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セーター 1 [sweater]

毛糸などで編んだ上着。普通、頭からかぶって着るものをいうスエーター。[季]冬。《ふりかぶり着て―の胸となる/不破博》


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セーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/16 09:21 UTC 版)

セーター (sweater) En-us-sweater.ogg 聞くヘルプファイルは、編み物による衣類で、トップスにあたるものの総称。スエーターとも言う。

セーターの形状として代表的なものは、プルオーバー (pullover) とカーディガン (cardigan) がある。プルオーバーは、頭からかぶって着るもので、前後の開きがない衣類の総称。カーディガンは、前開き型になっていて、ボタンファスナーでとめるものである。日本で一般的にいうセーターは、プルオーバーのもののみを指し、カーディガンとは区別されている。日本国外では、地域によって、その名前の由来(後述)から、ジャージジャンパーもセーターの部類に入れられる。

目次

特徴

ウールカシミアなどの動物繊維による、太目の糸で編んだものが代表的である。綿などの植物繊維を組み合わせたり、化学繊維からも作られる。

保温効果と防水性に富み、防寒用上着として着用されることが多い。ただし防水性に関しては一度水分を吸ってしまうと、乾きにくく体温が奪われることが欠点である。南極点到達競争において、毛皮を着用したアムンセン隊に対し、イギリスのスコット隊はウールを防寒具として採用したことが失敗の原因の一つであると考えられている。

天然素材のセーターは害虫に食われることが多い。保管の際には防虫剤を置いて虫を近づけない様にしたり、圧縮収納袋などで密封することによって、虫の進入を防ぐことが対策として考えられる。

また、洗濯する時には、ウール用洗剤を使うか、ドライクリーニングなどの適切な方法で洗わないと縮んでしまう。これは、ウールなどの繊維の表面にあるウロコ状のスケールと呼ばれるものが水分によって開き、摩擦などの力によってスケール同士が絡んでしまうためである。この縮みは、ある程度は修復することが出来るが、縮みきったものについては元に戻すことはできない。

製法

前身頃・後身頃・袖の4つのパーツをそれぞれ編んで成型したあと、それらを繋ぎ合わせて作るのが一般的。 布としての編み地(流し編み)を切ったり縫ったりすることで成型して作る衣類はカットソーに分類され、それとは明確に区別される。

歴史

11世紀、ノルマン人が地中海シチリアに進出した際、ノルマン人はイスラム世界の手芸技術を学び、イギリス海峡に位置するガーンジー島ジャージー島に伝えた。イギリスでは、この2つの島がセーターの起源の地とされている。セーターはイスラムの手芸技術が基礎になっているのである。[1]

セーターという名前は、英語のsweat(をかく)に由来する。1891年にアイビーリーグフットボール選手がトレーニングする際、汗をかいて減量するために編物の上着をユニフォームとして用いたのが元とされ、その他のスポーツでも着用されるようになって一般化していった。ここでいうセーターは、今でいうジャージスウェットの意味合いが強い。これ以前にも、セーターの形状をした衣類は、漁師の作業着などに使われる丈夫なものとして存在していたが、いわゆる「セーター」という名前で認知される様になったのは、この頃からである。

以後、セーターの特徴である伸縮性と着易さ、機械編の導入によって、日常的な普段着として普及していく。防寒としてに着ることの多かったセーターだったが、にも着られる綿製のサマーセーターが作られることで、一年を通して着られる様になったのである。現在では、フォーマルやアフタヌーン・ドレス用のセーターもつくられ、日常着の範疇に留まっていない。

種類

セーターは、その形状や模様、使用目的、由来となった地域などから多くの種類がある。衿明きの形状では、V型、ラウンド型、タートルネックなど。編み方でも、手芸編と機械編に分類され、特に女性から送られる手芸編(手編み)のセーターは、愛情を込められたものとして扱われることがある。

アランセーター (Aran sweater)

アイルランドアラン諸島を発祥としている。フィッシャーマンズセーターのひとつで、縄状の独特の編み込みとハニカムなどの模様が特徴。アラン諸島では、昔から漁業が主な産業だったため、防水と防寒の目的のために、アランセーターは誕生した。古くから仕事着としてはもちろん、普段着としても着用されていた。縄状の編み方は、漁に使うロープや命綱を指しておて、大漁など様々な願いが込められている。そして、その模様は家によって違っていて、遭難死の際の個人識別と家紋の様な意味合いがあったらしい。

カウチンセーター (Cowichan sweater)

