いや

デジタル大辞泉

いや

［感］

１ 驚いたり感嘆したりしたときに発する語。やあ。「—、これはすごいね」

２ 人に呼びかけるときや言い始めるときに発する語。

「—申し、ちと申し上げたい事がござる」〈虎寛狂・附子〉

イヤ【ear】

読み方：いや

《「イヤー」とも》耳。「—ホン」「—パッド（＝耳当て）」

いや【^▽否】

読み方：いや

［感］《「嫌(いや)」と同語源》

１ 相手の言ったことを否定し、自分の考えを述べようとするときに用いる語。いいえ。いえ。「—、そんなことはない」

２ 自分が言ったこと、考えていたことを取り消すときに用いる語。「五時、—もう六時になったかな」

３ 否定も肯定もしないで、話の合間に何となく発する語。「その、—、君、ちょっと来てくれ」

いや【嫌／^×厭】

読み方：いや

《「否(いや)」と同語源》

［形動］［文］［ナリ］

１ 欲しないさま。したくないさま。きらいだ。「—なものは—だ」「ピアノのレッスンがだんだん—になる」

２ 不愉快なさま。「—な顔一つせず手伝う」「会合で—な思いをする」「—な天気」→いやに

[派生] いやがる［動ラ五］いやさ［名］

［接頭］《近世上方語》名詞に付いて、いやな、いとわしい、の意を表す。「—客」「—勤め」

「茨木屋にて御存じの—男にあひ申し候」〈浮・一代男・七〉

い‐や【^▽弥】

読み方：いや

［副］《程度がはなはだしいさまを表す副詞「や」に接頭語「い」の付いたもの》

１ いよいよ。ますます。

「明治の御代も—栄えて」〈独歩・あの時分〉

「去年(こぞ)見てし秋の月夜(つくよ)は渡れども相見し妹(いも)は—年離(さか)る」〈万・二一四〉

２ きわめて。いちだんと。たいそう。

「暁(あかとき)に名のり鳴くなるほととぎす—めづらしく思ほゆるかも」〈万・四〇八四〉

３ 最も。いちばん。

「かつがつも—先立てる兄(え)をし枕(ま)かむ」〈記・中・歌謡〉

いや〔ゐや〕【^▽礼】

読み方：いや

敬うこと。尊敬すること。礼儀。うや。

「賢弟の—を納むる、何の望みかこれに過ぐべき」〈読・雨月・菊花の約〉

いや【祖谷】

読み方：いや

徳島県三好(みよし)市の祖谷川・松尾川両流域一帯の称。平家落人(おちうど)伝説を伝える集落が多い。

祖谷にある、かずら橋

大阪弁

いや

大阪弁	訳語	解説
いや	んー Well	嫌。「いな」の転。否定の返事ではなく、聞かれたことに対して答える言葉の前や会話のつなぎに用いて、会話をなめらかにする。直前に述べた相手の言葉をさえぎった、と勘違いされやすい。いやいっぺん行ってみたい思いまんな。いやそれは…。いや参りましたわ。いやほんま。

いや、いいや

大阪弁	訳語	解説
いや、いいや	いえ、いいえ no 不是	否、嫌。否定の返事。古語「いな」の転で、抑揚をつけて発音する場合は「いいや」となる。いや、ちがいますねんわ。いいや！私はやっとらしまへんで！ 「うんにゃ」も同系列の語。

いやぁ、いや

大阪弁	訳語	解説
いやぁ、いや	まあ、うわぁ、きゃ	嫌。小さな驚きを表す。「あらいやだ」に相当する、主に女性が発する言葉。いやぁ奥さん、ちょっと聞いたぁ？ 語尾をのばさずに発音することも。いやっ、うち見られてんのかなぁ。

好かん、いや

大阪弁	訳語	解説
好かん、いや	きらい、いや 討厭	東京では「好き」「嫌い」と形容動詞での活用が多いが、大阪では「好く」「嫌う」と動詞を使う。「だいきらい」とも言わない。好かへん。総好かんをくらう。いややわ。東京では、やだね、など「や」を使う。

