織物 各地の特徴的な染織

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織物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 00:32 UTC 版)

各地の特徴的な染織

織機に経糸を張る(インド)
絵絣(日本)
伝統的なナバホ織り
アンデス文明に特徴的な織物

中東

中東各地では伝統的な手織りのペルシャ絨毯キリム英語版が重要な工芸品であり、イランファールスカーシャーンの絨毯織りの技術、アゼルバイジャン絨毯、ベドウィンの女性の織るアッ・サドゥ(アラブ首長国連邦)はユネスコ無形文化遺産に登録されている。その他、ケルマーンアラークの製品がよく知られている。

南アジア

南アジアでは、伝統的に染織が発達しており、大航海時代には、南アジアの織物がヨーロッパや世界各地にもたらされ、各地の服飾や織物産業に大きく影響を与えた。現在でも手織・力織ともに重要な産業である。バングラデシュのジャムダニは精巧な綿織物で、その織り技術はユネスコ無形文化遺産に登録されている。

東南アジア

東南アジアでも、インドネシアバティック無形文化遺産)やイカットをはじめ、各地で特徴的な織物が産出されている。

東アジア

中国では紀元前3000年頃より高度な絹織物の技術が発達し、周辺国にも及んだ。「中国の養蚕・絹織物の職人芸術」やリー族の繊維技術もユネスコ無形文化遺産である。また苗族等の少数民族の織物も世界的に有名である。毛織物チベット周辺の遊牧民による絨毯の製造が盛んである。中国以外では朝鮮毛綴があげられる。

北米南西部

北米南西部のプエブロ、ズニ、ユト等の部族は古くから木綿を染色した糸で織っていた。この地を最初に訪れたスペイン人らはナバホ織りの毛布について記している。スペインからナバホ・チュロ種英語版の羊がもたらされると、毛織物も盛ん になった。18世紀以降、ナバホは特徴的な赤色の毛糸等を輸入して、さまざまな紋様の敷物等を織り、交易するようになった。

植民地時代のアメリカでは、植民地では原材料の生産を奨励し、工業化を抑制するというイギリスの植民地政策のもと、高度な織物産業の育成は阻害されていた。1699年羊毛法英語版によって植民地からの羊毛や毛糸・毛織物の輸出や、植民地への羊毛製品・亜麻製品の輸入が厳しく制限されたため[21][22]、入植者は主に現地で産する羊毛、木綿亜麻等で簡単な平織を織り、プリント刺繍で装飾した。

アマゾン川流域

アマゾン熱帯雨林では、原住民がヤシの靭皮繊維を稠密に織った蚊帳またはテントを使っていた。ペルーのアマゾン川流域に住むウラリナ族は他にもヤシの繊維を使って、網、ハンモック、織物を織っていた。ウラリナ族の神話では織ることが全ての中心であり、創造神話では洪水後のウラリナ族再生に女性の織りに関する知識が重要な役割を演じている[23]。ヤシ繊維の布は埋葬の際に副葬品として入れられたが、同時に労働の対価や物々交換の基本として通貨のような役割を担っていた[24]

アンデス文明

アンデス文明では複雑な紋様を表現する織物が発達した[25]。特にタキーレ島英語版ケチュアの織物技術はユネスコ無形文化遺産に登録されている。




注釈

  1. ^ ただし、英語の textile は狭義には織物を指すが、広義には編物不織布等を含む布製品全般を指す概念であり、厳密に「織物」だけを指すには woven fabric 等の表現が使われる[1]

出典

  1. ^ "textile, adj. and n." OED Online. Oxford University Press, December 2014. Web. 16 March 2015.
  2. ^ Collier 1974, p. 92
  3. ^ 角山幸洋「織物」『日本大百科全書』。
  4. ^ 並木覚「力織機」『日本大百科全書』。
  5. ^ 「ており」『日本国語大辞典』。
  6. ^ “Centuries-old fabric found in Çatalhöyük”. hurriyet daily news. (2014年2月3日). http://www.hurriyetdailynews.com/centuries-old-fabric-found-in-catalhoyuk.aspx?pageID=238&nID=61883&NewsCatID=375 2014年2月7日閲覧。 
  7. ^ Woven linen”. University College London (2003年). 2015年3月19日閲覧。
  8. ^ Items of ancient Egyptian dress”. University College London (2003年). 2015年3月19日閲覧。
  9. ^ [1]
  10. ^ a b Pacey, Arnold (1991), Technology in world civilization: a thousand-year history, MIT Press, pp. 40–1, ISBN 0262660725 
  11. ^ a b c d Backer
  12. ^ George Unwin (editor) (1918年). “The estate of merchants, 1336-1365: IV - 1355-65”. Finance and trade under Edward III: The London lay subsidy of 1332. Institute of Historical Research. 2011年11月18日閲覧。
  13. ^ William Page (Editor) (1911年). “Industries: Silk-weaving”. A History of the County of Middlesex: Volume 2: General; Ashford, East Bedfont with Hatton, Feltham, Hampton with Hampton Wick, Hanworth, Laleham, Littleton. Institute of Historical Research. 2011年11月18日閲覧。
  14. ^ a b Freethy 2005, p. 62
  15. ^ Guest 1823, p. 8
  16. ^ W. English, The Textile Industry (1969), 89–97; W. H. Chaloner, People and Industries (1093), 45–54
  17. ^ Timmins
  18. ^ Guest 1823, p. 47-48
  19. ^ Bellerby 2005, p. 17
  20. ^ Freethy 2005, p. 86
  21. ^ "An Act for continuing severall Laws therein mentioned, and for explaining the Act intituled An Act to prevent the Exportation of Wooll out of the Kingdoms of Ireland and England into Forreigne Parts and for the Incouragement of the Woollen Manufactures in the Kingdom of England" Statutes of the Realm: volume 7: 1695-1701 (1820), pp. 600-02. URL: http://www.british-history.ac.uk/report.asp?compid=46972. Date accessed: 16 February 2007.
  22. ^ John A. Garraty; Mark C. Carnes (2000). “Chapter Three: America in the British Empire”. A Short History of the American Nation (8th ed.). Longman. ISBN 0-321-07098-4. http://edweb.tusd.k12.az.us/uhs/WebSite/Courses/APUSH/1st%20Sem/Garraty%20Short%20History%20Chapters%201-18/chapter_threei.htm 
  23. ^ Bartholomew Dean 2009 Urarina Society, Cosmology, and History in Peruvian Amazonia, Gainesville: University Press of Florida ISBN 978-0813033785 [2]
  24. ^ Bartholomew Dean. "Multiple Regimes of Value: Unequal Exchange and the Circulation of Urarina Palm-Fiber Wealth" Museum Anthropology February 1994, Vol. 18, No. 1, pp. 3–20 available online)(paid subscription).
  25. ^ David A. Scott, Pieter Meyers, ed (1994). Archaeometry of Pre-Columbian Sites and Artifacts: Proceedings of a Symposium Organized by the UCLA Institute of Archaeology and the Getty Conservation Institute, Los Angeles, California, March 23–27, 1992. Getty Publications. p. 8. ISBN 978-0-89236-249-3 





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