アルマトラン
アルマトラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:07 UTC 版)
理想郷(アルマトラン) 「黒の神」によって作られ滅びた世界。ジンやアル・サーメン、そしてアラジンの故郷。ソロモンとアル・サーメンの対立はこの頃から始まっている。作中の世界とは歴史的・空間的な繋がりを持たない別次元であり、この世界の情報はジンすら語ることを許されない。 作中の世界とは違い、多数の知的生命体がバラバラに暮らしていたが、食べ物や住む土地を巡って次第に異種族間の争いが起こった。魔法使いとなった人間が異種族間の争いを治めるものの、価値観・言葉・生態がバラバラの種族が納得する法律を作れず、ソロモンによって一つになるまで混乱は800年続いた。 マギの一人であるアルバ(練玉艶)が魔導士を率いて反乱を起こし、ソロモン及びジンと同化した72人の眷属が迎え撃った。反乱鎮圧寸前で「黒の神」が降臨し全てのルフが失われたことで、生態系が完全に破壊されて水も作物も1000年は育たない事態に陥り、ソロモン国王夫妻をはじめとする多くの人々が死亡してしまった。地下都市や結界内に隠れていた生き残りをウーゴくんが作中の世界(別次元にある豊かな惑星)へ送り出した。 現在は黒い空と赤い大地だけが残り、作中の世界の人々が目にするのは迷宮に出入りする時か、大峡谷を越えた時のみである。大陸の裂け目 大陸の間にある黒い空間。ウーゴくん曰く「世界として未完成」な場所で既存の物理法則が通用しないため、力魔法で物理法則そのものを操ることができるソロモン以外は自由に行動することができない。ここに原始竜が住んでいる。 イステカ大陸 赤獅子が住んでいる大陸。 ゾハル大陸 この大陸の「シャーマル区画」にある第2絶縁結界で豹頭族と馬人族が暮らしていたが、互いに抵抗軍の魔導士達に唆されて争いになってしまった。 大聖堂府(だいせいどうふ) 魔導士聖教連の本拠地。 神(イラー) アルマトランの創造主。外見は白いことを除けば「黒の神」と酷似している。詳細はその他を参照。 アルマトランの種族 人間以外にも多数の知的生命体が存在し、その外見は同化が進んだ眷族と似ている。人間 アルマトランで最弱だった種族。他種族より小柄で強力な武器も持たず、800年前の時点で絶滅寸前でダビデをはじめとする500人しかいなかったが、「神」に魔法を与えられたことで魔法使いとなり、世界を一つにするために理想郷を作ることを誓う。しかし、永きに渡る時間からその志を忘れて計画は頓挫し、800年後には魔導士聖教連を組織し魔法の力を武器に他の異種族を隷属させ圧政を敷いていた。 額には各自が描いた第3の目のペイントがある。魔法によって老化を抑制しているため寿命が延びており、その影響で若々しい外見を保っている(実力のある魔導士ならば何百年も死なず、老人が少ない)。無理に子孫を残す必要もなく繁殖力は低下しているため、子供は少ない。 ソロモンが「神」のルフを分配したことにより「神」からの魔力供給を受けられず、作中の世界の魔導士のように自前のルフしか使うことができなくなり、強力かつ大規模な魔法行使能力を喪失する。一部の者は第3の目を介して「神」の「計画書」の真実を知ってしまい、運命の操り人形に過ぎなかったという事実に絶望して大きな虚無感を抱き、新たに作られたソロモンの意思による運命に従うことに納得できず「八芒星の共同体(アル・サーメン)」を結成し反乱を引き起した。アル・サーメンは黒いルフから魔力を得る方法を身につけたことで強力な魔法を取り戻すが、ソロモンに「黒の神」と一緒に異空間へと封印され肉体を喪失する。 生き残りは新世界でトランの民となる。なお、トラン語とアルマトランにおける人間の共通語は同一のものである。抵抗軍(レジスタンス) アルマトランにおいて異種族に圧政を強いる魔導士聖教連に嫌気がさして大魔導府を飛び出した者達で構成された組織。主要メンバーであるソロモンをはじめとした8人の魔導士は神杖を手に愚々塔で異種族に精神破壊魔法をかけていた者達で、それ故自らを「あの塔に力を貸して生き残った罪人」と称している。 5年後の時点では世界の4分の3を解放しているが、神杖が有限であることもあり異種族を自由にしていく毎に内部分裂が激化するジレンマを抱えており、最終的に内部分裂が起こりアルマトランを滅亡へと追い込むことになった。 魔導士聖教連 正式名称は「魔導士聖教会連合」。アルマトランで異種族に圧政を強いていた人間の組織。頂点にはダビデをはじめとする12人の「長老会」がいる。抵抗軍など教義に従わない者を、神意に背く「不浄の者(ダエーフ)」と呼ぶ。 抵抗軍との戦いで追い詰められながらも本拠地を捨てて敵の基地を襲撃するなどの暴挙に及ぶが、最終的に全員が神杖の限界を迎えたため自爆して果てた。 オーク 頭がなく、胴体に4つの目と腕を持つ種族。800年前には人間を食糧にしていた。 鱗狼族(マンティコアぞく) 不屈と創造の民。名前の通り、二対の耳と鱗を持つ狼のような種族。