西部署捜査課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 01:05 UTC 版)
巽 総太郎(たつみ そうたろう、演:舘ひろし) 刑事。 愛称「タツ」。 皮ジャン(ただし1・2話では未着用)・サングラス・リーゼント姿でハーレーダビッドソンを乗り回す武闘派。時代的に大らかだったこともあって、後述の鳩村とは異なり、しばしばヘルメット未着用(ノーヘル)でハーレーを運転している。 権力や権威を何とも思わず、女にも容赦しない暴力派刑事で、ケンカっ早い核弾頭的存在。 コルト・ローマン2インチ2挺をヒップホルスターとショルダーホルスターそれぞれに入れて携帯している。 第30話で、過去の銀行強盗未遂事件の裏切り者・岸部を抹殺せんとする犯人・吉松が、岸部の運転する幼稚園バスに爆弾を仕掛けたと知りハーレーでバスを追跡するも、通行人を避けて転倒しハーレーのミラーが腹部に刺さる。重傷を負いながらもバスから爆弾を取り外して空き地まで運搬するが、投げた爆弾が爆発しその爆風を受け殉職。自分の身代わりとなって銃撃を受け、生死の境を彷徨っていた松田を最後まで案じていた(後に松田は回復した)。レギュラー出演者では最初の殉職者であり、木暮を始め他の刑事にも衝撃が大きかった。また、いつかは自分も大門のように「巽軍団」を作ることを夢見ていたという。巽が殉職した第30話までのオープニングでは俳優名のみが表示されていたため、巽の名前は最後まで表示されなかった。 大門軍団の中で負傷者第一号であると同時に、殉職者第一号でもある。舘は刑事ドラマを演じることが嫌で大都会の出演を断ったが渡が無理やりやらせたおかげで後に「鳩村英次」役で登場された。その成果が実って他の刑事ドラマに出るようになった。 当初企画時の設定では、「坂部総太郎」(愛称は「タロー」)という役名であった。 松田 猛(まつだ たけし、演:寺尾聰) 刑事。 愛称「リキ」「リキさん」。第1話で木暮課長が西部警察署に着任した際の自己紹介では「松田リキです」と名乗っている。あだ名の由来と本名が一致しない人物の一人。 狙撃と爆発物の専門家で、冷静沈着、表情一つ変えずに任務を遂行する優秀な刑事。大門軍団の仲間に対する思いやりが強かったり、被疑者の子供の面倒を見たりと、人情家の一面もある。 コミカルな一面も持ち合わせており、第41話の当直時に桐生から「リキさんだって見合いの話なんて一つもないじゃないですか」と言われた際には、食べていた東洋水産のカップ麺「赤いきつね」のCMコピーをもじって「バカヤロ、俺は…見合いが怖くてきつねが食えるか!」と答えている。 西部署に配属される以前は東部警察署に勤務していた。警視庁本庁への栄転という話も何度も出ていたが、その度に断っている。S&W M29 44マグナムの8-3/8インチモデルを愛用し、数々の修羅場を大門らと共に切り抜けた。サングラス(レイバン・ウィナー)を常用。初期は特殊警棒も使用していた。 大門軍団の刑事の中では捜査中に誘拐や暴行、拷問等を受け負傷する回数が圧倒的に多かった。以下は主な事例である。第7話にて、犯人に後頭部を殴られた衝撃で記憶障害に陥り、警察と大門軍団を敵と勘違いし、必死に説得にあたる大門の肩を撃ってしまった。さらに警官に発砲し、バスジャックをし、犯人の女性の家へ立て籠ってしまう。その後、大門が犯人に撃たれた時に記憶を取り戻した。 第30話にて、爆弾製造犯人の部屋のガサ入れ中に巽の身代わりとなり銃撃を受け、意識不明の重体に陥った。 第45話にて、拳銃を売った相手に銀行強盗をさせてその上前をはねる事件が続発する。なかなか逮捕出来ない状況に焦った大門軍団は、最後の手段として松田と源田で拳銃を入手し銀行強盗を行うおとり捜査を決行、犯人をおびき寄せる事に成功するが、犯人のマシンガン乱射で乗っていた車が横転し、「刑事なら利用出来る」として拉致されてしまう。 第61話にて、「5、6人でケンカをしている」という通報を受けて源田と共にビル建設現場に向かうが誰もおらず、辺りを調べている時にビル屋上から黒パトに建設資材が落下してくるのに気づき、黒パトに乗っていた源田を引っ張り出すも鉄パイプの下敷きになり、足を負傷してしまう。 その後、第122話でようやく警視庁への異動話が持ち上がるも大門への思いから躊躇。続く第123話では、その思いを捨てきれないまま警視庁を脅迫する犯罪組織の捜査にあたるが、経歴に傷を付けずに本庁へ栄転させたいと考える大門によって捜査から外される。ところがその後も単独で捜査を続け、大門軍団と犯罪組織の取り引き現場のマンホールに爆弾が仕掛けられている事を突き止め現場に急行。その旨を大門に伝えた直後、組織の首領・浜村(演:北村大造)によるM16の銃撃を受け、全身に弾丸を浴びて殉職した。享年30歳。最終回直前の殉職だったこともあり、オープニングのキャスト紹介映像はテロップが外された状態で残された。 続く第124話では、10年前に目をかけていた男が殺され、その責任を感じて男の娘・祥子を支援していた事が判明した。広田家の養女となった祥子には遠い親戚の「ブラジルのおじさん」と名乗って手紙を書いたり、時にはバレエの発表会を見に行ったりしていた。祥子の誕生日に会う約束をしていたが、あと2日後に迫ったところで殉職したため、代わりに大門が彼女への思いを伝えた。 谷 大作(たに だいさく、演:藤岡重慶) 刑事。 愛称「谷さん(基本的に大門と源田が使う呼び名)」「おやっさん」「谷やん(基本的に木暮が使う呼び名)」。 トレードマークは帽子。歴代の大門軍団の中で唯一使用していた。源田同様髭を生やしていたが、伸ばしっぱなしの時や、きれいに整えられている時とバラバラである。 当初の案では、何をやらせても七分どおりに失敗するダメ親父刑事の予定であった。 