鳥取弁辞書

・・いや

《品詞》終助詞（主に男性が使い、親しい間柄にある相手に対して、気楽な気持ちで質問をするときの文末につける。また、軽い詠嘆にも使うようだ）
《標準語》・・だい、・・かい、・・なの
《用例》「あのこは、誰だいや」「花ちゃんのいとこだがな」（あの子は誰だい？）（花ちゃんの従姉妹だよ。知らなかったの）。
《用例》「まんだ、済まんだかいや」（まだ終わらないのかい）。
《用例》「よんべは、飲み過ぎていや……」（夕べは飲みすぎてねえ）。
《参照》・・え

隠語大辞典

いや

1. 品質粗悪ナル物品一般的代称。〔第七類　雑纂〕
2. 品質粗悪なる物品の代称を云ふ。
3. 品質粗悪な物品。〔掏摸〕
4. 品質粗雑な物品の代称をいう。

分類 掏摸

隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ。

JMnedict

祖谷

姓	読み方
祖谷	いや

ウィキペディア

イヤ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/03/20 05:22 UTC 版)

イヤ・イヤー・いや

ウィキペディア小見出し辞書

いや

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2020/11/29 04:50 UTC 版)

「イヤ」の記事における「いや」の解説

否（いや・いな） - 否定を表す語。 嫌（いや） - 拒否・拒絶を表す語。

Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

いや

出典:『Wiktionary』 (2021/12/04 15:04 UTC 版)

語源1

• 驚きの発声「や」「やっ」「やあ」の変化

感動詞

いや

1. 驚いたとき、感嘆したとき、また、困惑したとき、落胆したときなどに発する語。いやはや。
2. 人に呼びかけるときに用いる語

語源2

• 否定の発声「いな」の変化

感動詞

いや

1. 【否】否定の意を表す際に発するもの。いいえ。いな。むしろ。そうではなく。
   • 自分で使うよりは友人に使ってもらう方がずっと有意義だという綺麗な気持、いやそれすらも自ら気づいてない、いわば単なる底ぬけのお人よしだからだとわかった。（織田作之助『天衣無縫』）
2. 【嫌、厭】嫌悪、拒絶の意を表す際に発するもの。
   • 日頃、附合いの良いたちで、無理に誘われると断り切れなかったなんて、浅い口実だ。何ごとにつけてもいやと言い切れぬ気の弱いたちで……（織田作之助『天衣無縫』）
   • 私も、常陸の貧乏な百姓村に生れて、百姓達の惨めな生活は、いやというほど見て来た。（下村千秋『飢餓地帯を歩く―東北農村惨状報告書―』）

形容動詞

いや【嫌、厭】

1. 嫌悪、拒絶の意を催す。受け入れがたい。我慢できない。不快に感じるためしたくない。好みに合わないためほしくない。
   • 私は今日まで、自作に就いて語った事が一度も無い。いやなのである。読者が、読んでわからなかったら、それまでの話だ。創作集に序文を附ける事さえ、いやである。（太宰治『自作を語る』）
   • 私はきょう迄あの人に、どれほど意地悪くこき使われて来たことか。どんなに嘲弄されて来たことか。ああ、もう、いやだ。堪えられるところ迄は、堪えて来たのだ。（太宰治『駈込み訴え』）
2. 不愉快だ。好ましく感じない。いい気がしない。
   • 私がＡと言う作品を創る。読者が読む。読者は、Ａを面白くないという。いやな作品だという。（太宰治『自作を語る』）
3. （「いやだ」などの形で間投詞的に）困った、失敗した、恥ずかしい、などのニュアンスを表す。
   • まあいやだ私は、どうしてこんなことまで、お話してしまったのでしょう！（コナン・ドイル、三上於莵吉訳『自転車嬢の危難』）
4. （「いやだ」などの形で間投詞的に）相手の言動を、ときに苦笑しながら軽くとがめるニュアンス。「何を言ってるの」「おかしなことを言わないで」。
   • いやだな課長、おだてないでくださいよ。
   • いやだもう、冗談を真に受けちゃって。
5. （「いやに」の形で）不快なほど。不自然に。変に。やけに。

