ばいしん‐せいど【陪審制度】
陪審制度(ばいしんせいど)
陪審制
(陪審制度 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 02:30 UTC 版)
陪審制(ばいしんせい、英: jury trial, trial by jury)とは、陪審員が判決や事実認定を行う合法的な手続きのことである。これは、裁判官または裁判官団がすべての決定を下すベンチ・トライアル (bench trial)とは異なる。
注釈
- ^ 法域 (英:jurisdiction) とは、ある法体系によって支配されている領域をいい、単一国家の場合は国家の領域と法域が一致するが、アメリカ合衆国の場合は連邦と各州それぞれが独立した法体系を形成しているため、それぞれが法域に当たる。参照:浅香 (2000: 3)。
- ^ トライアル (trial) とは、刑事事件及び民事事件において、事実認定を行う陪審又は裁判官の前で、証人尋問等の証拠調べを行うとともに、双方当事者が弁論を行う英米法上の手続である。
- ^ 陪審は事実認定だけでなく、認定した事実に、説示された法を適用する作業も行う。浅香 (2000: 100)、丸山 (1990: 9)。
- ^ そのような批判がされた例として、日本人留学生射殺事件の刑事裁判で、日本人留学生を射殺した男性に12人全員の一致で無罪評決が出された事例がある。
- ^ アメリカの場合、ほとんどの法域で、陪審員には1日数十ドル程度の日当と交通費が支払われる。浅香 (2000: 111)。連邦裁判所の場合、日当は1日40ドル (28 U.S.C. §1871(b)(1))。
- ^ 例外として、アメリカの州のうち、インディアナ州、メリーランド州、ジョージア州では陪審が法と事実の双方を決めるとの憲法の規定があるが、いずれの州の判例もその規定を限定的に解釈しており、陪審が恣意的に裁判官の説示を離れて法律判断を行うことは認めていない。Leipold, Anderew D. (1997). “Race-based Jury nullification: Rebuttal (Part A)”. John Marshall Law Review 30: 923.
- ^ アメリカでは、合衆国憲法修正5条(日本語訳/原文)で保障されている。
- ^ そのような活動を行うアメリカの団体として、FIJAが知られている。参照:FIJAウェブサイト。
- ^ 死刑求刑事件では双方20人ずつ、それ以外の重罪事件(自由刑の上限が1年を超える)では被告人側が10人で検察側が6人、軽罪事件(罰金刑又は自由刑の上限が1年以下)では双方3人ずつの理由なし忌避を行使することができる。
- ^ 無罪判決による審理の終了は陪審の評決前にも可能である。Ibid. (591-592)。
- ^ 例えば、原告の訴状に、求める救済内容を基礎付けるだけの主張が記載されていない場合、被告の申立てによって訴えは却下 (dismiss) される。連邦民事訴訟規則Rule 12(b)(6)、浅香 (2000: 70)。
- ^ 再審理を命じるか否かは、裁判官の裁量が大きい。丸山 (1990: 90)。
- ^ Administration of Justice (Miscellaneous Provisions) Act 1933。後述の1981年最高法院法69条により改正。
- ^ ただし州裁判所の略式手続で選択可能な量刑は、The Crime and Punishment (Scotland) Act 1997 s.13により、倍の6か月になった(2000年の時点で未施行)。
- ^ 情状に関する事実の尋問・証拠調べは、陪審の答申後に行うこととされていた(大審院昭和4年10月19日判決・刑集8巻537頁)。
- ^ なお、このうちの1件、普天間事件に陪審員として参加した伊佐千尋は、この裁判を題材としてノンフィクション『逆転』を執筆した。そこでの実名の使用がプライバシー権の侵害となるか否かが後に訴訟で争われ(ノンフィクション「逆転」事件)、その最高裁判決はプライバシーに関するリーディングケースとなった。
出典
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