ソユーズ宇宙船とは? わかりやすく解説

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ソユーズ宇宙船

分類:宇宙飛行


名称:ソユーズ宇宙船(Soyuz)
打ち上げ国名機関:ソ連/ソビエト連邦空軍
打ち上げ開始年月日:1967年4月23日
打ち上げ宇宙船:ソユーズ1号1967年4月23日)~ソユーズ40号(1981年5月14日)/ソユーズT-1号(1979年12月16日)~ソユーズT-15号(1986年3月13日)/ソユーズTM-2号(1987年2月6日)
打ち上げロケット:A-2
宇宙飛行士:V.コマロフ(ソユーズ1号)/V.シャタロフ(ソユーズ4号8号10号)/A.エリセーエフ(ソユーズ5号8号10号)/V.クバソフ(ソユーズ6号19号36号)/A.フィリプチェンコ(ソユーズ7号16号)/V.ボルコフ(ソユーズ7号11号)/V.ゴルバトコ(ソユーズ7号24号、37号)/A.レオーノフ(ソユーズ19号)/V.ブィコフスキー(ソユーズ22号31号)/Y.ロマネンコ(ソユーズ26号38号、T-10A号、TM-2号)/V.ジャニベコフ(ソユーズ27号39号、T-6号、T-12号、T-13号)/V.コワレノク(ソユーズ29号T-4号)/A.イワンチェンコフ(ソユーズ29号、T-6号)/V.リューミン(ソユーズ32号35号)/L.ポポフ(ソユーズ35号40号、T-7号)/L.キジム(ソユーズT-3号、T-10号、T-15号)/G.ストレカロフ(ソユーズT-3号、T-11号)/V.サビヌイフ(ソユーズT-4号、T-13号)/S.サビツカヤ(ソユーズT-7号、T-12号)/G.ストレカロフ(ソユーズT-8号、T-11号)/V.ソロビヨフ(ソユーズT-10号、T-15号)

ソ連ロシア代表的な有人衛星がソユーズ宇宙船です。月着陸目指しまた、それを達成したアメリカアポロ計画対抗したのが出発点でした。ソユーズは「結合」「同盟」という意味です。1967年4月コマロフ飛行士搭乗したソユーズ1号打ち上げられました。しかし帰還時のトラブルからコマロフ墜落死し、宇宙飛行中の初の犠牲者となってしまいましたカプセルパラシュートもつれた推測されています。1968年10月、ベレゾボイの乗ったソユーズ3号は、無人2号とのランデブー成功します1969年1月には、ソユーズ4号5号ドッキング乗員移乗成功しました1971年4月にはソユーズ10号が、同時期に打ち上げられ宇宙ステーション・サリュート1号とのドッキング成功します。このときは移乗には失敗してます。同年6月に、ソユーズ11号サリュート1号とのドッキング移乗成功します。しかし、帰還時に衛星気密保持できなかったため、3人の飛行士全員死亡する惨事見舞われます。ソユーズ宇宙船には2人乗りと3人乗りがあり、この事故のあと約9年間、ソ連の3人乗り宇宙船打ち上げられませんでした
東西冷戦ただ中1975年7月には、アポロソユーズ試験計画実施されています。ソユーズ19号アメリカアポロ宇宙船とのドッキング飛行士移乗行なったのです。ソユーズ宇宙船は1981年5月40号まで打ち上げられました。ソユーズTシリーズは、ソユーズ衛星改良した2〜3人乗り宇宙船です。1979年12月ソユーズTがまず無人飛びソユーズT2から有人衛星として、1986年3月のT−15まで打ち上げられました。ソユーズ宇宙船はこのころには、宇宙ステーションとの往復のための交通手段としての役割確立してます。1986年5月ソユーズTMシリーズ、TM1が無人打ち上げられました。それを手始めに、TM2から有人衛星(2〜3人乗り)として宇宙向かってます。1990年12月日本人として初の宇宙飛行士となったTBS(当時)宇宙特派員秋山豊寛さんが宇宙ステーションミール往復したのも、ソユーズTM衛星でした(TM11ミール到着TM10帰還)。アメリカソ連宇宙開発ロシアへ引き継がれた現在も、ソユーズTM宇宙船は、宇宙ステーションとの往復活躍してます。1995年6月にはアメリカスペースシャトルアトランティス(STS-71)とミールドッキングし、その状態で4日間と21時間飛行しました。その前にアメリカのサガード飛行士ソユーズTM21宇宙向かいミール乗り組んでいました。サガードは、STS-71帰還しています。じつに20年ぶりの米ロ共同飛行でした。この試みは、東西冷戦終結受けてアメリカロシア本格的な宇宙開発協力行なう第一歩位置づけられました。また、1997年2月初め日本の宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))の実験装置積んだソユーズ輸送船打ち上げられミールドッキングし実験装置移しました

