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せなか 0 【背中】
物語要素事典 |
背中
★1a.男が、子供・僧・老人などを背中に負うが、それらが強い力を示したり、だんだん重くなったりする。
『黄金伝説』95「聖クリストポルス」 川守りのクリストポルスに、子供が「川を渡して下さい」と頼む。彼が子供を肩に乗せ杖をとって川に入ると、水嵩が増し、子供は鉛のように重くなる。ようやく川を渡りきったクリストポルスに、子供(実はキリスト) は「汝は、世界とその創造者を肩に乗せたのだ」と告げる〔*『きりしとほろ上人伝』(芥川龍之介)の原話〕。
『今昔物語集』巻23-19 ある夜更け、実因僧都は男から「背負ってさしあげよう」と言葉をかけられる。男は追剥で、僧都の衣を奪うつもりであったが、強力の実因は背負われたまま、追剥の腰をはさみつけ、一夜中諸方を歩かせてこらしめる。
『千一夜物語』「船乗りシンドバードの冒険・第5の航海」マルドリュス版第307夜 難破してある島に泳ぎついたシンドバードは、出会った老人(「海の老人」と呼ばれる怪物)から「わしを肩に背負って流れを渡してくれ」と頼まれる。シンドバードが老人を肩車すると、老人は両脚でシンドバードを締めつけて思いのままに操る。
『南総里見八犬伝』第9輯巻之20第128回 丶大法師の法莚に来会した法師十人を、徳用配下の悪僧十人が捕らえ、肩に負って寺まで運び閉じこめようとする。途中、法師の身体が急に重くなり、悪僧たちはおし伏せられる。里人らが見ると、悪僧たちはそれぞれ石地蔵を背中に乗せて道に倒れていた。
『夢十夜』(夏目漱石)第3夜 六つになる自分の子を背負って雨の夜道を歩く。子供は目がつぶれており、自分に様々なことを話しかける。「お前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」と言われ、百年前の闇の晩に一人の盲目を殺したことを自覚したとたん、背中の子が石地蔵のように重くなる。
『伊勢物語』第6段注記 二条の后・高子が入内前、まだたいそう若かった頃、従姉の女御(染殿の后)のもとに宮仕えするような形で寄寓していた。非常に美しい容姿であったので、男が彼女を盗み出し、背負って逃げた。しかし、高子の兄たちがつかまえて、取り返した。
『古事記』上巻 オホナムヂ(=大国主命)は根の堅州国を訪れ、スサノヲからさまざまな試練を課せられる。オホナムヂは試練を乗り越え、スサノヲが眠る隙に大刀・弓矢・天の沼琴を奪い取り、スサノヲの娘スセリビメを背負って逃げる。黄泉比良坂を越え、出雲の地に到ったオホナムヂは、スセリビメを嫡妻として、国造りを始める。
*男が帝の娘を背負って、京から武蔵国まで連れて行く→〔駆け落ち〕1の『更級日記』。
*背負った女が鬼に変ずる→〔鬼〕5の『太平記』巻23「大森彦七が事」。
『大和物語』第156段 信濃の国更級に住む男が、年老いたおば(伯母あるいは祖母)を「寺の法要に」と言ってだまし、背負って山奥へ行き、捨てて帰って来る。しかし山上に照る月を見て男は悲しくなり、おばを迎えに行く〔*『今昔物語集』巻30-9をはじめ、類話が多い〕。
*男が山姫を背負って、山を下る→〔盲目〕3bの巻機山の伝説。
『ラーマーヤナ』第5巻「美の巻」 ラーマの妻シータを魔王ラーヴァナが誘拐し、ランカー島に幽閉する。猿のハヌーマンが空を飛んでランカー島に到り、シータを背負ってラーマのもとへ戻ろうとする。しかしシータは、夫ラーマへの貞節ゆえハヌーマンの背に触れることを拒み、「ラーマ自身がランカー島へ来て救出するのが義務である」と言う。
『今昔物語集』巻16-29 長谷の観音に三年の間月詣でをして日暮れの道を帰る男が、放免たちにつかまり、「死体を川原に捨てて来い」と命ぜられる。しかし重くて川原までは持っていけないので、家へ運ぶ。家で妻とともに死人をよく見ると、それは黄金のかたまりであった。
『今昔物語集』巻27-44 鈴鹿山を越える三人の男が、夜、古堂に雨宿りして物語するうちに、昼間山中で見た死体を取って来られるか、という話になる。一人が雨の中、裸になって出かけると、もう一人が先回りし、死骸になりすまして横たわり、背負われる折に背負う男の肩にかみつく。
『屍鬼二十五話』(ソーマデーヴァ) トリヴィクラマセーナ王が、樹にかかる男の死骸を下ろして背負う。死骸には屍鬼がとりついており、背中でいろいろな物語を王に聞かせ、問いをかける。
『ツァラトゥストラはこう言った』(ニーチェ)第1部「序説」 山から下界へ下りたツァラトゥストラは、町の広場で綱渡りをする芸人に託して、超人思想を民衆に語る。綱渡り師が道化師に妨害され、綱から落ちて死んだので、ツァラトゥストラはその死体を背負って町を出、深い森の中の木の空洞に死体を安置する。
『今昔物語集』巻24-20 夫を恨んで死んだ女が悪霊となる。陰陽師の教えにしたがって、夫は女の死体の背中にまたがり髪をつかむ。夜、女は夫を捜しに走り出るが、夫をつかまえることはできぬまま、朝になる。
『イソップ寓話集』(岩波文庫版)266「振分け袋」 プロメテウスが人間の首に二つの袋をぶら下げた。一つは他人の欠点の入った袋で前におき、もう一つは自分の悪の入った袋で背中に懸けた。それゆえ人間は、他人の欠点はすぐ目につくのに、自分の悪は身近にあっても見えない。
『古事記』上巻 オホナムヂ(=大国主命)は、兄弟の八十神たちが因幡のヤガミヒメに求婚しに出かけた時、背中に袋を負い、従者としてついて行った。ヤガミヒメは八十神たちを退け、オホナムヂと結婚した。
『神曲』(ダンテ)「煉獄篇」第10~11歌 生前傲慢だった者たちは、死後は償いのため、煉獄の山道を重い石を背負って歩き続けなければならない。
『今昔物語集』巻6-5 昼は鳩摩羅焔が釈迦牟尼仏像を背負い、夜は釈迦牟尼仏像が鳩摩羅焔を背負って、天竺から震旦へ仏像は伝わった。
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背中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/11/18 23:42 UTC 版)
背中(せなか)とは、高等動物の胴の表面の内、胸や腹と反対側、すなわち、脊柱(背骨)が通っている側の、半面のことである。特にヒトの場合には、胴のくびれ、すなわち腰よりも下の部分は尻と称して区別する。ヒトにとっては腹と違い直接目で見ることが難しい部分であるため、背中には裏側のニュアンスがある。「背(せ)」とも言うが、この場合は刃物の「背」のように、転用された表現も多い。一方で身長のことも「背」と言うが、このときは俗に「せい」と発音することがある。
- 1 背中とは
- 2 背中の概要
背中に関連した本
- ひとりごはんの背中 能町 みね子 講談社
- ギリギリまで動けない 君の背中を押す言葉 千田 琢哉 日本実業出版社
- 蹴りたい背中 (河出文庫) 綿矢 りさ 河出書房新社
背中に関係した商品
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