大臣在任中
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2018年12月20日、多言語対応サービス促進のフォーラムで「私は、国会議員になってコンプレックスがふたつある。英語がしゃべれないことと、パソコンができないこと。これから総理を目指す人は英語をしゃべらなくてはダメだ。私は英語ができないから総理を目指すことはやめる」と発言しており、かつては内閣総理大臣を目指していたことを明かした。 大臣就任会見で「東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣の桜田義孝です」と自己紹介するところを「東京パランピック、パラピック、パラピック競技大会、東京パラリンピック競技大会担当大臣の桜田義孝でございます」と3回も間違えた上に「オリンピック」を飛ばして自己紹介した。 桜田は東京五輪・パラ五輪担当大臣のほか、サイバーセキュリティ戦略副本部長として事務を担当しており、2018年11月14日の衆議院内閣委員会で、無所属の今井雅人から「自分でパソコンは使っているのか」という質問に対し、「25歳で独立してやっている。秘書とか従業員に指示してる。自分でパソコンを打つことはありません」と答弁した。国民民主党の斉木武志から、イランの軍事施設がUSBメモリによって悪質なコンピューターウイルスに感染した事例を挙げ、「日本の原発もサイバー攻撃を受ける可能性がある」とした上で、「日本の原発にもUSBメモリはありますか」と質問された際には「使う場合は穴を入れるらしいが、細かいことは、私はよくわからないので、もしあれだったら私より詳しい専門家に答えさせるが、いかがでしょう」と答弁した。 イギリスの『ガーディアン』は「もしハッカーが(パソコンを使わない)桜田大臣を標的にしても、何も情報を盗むことができない。彼は最強のセキュリティーかもしれない!」などと、インターネット上での皮肉を報じている。 これらの発言が、海外メディアでも取り上げられていることについて「世界に私の名が知られた。いいか悪いかは別として、有名になったんではないか」と述べた。 2018年11月7日の参議院予算委員会で、国民民主党の大島九州男と以下のようなやり取りがあった。 大島九州男参院議員(以下、大島):桜田大臣、お友達や有権者の皆さんと韓国に訪問されたこと、ございますよね? 桜田義孝五輪相(以下、桜田):あります。 大島:そこで、すき焼きのような食事をされたことはありますか? 桜田:すき焼きは食べたことあります。 大島:その肉が、犬肉だったんじゃないかというのをお友達から聞いたんですけど、犬肉をそこで食べたという話なんですけど、犬肉でしたか? 桜田:お答えします。私は犬の肉は一切食ったことがないので、分かりません。 大島:すき焼きのようなものを食べた場所には、いらっしゃったことはありますよね? 桜田:私はどこの場所だかも全く分かりません。韓国に行ったことはあります。そして焼肉も食べたこともあります。しかし、犬はございません。記憶も何も。友達もそういうことを言った人はいないと信じております。 大島:まあ、それはそれで(一部の議員が笑う)いいんですが、あのですね、動物愛護の運動が今、色んな盛んに活動されておられる方がいらっしゃいますけど……。 なお、この日の大島の質疑で桜田とのやり取りはこれだけであり、桜田は終始不機嫌だった。 2018年11月5日の参議院予算委員会では、立憲民主党の蓮舫から聞かれた東京大会の基本コンセプトなどを即答できず、事務方の助けを借りながら答弁した。また大会予算の国の負担分「1,500億円」を「1,500円」などと言い間違えた。しかし五輪関連の支出は会計検査院の指摘を受け、桜田の指示で内閣官房が分析した結果、1,700億円になることが10月30日には報道されている。 2018年11月9日の閣議後の記者会見で、5日の参院予算委員会で自身がちぐはぐな答弁をしたのは蓮舫側から事前に質問通告がなかったためと主張したことについて、「事実上と若干違う」として撤回し、謝罪はしなかった。その上で「今後職務をしっかり全うできるよう努力していく」と語った。ただ、「事前に詳細な質問内容の通告をいただければ、充実した質疑を行うことができた」と改めて蓮舫への不満も表明。桜田はまた、蓮舫(れんほう)の名前を「れんぽう」と言い間違えた。桜田は5日の参院予算委でも同様の間違いをしている。11月13日、閣議後の記者会見で「ご迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と関係者や国民に対して謝罪したが、「通告事項はあったが、もう少し詳しい聞き取りがあったらよかった」と改めて主張した。 2018年11月22日、立憲民主党の篠原豪から防衛大綱について問われた際「防衛に関することは国防省だ」と、防衛省の名前を間違って発言した。 桜田が答弁でたびたび原稿を読み間違えるのを見た同じ自民党議員である河井克行から「桜田氏が『2018』を『2028』と読み間違えた姿をみて眼鏡のせいだと思った」と桜田に眼鏡を変えることを勧められた。2018年11月中旬、東京都港区の「ドイツマイスター眼鏡院」で眼鏡を新調した。河井が眼鏡を購入して気に入り、桜田と同じ二階派の吉川貴盛農林水産大臣や桜田に紹介したという。なおその後桜田の答弁は改善されず、最終的に辞任に追い込まれた他、吉川は大臣退任後に鶏卵業者からの贈賄容疑で議員辞職した後に起訴され、二人に眼鏡を勧めた河井は後に法務大臣に就任するも、まもなく妻の案里と共に彼女の選挙をめぐる不祥事で逮捕された。 