読売中京FSホールディングス
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本社がある日本テレビタワー
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種類 | 株式会社 |
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略称 | FYCSホールディングス、FYCSHD |
本社所在地 | ![]() 〒105-7444 東京都港区東新橋1-6-1 日本テレビタワー23階 |
設立 | 2025年(令和7年)4月1日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 5010401189360 |
事業内容 | 株式等の所有を通じて企業グループの統括・運営等を行う認定放送持株会社 |
代表者 | 代表取締役会長 丸山公夫 代表取締役社長 石澤顕 |
資本金 | 1億円 |
発行済株式総数 | 3億965万1000株 |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 日本テレビホールディングス株式会社 20%超 株式会社読売新聞グループ本社 約15% |
主要子会社 | 読売テレビ放送株式会社 100% 中京テレビ放送株式会社 100% 株式会社福岡放送 100% 札幌テレビ放送株式会社 100% |
外部リンク | www |
読売中京FSホールディングス株式会社(よみうりちゅうきょうエフエスホールディングス、英: Yomiuri Chukyo FS Broadcasting Holdings Corporation)は、日本テレビ系列の読売テレビ放送、中京テレビ放送、福岡放送、札幌テレビ放送の共同株式移転により設立された認定放送持株会社[1]。日本テレビホールディングスの持分法適用関連会社[2]。
略称は「FYCSホールディングス(フィックスホールディングス、FYCSHD)」。本社所在地は東京都港区東新橋(汐留)の日本テレビタワー。
概要

日本テレビホールディングス(以下「日テレHD」)は2024年11月29日、連結子会社の日本テレビ放送網(以下「NTV」)をキー局とする日本テレビ系列(日本テレビネットワーク協議会、以下「NNS」)の基幹局である札幌テレビ放送(STV)、中京テレビ放送(CTV)、読売テレビ放送(ytv、発表時は旧商号の「讀賣テレビ放送」)、福岡放送(FBS)の4社が経営統合し、共同株式移転により新たな認定放送持株会社を設立することを発表した[3][4]。持株会社は2025年4月1日に発足。経営陣として、代表取締役会長に丸山公夫(当時:中京テレビ取締役会長、2025年6月より同局相談役)、代表取締役社長に石澤顕(発表時は日テレHD社長、2025年1月より同副会長)が就任した[5]。略称の「FYCS」は日本列島を西から東に傘下4社の頭文字(FBS・ytv・CTV・STV)を配置したもの。ブランドロゴは4社のイメージカラー(レッド(STV・FBS)・ピンク(CTV)・イエロー(ytv))を用いたリボンで日本列島を表現したデザインとなっている[6]。
放送エリアの11道府県は民間放送テレビの5局エリアであり、4社の本社所在地はテレビ東京系列局の正式な放送エリアであることから、NNS系列の中でも放送番組の共通化がしやすいことが特徴である。
2024年現在、NTVが4社にそれぞれ16.1〜30.0%を出資しているが[注 1][7]、持株会社設立後はNTVの保有株式を集約することで日テレHDが株式の20%超を保有する持分法適用関連会社となるほか、日テレHDの筆頭株主でもある読売新聞グループ(グループ本社、東京本社、大阪本社、西部本社)も約15%の株式を保有し、日テレHDに次ぐ第2位株主となる見通し[2]。傘下4社の既存株主にはそれぞれ持株会社の株を交換して割り当てるとしている(交換比率は未定)[8]。
従来は総務省が定めている「マスメディア集中排除原則」の特例に関する省令にて、放送持株会社が保有できる地上波テレビジョン放送局の上限が12都道府県と定められていたが、2023年3月10日に改正・施行された省令により規制緩和された[8][9][10][11]。ただし、該当する放送エリアは11道府県(佐賀県を含めても12道府県)で、日テレHDの出資比率が3分の1(33.33%)以下であるため改正前の省令でも設立可能であった。この統合により読売新聞社を筆頭とする読売グループが4社への関与を強める狙いがあるともみられる[8]。