15年前は東部警察署に勤務していた。かつて大門が一介の新人刑事だった頃、「大門!お前はたるんどる!」と先輩刑事として常に大門を叱り付けながら指導した立場であった。特に、大門が刑事としての自信を喪失し落ち込んだ際には「刑事は尻尾を巻くな、絶対に音を上げるな!」と言って大門を殴りつけ、「刑事は犬だ!相手の喉笛に喰らい付いたら、相手が倒れるまで離すな!それができなけりゃ死んじまえ!」と叱咤しており、その言葉が常に大門を支えてきた(第29話回想シーン)。 源田と同様、PART-Iの終了と共に何の説明もなく姿を消し、PART-II以降には登場していないが、石原プロのHPによると西部署を出て他署へ異動したようである。異動先では西部署管内のような凶悪犯罪が少ないらしく、「手こずらせる相手がいない分、ファイトが有り余っている。このままでは老け込んでしまうよ」とのこと。 家族は死別した妻のほか、宝塚歌劇団に入団しているひろ子という娘がいる(第46話「消えた一時間」より)。 源田 浩史(げんだ こうじ、演:苅谷俊介) 刑事。 愛称「ゲン」「ゲンさん(桐生、北条が使う)」「ゲンちゃん(平尾のみ使う呼び名)」「ゴリラ(初期の桐生、鳩村)」。 強面の顔立ちと屈強な体格の持ち主で、短い角刈りと口ひげがトレードマークの(最初期は口ひげを蓄えていなかった)見るからに無骨な男だが、お人よしで涙もろく、繊細な面もある。若い女性や美人に弱い。サウンドトラックのブックレットでは「大男」と紹介されている。 いかつい外見とは裏腹に、スーツやベスト、ベレー帽、ナロータイなどを自在に着こなし、ファッションセンスにはかなりこだわっている他、自宅ではジャズを聴いて過ごすなど、垢抜けたセンスの持ち主。 大門軍団の刑事の中で唯一の左利きであり、拳銃などの銃器類は常に左手で操る(ただし箸・スプーン・フォークなどは右手で持つ)。 演じる苅谷と同様、大分県速見郡日出町出身という設定。高校の教師に無理やり警察官採用試験を受験させられ、そのまま警察官になったという。谷とは刑事になる前からの知り合いだった(谷曰く「札付きのワル」)。 初期の頃は、射撃時に左手で拳銃を構えて狙いを付ける際、同時に右手を「前ならえ」のように前に突き出す独特のポーズを取っていた。拳銃は当初コルト・ローマン2インチを使用していたが、途中から4インチに変更した。 「体でぶつかれ!反骨精神」をモットーとしており、自分のロッカーの扉に似顔絵入りの貼り紙をしている。 松田によれば「桐生より射撃は上手で、車の運転は下手(第44話)」との事。大型免許を保有しているようで、第2話では暴走する装甲車を止めようとダンプカーで突撃を試みたが失敗した。第65話では偽札を箱崎ふ頭まで運ぼうとする犯人の冷凍車に囚人護送車で体当たりし、先頭の車列を除く犯人車の逃亡を阻止している。また大分出身であることから、偽札製造組織を追って別府・大分に向かった際には松田が何かと話しかけていた。 西部署に特別機動車両隊(通称「特機隊」)が配属された当初、隊長は自分しかいないと思っていたが、ほどなく軍団に加入した鳩村に隊長の座を奪われ、何かと衝突するも後に和解。その後、大門の依頼で導入された特車「サファリ」のメインドライバーとなる。 谷と同様、PART-Iの終了と共に何の説明もなく姿を消し、PART-II以降には登場していないが、石原プロのHPによると他署に異動したようで、体力にものを言わせた捜査スタイルは変わらず、西部署時代を懐かしく想いながらも今を刑事として精一杯生きることを第一としている。 兼子 仁(かねこ じん、演:五代高之) 刑事。 愛称「ジン」。宮崎県出身。宮崎県立石室高等学校卒業。 一般人を誤射したショックから拳銃が撃てなくなったり、犯人にヘロイン中毒にされたり(第17話)と刑事としてはまだまだ半人前であるが、大門や谷によって指導され刑事として一本立ちしていこうとする。 喫煙者の多い大門軍団では珍しく、タバコを吸うシーンがほとんど見られなかった。 当初、軍団のなかでは最年少かつ一番下っ端の新人刑事であったがゆえ、他の軍団メンバーに対して敬語で接していたが、殉職した巽の後任として赴任した桐生とはほぼ同期かつ同世代だったためか、タメ口で接していた。また、大門・谷以外の先輩刑事に対しては「~兄(にい)」という呼び名で接していた。 第54話で巡査部長への昇進試験を受けるべく受験票を受け取った矢先、婚約者・あかねの父(元刑事、演:根上淳)が密輸に関わっている事を知り単独行動を起こすが、銃撃戦の末に白いシャツを血で真っ赤に染め、大門ら軍団刑事に看取られながら笑顔を残して殉職してしまう。 あかね(演:永島暎子)とは高校の同窓会で再会し将来を誓い合う仲となったが、彼女への婚約指輪を直接渡せずに絶命。「これ(婚約指輪)を彼女に渡して欲しい」という兼子の最期の願いを叶えるため、大門が涙目になりながら代わりに手渡した。あかねは、大門から無言で手渡された婚約指輪を見て兼子の死を悟り、泣き崩れた。 劇中では大門の鉄拳を受けた最初の部下でもある。理由は任務に失敗した谷への痛烈な非難であった。その直後捜査に出かける際には、大門に「団長、(ご指導)ありがとうございました!」と言って会釈している。 捜査課への特殊車両導入後、大門軍団では唯一乗車する機会がなかった。 元長距離ランナーであり、サウンドトラックのブックレットには「韋駄天」と紹介されている。 当初企画時の役名は「金子 仁」であった。 桐生 一馬(きりゅう かずま、演:加納竜) 刑事。 愛称「リュウ」「リュウさん」。神奈川県小田原市出身。 殉職した巽の後任として東部署捜査課より着任(第31話「新人・リューが翔んだ!!」)。柔道3段、剣道3段。木暮が西部署に着任してから初めて大門軍団に推薦した人物でもある。