核戦争 使用された核兵器

核戦争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/09 09:01 UTC 版)

使用された核兵器

実験以外で使用された核兵器は、下記の2例である。

第二次世界大戦

第二次世界大戦は、終盤で人類史上初めて、核兵器が戦争で使用された。

核ミサイル防衛

核戦争のリスクがもたらす若者への心理的な影響

ハーバード大学メディカルスクールが1990年末(1991年1月の湾岸戦争勃発の2ヶ月ほど前)に1518名の青年(平均16.8歳)を対象に自己記入方式のアンケート調査を行い、1493 名の回答者を得て、そのうちの47%の追跡調査を許可した若者を対象に(およそ5年後の)1995年に「General Health Questionnaire」と呼ばれる一般的な健康に関する(定形の)質問文を使って行った調査であるが、 頻繁に核戦争の恐怖を感じた青少年は、(この5年後のアンケート調査では)一般的な精神障害のリスクが高くなることがわかったという。特に1週間に1度、もしくはそれ以上の頻度で核戦争の恐怖を感じると精神的な影響が顕著になるという[11][12]。結論としては、「核戦争の恐怖を頻繁に感じている」という指標(アンケートに対する回答)は、精神障害のきっかけのようなものを抱えている一種の「しるし」ともなるわけなので、その若者を(他の若者よりも)一層注意深く見守る必要があるという指標として使える可能性がある[11]、とのことである。

フィクションにおける核戦争

核戦争を描いたアメリカの漫画(1952年)

2022年現在、現実には全面核戦争は起きていないが、フィクションの世界では終末ものなど、全面核戦争やその後の世界を舞台にした作品がある。以下はそのような世界を描いた代表的な作品である。

映画・ドラマ

エンド・オブ・ザ・ワールド』『渚にて (映画)
小説『渚にて』の映画化。
SF核戦争後の未来・スレッズ
全面核戦争の勃発から十数年後までの世界を描くイギリスBBC製単発テレビドラマ。
ザ・デイ・アフター
アメリカとソ連との間で緊張が高まる中、この二国間に核戦争が勃発。
猿の惑星
世界大戦争
連邦国陣営と同盟国陣営の間で核弾頭による核戦争が勃発。
ノストラダムスの大予言
局地戦での核兵器使用がきっかけで世界戦争に発展。A・B・Cの各陣営のICBMが都市のみならずICBM基地をも攻撃。しかも全滅した基地では機械が自動的にICBMを発射し続ける。
第三次世界大戦
もし冷戦が終結してなかったらという仮定で描かれている。
ターミネーターシリーズ
人類に敵対したコンピュータースカイネットがソ連をステルス爆撃機で攻撃したことで核戦争に発展。核戦争後の未来から現代に暗殺アンドロイドが送られてくる。『ターミネーター4』ではシリーズで初めて核戦争後の世界が舞台になっている。
博士の異常な愛情
未知への飛行
アメリカの核戦略爆撃機が機器の故障により誤ったソ連攻撃の結果、両国が破滅の道へ進むという作品。
ウォーゲーム
アメリカ軍のスーパーコンピューターが暴走して、ソ連への核攻撃とその報復攻撃というカードをきろうとしてしまう。
復活の日
人類死滅後にワシントンD.C.近くで大地震の発生が予測され、この地震をアメリカ側の自動報復システムが核攻撃と誤認してソ連に向けて核ミサイルを発射すれば、ソ連側の報復システムも作動する事になり、僅かに残った人類が住む南極もソ連側のミサイルの標的となっていた。
デリカテッセン
核戦争の15年後の荒廃したパリが舞台。
世界が燃えつきる日
核戦争後の荒れ果てたアメリカ合衆国を舞台に、生き残った人々を求め歩く姿を描く。

小説・絵本(アニメ化されたものも含む)

風が吹くとき
イギリス在住の老夫婦が外部との連絡を絶たれた中で原爆症で死んでいく。
最後の子どもたち
核戦争後のドイツが舞台。
『スワン・ソング』
ロバート・R・マキャモンの小説。核戦争後のアメリカが舞台。
渚にて
『ウォー・デイ』
ホイットリー・ストリーバー、ジェームズ・W・クネトカ共著。核戦争後の米国内の状況を描く。
銀河英雄伝説
物語の時代より遙か過去の西暦2039年に、北方連合国家(ノーザン・コンドミニアム)と三大陸合州国(ユナイテッド・ステーツ・オブ・ユーラブリカ)による全面核戦争が勃発した。
なぞの転校生
核戦争自体は描かれておらず回想シーンのみ。
洪水のあと
核戦争後のスウェーデンゴットランド島らしき島が舞台。
恐怖の総和
アメリカ国内での核兵器テロを引き金として米露間の核戦争勃発寸前に到るまでの過程を描く。『トータル・フィアーズ』として映画化。
霊長類南へ
中国国内での事故によりICBMが韓国、日本に向けて発射されたことからソビエト、アメリカを巻き込んだ全面核戦争に発展。
『亜細亜大戦2001』
ロシアでのクーデターをきっかけに世界核大戦に発展。