カナダバンクーバー島に住む先住民のカウチン族に由来する。白やグレー系をベースにして、狩猟文化を反映した自然に関する文様(特に動物が多い)と幾何学的なデザインを組み合わせたものが編み込まれているのが特徴。現在は、広くカウチン族の伝統工芸として知られているが、元は19世紀初頭にスコットランド人からカウチン族に編み物の技術が伝えられたものが基本となっている。その技術と、古くから伝わる芸術的な要素が融合することで、独特のデザインを持つカウチンセーターが成り立ったのである。狩猟の際の作業着として用いられたため、太い毛糸で編まれ、厚地で丈夫に作られており、(本来のものは)脂肪分を抜かないために撥水性と防寒性も高い。

フィッシャーマンズセーター (Fisherman's sweater)

フィッシャーマンセーター、アイルランドスコットランドなどに住む漁師(Fisherman / フィッシャーマン)の仕事着を起源とするセーターの総称。凹凸がはっきりした縄状のケーブル網みが印象的である。厚手のもので、漁師の仕事上に必要な防水性と防寒性に優れているのが特徴。 アランセーターはフィッシャーマンズセーターの一種でありスコットランド西方のアラン諸島で造られたのが起源。日本では、1960年代に広まった。

その他のセーター

アーガイルセーター (Argyle sewater)
菱形の格子模様(アーガイル)が特徴の英国伝統的なセーター。
アイビーセーター (Ivy sweater)
アーガイルセーターの一種で、アイビールックによく見られる。
アンゴラセーター (Angora sweater)
アンゴラうさぎの毛素材の糸で編まれたセーター。ふわふわと軽く、長い毛足が特徴。
エンブレムセーター (Emblem sweater)
オーバーセーター (Over sweater)
オイルドセーター (Oild sweater)
脱脂をしない毛から編まれる撥水性と保温性の高いセーター、フィッシャーマンズセーターやカウチンセーターがこれに当たる。
ガーンジーセーター
カシミアセーター (Cashmere sweater)
カシミアヤギの毛素材の糸で編まれたセーター。やわらかな肌触りで、保温性が高い。カシミアの割合が大きいと独特の光沢が出てくる。
クリケットセーター (Cricket sweater)
クリケットで着用されるセーター。ケーブル網みで、裾やVネックに沿ってラインが入っている。テニスセーターの基になったと言われている。
サマーセーター (Summer sweater)
サマーニットの一種。でも快適に着られるように、通気性、吸水性、肌触りが重視され、植物繊維や化学繊維のものが多い。
シェーカーセーター (Shakere sweater)
粗めに編まれたセーター。18世紀中頃にイギリスで生まれたキリスト教の一派である「シェーカー」に由来する。
シェトランドセーター (Shetland sweater)
シェトランド島産の羊毛から作られた毛糸で編まれたセーター。それに似せて作られたものシェトランドセーターと言われる。軽くて保温性に富む。
シュリンクセーター (Shrimk sweater)
スカンジナビアセーター (Scandinavia sweater)
スカンジナビア半島一帯に伝わる雪の結晶などの模様が編みこまれたバルキーセーターの一種。
スクールセーター (School sweater)
学校用制服として着用されるセーター。もしくは、それ風のセーター。レターセーターとも呼ばれる。
チルデンセーター (Tilden sweater)
ケーブル網みで、裾やVネックに沿って紺や赤のストライプのラインが入っている。アメリカのテニスプレイヤーであるウイリアム・チルデン (1893年-1953年) の名前が由来になっている。テニスセーターとも言われる。
ツインセーター (Twin sweater)
デザインと色をそろえたプルオーバーとカーディガンを組み合わせたセーター。ツイン・セット、ツイン・ニットとも言われる。1930年代に広まった。
テニスセーター (Tennis sweater)
テニスで着用されるセーター。チルデンセーターとも言われる。
ノルディックセーター (Nordic sweater)
北欧に伝わる雪の結晶やトナカイの模様が編みこまれたセーター。
バルキーセーター (Bulky sweater)
「バルキー」はかさばった、暑いの意味。名前の示すとおり、厚手でふっくらとして、ゆったりとしたシルエットが特徴。
モヘアセーター (Mohair sweater)
モヘヤ(アンゴラヤギの毛)の毛糸で編まれたセーター。長いしなやかな毛足が特徴。

脚注

  1. ^ 宮崎正勝『世界を動かしたモノ辞典』日本実業出版社、2002年

関連項目

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