ジン・金属器・迷宮関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:07 UTC 版)
「マギ (漫画)」の記事における「ジン・金属器・迷宮関係」の解説
ジン ジンの金属器に封印されている「魔神」とも呼ばれる神話に登場する精霊。迷宮の支配者としてその奥深くに眠っており、持ち主である迷宮攻略者の呼び出しに応じ強大な力を与える。 実体の無い存在のため、身体の大きさは自由に変えられる(額の第3の目と体色が青いのが共通)。自分達を作り出したソロモンの移し身であるマギに指図することは許されていないため、アラジンに必要以上のことを教えることは出来ない。また、契約する「王」を含めた人間に対してアルマトランに関する情報を与えることを禁じられている。 彼らは攻略者を見た瞬間にジンを使役するのに必要な器である人間の魔力の内容量が分かる。また、彼らは迷宮内で死ぬことはないとされ、迷宮のゴールである「宝物庫」から出ることはできず、八芳星が刻まれた石器に何者かが触れることで初めて出現する。 地上の「王」が使う純粋な「力」として、ソロモンによりルフから作り出された人工生命体(故に地上で実体化すべきではないとされる)。実体化するにはマギが持つのと同等の魔力を得なければならない。本来はルフに愛される魔法使いのみが作ることができるが、12年前にイスナーンとモガメットが協力し、黒ルフによって黒いジンを練成する技術を編み出した。 元々はアルマトランに存在していた72名の異種族の長達が、アル・サーメンとの最終決戦でウーゴくんとシバが神杖のシステムを元に製作した金属器の力とソロモンの魔法によって変化した存在。この影響でアルマトランの悲劇の記憶を有したまま悠久の命を得たことで、力が均質となる新世界に生まれる王の卵の力となってほしいとウーゴくんに要請され、金属器の守護神となった。 最終章にて聖宮と「迷宮の塔」が全て破壊されたことで、この世界から仕組みが消滅した。 モデルはゴエティアに登場するソロモン王の悪魔。黒いジン 黒ルフから生み出される人工生命体。イスナーンによる情報提供の結果マグノシュタット学院で作り出された。個体差はあるが、基本的に鋭角的な黒い装甲を身につけた巨人の姿をしている。また、斬撃に耐性を持ち、細切れにでもしない限り再生してしまう。アルマトランの黒いジン 通常の黒いジンよりもさらに悪意に満ちた存在。この世の白いルフを食らいつくそうとする意志を持つ。生成には莫大な量の黒ルフを生み出す魔力、そして「堕転」した人間の強力な意志が必要となる。頭部がなく、胴体に目があり全体的に丸みを帯びており、初めは不安定な形をしているが、錬成が続けられる内に筋肉質で精密な肉体を持ち始め、目も3つから5つになるなど変化する。特殊な攻撃はしないがとにかく大量に出現し、物理的に敵を殲滅する。その攻撃はマギの防壁魔法をもってしても完全に防ぎきれない。アルマトランではアル・サーメンによって大量に作り出され、ソロモンや眷族達と激しく戦った。作中ではモガメットによりマグノシュタットの魔力炉から生み出された。魔力炉の制御には相応の力が必要なようで、ユナンはモガメットを「マグノシュタットの魔力炉を司るほどの人物」と表現している。 金属器 迷宮攻略者が手に入れるジンが宿る道具。最強の魔法道具であり他の魔法道具とは次元の異なる強力な力を持つ。別名「ソロモンの金属器」。金属器の所持者は「金属器使い」とも呼ばれる。所持者はジンの持つ強大な力を行使することが可能だが、人間の持つ魔力の総量では限りがあるため、通常は魔装で扱う。どこかに八芳星が刻まれており、魔装中にその部分を破壊されると金属器による超常の力を使えなくなる。仮にマギの莫大な魔力で使用した場合は、ジンそのものの顕現が可能である。 普段は所持者が身に着けることで、次第に魔力が蓄積されるが、それを使い切ると無力になってしまう。ジンが巻き起こす能力と同質の現象を利用して一瞬だけ力を使うことができる(例えば、炎熱を司るアモンであれば炎を取り込む)が、外部の魔法から魔力を吸収し続けることは、「金属器使い」の身体に負担をかける。極大魔法をそれぞれにつき一つだけ発揮できる増幅装置の機能を持つ。 