十二部経とは? わかりやすく解説

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じゅうにぶ‐きょう〔ジフニブキヤウ〕【十二部経】

読み方:じゅうにぶきょう

十二分経


十二部経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 02:40 UTC 版)

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十二部経 (じゅうにぶきょう、サンスクリット語: dvādaśāṅgadharmapravacana)とは、仏(ぶつ)所説・如来(によらい)所説の教法を内容・形式によって分類したもの。伝承により多少の異同がある。十二分教(じゅうにぶんきょう)、十二分聖教(じゅうにぶんしょうぎょう)とも。

内容

  1. 修多羅(しゅたら、sūtra、契経(かいきょう)) :教説を直接散文で述べたもの
  2. 祇夜(ぎや、geya、重頌(じゅうじゅ)): 散文の教説の内容を韻文で重説したもの
  3. 和伽羅(わがらな、vyākaraṇa授記): 仏弟子の未来について証言を述べたもの
  4. 伽陀(かだ、gāthā、諷頌(ふじゅ)/): 最初から独立して韻文で述べたもの
  5. 優陀那(うだな、udāna自説経): 質問なしに仏がみずから進んで教説を述べたもの
  6. 伊帝曰多伽(いていわったか、ityuktakaitivr̥ttaka、本事(ほんじ)、如是語とも): 仏弟子の過去世の行為を述べたもの
  7. 闍多(じゃーたか、jātaka、本生(ほんじょう)): 仏の過去世の修行を述べたもの
  8. 毘仏略(びぶつりゃく、vaipulyaパーリ語: vedalla方広(ほうこう)): 広く深い意味を述べたもの
  9. 阿浮陀達磨(あぶだだつま、adbhutadharma、未曾有法(みぞうほう)): 仏の神秘的なことや功徳を嘆じたもの
  10. 尼陀那(にだな、nidāna、因縁): 経や律の由来を述べたもの
  11. 阿婆陀那(あばだな、avadāna、譬喩(ひゆ)): 教説を譬喩で述べたもの
  12. 優婆提舎(うばだいしゃ、upadeśa、論議): 教説を解説したもの

仏典によって、九部経を伝えるものと十二部経を伝えるものがある。十二部経では、大乗経典の元となった毘仏略が、10ないしは11に位置づけられる[1]

『本事経』(巻5)、『摩訶僧祇律(まかそうぎりつ)』(巻1)やパーリ聖典は九分教を伝え、『長阿含』(じょうあごん)(巻3)、『中阿含』(巻1)、『雑(ぞう)阿含』(巻41)、『四分律』(巻1、『五分律』(巻1)、『大智度論』(巻25)その他の大乗の諸経論には十二部経の名を伝えるものが多い。パーリ聖典の優陀那(udāna)や漢訳の『本事経』(如是語)のように一つの聖典にまとまっているものもあるが、文学的ジャンルを示すと言える。

脚注

  1. ^ 十二部経, 方等 『広説佛教語大辞典 中巻』 中村元著 東京書籍。

関連項目



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