交戦勢力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 00:08 UTC 版)
IS (アラビア語: الدولة الإسلامية) イスラム教スンニ派の過激派集団である。イラクとシリアの広範囲を支配し、指導者のバグダディをカリフとし、その名の通り国家を自称しているが、他国からの承認は得られていない。 住民への過酷な支配で知られ、ISは制圧したクルド人居住地で、「村に押し入って1~2人の首を切断し、村人に見せつけている」など、住民を年齢問わず処刑し、隷属を強いていたという。 また、女性や異教徒(キリスト教徒・ヤジディ教徒など)に対して非常に攻撃的である。IS構成員に多くの少年兵が含まれているとも指摘された。 構成員の民族構成は多様で、中にはクルド人もいた。 クルド民主統一党 (PYD) クルド人によって構成されるシリアの政党。 住民の大半がクルド人で占められるシリア北部の3地方((アフリーン、コバニ、ジャズィーラ))に裁判所・刑務所・警察署などを設置して事実上統治している。これらの地域からはアラブの春・シリア騒乱によって2012年に政府軍が撤退していた。2014年1月、PYDとその連合政党はクルド人居住地の3地方に暫定政権(ロジャヴァ)をうちたて、行政機関を整え、新憲法も導入している。 PYDの下部組織として治安維持を担当する人民防衛隊(YPG) を擁している。イスラム勢力との対決を女性解放闘争とも位置づけており、共産主義的影響も垣間見える。そのこともあって、同部隊には女性が3割程度いるとされている。また地元のクルド人だけでなく、アラブ人やトルコのクルド人の志願兵もおり、多様な構成となっている。一方で少年兵がいるという指摘もある。 長年、アメリカ・EU諸国はPYDの母体組織 クルディスタン労働者党 (PKK) をテロ組織としてきたが、対IS戦では連携する動きも見せた。 2014年9月からはアメリカ空軍が空爆によってYPGを援護した。同年11月からはイラク共和国クルディスタン地域のクルド人民兵組織ペシュメルガもトルコを経由してYPGに加勢した。
※この「交戦勢力」の解説は、「コバニ包囲戦」の解説の一部です。
「交戦勢力」を含む「コバニ包囲戦」の記事については、「コバニ包囲戦」の概要を参照ください。
- 交戦勢力のページへのリンク