ボツリヌス菌とは? わかりやすく解説

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ボツリヌス‐きん【ボツリヌス菌】

読み方:ぼつりぬすきん

botulinusクロストリジウム属細菌の一。グラム陽性嫌気性桿菌(かんきん)で、鞭毛(べんもう)をもつ。汚染されソーセージ缶詰魚貝塩漬けなどで繁殖し、強い外毒素産生する中毒すると死亡率は高い。


ボツリヌス菌 (ぼつりぬすきん)

細菌一つ。この酸素が苦手。酸素少ない状態だと、増殖して毒を出します。主に土の中に住みますが、発酵したはちみつなどを介して人の体内侵入することもあり、体にマヒなどの症状起こします1987年には複数赤ちゃんが「乳児ボツリヌス症」を発症全員が「はちみつ」を摂っていたので、その年から「赤ちゃんにはちみつ与えないで」と指導されるようになりました。この芽胞(がほう)を形成するので熱では死なずはちみつが汚染されていると赤ちゃん病気になるのです。満1歳になるまで、赤ちゃんにはちみつ与えたり離乳食使っていけません
link_out.png参考:はじめての離乳食

ボツリヌス菌

酸素のある条件では生育できない細菌で、食品の中で増殖した産生しボツリヌス毒素によって食中毒原因となりますまた、乳児では大腸細菌叢発達していないため、大腸中で増殖した産生する毒素によって乳児ボツリヌス 症を起こすことがあります産生する毒素種類によって、A 型から G 型区分される食中毒は主に A 型B 型E 型よるもの多いです
特徴土壌中、河川動物腸管など自然界広く生息する酸素のないところで増殖し、熱にきわめて強い芽胞作る。強い神経障害もたらす毒素産生する毒素無害化には、80 ℃20 分以上の加熱要する
食中毒症状潜伏期は 8~36 時間主症状は、吐き気嘔吐筋力低下脱力感便秘神経症状複視などの視力障害発声困難、呼吸困難など)。発生少ないが、 いったん発生すると重とくとなり、致死率20%と高い。
過去食中毒原因食品日本:「いずし」を原因食品とする E 型による食中毒多発しているが、A 型B 型による食中毒もある。諸外国食肉製品野菜缶詰原因食品とする A 型B 型が多い。乳児ボツリヌス症場合蜂蜜コ ーンシロップなどからの感染がある。
対策>いずしによる発生が多いので注意が必要。容器膨張している缶詰真空パック食品食べないボツリヌス食中毒疑われる場合抗血清による治療早期開始する

ボツリヌス菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 02:17 UTC 版)

ボツリヌス菌学名Clostridium botulinum)は、クロストリジウム属細菌である。グラム陽性大桿菌および偏性嫌気性菌の中に芽胞の形で広く存在する。菌は毒素の抗原性の違いによりA-Gの7種類の型に分類され、ヒトに対する中毒はA, B, E, F型で起こる。A, B型は芽胞の形で土壌中に分布し、C, E型は海底や湖沼に分布する。


  1. ^ JAMA 2001;285:1059-1070
  2. ^ 詳細ーボツリヌス症 – バイオテロ対応ホームページ”. 2023年12月23日閲覧。
  3. ^ Int J Food Microbiol. 1992 Jun;16(2):117-21, Detection of Clostridium botulinum in natural sweetening. , Nakano H, Yoshikuni Y, Hashimoto H, Sakaguchi G., doi:10.1016/0168-1605(92)90004-M
  4. ^ 小林とよ子、渡辺邦友、上野一恵、沖縄県下におけるClostridium botulinumClostridium tetaniの分布 感染症学雑誌 Vol.66 (1992) No.12 P.1639-1644, doi:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.66.1639
  5. ^ 高機元秀,清水朋子,大井清,野田弘昌,阪口玄二(1987):乳児ボツリヌス症(本邦初発例)における毒素及び菌の検出。日本細菌学雑誌。42:144
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  7. ^ <通知>乳児ボツリヌス症の予防対策について厚生省保健医療局感染症対策室 昭和62年10月20日
  8. ^ 岐阜県で発症した2例目の乳児ボツリヌス症 国立感染症研究所
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  15. ^ 鳥取県で発生した国内5年ぶりとなる食餌性ボツリヌス症 国立感染症研究所
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  17. ^ Botulism in Thailand 22 March 2006WHO
  18. ^ UNSCOM/UNMOVIC報告による主なイラクの大量破壊兵器疑惑 外務省


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