登場当初は、巽の死ばかりを悼み自分に注目しない大門軍団の面々を快く思っていなかった。 スマートなイケメン風の新人刑事で、泥臭い体質の大門軍団に馴染めなかったが、次第に溶け込んで行った。良くも悪くも軽い(現代用語でいう「チャラい」)性格である。 初登場の回では大門軍団を尾行したり、宿直の源田が眠っている隙を見て捜査課に忍び込み、寒さをしのぐため課長室にある木暮のブランデーを飲んだり、巽の遺品である革ジャンを勝手に着て捜査へ出てしまったりしていた。また、犯人逮捕時に個人プレーに走り、「新人の土産です」と称して大門の前に犯人を連行するも、「西部署はチームワーク第一」と考える大門に鉄拳を食らう。 愛車はダットサン・ブルーバード(510型)。車の運転技術はプロ級で、キャリアカーを利用しての大ジャンプや、犯人車追跡時に片輪走行(第32話)などのテクニックを披露した。ただし劇中で一度エンストを起こしたことがある(第53話)。第45話では、運転技術に自信があることから犯人車追跡中に独断行動に出て、「このポンコツめ!」とスピードの出ない黒パトを叱咤しているうちに民間人をはねてしまう事故を起こす。この事故がきっかけでマシンXの登場が前倒しされる。また、マシンXを最初に運転した人物であり、捜査課に仕掛けられた時限爆弾を遠ざけるためにマシンXを操ったり、九州出張の際マシンXで九州入りするなど、マシンXとは縁が深い人物であった。 松田によれば「源田より車の運転は上手で、射撃は下手(第44話)」との事だが、第36話では瀕死の重傷を負いながらダイナマイトの導火線を銃弾で断ち切って爆発を寸前で阻止する離れ業を見せている。 第74話にて、インターポール本部への出向のために西部署を離れた。日本を離れる際に松田と「日本に帰って来たらまた一緒に捜査しよう」という約束を交わしたが、松田が殉職してしまったため叶わなかった。西部警察の出演者では唯一、異動という形式で番組を降板している。 前述の通り桐生は巽の後任として西部署に異動したものの、後述の鳩村が西部署に赴任する前に西部署から転出したため、加納と舘の出演期間は完全にずれている。そのため、加納は西部警察シリーズの全レギュラー出演者の中で唯一、舘と共演できなかった人物である(ただし、西部署のセット内で引き継ぎが行われた際に一緒に撮られた写真は存在する)。 北条 卓(きたじょう たく、演:御木裕) 刑事。 愛称「ジョー」。殉職した兼子の後任として東部署から着任(第55話)。元東部署の白バイ隊員で、空手・柔道等の格闘技に長けており、犯人逮捕時にはしばしば決め技として回し蹴りを披露している。 白バイ隊員時代、犯人追跡時に一般人女性とその家族を巻き添えにしてしまった責任を感じ、給料の半分を渡すなど面倒を見ていた。そのため、犯人を逮捕するまでは東部署を離れる訳にはいかないという一念から西部署捜査課への転属を不服とし、大門軍団に馴染もうとしなかったうえ、木暮に転属取り消しを談判していた。その後、その犯人が絡んだ事件を大門達の協力で解決し、晴れて大門軍団の一員となった。 大門・木暮に次ぐ出演回数を誇る刑事であり、場数を踏むに連れ段々と成長していった。五代刑事の加入により初めて先輩となる。 アコがストーリーに絡むときには第一に相談を受けていた。 第76話では犯人のアジトに踏み込んだ際、部屋に残されたボツリヌス菌入りの牛乳を知らずに飲んでしまい、菌に感染しながらも捜査を続けた。PART-IIになってから負傷する頻度が多くなる他、医師である犯人に拉致され、1時間毎に一定量の血液を抜き取られるという目にも遭っている。 若さと正義感の強さゆえに無鉄砲も多く、それが原因でマシンXを盗まれたり(第69話)、目を付けた犯人によって「大門を殺せ」とマインドコントロールされ、刑事部屋で発砲したこともある(PART-II第4話)。早く一人前の刑事になりたいと願うあまり、鏡の前で大門のモノマネをしながら自分に酔う(第73話)など、子供っぽい一面も見られる。また、配属当初は精神面の弱さが見られ、事ある毎に辞職届を提出しようとした他、マシンXを奪われたことで生じた自責の念を源田に見抜かれて「考えるな!」と一喝されたり(第69話)、大門の前で弱腰を見せて殴られたりもした(第91話)。 元白バイ隊員であることから、初登場回ではクライマックスでバイクアクションを見せた。その後バイクに乗ることはほとんどなかったが、PART-III第31話で平尾を乗せたサイドカー付きの白バイを移動のために使用。PART-III第60話では同じく容疑者のバイクを追跡しようとしたが、性能差が大きく断念している。 箱乗りが得意で、PART-III47話では犯人にコントロールされたマシンXに乗り込むのに役に立った。 大門、松田、桐生と同じく、マシンXに乗る機会が多かった。それ故マシンXに対してかなりの愛着があったようである(PART-III47話「戦士よ さらば」より)。全特殊車両を運転した(ガゼール・カタナを除く)経験者の一人。 PART-III第8話~第14話まで、演じる御木の病気療養のため出演していない。この間は第8話の前半、第9話の冒頭、第11話の全編、第12話のワンカットのみ出演し、第15話より本格的に復帰した。PART-IIIのOPクレジットは御木のみPART-IIを引き続き使用している。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}PART-II放送当時、ある月刊誌にて『太陽にほえろ!』に新人刑事、竹本淳二役として出演していた渡辺徹と対談している。なお、両刑事ドラマの出演者はアンケートにて回答している[要出典]。 平尾 一兵(ひらお いっぺい、演:峰竜太) 刑事。 愛称「イッペイ」「イッペイさん」。役名は「ヒラの一兵卒」に由来する。