七の神器(セブン・アークス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:26 UTC 版)
「アクセル・ワールド」の記事における「七の神器(セブン・アークス)」の解説
《七星外装》とも呼ばれる、加速世界に七つ存在する最強クラスの強化外装。名前には定冠詞がつく。所有者によってその形状を変えるという性質がある。それぞれが北斗七星の第一星から第七星に対応した台座に安置されており、その全てが進入が極めて困難なダンジョン(柄杓の器部分に当たる一番星から四番星までは四大ダンジョン、柄部分に当たる五番星から七番星までは帝城)の最奥に設置されている。 ジ・インパルス(THE IMPULSE) “衝動”の名を冠する北斗七星の一番星(アルファ)《天枢(てんすう)》。新宿都庁ダンジョンに安置されていた。青の王、ブルー・ナイトが大剣(ツヴァイヘンダー)の形で所有している。 ザ・テンペスト(THE TEMPEST) “興奮”の名を冠する北斗七星の二番星(ベータ)《天璇(てんせん)》。東京駅地下ダンジョンに安置されていた。紫の王、パープル・ソーンが錫杖の形で所有している。 ザ・ストライフ(THE STRIFE) “闘争”の名を冠する北斗七星の三番星(ガンマ)《天璣(てんき)》。東京ドームダンジョンに安置されていた。緑の王、グリーン・グランデが十字型の大盾の形で所有している。 補助効果として「攻撃を完全に受け切ると、その威力を倍にして相手に反射する」という「闘争」の名にふさわしい攻撃的な特殊能力《倍増返済(ダブル・ペイバック)》がある。 ザ・ルミナリー(THE LUMINARY) 北斗七星の四番星(デルタ)《天権(てんけん)》。宝冠(ダイアデム)と王笏(セプトラム)による2つ1組の強化外装。芝公園地下大迷宮「コントラリー・カセドラル」の台座に存在していたが、白の王、ホワイト・コスモスが密かに入手し、加速研究会としての活動に利用していた。 本体である宝冠から生成した荊冠をはめたエネミーやドローンを強制的に支配し、王笏で操る能力《王権神授(ディヴァイン・ライト)》を持つ。最終的な所有権は宝冠の装備者が持つが、王笏は一時的に他人へ譲渡することができるため、通常宝冠はコスモスが装備し、王笏は配下に貸与されている。神器の分身だけあって荊冠の耐久値は華奢な見た目とは対照的にかなり高く、さらにミスター・スミスの強化により物理無効、炎熱無効、腐蝕無効が付与されている。 ジ・インフィニティ(THE INFINITY) “無限”の名を冠する北斗七星の五番星(イプシロン)《玉衝(ぎょくしょう)》の直刀。帝城内にザ・ディスティニーと並んで置かれていた。アズール・エアーが所有している。 複数の特殊能力を持っており、その一つは「鞘に収めたままでいればいるほど、抜刀直後の一撃の威力が無限に増加する」というもの。加速世界に存在する剣型強化外装の中でも相当に高い優先度と大剣スター・キャスターを上回るほどの重量を誇る。 三種の神器の一つである草薙剣がモデルではないかとされる。 ザ・ディスティニー(THE DESTINY) “運命”の名を冠する北斗七星の六番星(ゼータ)《開陽(かいよう)》の全身鎧。かつて帝城内にジ・インフィニティと並んで置かれていたが、クロム・ファルコンによって持ち出され、サフラン・ブロッサムが装備した。加速世界に最初に出現した《七の神器》であり、後に《災禍の鎧》ザ・ディザスターとなる。 物理攻撃・エネルギー攻撃など攻撃の種類を問わずその大半を無効化あるいは反射し、唯一の弱点である腐食酸も当時は使い手がほぼ存在しなかったため、ステータス上は欠点があっても実際は限りなく無敵に近い強化外装であった。そのあまりに圧倒的すぎる力に対する恐れが、災禍の鎧を生み出す悲劇のきっかけとなった。 災禍の鎧と化して失われ、ハルユキは心意の力を使い原形を右籠手の部分だけ召喚することに成功しているが、《獣》の抵抗に遭いそれ以上の展開はできなかった。呪いが解け本来の姿に戻った後は、ハルユキの意向でファルコンとブロッサムがかつて暮らした湾岸エリアの家に封印された。 三種の神器の一つである八咫鏡がモデルではないかとされる。スター・キャスター(STAR CASTER) “星降るもの”という意味の名を持つ、神獣級エネミー「ヨルムンガンド」がクロム・ファルコンによって倒された際にドロップした高位の大剣型強化外装。出現直後は神々しい聖剣と言った赴きの外装であったが、暴走したクロム・ファルコンの負の心意に取り込まれ禍々しい形状へ変貌、ザ・ディスティニーとともに《ザ・ディザスター》の一部となる。 なおこの強化外装は正式な《七の神器》ではないが、メイン・ビジュアライザーにはザ・ディスティニー=《開陽》の「連星」として認識されている可能性が高い。 実はサフラン・ブロッサムの擬似思考回路が残存しており、それが鎧の呪いを解く鍵となった。本来の姿に戻った後は、ザ・ディスティニーと共に封印される。 ザ・ディザスター(THE DISASTER) 通称「災禍の鎧」。大切な恋人のサフラン・ブロッサムが目の前で何度も殺されるのを見た初代クロム・ディザスターことクロム・ファルコンが《ザ・ディスティニー》と《スター・キャスター》をサフランを殺した3人への強大な負の心意によって融合させ形成した強化外装。