主と一体化して力を発揮するという特性上、金属器とする金属は主によく馴染んだものが好ましいとされる。また、あくまでジンは王についているのであって金属器が破損した場合でも時間はかかるが移し替えは可能である。別の金属器使いが持つ金属器の力をその者の命と引き換えにルフと同化することでジンごと手に入れることも出来、作中ではセレンディーネのジンだったゼパルがシンドバッドに移り変わっている。 金属器の登場により、いかにそれを手に入れ活用するかが戦争の要に変わっていたが、最終章では国際同盟の厳しい管理下に置かれており、金属器を所持したまま行方をくらました白龍・健彦・ネルヴァは「世界指名手配犯」として追われている一方、ネルヴァの反乱抑止の名目でレームのムーとイグナティウスは公に金属器を所持している。 原型となっているのは異種族の長達に配布するためにシバとウーゴくんによって開発された、神杖を元に特定の魔法式を込めて魔力を送ることで72の強力な魔法を引き出せる神器(魔法道具)である。そのためたった7つを束ねただけでも次元を歪めるほどの力を発揮する。 最終章にて聖宮と「迷宮の塔」が全て破壊されたことで、この世界から仕組みが消滅した。魔装 金属器使いが金属器に宿るジンの力で体を薄く覆って自己と同化させることで、実体化したジンに近い力を得ること。ジンの使用法の本質。武器化魔装 ジンに最も近い、核となる金属器から肉体(主に武器を持つ手)にかけて魔装すること。全身の魔装に比べて容易。金属器はジン本体が持つ武器そのものの姿になる。 半身魔装 金属器から体の片側半身までを魔装した状態。作中では白龍とバルバロッサがこの姿を披露している。全身魔装には及ばないものの、武器化魔装より遥かに強力な力を発揮できる。 全身魔装 魔装の最終段階。魔装した所持者の姿がより強くなり全身に広がるほどジン本来の姿に近くなり、体格や外見年齢なども変化する場合がある。アルマトランのジンの名残からか第3の目(の模様)が発現し、空中を自在に飛ぶことも可能となる。極大魔法 全身魔装になることで使用できる防御不可能な巨大な魔法。金属器が最強の魔法道具と呼ばれる所以でもある。発動時には巨大な八芳星が現れる。自然現象を取り込むことで少ない魔力でも凄まじい威力を発揮する。 元は異種族でも魔法が使えるようにと個々に与えられた神杖に設定されていた単一の魔法式。理論上は数多の魔導士が同時に同系統の魔法を発動し、それを束ねることさえ出来るなら再現も不可能ではないが現実的ではない。 眷属器 金属器から力を分け与えられた魔法道具。名の通り、主の金属器と共闘する内にジンに認められた者「眷族」がその能力を得る。眷属器の所持者は「眷属器使い」とも呼ばれる。金属器と同じく、蓄えられた魔力には限りがあり、眷属器にする物は使用者に馴染んでいる物が望ましい。金属器とジンの恩恵による強力な力を持ち、一般にある魔法道具とは一線を画する魔力を持つが、眷属器使い本人が十分な魔力を保有していても主が金属器を遠くに離してしまうとその力を行使できなくなる。 「眷族同化」という眷族自身が「我が身を捧げる」ことで魔装に匹敵する力を得る奥の手が存在する。この技術は、かつてアルマトランでソロモンの72人の眷族達が使用した最終手段で、使用時には眷族の体が巨大化し各々の主たる精霊が持つ能力の一部を使うことができるようになるなど非常に強力である反面、一度果たすと二度と人間の姿には戻れなくなる、度重なる発動で同化が進行すると精神すら精霊と一体化していく危険性がある、肉体への負担が大きく急激に眷族化を進めると命を落としかねないといった様々なデメリットがある。 闇の金属器 アル・サーメンによって黒いルフを糧に作られた金属器。「ソロモンの金属器」と同様の全身魔装をすることができる他、使用者が自分の体を貫くことで自らを黒いジンへと変えることもできる。ジンの状態では黒いルフの供給があれば無限に再生することができるが、黒ルフがない所では理性を失っているが故に大威力の攻撃を繰り返して次第に弱体化していく。極大魔法の威力は「ソロモンの金属器」に劣る。モガメット達と共に創られたものであるため、内部にマグノシュタットで魔法道具を精製する際に刻まれる「魔力痕」が刻まれている。