自己紹介の際は「一平」に間違えられないよう、「一兵卒のイッペイです」と名乗るのが特徴。 第75話で桐生の後任として着任。大門軍団の新任刑事のうち、木暮ではなく二宮の推薦で西部署に配属された唯一の人物。二宮曰く「これまで西部署が欲して得られなかった逸材」。 防衛隊のレンジャー部隊から警察官に転身した経歴から堅物かと思いきや、実は軟派中の軟派。軽過ぎるが故にコミカルな役回りになりやすい三枚目キャラクターである。地方ロケでは毎度のように地元名産品の宣伝役を担っていた(日本全国縦断ロケ#ロケに際し石原プロがしたサービスを参照)。 初出勤時から街を歩く女の子に声をかけるという軟派ぶりを発揮している。しかし、入った喫茶店に強盗が立てこもったため、彼女共々人質となってしまう。人質の中に新人の平尾がいることを二宮から聞いた大門は、平尾が持っていたヘッドホンステレオ(東芝Walky)に目を付け、FM電波で指令を伝えて突破口を見出した。また防衛隊所属時から射撃の腕前には自信があり、松田からも感心されている。 拳銃はPART-Iではコルト・ローマンを使用していたが、PARTII以降はFN ブローニングM1910に変更している。 登場当初はブルゾンを着用、普段からヘッドホンを着けているという、少し斜に構え当時の流行に敏感な今時の若者風のキャラクターでしかなかったが、PART-II以降はブルゾンからジャケット着用に変化し、赤縁のメガネをかけ蝶ネクタイを結ぶ姿が次第に常態化、見た目も三枚目キャラにシフトした(逆にオープニングはPART-Iがディスコで踊るシーン、PART-IIで走行中の車から振り落とされないよう必死の形相だったものが、IIIでは同じく走行中の車の天井にいながらシリアスに拳銃も構えるカットになった)。PART-III中盤からブルーのブレザー+蝶ネクタイといういでたちになった。 なお、平尾を演じた峰は、沖田役の三浦友和と1952年(昭和27年)の早生まれという同い年だが、劇中では沖田より格下ないし若輩の設定であった。 後輩の立場だが、頑固な面を持つ北条とは折り合いがあまり良くなかった(特に平尾の着任当初はよく「この一兵卒」と陰口を叩かれていたほど)。そのため「自分は年上なんだから」と北条を諭す描写も見られた。一方で、尾行していた容疑者の暴行を止めようとした北条を無鉄砲を起こすとしか見られず、結果的に妨害してしまったり(第103話)、仲間から比較される形で顰蹙を買ったこともある(PART-II 第34話)。第101話にて、義弟の林家こぶ平(現・九代目林家正蔵)と共演した。 鳩村 英次(はとむら えいじ、演:舘ひろし) 刑事・巡査長(西部署特別車両機動隊長兼任) → 捜査主任・巡査部長。 PART-I・第109話からPART-III・最終話、およびSPECIALに登場。 愛称「ハト」「ハトさん」「ポッポ(団長や源田など)」「団長(SPECIALのみ)」「鳩村さん(SPECIALの橘のみ)」。 西部署に特別車両機動隊(略称・特機隊)が設立され、その隊長を兼任する形で、大門の指名と親代わりだった本庁の鳴神警視(演:加藤和夫)の推薦で西部署に着任(PART-I 第109・110話)。バイクは無論、射撃・格闘いずれをとっても超一級の腕前を持つ。 西部署へ赴任する以前は、警視庁から選抜されてロサンゼルス市警察SWATへ長期研修に派遣されていた。アメリカでも猛烈な暴力派として恐れられ、「ワイルド・ハート(Wild Heart、「ハート」は「鳩」に由来する)」との異名を取った。この呼び名は、帰国後の鳩村着用のライダー・スーツの背中部分に印字されている。配属当初はアメリカンスタイルへのこだわりもあり、大門や仲間達に対して反抗的な面があったが、その後殉職した松田の後を継いで大門軍団No.2的存在へと成長する。 愛知県出身(演ずる舘と同様)。地元には『あさくま』に勤務するヨーコ(字は不明)という幼馴染がおり、彼女曰く歌手または俳優を目指して上京したとのこと(PART-II第38話)。 当初の愛車はスズキ・GS650G(市販車には無いブラックカラー)で、第117話以降はハンドルがノーマルセパレートタイプに交換されている。PART-II第3話以降はスズキGSX1100S KATANA (こちらも市販車には無いブラックカラー、その他にシートやテール、マフラーも交換されている)、終盤のPARTⅢ第60話から特注車の「KATANA-R」を駆使して、軍団内でも特に高機動力を誇る捜査を展開。軍団や特機隊を主導するが、オートバイに乗らずに覆面パトカーやスーパーZ、RS軍団各車を運転することもある。軍団がスーパーマシンを連ねてあたかも大名行列のような隊列を組んで目的地に向けてクルーズする際(特に地方ロケの回には頻繁に見られた)には、愛機・KATANAで先導役を担うのが通例。 オートバイ運転時以外は常に黒のスーツを着ており、PART-IIからは黒縁のサングラスを着用する。時代的に規制が厳しくなったためか、ノーヘル姿ばかりが目立った巽とは異なり、オートバイ運転時はほとんどジェット型のヘルメットを着用。 PART-IIでは沖田と、PART-IIIに入ってからは山県と共に軍団の「二枚看板」として前面で活躍。ライバルの沖田・山県とはそれぞれ仲も良く、いずれとも高度な連携プレーによって事件解決にも貢献した。 アメリカ帰りであるためか、PART-Iでは暴力的な捜査手法や英語交じりの言動が目立ったが、PART-IIからは控えめになり、PART-IIIでは仲間に鉄拳制裁を加えたり、沖田や大門の死に直面した際には耐え切れず激情を露にするなど、熱い一面が強調された。また、上司である大門を一度殴ったこともある(PART-III第4話)。 