情状とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 状態 > 状態 > 情状の意味・解説 

じょう‐じょう〔ジヤウジヤウ〕【情状】

読み方:じょうじょう

実際事情実情。「—を考慮する

刑事訴追を行うかどうか判断刑の量定にあたって斟酌(しんしゃく)される事情通常犯人性格年齢境遇など。


量刑

(情状 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 09:28 UTC 版)

量刑(りょうけい)とは、裁判官法定刑を定める罰則に刑法総則を適用して定まる処断刑の範囲内で、被告人に下すべき宣告刑を決定する作業のこと。刑の量定ともいう。

処断刑の決定

犯罪については、その行為ごとに刑法(広義の刑法。「刑法」の表題をもつ法律に限らず罰則規定をもつ法律全般を指す。)で法定刑が定められているが、当事者に別に刑法典に定める事情がある場合は刑の加重減免の判断が行われる(刑法第12章「酌量減軽」第13章「加重減軽の方法」)。

各法定刑に基づき刑の加重減軽の順序(刑法72条)により判断決定した1刑が量刑の前提となる処断刑となる。数罪がある場合も各々の法定刑について処断刑を求めて合算等をするのではない。

基準となる法定刑には上限・下限の幅があるため、処断刑も幅をもって決定される。

適用罰条の決定

適用罰条(単に「適条」とも)を決定する。罪刑法定主義に基づく。

科刑上一罪

観念的競合または牽連犯に当たる時は、量刑上は一罪として扱う。

刑種の選択

適条が複数の種類の刑罰を定める場合、犯罪行為がいずれの刑種に当たるべきか検討する。

なお、罰金刑などの任意的併科の規定がある場合に問題となる(「観念的競合」などを参照)。

加重、減軽および免除

加重減軽の順序

同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による(刑法72条)。

  1. 再犯加重
  2. 法律上の減軽
  3. 併合罪の加重
  4. 酌量減軽

再犯加重

再犯加重(刑法第10章累犯」)は次の例による。(「累犯」も参照)

  • 再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の2倍以下とする(刑法57条)。三犯以上の者についても、再犯の例による(刑法59条)。

法律上の減軽および免除

法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による(刑法68条)。

  1. 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮とする。
  2. 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、7年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
  3. 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の2分の1を減ずる。
  4. 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の2分の1を減ずる。
  5. 拘留を減軽するときは、その長期の2分の1を減ずる。
  6. 科料を減軽するときは、その多額の2分の1を減ずる。

法律上の減軽は、その原因が数個ある場合でも、一回しかできないものとされている。これには、刑罰各条に定める個別減軽を含める。

法律上の減軽(一般規定)には次がある。

併合罪加重

併合罪加重(刑法第9章「併合罪」を参照)。(刑法47条

酌量減軽

66条の文言から「情状酌量」と俗称される事もある。

犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる(刑法66条)。法律上の減軽ができる場合であっても、酌量減軽することが可能である(刑法67条)。酌量減軽も、法律上の減軽の例による(刑法71条)。

酌量減軽は、法定刑の最低をもってしても、なお重い場合にすべきものとされている。ただし、20年を超え30年以下の懲役刑を言い渡す場合は、無期懲役を選択してから酌量減軽をする場合があり、また、死刑を選択してから無期懲役に減軽する場合もある。

加重減軽の範囲

  • 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮を減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合においては、その長期を三十年とする。(刑法14条1項)
  • 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては30年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては1月未満に下げることができる。(刑法14条2項)
  • 罰金を減軽する場合においては、1万円未満に下げることができる。(刑法15条

宣告刑の決定

上述の作業によって得られた処断刑の範囲内において、具体的に宣告する刑(宣告刑)が決定することになる。

なお、宣告刑の決定には、処断刑の決定の場合のような法定の明確な基準は存在しないので、被告人の態度や検察官の意見(求刑)、量刑に関する関係者の嘆願書なども考慮に入れて裁判所が自身の判断で決定することになる。

従前は職人芸の世界であったが、裁判員裁判の導入に伴い、行為責任を基本としてその幅の中で加重減軽をする考えかたが示された上(最高裁判所「量刑の基本的な考え方について」2009年5月)、量刑のデータベースが整備されるに至っている。

量刑不当

量刑が不当(量刑不当)であると判断した場合、検察官・被告人共に上訴をすることができる(刑事訴訟法第381条、第414条)。

参考文献

  • 大谷實『新版刑法講義 総論』549頁(成文堂、2000年)

関連項目

  • 求刑
  • 減刑(恩赦の一種。法律用語上は減軽とは別の用語) ‐ 減刑嘆願・上申書・反省文にて減刑となる場合がある。
    • 免責宣誓英語版(無罪立証、雪冤(せつえん)宣誓) ‐ 中世に行われた被疑者の友人や関係者等12人ほどが保証宣誓することで無罪宣誓する裁判方法。

外部リンク


情状

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 05:37 UTC 版)

名詞

じょうじょう

  1. 実際事情
  2. 法律刑事訴追を行うかどうか判断量刑影響する、当事者事情

発音(?)

じょ↗ーじょー

関連語


「情状」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



情状と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「情状」の関連用語

情状のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



情状のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの量刑 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの情状 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS