トーマの心臓
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『トーマの心臓』(トーマのしんぞう)は、萩尾望都による日本の漫画作品。漫画雑誌『週刊少女コミック』1974年19号から52号に連載された。
注釈
- ^ 『トーマの心臓』のテーマについて、萩尾は「テーマはですね、いつ人は愛を知るのか、愛に目覚めるのか」と語っている[1]。
- ^ 『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューで萩尾は「その後イギリスへ旅行して、『ジーザス・クライスト・スーパースター』の映画をみました。これでキリスト教と、宗教の救いについていろいろ考えて、そして、やっと『トーマの心臓』の結末が頭に浮かびました。」と語っている。
- ^ 『トーマの心臓1』(小学館文庫・旧版 1980年)の作者あとがきに「いつだったか、ディディエ・オードパン主演の『悲しみの天使』という、男子寮を舞台にした友愛(?)映画を見たのですが(中略)、見ていた私は自殺した少年に同情するあまり立腹し、“恋愛の結果一方が自殺し、一方が「悪かった」と後悔して、そしておしまい、なんて、どうもその後が気になってしまう”といらだち、“じゃあ、誰かが自殺したその時点から始まる話をつくってみよう”というのでつくった話が実は『トーマの心臓』です」と記載されている。
- ^ オスカーに「アルツト」(Arzt、ドイツ語で「医師」の意味)と呼ばれている。
- ^ そのため、トーマとエーリクは「はとこ(またいとこ)」である。
- ^ 「番外編ではありません。後日談でもありません。」と作者は記している[5]。
- ^ 『CREA』1992年9月号「特集THE少女マンガ!! 夢の永久保存版」のインタビューの中で、作者は「最初この3部作を描きあげれば終わるはずだったのですが、やっているうちにアイデアが次々浮かんできて、時間のあいまを埋めていくようにストーリーが膨らんできました」と語っている。
- ^ 翌年の創立祭の前日に溺れたのは学校の名と同じガブリエル・スイスという上級生で、作品の中では溺れたというだけで死んだとの記載はない。しかし、『別冊少女コミック』1973年6月号に掲載された第3話の冒頭のあらすじに「この学校にはへんな伝説があった。2年まえロビン・カーという少年が張り出し窓から川へ落ち、それからその幽霊がでて毎年同じ日にだれかが死ぬというのだ。」と記載されており、ロビン・カー以後「同じ日にだれかが死ぬ」に該当するのは、この時点ではガブリエル・スイス以外にはいない。
- ^ 「みんなでお茶を」は『トーマの心臓』が『週刊少女コミック』に連載中の時期に『別冊少女コミック』に掲載された作品で、メガネを外した助手Aに対し「メガネかけろオスカー。今回はワキ役なんだ、カッコつけるな!」と作者自身がコマの隅でツッコミを入れている。また、『花嫁をひろった男』(『週刊少女コミック』1971年 春の増刊号)の主人公の名前もオスカーで、外観も両方のオスカー・ライザーによく似ているが、名字は不明である。
- ^ 作品中には冒頭に登場する校舎の外壁や冒頭およびエンディングに登場する鉄道駅の柵や列車の車両後部に原子力のマークがついた看板やヘッドマークが付けられているほか、劇中では和彦が薫に対し「発電所の事故の後遺症でね、(和彦の親が)2人とも死んでしまった」と話すなど、その設定を匂わせる描写、小道具もみられる。なお、「夏休み」期間ではなかったが、実際に1999年9月30日に茨城県東海村で2人が死亡した、当時としては国内史上最悪の原子力災害である「JCO臨界事故」が起きている(参考までに劇中に登場する駅から臨界事故が起きたJCOまで、直線距離で約36キロメートルほどしか離れてない)。
- ^ オープニングのタイトル表示直前とエンディングでスタッフロールに名前が載らない少年役(同じシーン・格好で登場)でも出演しているため、実質3役をこなした。
- ^ 恩田陸は『夏の名残りの薔薇』(文春文庫)巻末「恩田陸スペシャル・インタビュー」の中で、『ネバーランド』の念頭にあったのが『トーマの心臓』だと説明している。
- ^ 著者は『踊るギムナジウム』(徳間書店)のあとがきで、同作品について「萩尾望都のギムナジウム物のパロディーかオマージュか、そんな物に挑戦したつもり」で、「(同作品に登場する)ルートヴィヒの髪が長いのは、『トーマの心臓』に登場するサディスティックな上級生サイフリートが長髪だったから」と説明している。
出典
- ^ 『文藝別冊〔総特集〕萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』(河出書房新社 2010年 ISBN 9784309977348)に収載されているマット・ソーンの評論「萩尾望都と私とシンクロニシティと」より。
- ^ a b 『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューより。
- ^ 朝日新聞(1994年3月9日)の「むかし少年 もと少女」のコーナーより。
- ^ 『grape fruit(グレープフルーツ)』(新書館)に1981年7月に掲載されたエッセイ「しなやかに、したたかに」より。エッセイ集『思い出を切りぬくとき』(あんず堂 1998年 ISBN 4872822315、河出文庫 2009年 ISBN 4309409873)に収載されている。
- ^ a b 萩尾望都『トーマの心臓II』小学館〈Flower Comics Special 萩尾望都Perfect Selection 2〉、2007年7月31日。ISBN 978-4-09-131129-0。 296ページ参照。
- ^ エッセイ集『思い出を切りぬくとき』(あんず堂 1998年、河出文庫 2009年)に収載の「しなやかに、したたかに」参照。
- ^ 『週刊少女コミック フラワー・デラックス』1976年8月28日号に掲載。
- ^ スタジオライフ公式HP2003『トーマの心臓』キャスト一覧
- ^ スタジオライフ公式HP2010『トーマの心臓』『訪問者』キャスト一覧
- ^ スタジオライフ公式HP2014『トーマの心臓』キャスト一覧
- ^ スタジオライフ公式HP2016『トーマの心臓』『訪問者』『湖畔にて』キャスト一覧
- ^ スタジオライフ公式HP2022『トーマの心臓』
- ^ “深津絵里が美少年に!『1999年の夏休み』デジタルリマスター版公開”. シネマトゥデイ. (2018年7月26日) 2018年7月29日閲覧。
トーマの心臓
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「FRAGILE 〜さよなら月の廃墟〜」の記事における「トーマの心臓」の解説
萩尾望都による漫画。川島プロデューサーがインタビューで語ったところによると本ゲームの音楽は、この漫画の映画化作品『1999年の夏休み』の雰囲気やその映画で使われた中村由利子によるピアノの雰囲気に影響を受けている。
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