発生以後の経緯とは? わかりやすく解説

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発生以後の経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 05:55 UTC 版)

「やおい」の記事における「発生以後の経緯」の解説

ボーイズラブ#歴史」も参照 女性作者による男性同性愛題材とした創作作品、という広い意味ではやおい作品の起源19世紀小説までさかのぼることができるが、大衆文化として認識されはじめたのは消費社会化が進んでからである。 少女漫画世界では初期段階1960年代から1970年代)から性別越境的な要素を含む作品存在しており、例え手塚治虫『リボンの騎士』登場するサファイア池田理代子の『ベルサイユのばら』に登場するオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは「男装女性」と設定されている。このほか、1970年代には『真夜中のカーボーイ』『ベニスに死す』といった男性同性愛描写を含む映画ヒットするなどしていた。 少女漫画初め少年同士恋愛描いたのは1970年竹宮惠子の『サンルームにて』であり、その後1970年代には「花の24年組」と呼ばれる少女漫画家たちが登場する彼女らによる少年同士恋愛描いた漫画竹宮惠子の『風と木の詩』、萩尾望都の『トーマの心臓』、山岸凉子の『日出処の天子』など)や森茉莉などによる耽美小説呼ばれる美少年文学が、やおいが出現する直接的な背景となった。ただしこの頃少年愛ものの漫画では「少年愛の持つ背徳感」に力点置かれていたのに対しこの後登場するやおい系作品ではなんの疑いもないものとして同性愛描かれているという違いがある。また性描写表現にも差異見られる(#ポルノグラフィ的側面参照)。 1975年末には、第1回コミック=マーケット開催された。参加者の9割は当時少女漫画ファン女子中高生であり、三崎尚人は、これは少女漫画ブーム反映したもので、コミケに来る女子イコール腐女子とは言えないと述べている。当時同人誌は、既存物語友情性愛読み替えるといった要素薄かったが、すでにやおい的な男性同性愛主題とした女性向け同人誌存在していた。とくにエポック・メイキングとなったのが、C1実質的な主催者であったまんが批評集団迷宮'75」による漫画批評誌『漫画新批評大系創刊準備号1975年7月)に掲載された『ポーの一族』の下ネタパロディ『ポル一族』である。この作品コミケにおけるパロディ二次創作源流みなされており、同作大ヒットしたことによって、やおい系のパロディ同人誌続出する大きな契機になった。なお、こうした作品当時ホモねた」という通称呼ばれていたという。後に『ポル一族作者コミックマーケット準備会初代代表の原田央男は「予想外結果もたらすことになったのが『ポル一族』で、受けた同時にそれまで同人誌にはほとんどなかった、パロディまんがが続出。さらに下ネタ材料としたホモセクシュアル描写で、読者歓心を買う作品次々と出現する及んで、今ではまるで『やおい』まんがの元祖扱い同時期にやおいの先駆的同人作品がすでに現れていたため、そこまで認めたくはないのだが、流行あおったと言われれば確かに返す言葉がない。(パロディが)原作をより楽しむための方法新たに広めてしまったこと、即ちパロディ一つスタイル開拓してしまったことは認めざるをえないわけで、それについては今も複雑な思いがする」と著書コミックマーケット創世記』(朝日新書)の中で述懐している。また原田同人誌即売会という場を漫画ファン与えただけではなくパロディといった「まんがの遊び方」を教えてしまったことで、結果としてコミケ主催者予想はるかに超えて開・成長していった記している。 1978年には「迷宮」集会参加していた佐川俊彦企画美少年男性同性愛)をテーマとした雑誌JUNE』がサン出版から創刊され、やおい的表現商業的な媒体登場することになる。『JUNE誌上では1980年代から竹宮惠子中島梓による漫画・小説指南コーナー連載され、これが後に多数優秀な作家生む基盤となった。ただし『JUNE』上には女性同性愛両性具有題材とした作品発表されており、完全に男性同性愛特化していたわけではない。 @media all and (max-width:720px){body.skin-minerva .mw-parser-output div.mw-graph{min-width:auto!important;max-width:100%;overflow-x:auto;overflow-y:visible}}.mw-parser-output .mw-graph-img{width:inherit;height:inherit} コミックマーケット主なジャンル割合推移J9、  GM、  C翼、  星矢、  うる星 コミックマーケット頒布800冊以上のサークル1979年には、前節述べたように「やおい」という表現発生したが、当初男性同性愛テーマにした作品を指す言葉ではなかった。やおいは1980年代後半には定着したとされるこの頃のやおい系同人誌原作アニメとして人気のあった作品には、1978年放送開始アニメ闘将ダイモス』、1979年放送開始『機動戦士ガンダム』1981年放送開始『銀河旋風ブライガー』・『J9シリーズ』・『六神合体ゴッドマーズ』などが挙げられる。