配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の概要

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配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 23:13 UTC 版)

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配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律

日本の法令
通称・略称 DV防止法・配偶者暴力防止法
法令番号 平成13年4月13日法律第31号
種類 民法
効力 現行法
主な内容 配偶者等からの暴力(DV)の防止、被害者等の保護について
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配偶者暴力相談支援センターを中心としたDV被害者の保護や自立支援態勢の確立、裁判所における保護命令手続がある。以下、本法に規定する「保護命令」手続を中心に述べる。

概要

2001年(平成13年)4月3日に、第151回国会に参議院の共生社会に関する調査会長から提出された[3]。同年4月6日に成立し、同年4月13日に公布され[3]、同年10月13日に一部の規定を除き施行された[4]2002年(平成14年)4月1日には、配偶者暴力相談支援センターに関する規定が施行された[5][6]

2004年(平成16年)6月2日に公布され、同年12月2日に施行された改正法[7]では、以下の事項が定められた。

  • DVの定義を精神的暴力を含むものに拡大、離婚後・婚姻取消後に引き続き受ける身体に対する暴力を対象に追加[注 1]
  • 加害者が被害者とともに生活の本拠としている住居の周辺をはいかいする行為の禁止を退去命令の対象に追加
  • 子に対する接近の禁止命令・再度の申立ての制度を追加

2007年(平成19年)7月11日に公布され、2008年(平成20年)1月11日に施行された改正法[4][8]では、以下の事項が定められた。

  • 生命又は身体を加害する脅迫を受けた被害者を保護命令の申立ての対象に追加
  • 加害者に対し保護命令の効力が生じた日から六月間つきまとい行為[注 2]をしてはならない命令をする制度を追加
  • 被害者の親族等[注 3]の住所等においてその親族等の身辺につきまとい、又はその親族が通常所在する場所の付近をはいかいしてはならない命令をする制度を追加

2013年(平成25年)7月3日に公布され、2014年(平成26年)1月3日に施行された改正法[9]では、以下の事項が定められた[10]

  • 題名を「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に改正
  • 生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手からの暴力についても法律を準用することを追加

保護命令の対象となる暴力

保護命令の対象になるのは「配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫」である(法10条)。「生命等に対する脅迫」とは、「被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫」をいう。

この法律にいう「配偶者」には、「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者」(いわゆる事実婚の状態にある者)も含まれる。また、離婚後も引き続き暴力を受ける恐れがある事例もあることに鑑み、離婚後又は婚姻取消後であっても、当該配偶者であったものから引き続き更なる暴力を受ける恐れが大きい場合は、保護命令の対象になる。また、2014年1月3日から施行された改正法により、「生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手」からの身体に対する暴力(当該関係にある間に身体に対する暴力を受け、解消後も引き続き身体に対する暴力を受ける場合)についても法律を準用することとなった。単なる恋人からの暴力(デートDV)は保護命令の対象にはならない。

また、「配偶者」は男女の別を問わず、夫から妻に対する暴力や脅迫があった場合はもちろん、妻から夫に対する暴力や脅迫についても保護命令の対象となる。

本来は性差別に起因する暴力である「ジェンダーバイオレンス(GV)」防止が目的であったが、夫婦間相互暴力に対する法律となっている。


注釈

  1. ^ 「配偶者からの暴力」を定義する1条1項を「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。」に改正する(太字部を改正)。
  2. ^ 次の各号に掲げるいずれの行為をいう。
    一 面会を要求すること。
    二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
    三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
    四 電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。
    五 緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールを送信すること。
    六 汚物、動物の死体その他の著しく不 快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
    七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
    八 その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
  3. ^ 被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居している子及び配偶者と同居している者を除く。)をいう。

出典

  1. ^ Act on the Prevention of Spousal Violence and the Protection of Victims”. 日本法令外国語訳データベースシステム. 法務省. 2021年4月11日閲覧。
  2. ^ "配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律". ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. ブリタニカ・ジャパンコトバンク. 2021年4月13日閲覧
  3. ^ a b 参法 第151回国会 16 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案 議案審議経過情報”. 衆議院. 2021年4月13日閲覧。
  4. ^ a b 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の概要 内閣府 男女共同参画局。2021年4月13日閲覧。
  5. ^ 配偶者からの暴力に関するデータ”. 男女共同参画局. 2021年4月13日閲覧。
  6. ^ 男女共同参画局長 (2002-03-25). “「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」における配偶者暴力相談支援センター等に係る規定の施行について”. 関連通知一覧. 男女共同参画局. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/kanrentsuchi/pdf/01/n_02_140325.pdf 2021年4月13日閲覧。 
  7. ^ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律(平成16年法律第64号)
  8. ^ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律(平成19年法律第113号)
  9. ^ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律(平成25年法律第72号)
  10. ^ 関連法令・制度一覧|配偶者からの暴力被害者支援情報”. 内閣府男女共同参画局. 2016年4月10日閲覧。


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