活用

翻訳

• アイルランド語: míphléisiúrtha ^(ga), míthaitneamhach ^(ga)
• イタリア語: sconveniente ^(it), spiacevole ^(it), sgradevole ^(it)
• ウェールズ語: annymunol ^(cy)
• 英語: unagreeable ^(en), unpleasant ^(en)
• エスペラント: neplaĉa ^(eo)
• オランダ語: onaangenaam ^(nl)
• カタルーニャ語: desagradable ^(ca)
• ギリシア語: δυσάρεστος ^(el) 男性
• グルジア語: უსიამოვნო ^(ka), უსიამო ^(ka), არასასიამოვნო ^(ka)
• クルド語: ناخۆش ^(ku)
• スコットランド・ゲール語: caca ^(gd)
• スペイン語: desagradable ^(es) 通性
• セルビア・クロアチア語: neugodan ^(sh), odvratan ^(sh)
• チェコ語: nepříjemný ^(cs) 男性
• 中国語: 令人不快的（lìngrén bùkuài de）
• ドイツ語: unangenehm ^(de), unsympathisch ^(de)
• トルコ語: sevimsiz ^(tr), nahoş ^(tr), tatsız ^(tr), çirkin ^(tr)
• ハンガリー語: kellemetlen ^(hu)
• フィンランド語: epämiellyttävä ^(fi), kelju ^(fi)
• フランス語: déplaisant ^(fr) 男性, déplaisante ^(fr) 女性, pénible ^(fr) 男性
• ブルガリア語: неподходящ ^(bg)
• ペルシア語: ناخوشایند ^(fa) (nâxušâyand)
• ポーランド語: nieprzyjemny ^(pl) 男性
• ポルトガル語: desagradável ^(pt)
• マオリ語: kōtuhi ^(mi) (食物に), haunga ^(mi) (においに), porokawa ^(mi) (味に), maiorooro ^(mi) (音に), haruharu ^(mi) (見た目に)
• マケドニア語: непријатен ^(mk) (nepríjaten) 男性, незгоден ^(mk) (nézgoden) 男性
• ルーマニア語: dezagreabil ^(ro) 男性, neagreabil ^(ro) 男性, neplăcut ^(ro) 男性, nedorit ^(ro), neagreat ^(ro)
• ロシア語: неприя́тный ^(ru)

副詞

いや【弥、彌】

1. いよいよ、ますます。

類義語

• いよ（＞いよいよ）
• やよ

複合語

• いやさか

Weblio日本語例文用例辞書

「いや」の例文・使い方・用例・文例

• これらの問題に取り組むのをいやがってはいけない
• 「お腹空いてる」「いや，ぜんぜん」
• やさしい思いやり
• いやな臭い，悪臭
• きょうは，学校でいやなことがあった
• 運のいいやつ
• 彼はいやな奴だ
• ジョンは賢いやつだ．というのはいつもトラブルに近寄らないでいるからだ
• 「眠くないかい」「いや，ちっとも」
• 自分の犬に対する近所の人の扱い方に彼はいやな感じを抱いていた
• 良い関係はお互いの信頼と思いやりの上に成り立つ
• 「５分ぐらいでここへ来られるかい?」「いや，今は行けないよ．忙しいんだ」
• いやらしくない冗談
• 彼の思いやりで彼女はとても慰められた
• 彼はお年寄りに思いやりがある
• 彼女に花を贈るなんて彼も思いやりがあるものだ
• かわいいやつ
• その仕打ちは，時がたってもいやされないほどひどいものだった
• あんなひどいやつの下で仕事をするのは絶対にごめんだ
• あの人は付き合いやすい