これらはいずれ少年向けロボットアニメであり、キャラクターとしては『闘将ダイモス』のリヒテル『機動戦士ガンダム』シャア・アズナブルガルマ・ザビ『六神合体ゴッドマーズ』のマーグといった人物取り上げられた。 ただし三崎尚人は、『六神合体ゴッドマーズ』時点では、同人誌市場と言えるほどの広がりはなかったと述べている。 この時期はやおいアニメ雑誌以外のメディアで取り上げられることはなかった。1980年代前半にはアニメ雑誌アニメージュ上でも、若年層主要なターゲットとしていることもあって過激な描写を含む作品存在するやおい的な同人誌情報は扱わなくなった背景には吾妻ひでおらの『シベール』を起源とする男性向けロリコン同人誌表現問題視されていたこともあった)。それによって同人誌についての情報入手するには同人即売会に足を運ぶ必要性生じコミックマーケット来場者数大きく増加する1984年頃から漫画キャプテン翼』を題材としたやおい系同人誌大量発生し、やおいというジャンル大きく飛躍するきっかけとなった1986年の夏のコミックマーケット売り上げ半分は『キャプテン翼』の同人誌占めたとされるこれを機に「受け」「攻め」の概念(#カップリング)も整理され後述する「週刊少年ジャンプなどに連載され少年同士友情物語性愛読み替える」というスタイル定着する1988年には『サムライトルーパー』が放送され女性同人誌市場量的に大きく拡大したまた、当時同人誌レイティングR指定18禁などの年齢規制)がなく、誰でも通販購入することができた。同人誌には新刊既刊紹介があり、その際エッチシーンが含まれる作品には「やおいあり」または「や(○の中に「や」)あり」と説明する作家さんが大半だったため、濡れ場シーンのある作品を「やおい本」と呼んでいた。 阿島俊米沢嘉博)『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 : 状況論とレビューで読むおたく史』(久保書店)には、コミケット主催者でもあった米沢美少女コミック誌レモンピープル』(あまとりあ社誌上報告していた当時同人誌即売会状況がまとめられている。以下に一部を示す。 レモンピープルの号抜粋1985年8月号 コミックロフト参加サークルでは、アニメFC少女マンガ系が目立ったいわゆる美少女系やエロ物は少なかったようだ。アニメFCでは「キャプテン翼」系が増加していた。噂では夏のコミケットには200近いキャプ翼サークル参加するらしい。「J9」「ゴッドマーズ」に続く第3勢力となりそうだ。(81頁) 1986年3月号 はっきり、ここは女の子オンリーだ。そして、何故うけたかというなら、スケベホモパロディ出来少年キャラクターが、そこに沢山いたからである。それらの中には、かなり過激なものもある。なんてことはない。ロリコンとまったく同じ構造なのだ。(中略)もはや、キャプ翼軍団は、しばらくは止めることができない違いない。かつて女の子達がロリコンに眉をひそめながらも、それを遠巻きにして見守るしかできなかったように。(89頁) 1986年7月女の子達の間での「キャプテン翼人気は相変わらずすごく、某即売会では、一階分マルマルキャプ翼だったりしたそうだし、夏のコミケットにも1000近いキャプ翼サークル申し込みがあったとかいう話も聞いたひとくちに1000といっているが、それはコミケット参加サークルの2~3割にあたる。ロリコンブーム最盛期の頃ですら、ロリコンサークルの割合は1割以下だったことを考えればまさしく常人といえるだろう。(95頁) 1986年11月キャプ翼ジャンルは相変わらず人気集めていたが、それに星矢ジャンル加わった形でシーン作られていった。(中略若い女の子たちは、手に入れた「やおい」という方法論同人誌というメディアでさまざまな遊び実験行い熱狂祭り作り出し同人誌そのもの盛り上げていったのである。(103頁) 1990年代には、やおい系同人誌活躍していた作家スカウトされ商業ボーイズラブ方面活動の場を移すという傾向生まれた。『キャプテン翼』と同じく週刊少年ジャンプスポーツ漫画である『SLAM DUNK』によってやおい同人誌市場拡大しゼロ年代に入ると『テニスの王子様』の人気によって若年層小・中学生)の愛好家増えていった。また、『機動戦士ガンダムSEED』以降ガンダムシリーズのように、腐女子層を意識しているとみられるキャラクター設定作品制作される例もでてきた。1998年頃からはインターネットの普及に伴い同人サークルホームページ次々と開設しネット経由愛好家増えていく。このほか、1980年代後半から1990年代前半にかけては女性の間でゲイ描いた映画作品人気集めるなどする「ゲイブーム」があった。 ゼロ年代半ば頃から『電車男』のメディアミックス展開機に主に男性オタク対す注目集まったが、2007年頃から、腐女子ややおい・ボーイズラブといった文化メディアで取り上げられることが多くなった(腐女子参照)。また、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ゼロ年代前半頃からは腐男子腐兄といった用語の浸透とともに男性愛好者増加し、その存在認知されようになった。[要出典]

※この「発生以後の経緯」の解説は、「やおい」の解説の一部です。
「発生以後の経緯」を含む「やおい」の記事については、「やおい」の概要を参照ください。

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