名称は2つの強化外装のスペルが組み合わさったものとなっている(THE DESTINY/STAR CASTER)。 着装するとクロム・ファルコン、および歴代装着者の負の心意が凝り固まって発生した凶暴な疑似人格(ハルユキはこれを《獣》と呼んでいる)に精神を支配され、目の前の敵を破壊することしか考えられない戦闘マシーン(=クロム・ディザスター)に変貌する。また、所持者を永久退場させると、自分を倒した者の心に暗い闇があればアイテム欄に直接ドロップし、闇がない場合は欠片を寄生させて融合の時を待つのも特徴。 性能は作中に登場しただけでも以下の通り多岐にわたり、名実共に加速世界「最凶」の強化外装である。また能力と言うほどではないが、召喚時に黒い稲妻が発生するのも一つの特徴(単なる効果エフェクトではなく物理的な破壊力を備えており、周りの地面に亀裂を生じさせている)。着装時に損傷・HP全快。 ザ・ディスティニーから受け継いだ堅牢な装甲(変化の際にクロムの属性を取り込んだため、弱点であった腐食攻撃を克服。ただしポテンシャルを攻撃力にも割いている分、総合的な防御力はザ・ディスティニーより劣る)。 相手のHPを奪い自身に還元するアビリティ《体力吸収(エネルギー・ドレイン)》。 膨大な戦闘経験の蓄積から為される超高精度の攻撃予測アビリティ《未来予測演算》。 過去の装着者達のアビリティ・必殺技を記憶・蓄積し、次の使用者にフィードバックする。ただしこの能力は鎧とのシンクロ率が高い六代目(シルバー・クロウ)にのみ発現している。劇中ではクロウ自身の《高速飛行》《レーザー・ソード》《レーザー・ランス》に加え、以下の能力を使用した。 疑似的な瞬間移動を行う必殺技《フラッシュ・ブリンク》。コピー元は初代(クロム・ファルコン)。 口から吐き出した火焔で燃焼による持続ダメージを与えるアビリティ《焔色吐息(フレイム・ブリーズ)》。コピー元は二代目(マグネシウム・ドレイク)。 刀剣型強化外装を自在に操る剣術の技能。コピー元は三代目(セントレア・セントリー)。 巻き取り式の鉤付き鋼線を射出するアビリティ《鋼線鉤(ワイヤー・フック)》。コピー元は五代目(チェリー・ルーク)。 その強大な力に魅せられ、初代以降実に4人ものバーストリンカーが暴走の危険を知りながらこれを装着し、クロム・ディザスターとなった。しかし五代目討伐により寄生され六代目となったハルユキによって呪いを解かれ、本来の姿へと還った。四代目のアビリティは使用されなかったため不明である。 《七の神器》級の強化外装と莫大な負のエネルギーがそろえば新たな《災禍の鎧》が誕生する可能性があるとされ、一部ではマークII製造こそ加速研究会の目的の1つではないかとも考えられていたが、神器は封印中か王が所有しているため入手が困難なこともあって現実的には再製造は不可能だと思われていた。しかしレベルアップボーナスによる強化で神器級の強化外装になっていたレインの《インビンシブル》が強奪され、そこにISSキット本体の負の心意が合成されたことで《災禍の鎧マークII》が生み出されることになった。 獣 《ザ・ディザスター》が取り込んだ多くのネガティブな感情や記憶・心意が、記録媒体の特殊性により擬似的な知性として機能するようになった存在。鎧の最深部に接触したハルユキは、漆黒の炎を身に纏い血色の双眸と長い牙を持つ巨大な何かと認識している。凄まじい怒りと破壊衝動を内包しており、あらゆるバーストリンカーを敵と看做し、戦い、倒し、喰らうことを目的とする。シンプルであるがゆえに非常に強力な精神支配力を有しているため、鎧による浸食が進行すると所有者は現実世界でさえも逆流現象に襲われるようになり、恐るべき狂戦士と化してしまうが、戦闘によりある程度消耗すると眠りにつくのでその間は装備者も負の心意から解放される。完全に鎧と一体化した状態では《獣》の声を聴くことはできず、この意識と会話するためには支配に抗い鎧との精神的な融合率が低下した状態となっている必要がある。その性質上、ファルコンが有していた加速研究会への憎悪やブロッサムへの愛情も共有している。ファルコンとブロッサムの意識が再会したことによって鎮められ、歴代の誰よりも強かったと認めた最後の共闘者たるハルユキに「世界の禍根」となる加速研究会の撃破を託して《災禍の鎧》と共に消え去っていった。 初代「災禍の鎧」の固有機能であるため、当然ながらマークIIには存在していない。仮にマークIIに同様の機能が宿ることがあったとしても、獲得までには莫大な戦闘経験と長い時間が必要になるだろうとされている。 ザ・フラクチュエーティング・ライト(THE FLUCTUATING LIGHT) “揺れ動く光”という意味の名を冠する北斗七星の七番星(エータ)《揺光(ようこう)》。帝城地下深くに存在する最後の神器。形状は不明。7つのうちで唯一英語名と中国名が一致している。 その正体はかつてとある仮想世界で2つの勢力によって求められていた何か。グラファイト・エッジによると封印から解き放たれた時、加速世界だけでなく現実世界にも大きな変化がおきるとのこと。 三種の神器の一つである八尺瓊勾玉がモデルではないかとされており、他の二つの神器が形代で本物は他所に保管されてあるのに対して、勾玉だけは皇居に本物が安置されていることも重要なのではないかと推測されている。
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