義一側
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:19 UTC 版)
義一(よしかず) 声 - 杉田智和 鬼畜一家の長。菊池島を狂わせた張本人。魔石の影響で超人的な筋力と生命力を持っており、普段はガリガリに痩せ細った体型だが、力を発揮すると筋骨隆々の体型に変化する。ただし、基本的には自分で筋力をコントロールすることができないため、普段は主にカオルなどの他の家族のサポート、司令塔役に徹する事が多い。ただし、異形化した東山の襲撃の際は、襲われて負傷した際、フックとなった右腕で東山の首を刺し付けた後、筋肉を増強させて反撃に転じている様子があり、ある程度はコントロールができる事が伺える。 子供の頃から、神の声に従って異端の教えを行っていた。サンタマリアによって異端審査官である真梨子が訪れることを予言されていた義一は、滅びの子を産むために真梨子と結婚する。しかしこのときは義一が童貞ではなかったことが原因で滅びの子が産まれることはなく、マリとカオルをもうける。ある日、カオルがいじめっ子に重傷を負わせたことで、それまで島民の間に溜まっていた義一一家に対する不満が爆発する。家に押しかけてきた島民を鏖殺しようとするが、伊佐知の銃弾に倒れる。捕縛された一家全員が島民に拷問されるなか、サンタマリアが顕現する。さらに義一の予言が的中したことで島民の心を掌握し、菊池島を廃棄物処理場にする計画を実現する。菊池島に放射性廃棄物が捨てられるようになってから、水揚げされる魚に奇形魚が増えたり、体調不良を訴える島民が続出するといった目に見える影響が出始めた。そのことに島民の怒りが爆発すると、伊佐知とハナクロと共に魔石を発掘し、異能の力を得る。しぼんでしまった肉体を元に戻すため、神の力を賜わろうと十字架にかかっていたときに、高久たちと遭遇する。自身も鬼畜一家に遭遇した被害者を装って高久たちを観察する。力が戻り彼らを不要な人間と判断するとカオルとともに殺戮に転じる。しかし秀男の登場によって劣勢に陥ると、友香を攫って逃亡する。2度目に高久たちを襲撃した際に右手と頭部を激しく損傷する。完全に再生することは叶わず、以降頭部には鉄板を、右手には鉤爪をつけている。 滅びの子をめぐって真梨子と対立しており、マリが真梨子の側についたことで対立関係に決着をつけることを決意するが、後に魔石の他にこれを正しく扱う方法と滅びの子の作り方が記載されたアポクリファの存在を知ってからは、これまでの真梨子側の一家との対立を止め、互いに協力をし合うようになり、マリアおろしにより、超人化した東山を一家の連携プレイによって倒し、捕らえることに成功した。 カオル 声 - 花江夏樹 義一の長男。サトルからは「兄ちゃ」、カンナとアンナからは「バカオル兄貴」と呼ばれている。 豚のマスクをかぶった肥満体型の大男。このマスクは、幼少期にいじめられていたカオルを想った義一が、バカにされないようにとかぶせたもの。常に濁点のついた発声をする。外から来た人間を躊躇なく殺す程に凶暴な性質を持つ一方、体格に似合わず精神的に幼く、言動からもそれが伺え、自分の血を見て卒倒する、銃声やお化けを恐れて逃げるなど気が弱い。また、火が大好きであり、何かが燃えているところを見ると周りが見えなくなるほど興奮し、暴走する。これが原因で殺意もなく意図していないとは言え、カンナを踏み殺してしまっている。 殺戮の際にはチェーンソーのほか、金槌や石による力任せの攻撃も多い。幼少期には包丁も使っていた。監禁した亜美をサンタマリアだと信じ込み、村田に殺されそうになったところに亜美にチェーンソーを投げ渡して村田を殺せるよう手を貸し、最後にはエンジンを投げ落として圧死させて助ける。その後、亜美と結婚式を挙げる。 真梨子側の家族と和解した頃合いから、時折、ぼんやりとした表情と、何らかの気配をしきりに感じる様子を見せるようになる。また、家族にはとある事を隠しており、今のところ、家族の中でこの隠し事を察しているのは心が読める能力を持つ弟のサトルのみであるが、何故かカオルの隠し事を全て見抜くことができず、ぼんやりとしか読めていない状態にある。 マリ 声 - 新田恵海 義一の長女でカオルの姉。カオルからは「姉ぢゃ」、カンナとアンナからは「マリ姉」と呼ばれている。外見上は女子高生を思わせる制服姿であり、男勝りの雄々しい喋り方が特徴であり、自身の指にメスを埋め込んだ極度のサディストで、気に入った顔の皮を剥ぐことと男を嬲るのが趣味。魔石の力により、非常に俊敏な動きが出来、指に埋め込まれたメスで切り付けるのが、基本的な武器としている。 幼い頃におとき婆さんによって鼻から下を損傷させられており、子供の頃はマスクで、現在は人の皮膚のようなもので傷口を隠している。元々は高久と敵対しており、「気弱な奴」と見下していたが、魔石に対して高い適合を見せたのを機に見方が変わり、さらにその影響で凶暴性が露わになった姿を目の当たりにして男として意識するようになり、次第に「ダーリン」と呼ぶようになる。