすもの、聖性をあらわすものなど、きわめて多様性に富む文化的概念だと指摘している[16]


注釈

  1. ^ 語源は古代ギリシア語: αὔραアウラーラテン語: auraアウラである(#語義・用法参照)。
  2. ^ 現代ギリシャ語 αύρα の発音は「アヴラ」[3]
  3. ^ 山口裕之編訳『ベンヤミン・アンソロジー』の「技術的複製可能性の時代の芸術作品〔第三稿〕」では、それまでの日本語訳と異なり、訳語にアウラではなくオーラが採用されている。
  4. ^ 癲癇は、古代ギリシャ・ローマでは〈神の意思が働いて生じたもの〉と解釈され、「神聖病」と呼ばれていた。
  5. ^ 中国のに類するインドの概念。

出典

  1. ^ a b オーラ(aura)”. デジタル大辞泉. 小学館コトバンク (2013年6月). 2015年6月3日閲覧。
  2. ^ Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon, αὔρα (Perseus Digital Library); Liddell and Scott, An Intermediate Greek-English Lexicon, Oxford University Press, p. 133.
  3. ^ αύρα 発音辞書 Forvo
  4. ^ 田中秀央『羅和辞典』研究社、63頁。
  5. ^ オーラのある Weblio類語辞書
  6. ^ オーラ【aura】”. 大辞林 第三版. 三省堂コトバンク (2006年10月27日). 2015年6月3日閲覧。
  7. ^ 『ジーニアス英和大辞典』
  8. ^ 「複製技術時代の芸術作品」ヴァルター・ベンヤミン
  9. ^ Jack, Alex The New Age Dictionary First Edition: Kanthaka Press:1976; Second Edition Japan Publications, Inc. Tokyo and New York:1990 (Page locations taken from Second Edition)--"Aura"の定義 (p. 14); "Third Eye" の定義 (p. 200) を参照せよ。
  10. ^ Glossary of Psi (Parapsychological) Terms (A-D)”. Parapsych.org. 2015年3月5日閲覧。
  11. ^ Oslie, Pamala: Life Colors, What the Colors in Your Aura Reveal, New World Library, 2000.
  12. ^ Bowers, Barbara, Ph.D: What Color Is Your Aura? Personality Spectrums for Understanding and Growth, Pocket Books, 1989.
  13. ^ Swami Panchadasi The Human Aura: Astral Colors and Thought Forms Des Plaines, Illinois, USA:1912--Yogi Publications Society. Available: here [1] (accessed 4 March 2010)
  14. ^ Brennan, Barbara Ann (1 May 1988). Hands of Light: A Guide to Healing Through the Human Energy Field. Bantam Books. pp. 109–110. ISBN 0553345397. https://books.google.co.jp/books?output=html_text&id=M3dOAgz05bQC&q=Character+structure&redir_esc=y&hl=ja 2014年6月22日閲覧。 
  15. ^ a b 吉永進一 『近代日本における神智学思想の歴史』 宗教研究 84(2), 579-601, 2010-09-30 日本宗教学会
  16. ^ a b 竹下節子 『大人のためのスピリチュアル「超」入門』 中央公論新社、2005年、141頁。
  17. ^ a b c オーラは科学か? オカルトか? 19世紀末の「科学的」オーラ研究 前編 伊泉龍一
  18. ^ テッド・アンドリューズ 著、伊藤綺 訳 『あなたにもオーラは見える』成甲書房、2007年。 
  19. ^ ジェーン・ストラザーズ 著、伊藤綺服部由美 訳 『オーラを見る:自分とまわりのオーラを読み取り、健康と幸福のために生かしてみたい初めての人々へ』産調出版、2006年。 
  20. ^ a b c Drury, Nevill (2002). The Dictionary of the Esoteric. London: Watkins Publishing. p. 23.
  21. ^ a b フレッド・ゲティングズ 『オカルトの事典』 松田幸雄訳、青土社、1993年、92-93頁。
  22. ^ a b c d e Greer, John Michael (2003). The New Encyclopedia of the Occult. Woodbury, MN: Llewellyn Publications. p. 51.
  23. ^ チャクラ The Skeptic's Dictionary 日本語版 二千年紀のための懐疑論ガイド Robert Todd Carroll
  24. ^ オーラ 株式会社ガイアブックス
  25. ^ と学会 『トンデモ超常現象99の真相』 洋泉社〈洋泉社文庫〉、2006年、247-250頁。