認定放送持株会社の設立は13社目となり、株式移転方式での放送持株会社設立はテレビ東京ホールディングスについで2例目。単一の放送持株会社による複数系列局の子会社化はフジ・メディア・ホールディングスの仙台放送の子会社化に次いで2例目。キー局が直接関わらない基幹局同士かつ複数の広域圏放送局による放送持株会社の設立は初の事例となり、統合が発表された当日にはNTV以外のテレビ局でも報道された[12][13][14]。
地上波の民放局は、在京キー局や在阪準キー局、在名局のように複数の都府県を放送エリアとする「広域放送」は例外で、自局のある都道府県のみを放送エリアとする「県域放送」が原則となっている[注 2]。地方にあるローカル局のほとんどは、在京キー局を中心とする「系列」という放送ネットワークに組み込まれており、系列のキー局の番組を独占的に放送し、それをもとに集めたCMで収入を得ている。日本テレビ系列の場合は、系列の連携のための「日本テレビネットワーク協議会(NNS)」があり、4社はその基幹局に位置づけられ、北海道東北、中部、近畿中四国、九州の4つのブロックに分け、ローカル局は4社からそれぞれ放送の設備面や事業面などのサポートを受けている[15]。日テレHDは持株会社設立の目的について、人口減少やメディアの多様化、テレビ離れなどが進む中、NNS系列4ブロック(北海道東北、中部、近畿中四国、九州)の基幹局にして、NNS内に2024年4月に設置した「ブロック会議」の幹事社を担っており、なおかつ経営体力のある4社がタッグを組むことで強固な協力体制を築き、共同での番組制作や設備の共有などを図るほか、スケールメリットの拡大やコストの効率化、新規ビジネスへの積極投資、人事交流などを進め、「FYCS及び4社を含むNNSの体制を活かしてネットワークの強靭化を図っていきます」と述べ、持ち株会社の下で4社が新たな協力体制を構築して経営基盤を安定させ、キー局たるNTVやほかのNNS系列局各社とともに魅力的なコンテンツを作っていくとしている[16][17]。また、傘下4社は「引き続き地域の情報を発信する中核企業として、地域社会の発展や活性化に貢献する」と表明した[18][19]。
沿革
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- 2024年
- 2025年
資本構成
出典:[36]
2025年4月1日現在
資本金 | 発行済株式総数 | 株主数 |
---|---|---|
1億円 | 309,651,000株 |
株主 | 株式数 | 比率 |
---|---|---|
日本テレビホールディングス | - | 20%超 |
読売新聞グループ本社 | - | 15%超 |
日本テレビ小鳩文化事業団 | 7,531,427株 | 2.43% |
野村ホールディングス | - | - |
名古屋鉄道 | - | - |
北海道電力 | - | - |
九州電力 | - | - |
西日本新聞社 | - | - |
子会社
傘下4社の放送エリア(近畿広域圏、中京広域圏、北海道、北部九州[注 4])視聴者数は合計で約4200万人となり、これは日本テレビの放送エリア(関東広域圏)視聴者数である約4300万人に匹敵する規模となる[37]。
読売テレビ放送(ytv) | 中京テレビ放送(CTV) | 福岡放送(FBS) | 札幌テレビ放送(STV) | |
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ロゴマーク |
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チャンネル番号 | 10 | 4 | 5 | 5 |
放送対象地域 |
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開局年/加盟年[注 6] | 1958年 | 1969年/1973年[注 7] | 1969年 | 1959年 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区 | 愛知県名古屋市中村区 | 福岡県福岡市中央区 | 北海道札幌市中央区 |
本社ビル |