また、使用者は使用後に生き残っていたとしても後遺症によって次第に衰弱していき、最終的に肉体が干からびた黒炭のようになり死亡する(治療法はまだ見つかっていない)。同様に「闇の眷属器」も製造されている。 迷宮(ダンジョン) およそ14年ほど前から世界各地に出現した古代王朝の遺跡群。内部には貴金属製品や宝石類など通常の財宝の他、魔法道具などが大量に眠っており、その頂点に立つのが「ジンの金属器」である。マギの能力で生み出される。 最奥部の宝物庫においてジンと契約を完了することで攻略とみなされ、また一度でも誰かが攻略すると消滅してしまう。一度入り口である「迷宮の聖門」を潜ると完全攻略するまでは外に出ることができない。既存の建造物の直上に迷宮が出現し利用を妨げられる場合もある。迷宮があった土地は攻略に伴う迷宮消滅後に更地へと変わる。攻略者の強さに応じて姿を変える。迷宮内部はルフの濃度が高いため、地上よりも少ない魔力でジン達が実体化することができる。 迷宮を攻略した人物のことを「迷宮攻略者」と呼ぶ。二箇所以上の迷宮を攻略したのは世界でもシンドバッド・練紅炎・練白龍・バルバロッサの4人のみで、彼らは「複数迷宮攻略者」とされるが、ジンの中にはそういった者を「浮気者」と言って嫌うものもいる。また、迷宮攻略者そのものがジンの主となるため、ジンから素質を認められた「王の器」の持ち主ということにもなる。 一定以上のジンと契約した複数攻略者とその眷属は聖門に弾かれるという現象が確認されている。シンドバッドは自身の経験から、力を得すぎた迷宮攻略者およびその眷族は「十分な力を得た」と判断されるために、迷宮に入ることが出来なくなるのではないかと推測していた。 元はアルマトランの異種族の各自治区において避難施設として地中に建造された地下都市を流用したものである。第1迷宮「バアル」 14年前、ユナンの手によりレームとパルテビアとの国境線上に出現した迷宮。序盤の部屋は至る所に間欠泉が吹き出ており、唯一ある大扉を巨竜が守っている(実際はその扉はダミーであり、そばに地下に続く階段がある)。シンドバッドによって攻略された。生還者は彼とドラコーンの2人。総死者数約12000人。攻略で獲得した財宝はシンドバッドにより各地で売り払われた後、パルテビアで押収された。 第6迷宮「ブァレフォール」 イムチャックに出現した迷宮。内部は水場が多い作りになっている。シンドバッドによって攻略された。生還者は彼とジャーファルとドラコーンとヒナホホとヴィッテルとマハドの6人。攻略で獲得した財宝はシンドリア商会設立時の元手として活用された。 第7迷宮「アモン」 チーシャンに存在した迷宮。出現から10年以上攻略されていなかったが、アリババによって攻略された。生還者は彼とアラジンとモルジアナの3人。総死者数約10000人。攻略時に獲得した財宝はアリババの借金返済とチーシャンの奴隷解放のために使われた。 第14迷宮「レラージュ」 マグノシュタットの戦争から3年前、練紅覇によって攻略された。 第16迷宮「ゼパル」 エリオハプト王国内にある王家の墓の真上にジュダルが出現させた迷宮。セレンディーネによって攻略された。生還者は彼女とシンドバッドとジャーファルとマスルールとドラコーンとヒナホホとミストラスとサヘルとタミーラの9人。 第61迷宮「ザガン」 シンドリア南西沖のトラン族の島に現れた迷宮。約2年前に出現した。近づくだけで村人は引きずり込まれていた。実はそれらの村人はザガンに似せて作られた迷宮植物が魔法で木にし、魔力を吸い取って迷宮生物を生み出していた。「アモン」に比べ迷宮生物達には人間味があるが、迷宮植物の歌声で凶暴化する。練白龍によって攻略され消失、捕らわれの身となった人々も元の姿に戻され解放された。攻略により迷宮道具24点と約300万金貨相当の財宝が戦果として獲得された。 第68迷宮「ベリアル」 ジュダルが白龍のために出現させた迷宮。内部はベリアルの能力により個人が頭の片隅で考えている人・風景がそれぞれ映し出され、自分の信念に嘘をつき続ければ肉体が傷つき死に至る。練白龍によって攻略された。生還者は彼とジュダルの2人。
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