高久に対するマリの想いに気づいたハナクロにそそのかされ義一たちと決別する。その後、真梨子にマリと高久なら滅びの子を作れると告げられ、その気になる。高久との間に子を成すためにマリアおろしの儀式を行い、一時は損傷した箇所が再生し、元の顔に戻ったが、義一らのマリアおろしによる妨害で失敗する。その後は高久を手懐けようと、拷問と敢えて高久を逃がさせて追いかけ回し、捕獲してキスをして飴と鞭を使い分けて、陥落させようと行動し、その過程で共に島を訪れた上原にまだ、気があることを知った際は嫉妬する様子を見せ、始末をしようと考えるようになり、後に異形となった東山が正気を取り戻し、本性を表して上原を連れ去った際は、恐怖で動けず泣き腫らす高久を叱咤するなど、半ば利害の一致で行動を共にする流れとなる。また、同時に義一側の家族らと半ば成り行きで和解する事となり、再び行動を共にするようになる。 サトル 声 - 二ノ宮ゆい 義一の次男。両目を縫い付けられた制服姿の少年。語尾に「〜デショ」と付ける特徴的な話し方をする家族の一人。マリたちの襲撃を退けた夜、村田の振る舞いに嫌気が差した高久が脱走しようとした際に出会う。学校に連れて行くことを条件に、高久たちの菊池島脱出の手助けをする。人の心を読む能力を持っている。ただ、この読心術は余りに刺激の強い内容の記憶を読み取ってしまうと、その刺激に耐えきれずに混乱してしまうという弱点があることが伺え、高久が本家に侵入した際、高久に施された呪術的防衛マーキングによってその姿を化け物として捉えてしまい、錯乱状態になり、ゾンビ化した伊佐知からアポクリファの内容を読み取った際は悲鳴をあげて錯乱するほどのダメージを受けてしまっている。そして亜美の心が読めないことから亜美がマリアであり滅びの子を産む者であると断言する。 真梨子側の家族との和解後は、心を読み取れる能力を駆使して対峙した東山の嘘の降伏を見破ったのを皮切りに、攻撃の方向を瞬時に読み取り、義一に教えて避けやすくさせる、カオルに指示を出して東山の攻撃から身を交わさせて逆にチェーンソーで攻撃させるなど、卓越したサポートと連携プレイを披露している。 ただし、この心が読める能力は完全ではないらしく、滅びの子を産む可能性を秘めた亜美の心を全く読み取ることができなかったり、アポクリファや『アリス母ちゃん』なる存在の事を必死で隠そうとしているカオルの心は僅かしか読み取ることができなかった。縫い合わせた瞼を完全に解き放てば、完全な読心術が使えるようになるが、過去に義一が真梨子以外の女性に好意を持っていることを見抜いて真梨子の前で暴露した事があり、それが切っ掛けで真梨子が怒って義一の元を離れる事になってしまう事態を引き起こしてしまった事を苦に自身の目を縫って無闇な能力の発動を抑えている。そのため、カオルの隠し事を完全に見抜くまでには至らず、カオル自ら明かすまで待つことにしているが、同時に家族が完全にバラバラになってしまい得る事を危惧している。 しかし、その危惧の直後に対峙した、ゾンビと化した伊佐知の生前の記憶を読み取ると、伊佐知がアポクリファを読んでいた記憶を読み取ったことにより、アポクリファの内容が伊佐知の生前に見た記憶を通して一気にサトル自身に入ってきた結果、縫合した瞼の糸が完全に切れて眼が完全に開けるようになり、読心術が完全に開放されたものの、そのアポクリファの内容が余りに刺激の強すぎる内容だっため、悲鳴をあげて混乱してしまい、さらにカオルの記憶を不意に読み取った際、カオル自身もまた、アポクリファを読んでいたため、さらなる過剰な刺激がサトルに流れ込んだため、更なる精神的ダメージを受けたことでダウンしてしまう。 おとき婆さん 巨大な老婆。その大きさは顔だけでも義一の身長ほどもある。義一の実の母親にあたるが、義一からは「ばあちゃん」と呼ばれている。マリ曰く子供好きであるようだが、それが災いし、幼少期のマリに口元から下に重傷を負わせてしまった過去がある。常に赤ちゃん言葉を話し、本家に侵入した高久を赤子のようにあやす。死後、義一によって墓から掘り返され魔術によって蘇る。義一の力では眼球を動かす程度の力しか戻らなかったが、真梨子の力で完全に蘇生する。ただ、真梨子とはあまり仲が良くない様子であり、度々「あの嫁〜」と発している様子を見せていたが、滅びの子を誤って殺して以降は本性を現した東山が滅びの子を巡る共通の敵となった事もあり、半ば、なりゆきで和解し、度々会話をするようになる。呪術的防衛が効かない。東山にマリアおろしを行なう、真梨子と魔術対決を行なうなど、魔術に長けている他、その巨体を生かして一家のサポートを行うこともある。また、高久が超人的能力を手にする切っ掛けをもたらした人物でもある。 東山と対峙した際は、真梨子の施しによって巨漢となった東山の肉体が崩壊を始めた際、家族を巻き添えにしようとしていたところを捕らえて阻止するなど、一家の勝利に王手を掛けた。
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