階級は初登場の際に大門から「巡査長」と紹介されていたが、PART-III「ターゲットX鳩村刑事絶体絶命!」に出てくる警察手帳には「巡査」と明記されている。 拳銃はPART-Iではコルト・ローマン、PART-IIからはコルト・パイソンの4インチPPCカスタムを使用、2004年のスペシャル版では鳩村軍団の団長となり、銃をスプリングフィールドM1911A1とG36Cに変更した。 名古屋、仙台での全国縦断ロケでは、ロケの機会に地元局(名古屋テレビ・東日本放送)の主催で行われた「ファンの集い」の野外ステージで舘が自分の曲(「ロックン・ロール 1981」「ワンモア・チャンス」)を歌唱しているが、その様子はストーリー上、芸達者な鳩村が大門たちのいる現場から観客の注意を逸らすため(仙台)、またはステージに出るはずだったヨーコの代役(名古屋)としてステージに上がって行ったものとして、そのまま本編に挿入されている。 アメリカ派遣時以来の恋人・マリア(演:セーラ)がいたが、鳩村がプロポーズしようとした矢先に事件に巻き込まれ殺害されてしまった。実はマリアの正体はFBIの秘密捜査官で、事件を追っていたのであった(PART-II 第13話)。 舘自身は第30話で音楽活動専念を理由に一旦降板したが、別の役柄で再登場を果たしたという珍しい例である(第109話より登場)。このような異例な措置がとられた理由は、舘が当初演じていた巽刑事の殉職に対してファンから電話や投書による抗議や要望が殺到したため、スタッフが検討した結果、別人として再登場させることになったものとされている。一方で舘本人の話では、入院していた石原裕次郎の見舞いに訪れた際に本人から直々に「(西部警察へ)帰ってこい」と要望され、石原プロのピンチという事もあって「自分でお役に立てるのなら」と二つ返事で了承したというエピソードもある。この再登場により、舘は加納を除く全てのレギュラー出演者との共演を実現することになった。なお、巽と鳩村はいずれも舘が演じているため両者の容姿が瓜二つであるにも拘わらず、2人が似ているという設定はなく、鳩村と大門軍団の初対面時にも巽が想起されるような描写は一切なかった。 沢井 礼子(さわい れいこ、演:布目ゆう子) 事務員。 愛称「レイコ」、「礼子ちゃん」。 赴任したばかりの木暮に二宮によって紹介されるが、木暮に両腕を触られ「若い子は良いねぇ、ピチピチしてて!」とセクハラまがいの言動を受けている。 大門のことは「団長」と呼び、捜査時には無線連絡を担当することもあった。 第52話にて婦人警官試験に合格し、捜査課から転出した。その際、刑事部屋で捜査課全員による送別会が盛大に催され、「CORNER LOUNGE」で二次会も行われた模様。 山野 美子(やまの よしこ、演:小野田かずえ)※PART-III第8話以降クレジットなし。 事務員。愛称「ミーコ」「ミーちゃん」「美子ちゃん」(谷、佐川が「美子君」と呼んだ事もある)。 沢井の後任として第53話より登場した事務員。宿直の源田を除く捜査課全員により、「CORNER LOUNGE」で歓迎会が催された。 国立曰く、「交通課のかわい子ちゃん」。 前任の沢井と異なり、大門のことは「大門さん」と呼ぶ。 子供の頃から刑事に憧れていたことから警察官になった。そのため、西部署交通課から捜査課への転属にあたっては、夢を叶えるべく刑事見習いとして頑張りたいと大喜びしていた。 早速捜査課の面々にお茶を入れるも、緑茶ではなくセンブリ茶を入れてしまい、最初にお茶を飲んだ二宮のリアクションを見た大門は困惑していた。 第96話で犯人から人質として指名され、大門に自ら頼み込んで人質となった。その際、大門から発信機を渡されて犯人の車に乗るも途中で気づかれてしまい、車内でもみ合いとなった末に走る車から飛び降りるというアクションシーンを見せた。 第126話(最終回)では、身代金受け渡し現場である公園に、平尾とカップルを装って張り込んでいる。 PART-II第39話では、とある事情からスイスへ亡命しようとする女性の命を狙う犯人をおびき出すため、「私も大門軍団の一員です」と自ら志願して彼女の身代わりを務めた。 PART-III第7話では、クラブへ潜入している鳩村から情報を得るために、南と夫婦を装ってクラブへ来店しており、南から煙草に火をつけてもらう場面がある。 PART-III第11話を最後に降板。劇中では姿を消した理由は特に説明されず、以後捜査課への事務員の配属はなかった。 二宮 武士(にのみや たけし、演:庄司永建) 係長・警部補、退職時は警視。 組織上は木暮の部下・大門の上司。しかし、大門以下の部下は常に独断専行。彼等にハラハラし右往左往するが、結局大門軍団の成果に木暮と共に喜ぶという中間管理職の立場である。大門は一応二宮を立てている様子はあるものの、部下の刑事たちからは基本的に軽く見られており、事実上、二宮が大門以下から頼りにされているとは言い難い。 しかし、頼りないながらもどこか憎めないお人好しな人物。性格は温厚で、部下の刑事達に対しては必ず「○○君」付けで呼んでいた。 何かと口うるさいが、その実大門達の良き理解者であった。甲高い声が特徴。 大門達がたびたび無茶な捜査を行うことから、狼狽している場面が多い。特に、源田が犯人に拉致され強盗の片棒を担がされたPART-I第52話では精神安定剤を欲しがる場面があったほか、その後木暮に「CORNER LOUNGE」に誘われた際、最初こそウイスキーを前にして「体の調子が…」といって拒んでいたものの、一度飲んでしまうとそれで弾みがつき、次第に笑顔になってウイスキーをガブ飲みしている。さらには、木暮や朝比奈を相手に「警察に勤めて30年、その間ずっと所轄署勤務で、挙句の果てには西部署の捜査係長」「西部署はスタンドプレーが多すぎる。