大衆文化として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:39 UTC 版)
「ブッシュレンジャー (集団)」の記事における「大衆文化として」の解説
トム・ロバーツ(ハイデルバーグ派の創始者で、オーストラリア印象派の先駆者)はブッシュレンジャーを『In a corner on the Macintyre(英語版)』(1894年)や『Bailed Up』(1895年)等の絵画に描いた(両方ともかつてキャプテン・サンダーボルトが活動したインベレルで描かれた)。 『The Story of the Kelly Gang(英語版)』(1906年)はブッシュレンジャーを題材にした初の映画ではなかったが、世界初の長編物語映画であり、そのジャンルにおける模範となった。この映画の成功を背景に、この映画の製作者らは『Robbery Under Arms』を制作した。オーストラリアにおける映画界の「黄金時代」(1910~1912年)の初期、ジョン・ゲイビンはブッシュレンジャーの実生活を描いたフィクション映画2作品を発表した。『Moonlite』(1910年)と『Thunderbolt』(1910年)である。ブッシュレンジャーを題材とした映画の人気は民衆に広がり、世界の映画史に前代未聞の金字塔を打ち立てた。1911年発表の『Dan Morgan』は題名にもなっているブッシュレンジャーを「狂った悪役」ではなく、「ロマンスのある人物」として描いていることに特筆性がある。ベン・ホール、フランク・ガーディナー、キャプテン・スターライトや、その他大勢のブッシュレンジャーらがこの時代に映画化された。映画で表現されたブッシュレンジャーのような反社会的勢力の栄光に民衆が熱狂したため、1912年に州政府は「ブッシュレンジャーに関連する民間伝承や文化的景観」を禁じ、これによってブッシュレンジャーを題材とした映画は規制されることとなった。この規制はオーストラリアの映画産業の崩壊の主要な原因になったとみなされている。作品数は少ないがオーストラリアのブッシュレンジャー映画には外国へ移されたものがあり、その代表的存在として『Robbery Under Arms』がある。この輸出された映画に影響され、アメリカでは『The Bushranger』(1928年)や『Captain Fury』(1939年)などが制作された。 1970年初頭、オーストラリアンニューウェーブ(オーストラリアの映画ブーム)の流れから『ネッド・ケリー』がミック・ジャガー主演で発表された。デニス・ホッパーはダン・モーガン役を『Mad Dog Morgan』(1976年)で演じている。 ジャック・ドナヒュー(英語版)はブッシュ・バラッド(オーストラリアの民謡)に影響を与えた初めての人物である。 ブッシュレンジャーを題材とした初めての演劇はハーマン・メルヴィル作の『The Bushrangers』である。上述の『Robbery Under Arms』の原作はトーマス・アレクサンダー・ブラウンによって続き物として書かれ、シドニーメールに1882年から1883年まで連載された。この作品はブッシュレンジャーの実生活に準じた最初期のフィクション作品であり、のちに数々の映画やテレビシリーズになった。更に、この作品は史上初のウェスタンフィクションである『The Virginian』(1902年発表、作者はオーウェン・ウィスター)に多大な影響を与えたとされる。 ベン・ホールと彼の窃盗団は『Streets of Forbes』など様々な民謡に歌われた。2011年のテレビシリーズ『Wild Boys』ではブッシュレンジャーが主人公になっている。2013年のテレビシリーズ『The Outlaw Michael Howe』はミカイル・ハウをモデルにしており、タスマニアでのブッシュレンジャーの活動を描いている。映画『The Legend of Ben Hall』は2016年公開予定の映画である。ニューサウスウェールズ州のブッシュレンジャー(ベン・ホール、ジョン・ギルバート、ジョン・ダン)の史実に基づいた内容になっている。
※この「大衆文化として」の解説は、「ブッシュレンジャー (集団)」の解説の一部です。
「大衆文化として」を含む「ブッシュレンジャー (集団)」の記事については、「ブッシュレンジャー (集団)」の概要を参照ください。
- 大衆文化としてのページへのリンク