  26. ^ auras - The Skeptic's Dictionary”. Skepdic.com. 2015年3月5日閲覧。SkepDic日本語版「オーラ」
  27. ^ Deprez, L. et al.. “Familial occipitotemporal lobe epilepsy and migraine with visual aura <Internet>”. 2007年7月16日閲覧。
  28. ^ Hill, Donna L. et al.. “Most Cases Labeled as "Retinal Migraine" Are Not Migraine <Internet>”. 2007年7月16日閲覧。
  29. ^ 長田典子, 北村紗衣, 湯澤優美 ほか、「共感覚の地平 : 共感覚は共有できるか? : 表象文化論学会第4回大会パネル記録集」 2012年 , ISBN 9784990609108、(編)北村紗衣
  30. ^ a b c d e f g h i オーラは科学か? オカルトか? 19世紀末の「科学的」オーラ研究 後編 伊泉龍一
  31. ^ a b c d e f g h 加藤有希子 『カラーセラピーと高度消費社会の信仰ーーニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?』サンガ、2015年、178-182頁。ISBN 978-4865640281 
  32. ^ 加藤有希子 『カラーセラピーと高度消費社会の信仰ーーニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?』サンガ、2015年、168-178頁。ISBN 978-4865640281 
  33. ^ Kilner, Walter J., The Human Atmosphere, or the Aura Made Visible by the aid of Chemical Screens , 1911, 再版 "The Human Aura" Citadel Press, NY, 1965
  34. ^ The Human Atmosphere by Walter J. Kilner (Internet Sacred Text Archive)
  35. ^ 『世界大百科事典』「オーラ」
  36. ^ Major Arthur E. Powell, The Etheric Double and Allied Phenomena, 1925.
  37. ^ 吉進一、「近代日本における神智学思想の歴史(<特集>スピリチュアリティ)」『宗教研究』 2010年 84巻 2号 p.579-601, doi:10.20716/rsjars.84.2_579, 日本宗教学会
  38. ^ ウィリアム・W・アトキンソン 著、林陽 訳 『引き寄せの法則 オーラ篇 オーラのパワーが思いを物質化していた』徳間書店、2008年。 
  39. ^ フレデリック・ルノワール 著 『仏教と西洋の出会い』今枝由郎・富樫瓔子 訳、トランスビュー、2010年。 
  40. ^ a b c d The Skeptic's Dictionary 日本語版 二千年紀のための懐疑論ガイド Robert Todd Carroll
  41. ^ エミリー・ローザ - Association for Skeptical Investigation of Supernatural (超常現象を懐疑的に調査する会)
  42. ^ セラピューティック・タッチ さあさんの秘密の小部屋 士別市立病院 澤口裕二
  43. ^ a b c 〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第216回 セラピューティック・タッチ 李啓充 医師/作家(在ボストン)、医学書院
  44. ^ オーラソーマとは 株式会社和尚アートユニティ
  45. ^ バーバラ・ブレナン『光の手―自己変革への旅 上・下』三村寛子・加納真士 翻訳、1995年
  46. ^ a b c マイケル・タルボット『投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』川瀬勝 翻訳、春秋社、2005年 ISBN 4-393-36624-7
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  48. ^ バーバラ・アン・ブレナン『光の手(上)』『癒しの光(上)』河出書房
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  50. ^ バーバラ・アン・ブレナン『光の手(上)』河出書房
  51. ^ リチャード・ガーバー 著『バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像』上野圭一、真鍋太史郎 翻訳、日本教文社、2000年
  52. ^ ロバート・C・フルフォード 著、ジーン・ストーン 著 『いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力』 上野圭一 翻訳、翔泳社、1997年
  53. ^ ジェームズ・オシュマン『エネルギー療法と潜在能力』 帯津良一 訳、エンタプライズ、2005年
  54. ^ Synesthesia may explain healers claims of seeing people's 'aura'
  55. ^ a b c オーラロード オーラロードが開かれた 同人用語の基礎知識
  56. ^ a b c 藤井正美,長谷川寿紀,林隆 『てんかんQ&A: こんなことも聞いていいでしょうか』日本文化科学社、2001年。 





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