うまく行けば自分達の手柄、うまく行かなければ私の責任だ」といった愚痴をこぼし、しまいには泣き出して2人を困らせてしまうというお茶目な一面を見せた。ただし、「犯人よりも被害者の人権を優先するべき」と語る(PART-I第1話)など、心情的には大門たちの行動を理解している。本庁上層部から大門たちを止めるよう電話で指示された際、その場に部下がいるにもかかわらず「連絡が取れないので自分には止められない」(PART-I第98話)と嘘をつき、大門たちの行動を黙認したこともある。また、ある時は珍しく引き下がらずに、「どこにいるのか分かっていればこんな電話なんかしませんよ!」と上層部に噛みついたこともある(PART-I第113話)。 事件解決後には、軍団の成功を喜び木暮課長が職場で秘蔵しているブランデーで乾杯することが定番であったが、この際のお相伴に与るというちゃっかりとした一面も持つ。このような描写から、西部署内のギャグメーカー的立場の一部を担っていたと言える。 常に捜査課の中にいるイメージが多いが、何度か現場に出ている。その多くは過去に自分が捜査にあたった事件絡みが多い。捜査手段は主に昔馴染みの情報屋を頼りに調べるといった地道な方法であるため、団員からは古いと揶揄されているが、その一方でコンピュータで犯人の情報を検索し、顔写真の画像をマシンXに転送する(PART-I第46話)といった、最新の機器を使いこなす器用さも持ち合わせる。 最後の出演となったPART-II第14話でも、過去の自分の失敗にケリを付けて警察へのケジメを付けようという気骨のある一面を見せており、結果として大門達の協力により、肩と足に被弾しながらも犯人に鉄拳を加えた上で手錠をかけて見事事件を解決した。犯人逮捕の直後、大門にすがりつき男泣きをしている。 渋谷区恵比寿に一戸建ての家を持ち(第26話)、妻みさ子(PART-II第14話では房子(演:上月左知子))の他、とも子という武蔵野短期大学に通う娘がいる(PART-I 第95話)。 劇中の17年前(昭和39年)の時点では城南署に勤務していた(PART-I第66話)。更に10年前(昭和47年)の時点では城東署にも勤務していた。(PART-II第14話) 定年退職から程なくして給食弁当会社「二宮給食」を設立、ラストシーンで捜査課に弁当を持参して配るシーンがあった。定年退職直前に一階級昇進する制度があるが、木暮の計らいで二階級昇進して退職した。 当初企画時の役名は「二宮武雄」であった。
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西部署捜査課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 01:05 UTC 版)
浜 源太郎(はま げんたろう、演:井上昭文) 刑事。 愛称「ゲンさん(基本的に大門と木暮のみが用いる呼び名)」「おやっさん」。 他署に異動した谷の後任として、第1話の時点ですでに捜査課に籍を置いていたベテラン刑事。犯罪者となり死んだかつての戦友の娘・幸子(ゆきこ、演:荒井玉青)を養女として引き取って育てている(同じく、仲間割れにより殺された戦友の妻を自分の家の墓に納骨し、弔っている。この女性とは戦時中からの旧知であり、PART-II 第12話でその全容が語られている)。「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」という大門の持論を叩き込んだ人物である。昇任試験を一度も受けたことがない。 演ずる井上が運転免許を持っていないため、劇中では運転することはなく、助手席もしくは後部座席に乗っているが、PART-II第6話ではバイクに乗るジョーを見かけた時に第16話終盤でのみ運転席から降車している。 PART-II 第14話では単独捜査で、笠松を追っている二宮に対し「老虎は、電話番でもしてれば良いんだよな」と非難した鳩村に対し平手で殴り激怒した事が有る。 PART-II 第35話で、連続警官殺害犯である元警官・塚本国男(演:鹿内孝)との銃撃戦の末、殉職。最後まで養女の幸子を気遣っており、大門に「父親らしい事を何一つしてやれなかった。すまなかったと伝えてください」と涙ながらに遺言している。 浜刑事の殉職は当初の予定になかったもので、演ずる井上側からスケジュールの過酷さを理由に降板の申し出があったためとされる。 沖田 五郎(おきた ごろう、演:三浦友和) 刑事。PART-II 第1話で登場。 放映当時の諸資料によると、「PART-IIにおける最大の目玉である」とされ、PART-II終了と共に退場する予定だったことから(結果的にはPART-IIIにずれ込んだ)、PART-IIは沖田を主役としたシリーズだったと言っても過言ではない。役名は余命いくばくもないとの設定に合わせて、新撰組の沖田総司に由来している。 愛称は「オキ」「オキさん」「ゴロウ(ただし基本的に大門のみが用いる呼び名)」。 昭和29年4月28日、東京・麻布生まれ。港区立第一小学校 - 港区立城南中学校 - 都立青山高校を経て、東京大学法学部へ進学したとの設定。 演じる三浦はもとよりスポーツマンであるが、本作ではじめて大門と同じクルーカットの短髪に刈り込み、Gパンにブルゾン姿と、一層精悍な印象を見せている(ただし、PART-II中盤以降は髪が伸び、ハードな印象は若干後退する)。 元は国家公務員上級職試験に合格して警察庁に入庁した東大法学部卒のキャリア官僚であった。警視庁出向後は迷宮入り事件専門の特務三課に配属されていた(ただし進行中の誘拐事件の捜査を行っていた過去もあるなど設定の不統一が見られる)。ヘリコプターの操縦免許を保持する他、登場した第1話から、走行中のバスにダンプカーから飛び移り、またヘリの縄梯子から洋上にニトロを棄てるシーンをこなすなど、アクション面でも活躍。