鋭い爪を使って大地を掘り進み、地中に里を作って生活している。800年後の世界では愚々塔の支配下にあったが、ソロモン達によって助けられ仙老族・蛇人族と共に3本の神杖を与えられた。作中では紅炎のジンであり鱗狼族の長でもあるアガレスと子供のモモがこの種族。 ソロモンの意思が上書きされる前に死亡し神の内部に閉じ込められた者たちは、異次元に迷い込んだアリババのために新世界から転がり込んだルフを宿す石を使って彼が精神を宿すために必要な人形を製作した。 仙老族(せんろうぞく) 頭部の長い老人の姿をした種族。鱗狼や蛇人に比べれば小柄。作中ではアリババのジンであるアモンがこの種族。 蛇人族(じゃじんぞく) 蛇のような髪と鱗を持つ巨人の姿をした種族。作中では紅炎のジンであるアシュタロスがこの種族。 鳥人族(ガルーダ) 鳥の翼を持った女性の種族。17歳になったシバによって愚々塔から解放され、馬人族・黒翼族と共同で絶縁結界を張っている。作中では紅炎のジンであるフェニクスがこの種族。 黒翼族(グリフォン) 鳥人族・馬人族と共同で絶縁結界を張っている種族。 馬人族(ケンタウロス) シマウマを人型にしたような種族。頭が良く、商売を生業とする。 豹頭族(ベルセルク) 豹の頭と尻尾を持つ人型の種族。肉食を行っていた。 赤獅子(あかじし) 鋼の皮膚と真紅の鬣を持つ獣の姿をした種族。イステカ大陸に住む。精神破壊魔法を跳ね返す強靭な生命力を持つ。 強すぎるためウーゴくんの魔法理論でも作中の世界のルールにあてはめきれず、住んでいる大陸ごと作中の世界の南の果て(暗黒大陸)に移動、北大陸へ移住した者はファナリスとなった。南大陸に暮らす者は現在でもアルマトランの姿を保ったまま暗黒大陸で集団生活を送っており、ファナリスとは比べ物にならないほど体に魔力が漲っている。 原始竜族(マザードラゴンぞく) 白い竜のような種族。大陸の裂け目に住んでおり(一体のメスしか生き残っていない)、八千年も生きているアルマトランで最も長寿な種族。博識で様々な言語を知っている。ソロモンを「小さき者」と呼び、かつて魔導士聖教連の命を受けて大陸の裂け目を訪れたソロモンの命を救った。 久々に自分の元を訪ねてきたソロモンに世界の寿命が尽きかけていることを告げる。アルマトラン壊滅後は強すぎるためウーゴくんの魔法理論でも作中の世界のルールにあてはめきれず、住んでいる大陸ごと作中の世界の南の果て(暗黒大陸)に移動した。現在は、暗黒大陸の裂け目にアルマトランの記憶を失いながらも一匹だけで暮らしている。 「黒の神」にダビデの人格が取り憑いて「異変」を起こしていることに気付いていた。暗黒大陸に飛ばされたアリババとジュダルから仲間の元へ戻るために力を貸してほしいと頼まれるが一度は拒否する。しかし、アリババに「自分達には短くても自由に幸せに生きられることが大切」だと諭されて、仲間に対する「想い」を忘れていたことに気付き、アリババの頼みを聞き彼らを背に乗せて暗黒大陸からアラジンのいる世界へと2年で送り届けた。 その後暗黒大陸に避難してきたアラジン達に協力することになり、アラジンの魔法修行を助けた。 神杖(しんじょう) 「神」から送られてくる魔力を大量に受信できる特別な杖。800年前に「神」が世界平和のために人間達に配り、全部で72本ある。現在は魔導士聖教連の長老会が独占しており、主に愚々塔の動力源として使われている。魔力を「神」から受け取りすぎるために杖の主の命を削りとってしまう。使い手の額には「神」から送られてくる魔力を受け取る「第3の目」が現れる。愚々塔の制御装置なしでも使うことができるが、その場合数分間しか力を維持できない。 ウーゴくんの考案で改造された神杖は第3の目と同じ役割を持つ装置が埋め込まれており、これで異種族も魔法が使えるようになった。後にシバとウーゴくんによって金属器作り替えられている。 愚々塔(グヌード) 500年前にダビテと仲間の魔導士達が異種族の領土に建造した巨大な魔法装置。神杖を動力源とする。思考能力を奪う精神感応系魔法を発し、人間以外の知的生命体から知能を奪い意のままに従わせ搾取している。「特異点」であるダビデが思想の異なる異種族を統一支配するために開発した。ウーゴくん曰く「とてつもなく高度で巨大な魔法道具で、少なくとも478900種の魔法構築式が含まれている」らしい。 浮遊戦艦 魔導士聖教連が所有する空中を浮く巨大な戦艦。愚々塔と同じく精神破壊魔法を飛ばし、異種族を操ることができる。 絶縁結界(ぜつえんけっかい) 魔導士に魔法を使えなくする結界。魔導士が「道連れ」として自殺によく使うが、ソロモン達は3本の神杖を使って広大な絶縁結界を張ることで異種族に精神破壊魔法をかけられなくした。あらかじめ60カ所の動力点を用意する必要があり、一つでも破壊されると展開できなくなる。 モガメットが禁術として研究しており、作中では依り代の核となった彼の黒ルフをジュダルが利用することで使用を可能にした。
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