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経営統合前の主要株主[注 8] | 日本テレビ放送網 16.10% 読売新聞グループ本社 13.66% 読売新聞大阪本社 8.25% 野村土地建物 7.98% 野村ホールディングス 5.05% |
日本テレビ放送網 22.13% 日本テレビ音楽 6.25% 名古屋鉄道 9.60% 名鉄不動産 5.87% |
読売新聞グループ本社 19.98% 日本テレビ放送網 16.90% 九州電力 19.67% 電気ビル 7.00% 西日本新聞社 7.00% 西日本シティ銀行 5.00% 西日本鉄道 5.00% 福岡銀行 5.00% |
日本テレビ放送網 29.93% 日本テレビ小鳩文化事業団 7.30% ※讀賣テレビ放送 4.83% ※中京テレビ放送 3.87% ※福岡放送 3.77% 読売新聞東京本社 11.93% 北海道電力 6.33% 北洋銀行 4.53% 北海道銀行 4.53% 第一生命保険 4.00% |
主な子会社 | YTE ytv Nextry よみうりテレビサービス エイデック センテンス[注 9] ytvメディアデザイン |
中京エレクトロン CTV MID ENJIN 中京テレビクリエイション アクアリング |
FBSエンタープライズ | STVラジオ[注 10] エス・テー・ビー興発 札幌映像プロダクション エス・テー・ビー開発センター エステービー・メディアセンター |
組織
組織図
組織図を参照。
出典・脚注
注釈
- ^ NTVからの出資比率は、STV:30.0%、CTV:24.5%、YTV:16.1%、FBS:16.9%(2024年現在)。
- ^ 電波相互乗り入れを行っている岡山県・香川県と山陰地方を除く。
- ^ 札幌テレビ:北海道日本ハムファイターズ、中京テレビ:中日ドラゴンズ、読売テレビ:阪神タイガース・オリックス・バファローズ、福岡放送:福岡ソフトバンクホークス。
- ^ 福岡県・佐賀県を指す[19]。
- ^ 佐賀県も実質的視聴エリアかつ日本ニュースネットワーク(NNN)の担当取材エリアになっている。
- ^ NNNおよびNNSの加盟年。両組織発足以前の業務提携に関してはそれに準じた提携を開始した年。開局時点で提携していた場合はその年を加盟年とする。
- ^ 名古屋放送(現:名古屋テレビ放送(メ~テレ))と入れ替わり加盟。
- ^ 経営統合発表時点。同一グループ内での分散所有はまとめて表記する。例:A社が30%、B社が20%、A社の完全子会社のC社15%が所有している場合、A社→C社→B社の順に表記。
- ^ 2025年9月末で解散・会社清算予定[38]。
- ^ 100%子会社のラジオ単営局(NRN系列)。
出典
- ^ “共同株式移転による認定放送持株会社の設立に関するお知らせ”. 讀賣テレビ放送. 2024年12月1日閲覧。
- ^ a b 日テレ系列4社が経営統合、持株会社「読売中京FSホールディングス」設立へ、読売新聞、2024年11月29日
- ^ 読売テレビなど系列4社が持株会社「FYCSホールディングス」設立へ 日本テレビ系列全体を強靭化 讀賣テレビ放送(ytv) 2024年11月29日
- ^ 札幌、中京、読売テレビ、福岡放送の日テレ系4社が経営統合へ 朝日新聞 2024年11月29日
- ^ 日本テレビHD:日テレ系4社統合 読売テレビなど 持ち株会社設立へ 毎日新聞 2024年11月30日
- ^ a b 読売テレビ (2025年3月11日). “「読売中京FSホールディングス(FYCS)」に認定証交付 日本テレビ系4社が経営統合し、新たな認定放送持株会社へ”. 日テレNEWS NNN. 2025年3月12日閲覧。
- ^ 日テレ系列4社が経営統合 札幌、中京、読売、福岡―来年4月 時事通信 2024年11月29日
- ^ a b c “日テレHD、系列4局が経営統合 持ち株会社設立”. 日本経済新聞 (2024年11月29日). 2024年12月1日閲覧。
- ^ 江口悟 (2022年3月14日). “持株会社によるグループ経営の制限を撤廃 放送局経営の規制緩和案”. 朝日新聞. 2024年12月1日閲覧。
- ^ 田中駿行『放送事業者の経営基盤の強化に向けて -放送法及び電波法改正案をめぐる国会論議-』参議院事務局企画調整室〈立法と調査 458号〉、2023年7月11日、31頁。ISSN 0915-1338 。