西部署では世代の近い鳩村と仲が良く、鳩村を特攻隊長とするなら、沖田は行動隊長といったポジションを担い、互いに背中を預けられる仲として捜査活動も共にすることが多かった。 キャリア時代の階級は警部だったが、福岡で起きた人質篭城事件において独断で突入を敢行したことが、順調だった彼の人生を大きく変えることとなる。人質母子のうち母親は犯人に射殺され、自らも腰に銃弾を受けてしまう。粗悪な鉛(リード)で作られた弾丸は腰椎に食い込み、鉛毒による骨髄炎を起こして致命症となることは時間の問題であった。余命宣告を受けた沖田は療養のため1年ブランクを余儀なくされた後、残された時間を燃やし尽くすため、敢えて警察庁から西部署への転属を個人的に志願。その際、階級も自らの希望で警部から巡査への異例の降格が認められた。この事実は、PART-III第6話に軍団全員に知れ渡る(南のみ大門を通じて先行して知る)まで、木暮と大門だけが知る秘密であった。登場当初は「余命半年」の設定であったが、結局は1年間に渡って活躍を続けた。 キャリア時代に国際線スチュワーデス(現在では「キャビンアテンダント」と呼称)の麻生順子(演:水原ゆう紀)と恋仲となり、婚約にまで至ったが、上記の人質篭城事件での被弾による自分の余命のため、理由を告げずに自ら婚約破棄した過去がある。ヘロイン密輸組織摘発のため、沖田がおとり捜査に彼女を協力させた経緯があり、婚約破棄後、復讐として組織の首謀者・軍司(演:宮口二郎)によってその情婦に堕とされた順子と、悲しい再会を遂げている(PART-II 第30話)。 普段は冷静沈着なキャラクターであるが、捜査の際は特務三課時代から、火のついたダイナマイトを犯人の口に詰めて犯人の居場所を吐かせるなど、軍団刑事以上に過激な手段を行使することも多かった。 序盤はS&W M29 44マグナムの6.5インチPPCカスタムを使用していたがPART-II第28話からはコルト・パイソン4インチを使用。また第11話ではS&W M29 8-3/8インチモデルを使用している。 PART-III第5話にて、誕生日を前に恐れていた骨髄炎を遂に発症、続く第6話で自らの死期を悟って西部署を去り、雪山に消えた。その際行き先は告げていないため、退職した彼の行方がどうなったかは誰も知らない。 死期を悟っての辞職という形で、キャラクター区分上は殉職刑事と同様の扱いになっているが、他の刑事と違い死亡を確認できるシーンがなく、雪山から彼の遺体が発見されたというストーリーも存在しないため、実際の生死は不明。 南 長太郎(みなみ ちょうたろう、演:小林昭二) 刑事。52歳。PART-II 第36話から登場。軍団にあって必ず存在し脇を固める、谷・浜に次ぐ3人目のベテラン刑事。 愛称「チョーさん」「おやっさん」。赴任当初は、平尾や沖田から「南さん」と呼ばれた事があった。 城西署時代、駆け出しの大門に刑事のイロハを教え込んだ恩人。 部下を庇うあまり査問委員会で上司を殴り、八丈島にある八神署に左遷されていたところ、大門の計らいによって第35話で殉職した浜の後任として着任。着任時西部署に向かう途中、銭湯に入って身を清めるという行動で出迎えの平尾を驚かせた。地方出張の際、事件解決後、南は必ず地元の温泉に入る。 過去に拳銃を奪われ、その拳銃を取り返すというエピソードもあった(PARTIII 第13話)。 ベテラン刑事らしく勘がよく、また観察眼に優れ他人の立場を察することのできる人柄だったからか、沖田の死期が近いことを木暮・大門以外で最初に悟った人物である。 拳銃はS&W M36を使用。 同じベテラン刑事の谷や浜が、加齢による体力の衰えから、アクション面で若手刑事に遅れを取ったり体調不良を訴える場面があったのに対し、南は若手刑事にも負けずに、自ら先頭を切って犯人との銃撃戦や追跡に駆け出す事が多かった。 山県 新之助(やまがた しんのすけ、演:柴俊夫) 刑事。PART-III 第7話から登場。 愛称「タイショー(大将)」。あだ名と本名が一致しない刑事の一人。愛称の由来は不明だが、チンピラ時代からそう呼ばれていた描写がある。ただし、PART-III第11話でのみ、大門が「ガタ」と呼んでいる。 ボクサーくずれでグレていた時代に、病院から盗んだ血液を道路にまき、偽の殺人事件をでっちあげて大門を挑発した事がある。このとき、大門に決闘を挑むも返り討ちに遭い「自分に挑戦したいのなら、一人前の人間になってから来い」と一喝されたことから、憧れとライバル心から刑事になった。死期を悟り第6話で辞職した沖田の後任として神奈川県警・横須賀港湾署から着任。使用拳銃も前任の沖田のものと同じである。沖田のポジションを引き継ぐことから、指揮車であるRS-1の主ドライバーおよび団長が空路などの移動手段をとった場合、代わりにスーパーZを任されていた。沖田と同様ヘリの操縦も可能(「燃える勇者たち」より)。 イッセイ・ミヤケブランドの機能的な上下繋ぎを着用していることがほとんどだが、冬場はセーターや革ジャンを着ていたり、同期の結婚式に出席するために蝶ネクタイ姿(PART-III 第9話)、張り込みでスーツ・ネクタイを着用(PART-III 第32話)したこともある。 鳩村とは初対面時から殴りあうなど反目し合っていたが、次第に信頼関係を築いていき、捜査上でもしばしば鮮やかな連携プレーを発揮するようになる。豪放で細かなことにこだわらない体育会系のキャラクターで、後輩にあたる五代らを厳しく指導する面も見られた。武道を嗜んでいたためか、大門の指示等に際し「押忍!」と返事をするのが癖であった。 父親(演:汐路章)は牧師であり山県自身も「マイケル・ヨセフ」との洗礼名を持つクリスチャンである。