アニメ・漫画

とべ!人類
核戦争直前に世界中から集められた子供が、宇宙船「ホモ・サピエンス号」に乗せられ、何世代もかけて「第二の地球」を目指す。
攻殻機動隊
1996年に第3次核大戦が勃発、1999年に勃発した第4次非核大戦では日本が核攻撃され、首都圏が壊滅。
風の谷のナウシカ
「火の7日間」と呼ばれる全面核戦争から1000年後の世界が舞台。
カンビュセスの籤
藤子・F・不二雄の短編。終末戦争後に生き残った人々は地球外文明へ救助を求め冬眠を繰り返す。
FUTURE WAR 198X年
冷戦下、アメリカ・ソ連間での核攻撃をきっかけに全面核戦争に。
火の鳥未来編』
数度の核戦争を経た西暦3404年の地球が舞台。メガロポリス(地下都市)ヤマトとレングードの対立が発端となって超水爆を利用した核戦争が起きる。
北斗の拳
世界的な最終戦争の核戦争後の地球が舞台。この世界は文明が崩壊し力(主に暴力)が支配している。
『地球0年』
田辺節雄/矢野徹 矢野徹の同タイトルの小説のコミカライズ。狂信的陰謀論者によって引き起こされた核戦争と、戦争で荒廃したアメリカに「平和維持軍」として赴く自衛隊を描く。
飛ぶ教室』(漫画)
埼玉小学校を舞台に、校庭に設置されていた核シェルターのおかげで核戦争を生き延びた小学生達が、学校での共同生活によって核の冬に襲われつつある過酷な世界を生き抜こうとする姿を描いた作品。
望郷戦士
1988年に核戦争が勃発。長野県に旅行に来ていた主人公たちが戦争の13年後にタイムスリップ

ゲーム

Fallout シリーズ
2077年に全面核戦争が勃発し、その後の滅びたアメリカを舞台としている。

  1. ^ Zeeberg, Amos (2015年5月6日). “Why Hasn’t the World Been Destroyed in a Nuclear War Yet?”. Nautilus. 2021年7月11日閲覧。
  2. ^ 民族主義は多かれ少なかれどの国にもあるが、過度な民族主義は暴走する傾向がある。そもそも、実際に使うつもりで世界で最初に核兵器を秘密裏に開発し始めたのはドイツの民族主義者アドルフ・ヒトラーであった。「自民族だけが優れる。自民族だけを守る。」という思想は、たいてい「他民族はどうでもいい、他民族は滅んでいい。他民族を絶滅させる」という発想にたどり着き、過度な民族主義者が独裁者になり国の全権を独りで握ると、実際に他民族の絶滅させようとしたり(ホロコースト)、他民族を絶滅させるための兵器(大量殺戮兵器)を開発しはじめる。第二次世界大戦時には、極端な民族主義状態であった日本政府も原爆開発に着手していた(日本の原子爆弾開発)。ドイツと日本が秘密裏に原爆開発を行っていることを諜報活動で察知したイギリスやアメリカ側は、対抗措置で急いで原爆開発に秘密裏に着手、最初はイギリスが先行したが途中からイギリスは開発はアメリカでするべきだと判断し、アメリカが先に開発・製造にたどり着き、アメリカ政府はそれを先手で使用し、戦争の決着がつき、民族主義者によって原爆が使用される事態は防いだ。現在ではロシア民族主義をかかげるウラジーミル・プーチンが核兵器の使用にしばしば言及しており、ウクライナ侵攻以降、その発射装置をボディーガードに持たせ自分の手元に常に置いている状態だと、報道陣や世界各国にあえて意図的に見せつけている。
  3. ^ ロシアが1発でも核兵器を使うと最初の数時間で死傷者が9150万人に達するという研究結果”. GIGAZINE (2022年4月21日). 2022年4月22日閲覧。
  4. ^ アメリカとロシアが核戦争すると50億人以上が飢えて死ぬと試算”. GIGAZINE (2022年8月16日). 2022年9月16日閲覧。
  5. ^ 「局地的な核戦争でも数十億人死亡」すすの影響で地球規模の飢餓に”. Forbes JAPAN (2022年8月27日). 2022年9月16日閲覧。
  6. ^ 氷河期到来、飢餓の発生、死者1億人超…もし印パ戦争で核が使われたら | Business Insider Japan” (日本語). www.businessinsider.jp. 2022年3月1日閲覧。
  7. ^ 通常抑止力として扱われる核兵器を運用する部隊
  8. ^ プーチン氏、核抑止部隊に「特別警戒」命令 ゼレンスキー氏、ベラルーシ国境での交渉に合意” (日本語). BBCニュース (2022年2月27日). 2022年2月27日閲覧。
  9. ^ 「第3次世界大戦は核戦争に」 ロシア外相が威嚇(写真=AP)” (日本語). 日本経済新聞 (2022年3月2日). 2022年3月17日閲覧。
  10. ^ ソ連発表の地図に異変 西部の町、鉄道位置が大移動 核攻撃を想定し偽装?『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月4日朝刊 12版 14面
  11. ^ a b Fear of nuclear war increases the risk of common mental disorders among young adults: a five-year follow-up study”. 2022年5月24日閲覧。
  12. ^ MPH, Stephanie Collier, MD (2022年5月23日). “War anxiety: How to cope” (英語). Harvard Health. 2022年5月24日閲覧。


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