1.どんな宇宙船宇宙飛行したの?
ソユーズ宇宙船は、前部から順にソユーズ軌道船ソユーズ降下船(DM)、計器モジュール(IM)から構成されています。軌道船先端には、ほかの人工衛星宇宙ステーションドッキングするための開口部設けられています。軌道船乗組員作業休息する空間です。降下船は乗組員収容する場所で、ドッキングしたときにはここで気圧調整します計器モジュールには宇宙船運航必要な機器収められています。また、その両端には、全幅8m太陽電池パネルが翼のような形で装着されています。宇宙船には、接近方向制御ロケット方向制御用小ロケット運動用エンジンなど備えられています。ソユーズ宇宙船は、T型TM型進化し細かな改良加えられています。

2.どんなロケット打ち上げられたの?
今日に至るまで、ソユーズ宇宙船は、すべてA−2(SL-4)ロケット打ち上げられています。このロケットは、ボスホート衛星打ち上げたものと基本的に同じタイプです。ボストーク衛星使われたA−1(SL-3)の2段目を強化してます。第1段Aシリーズ共通のクラスター方式で、大小24個のエンジン束ねたような構造です。ロケット直径は10.3m、全長は49.3m、重さは約310トンです。推進剤は、液体酸素灯油です。ソユーズ宇宙船は、投棄され先端覆い中に格納されています。

3.計画どういう目的のためにおこなわれどのようなことに成功したの?
ソユーズ宇宙船は、月を目指すアメリカアポロ計画対抗するものとして出発しましたソ連は公式には発表しませんでしたけれども、今日では、当初有人宇宙船の周月飛行月着陸目指していたと考えられています。そのためにランデブードッキングなどの実験繰り返しました。しかし、1969年7月ロケット打上げシステム炎上事故や、アポロ11号による初の人間月着陸などを契機に、ソ連方針転換します。1975年7月にはアポロソユーズ試験計画実施され、初の米ソ宇宙船ドッキング飛行士相互移乗なされましたその後ソ連宇宙開発主力は、サリュートミールなどの宇宙ステーション計画移行しました宇宙ステーションでは、多く医学実験物理化学実験地球観測が行われ、貴重なデータ積み重ねてます。また、人間長期滞在記録も執と更新されています。1994年1月ソユーズTM18ミール飛んだボリヤコフは、43718時間宇宙滞在最長記録残してTM20帰還しました。ソ連宇宙開発ロシア引き継がれてからも、ソユーズ宇宙船はその往復のための交通手段として位置づけられています。1995年6月には、アメリカスペースシャトルアトランティス(STS-71)とミールドッキング果たします20年ぶりの米ロ共同飛行で、両国宇宙協力の再スタートアピールしました。少なくとも宇宙ステーション分野では、ロシアいまだにリーダー存在であり続けてます。しかし、不安定な政情宇宙開発資金の不足からソユーズ衛星の打上げに遅れが出て宇宙ステーションでの日常生活支障をきたすなどの問題起きてます。

4.ロケットの打ち上げ宇宙船飛行どのような順序おこなわれたの?
ソユーズ宇宙船は、A−2(SL-4)ロケットによって打ち上げられます。そして、役目終えたロケットが順に切り離され衛星大気圏外地球周回軌道乗りますこのあとソユーズ11号以降宇宙船多くが、宇宙ステーションへのドッキングおよび乗員(交代要員)の移乗行なってます。入れ替わりに、先に任務についていた宇宙ステーションメンバーがそのソユーズ宇宙船に乗ります帰還時にはドッキング解除、ふたたび軌道飛行入りますこのあと推進ロケット噴射のための方向転換がなされ、降下船(カプセル)が、軌道船機械船切り離します。そして大気圏再突入したカプセル降下します。大地降りる直前減速ロケット噴射して、着陸速度大幅に減じます。カプセル飛行士乗せたままソ連ロシア(CIS)領内パラシュート着地します。

参考文献:バズ・オルドリン+マルカム・マコネル/鈴木健次ほか訳「地球から来た男」(角川選書)、的川泰宣飛びだせ宇宙へ」(岩波ジュニア新書)、的川泰宣ロケット昨日・今日・明日」(裳華房)、「日本世界宇宙ロケット衛星カタログ」(成美堂出版)、宇宙開発事業団・編「新版宇宙飛行士になるための本」(同文書院)、ケネス・W・ガトランドほか/佐貫亦男日本語監修世界宇宙開発」(旺文社)、「世界大百科事典」(平凡社)



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