父親は刑事を野蛮な職業として忌み嫌っており、ことあるごとに山県に刑事を辞めて自分の跡を継ぐよう説得するが、山県本人はこれを煙たがっており、父の跡を継いで牧師になる気は更々持っていない。PART-III 第16話では、後述の山県のガールフレンド・サリーがヒッピーに殺された事を受け、敵討ちに燃える山県に「目には目を歯には歯を」というハンムラビ法典の教えを説いて容認した。 ニューヨークに絵画の留学をしていた由美(演:藍ともこ)という婚約者が登場している(PART-III 第56話より)ほか、サリー(演:井上美恵子)というガールフレンドもいたが、こちらは山県を逆恨みしたヒッピー軍団にバイクで引きずりまわされて死亡している(PART-III 第16話より)。 少年達を西部署に呼んで、柔道の指導をしているが、その内の一人、鈴木洋介(演:六浦誠)は、かつて横須賀港湾署時代での山県の先輩刑事の子であり6年前の事件で、洋介の父を退職に 追い込んでしまった。それは鈴木刑事に対し誤射をし足を怪我をさせた事になっているが、実は鈴木刑事は犯人の情報屋であり 銃撃で怪我させた相手が鈴木刑事と知って愕然とする。鈴木刑事は退職後、半年前に亡くなっていて山県は、その葬式に欠席した事で同僚から非難を受けた。山県自身もこの事件がきっかけで苦悩する事になる。(PART-III 第28話) 五代 純(ごだい じゅん、演:石原良純) 刑事。 愛称「ジュン」「坊や(鳩村が呼ぶことが多い言い方)」。1960年(昭和35年)12月10日生まれ。演じる石原良純の実際の出身校である慶應義塾大学出身の設定。新米刑事。PART-III 第8話から登場(本放送では冒頭にプロモーション映像が放送され、「石原良純です!よろしくお願いします!」と挨拶した。また劇中冒頭で、「本名:石原良純 役名:五代純」に始まり、生年月日、出身大学、刑事としての経歴を紹介したテロップが流れた)。 青のGC10型スカイラインGT「サンデー号」に乗って登場。ただしその回のうちに爆発、炎上する。「サンデー号」で国際的なラリーでの優勝経験もあるなど相当のカーマニアであり、同時に運転技術も高いため、犯人の走り方を分析することもある。この技量から、RS-2配置後はメインドライバーを担当するようになった。配属当初は無鉄砲な捜査も多く、大門、山県、鳩村らの指導により成長していく。 警視庁採用の巡査であったがPART-III 68話で国家公務員上級職試験(現在は「国家公務員総合職試験」に制度変更)に合格、警察庁キャリア組への登用が約束されたが自らは西部署の留任を決意していた。 最終回スペシャルでは、北海道で藤崎一派のテログループに銃撃され一時意識不明の重体に陥るも奇跡的に回復。藤崎らとの最終決戦に参加する。 終盤で明子と恋仲になり、最終回で結婚。 軍団解散後は68話・最終回スペシャルにおける木暮と大門のやり取りから、警視庁捜査一課へ異動したと見られる。 なお、役名は石原裕次郎がかつて主演した映画『栄光への5000キロ』の主人公・五代高行に由来しており、かつ、演じる石原良純の「純」の字をこれに重ねたものである。 佐川 勘一(さがわ かんいち、演:高城淳一) 係長・警部補。 PART-II第15話より登場。第14話で退職した二宮の後任として着任、組織上は木暮の部下、大門らの上司。 二宮と同様「困るんだよ、大門君!」としょっちゅう苦言を呈するが、温厚だった二宮に比べるとはるかに嫌味な性格で、「私は言うことはちゃんと言いましたからね!」「私は捜査係長として情けないですよ」などと居丈高な態度に出ることが多かった。しかし結果は二宮同様部下から相手にされず、小言はいつも空回り。なお、部下の刑事を呼ぶ時は二宮同様基本的に「君」付けであるが、沖田や鳩村に対しては、「オキ」「ハト」とニックネームで呼んだ事もあった。 また、二宮は降板回含め数回に渡って自らが現場へ赴く主役回があったが、佐川の主役回はPART-II第27話しかなく、自ら犯人と戦うことも結局最後まで一度もなかった。ただし、PART-III第18話の福岡ロケ編では、犯人が乗っていた車に装着されていたエンケイ製アルミホイールの購入先を調べるため、東京のオートバックスで聞き込みをする場面がある。 着任初日、刑事部屋で山野事務員に机の拭き方を注意し、昼休みを5分過ぎて戻ってきた軍団を叱りつけ、更には木暮を自分の上司とは気づかず「君が大門君か?」と訊いてしまい、これに混乱した木暮が「い、いえ、違いますよ」とだけしか答えられず、「コーヒーくらい自分で入れたまえ」と木暮を叱りつけた。さらに木暮を含め、「刑事としての自覚と礼節」について説教しようとして鳩村に指摘され、慌てて木暮に詫びたという逸話を持つ。 しかし次第に大門軍団に理解を示すようになったのか、部下の刑事達と飲みに行ったり、地方に出張している大門軍団の帰りをスナック「セブン」で祝う準備をしたりといった場面もみられ、事件解決後の「木暮課長のブランデーで乾杯にちゃっかりお相伴」役も前任の二宮から引き継いでいる。さらに最終話では、藤崎率いるテロリスト集団との最終決戦から外されたことを知り(自分の席の引き出しに全員が警察手帳を置いていったことで、クビを懸けての行動であることが示された)、誰もいない課長室で「何故私にだけ知らせてくれなかったんです? 私だって……」と独り男泣きした。 佐川を演じる高城は、PART-Iの第66話に誘拐被害者の父親役でゲスト出演している。この回は前任の捜査係長・二宮がメインの回であり、二宮を演じる庄司との「新旧・捜査係長」の共演シーンを見ることができる。また、西部警察シリーズの前身的作品である『大都会 PARTIII』でも黒岩軍団の上司にあたる捜査課長を演じていた。
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