2019年2月12日、記者からの取材で競泳選手の池江璃花子が白血病と診断されたことを自身のTwitter上で公表したことに関して以下のやり取りがあった。 記者「きょう、競泳の池江選手が自らが白血病であることと、しばらく休養することを発表しました。大臣として、これについての受け止めをお願いします」 桜田「正直なところ、びっくりしましたね。聞いて。本当に。病気のことなので、早く治療に専念していただいて、一日も早く元気な姿に戻ってもらいたいというのが、私の率直な気持ちですね」 記者「競泳の中ではですね…」 桜田「本当に、そう、金メダル候補ですからねえ。日本が本当に期待している選手ですからねえ。本当にがっかりしております。やはり、早く治療に専念していただいて、頑張っていただきたい。また元気な姿を見たいですよ。そうですね」 記者「大臣はこれまで、池江選手の活躍をどのようにご覧になられてましたか」 桜田「いやあ、日本が誇るべきスポーツの選手だと思いますよね。われわれがほんとに誇りとするものなので。最近水泳が非常に盛り上がっているときでもありますし、オリンピック担当大臣としては、オリンピックで水泳の部分をね、非常に期待している部分があるんですよね。一人リードする選手がいると、みんなその人につられてね、全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配していますよね。ですから、われわれも一生懸命頑張って、いろんな環境整備をやりますけど。とにかく治療に専念して、元気な姿を見せていただいて、また、スポーツ界の花形として、頑張っていただきたいというのが私の考えですね」 このやり取りの中で桜田の発言が切り取られ、あたかも桜田が池江を批判したかのような扱いでSNSなどで批判されたほか、翌13日の衆議院予算委員会でも取り上げられ、野党からは桜田の更迭を求める声まで上がった。しかし桜田の発言は「日本が誇るべき選手」、「治療に専念して、元気な姿を見せてほしい」と全体的に池江を気遣う内容であり、池江をバッシングした事実はない。 同日の衆議院予算委員会では、オリンピック憲章について質問された桜田は「話には聞いたことがあるが、自分では読んでいない」と発言した。質問をおこなった階猛は、池江についての桜田の発言は憲章で謳われている「人間の尊厳」を理解していないものであると批判した。 2019年2月21日、午前の衆議院予算委員会で、立憲民主党・無所属フォーラムの今井雅人の質問に対し出席を求められていたが、予定時間を過ぎても現れず3分近く遅刻して出席した。桜田の遅刻に対し野党側は反発して退席し、午前中の質疑が空転する事態となった。関係者によれば桜田は直前まで執務室で答弁資料を読んでおり、審議が一度中断したため、質問開始が遅れると事務方が勘違いしたとのことである。桜田のミスではなく事務方の人為的ミスであるにもかかわらず、野党側委員会筆頭理事の逢坂誠二は「何の理由の説明もなく3分遅れており、これ以上審議できない。政府・与党はたるみ切っている」「閣僚の任にあらずと言わざるを得ない」と批判。与党側からも委員会筆頭理事の田中和徳は「誠に遺憾と言わざるをえない」、公明党の北側一雄中央幹事会長も「もっと緊張感を持って対応してもらいたい」と指摘が相次ぎ、菅義偉内閣官房長官は同日午前の会見で「事務的ミスではないか。いずれにせよ委員会に遅れることはあってはならないことだ」と苦言を呈した。約5時間後の同日午後に委員会が再開したが、その席上で桜田は「心から深くおわびする。時間の判断を誤った」と事務方に代わって陳謝した。この騒動で2019年度予算案について、与党側は同月28日の予算案採決は困難と判断し、目標としていた月内の衆院通過を見送る方針を固めた。 2019年3月24日、地元である千葉県柏市での集会に出席した桜田は、東日本大震災について「国道や東北自動車道が健全に動いたからよかった。首都直下型地震が来たら交通渋滞で人や物資の移動が妨げられる」と発言した。翌25日の参議院予算委員会では事実誤認であることを認め、撤回した。 2019年4月9日、参議院内閣委員会で、3月24日に宮城県石巻市で行われた東京五輪・パラリンピック関連のイベントを欠席したことについて、自由党の木戸口英司から質疑を受けた際、答弁で「.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}石巻市(いしのまきし)」を「いしまきし」と3度にわたり誤読した。なお、答弁後に謝罪している。 2019年4月10日、東京都で行われた高橋比奈子の政治資金パーティーで挨拶した際、「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さんでございますので、よろしくどうぞお願いします」と発言した。内閣総理大臣安倍晋三はこの発言を受けて、直ぐに桜田を国務大臣から更迭することを決定し、桜田は同日夜に辞表を提出した。桜田は辞表提出後「被災者の気持ちを傷付けるような発言をして申し訳ない。発言の撤回だけでは十分でないと思うので責任を感じ、辞表を提出した」と記者団に述べた。その日のうちに辞表は受理され、安倍晋三は桜田の後任として、前任者の鈴木俊一を任命した。
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