- ^ 日本テレビ系列4社が経営統合 持株会社「FYCSホールディングス」設立へ、日テレNEWS NNN、2024年11月29日
- ^ 日テレ系列4社が経営統合へ 来年4月に持ち株会社を設立 テレビ朝日 2024年11月29日
- ^ 日本テレビHDが系列4局を経営統合 札幌テレビ・中京テレビ・讀賣テレビ・福岡放送 来年4月持ち株会社「読売中京FSホールディングス」設立 TBS 2024年11月29日
- ^ 日テレ系4社が経営統合へ 来年4月 持ち株会社設立 テレビ東京 2024年11月29日
- ^ 日テレ系4社が経営統合 「業界再編の号砲が鳴った」との指摘も 朝日新聞 2024年11月29日
- ^ 共同持株会社設立(共同株式移転)による 日本テレビ系列基幹局4社の経営統合に関するお知らせ、日本テレビホールディングス、2024年11月29日
- ^ 中京テレビなど日本テレビ系列4社 新たな認定放送持株会社の設立を発表 「読売中京FSホールディングス株式会社」 中京テレビ放送(CTV) 2024年11月29日
- ^ 札幌テレビ・読売テレビ・中京テレビ・福岡放送の4社 「FYCSホールディングス」設立へ 札幌テレビ放送(STV) 2024年11月29日
- ^ a b “共同株式移転による認定放送持株会社の設立に関するお知らせ”. 福岡放送. 2024年12月1日閲覧。
- ^ 日本テレビHD 系列4社 来年4月に持ち株会社のもとで経営統合 NHK 2024年11月29日
- ^ 日テレ系の札幌テレビなど4社が来年4月に統合へ 持ち株会社設立、経営基盤安定図る 産経新聞 2024年11月29日
- ^ a b c 情報流通行政局地上放送課 (2025年3月7日). “認定放送持株会社の認定”. 総務省. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “日テレ系4社の統合承認 各社が株主総会”. 共同通信 (2024年12月24日). 2024年12月25日閲覧。
- ^ 経営統合計画承認 STV株主総会 北海道新聞 2024年12月24日
- ^ 日テレ系4社の統合承認、各社が株主総会 コスト削減で経営基盤安定化目指す 産経新聞 2024年12月24日
- ^ お知らせ 札幌テレビ放送(STV) 2024年12月24日
- ^ “日テレ系4社の統合認定 総務相の諮問機関”. 共同通信 (2025年3月7日). 2025年3月8日閲覧。
- ^ 中京テレビ (2025年3月11日). “「FYCSホールディングス」認定 4月1日に発足 中京テレビなど日本テレビ系4社が経営統合”. 日テレNEWS NNN. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “トップメッセージ”. 読売中京FSホールディングス株式会社. 2025年5月4日閲覧。
- ^ “読売中京FSホールディングス発足のお知らせ”. 読売中京FSホールディングス株式会社 (2025年4月1日). 2025年4月1日閲覧。
- ^ 日テレ系4社によるFYCSHDが発足「民放の歴史に新しいページ」 朝日新聞 2025年4月1日
- ^ 「FYCSホールディングス」始動!FBS・YTV・CTV・STVの朝番組がコラボ! 読売中京FSホールディングス、2025年4月1日
- ^ 本日4月1日から『FYCSホールディングス』が始動! 札幌テレビ、2025年4月1日
- ^ FYCS初の4局共同制作特番『未来人に残したい!ふるさとタイムレスカプセル』放送決定! 読売中京FSホールディングス、2025年6月21日
- ^ timeleszがタイムレスだと感じたものをタイムレスカプセルに保存する、4局合同制作特番オンエア 音楽ナタリー、2025年6月21日
- ^ “定 款 - 公益財団法人 日本テレビ小鳩文化事業団” (PDF). 日本テレビ小鳩文化事業団 (2025年6月11日). 2025年7月8日閲覧。
- ^ “読売テレビ、経営統合の準備着々 コンテンツビジネス、ローカルニュースの強化目指す”. 日刊スポーツ (2025年3月4日). 2025年3月5日閲覧。
- ^ 「子会社の解散に関するお知らせ (PDF)」讀賣テレビ放送株式会社、2025年3月3日。2025年3月6日閲覧。
外部リンク
- 読売中京FSホールディングスのページへのリンク