オーラと治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 17:30 UTC 版)
ニューエイジでは、通常医療以外の様々な治療法が流行したが、その中にオーラの概念を用いた療法もある。ニューエイジ・ヒーリングの一つであるオーラ・セラピーでは、人間のオーラを読み取り操作することで、病気を診断・処方する。オーラ・セラピストは、オーラとは身体を包むエネルギー・フィールド(生命エネルギーの層)であり、肉体に病気が現れる前に、オーラにその徴候や病気そのものが示されると考えている。ジェームズ・ランディは、オーラ・セラピーで最も人気があるのは、セラピューティック・タッチ(治療的接触、手かざし)であると述べている。 セラピューティック・タッチは、アメリカ神智学協会会長を務めた心霊治療家(ヒーラー)のドラ・クンツ(英語版)と、ニューヨーク大学看護学部教授・看護師のドロレス・クリーガーが体系化したもので、補完医療としてアメリカで広く行われている。これは手を用いて患者のヒューマン・エネルギー・フィールドを感知することができ、それを手かざしで調整して病気を治すことができるとするもので、エネルギー療法に分類されている。治療効果は科学的に証明されておらず、エビデンスに基づく医療ではないが、看護師によって病院で行われることもある。ヒューマン・エネルギー・フィールドを感知できるという主張や理論、治療効果には疑念が呈されており、1996年には9歳の少女エミリー・ローザ(英語版)が実証実験を行い、セラピューティック・タッチを行うヒーラーが、実際にはヒューマン・エネルギー・フィールドと呼ぶオーラを感知できていないことが示され、この治療理論の根本に疑問が呈された。2012年の実験では、セラピューティック・タッチのヒーラーによるセラピーと、セラピューティック・タッチに懐疑的な医療者が形だけを真似した場合に、患者の倦怠感軽減効果に差異がないことが明らかにされた。この結果により、セラピューティック・タッチの効果がプラセボ効果である可能性が示唆された。アメリカ国立衛生研究所・補完代替医療センター(現・アメリカ国立補完統合衛生センター)ではセラピューティック・タッチを研究対象としていたが、科学の名に値しない研究に多額の予算を配分しているとしてメディアから非難が起こり、補完代替医療センターの存在意義を問う事態となった。 1980年代に、イギリスの透視能力者ヴィッキー・ウォールが、瞑想中の啓示により始めたというオーラ・ソーマ は、全体論的な魂のセラピーであり、身体と心と精神を調和させ、オーラを活性化するとされている。精油とハーブの抽出液、クリスタルと鉱物のエネルギーとの組み合わせからなるという、上下が二層に分かれた色とりどりのボトルを用いる。インドのチャクラの概念を取り入れ、7つのチャクラは虹の7色にそれぞれ共振するとし、オーラソーマはチャクラを通して作用するとしている。
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