礼とは? わかりやすく解説

いや〔ゐや〕【礼】

読み方:いや

敬うこと。尊敬すること。礼儀。うや。

賢弟の—を納むる、何の望みかこれに過ぐべき」〈読・雨月菊花の約


うや【礼】

読み方:うや

うやうやしくすること。礼儀。いや。

出で入り無し」〈景行紀〉


らい【礼】

読み方:らい

⇒れい


らい【礼】

読み方:らい

礼記(らいき)」のこと。また、礼記」「周礼」「儀礼」の総称


れい【礼〔禮〕】

読み方:れい

[音]レイ(漢) ライ(呉) [訓]いや うや

学習漢字3年

[一]レイ

社会生活上守るべき行動形式規範となる作法また、儀式制度など。「礼楽礼儀礼節礼服礼法儀礼虚礼婚礼祭礼・失礼・縟礼(じょくれい)・葬礼朝礼典礼非礼無礼

敬って拝すること。おじぎ。「礼拝敬礼巡礼答礼拝礼目礼黙礼立礼

感謝の意表明。おれい。「礼金礼状謝礼返礼

[二]ライ

敬って拝すること。「礼賛礼拝敬礼(きょうらい)・頂礼

に関する中国書物の名。「礼記儀礼三礼

名のりあき・あきら・あや・かた・なり・のり・ひろ・ひろし・まさ・まさし・みち・ゆき・よし


れい【礼】

読み方:れい

社会秩序保ち人間関係円滑に維持するために守るべき、社会生活上の規範礼儀作法制度など。「—にかなったやり方」「—を失する」「—を尽くす」

敬意を表すために頭を下げること。おじぎ。「先生に—をする」

謝意を表すこと。また、その言葉また、謝礼のために贈る金品。「本を借りた—を言う」「世話になった人に—をする」

儀式。「即位の—」

アクセント124イ、3はレ


読み方:レイrei

儒教基本をなす理念


れい 【礼】

呉音ライ社会秩序を保つための生活規範儒教では最も重要な道徳的観念として『礼記』などに説く敬意を表する動作をもいう。→ 礼拝

読み方:れい

  1. 茶店通り符牒にして、四といふ数量を表す。通り符牒参照せよ(※巻末通り符牒参照)。〔符牒
  2. 四。〔茶商

分類 符牒茶商

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 14:54 UTC 版)

(れい、旧字体:禮、拼音: )とは、さまざまな行事のなかで規定されている動作や言行、服装や道具などの総称。春秋戦国時代儒家によって観念的な意味が付与され、人間関係を円滑にすすめ社会秩序(儒家にとっては身分制階級秩序)を維持するための道徳的な規範をも意味するようになった。

概要

前史として、孔子が体系化する以前、その源流となった王朝における礼とは「宗法」を指し、祖先祭祀・嫡長子相続・同姓不婚などから成り、これらの宗法=礼を守ることで社会の安定をもたらすとした礼政一致の封建制度が形成された[1]。その前代のでは、上帝の意思を一方的に占う祭政一致の神権政治を行っていた[2]が、孔子が理想としたのは周における礼政一致であった(後述)。

孔子は礼について「克己復礼」(こっきふくれい、自己に打ち克って礼に復帰する)することがであると説き[3]、仁を表現するうえで礼と仁は不可分のものと考えた[4]孟子も同様に、仁・を美的に整え、飾るのが礼であると説いた[5]

儒家の礼の基本精神は供犠であり、「正しい」方法を守るという倫理的な支持以外の見返りを期待しない贈与である[4]。孟子は「礼にかなっていなければ、どんなに飢えたひとであっても、施しの食事を受け取ることはない[6]」と述べ、礼は人間のあり方として訓練されるべき規範であると説いた[5]

礼は規範であるが、法規範のように客観的・普遍的なものではなく、感情を様式化した主観的で特殊な規範である[4]。礼の具体的な適用場面は王朝や時代に応じて適切な形に見直され、変形している。

孔子の礼制による既成の秩序維持は王朝期の礼制であり、春秋時代に国土を拡大した諸国がこれに従えば、国によっては国土を縮小しなければならず、これを指摘し、合理的に批判したのが、国の子西であった[7](以降、孔子は諸国の政治になぜ登用されなかったかの自覚をもつに至る)。 孟子は礼を国家の行動規範として想定し、湯王が葛伯を伐った葛伯征伐について、礼を行わない葛伯に対する正義の戦争であったと考察し正戦の論理を説いた[8]。19世紀の思想家章炳麟は、礼が範例的な規範である以上、それを普遍化して押し付けることはできず、特定の礼を特権化してそれを拒むものを悪とする孟子の正戦論理は侵略戦争や植民地戦争の論理に他ならないとして批判した[5]

礼の分類

儀礼』が扱っている礼

  1. 冠礼
  2. 婚礼
  3. 喪礼
  4. 祭礼
  5. 射礼
  6. 郷礼
  7. 朝礼
  8. 聘礼

四礼

礼記』『漢書』礼楽志には礼が四つに分類されている。

  1. 婚姻之礼 - その由来は人に「男女の情、妬忌の別」があるため。
  2. 郷飲之礼 - その由来は人に「交接長幼の序」があるため。
  3. 喪祭之礼 - その由来は人に「哀死思遠の情」があるため。
  4. 朝覲之礼 - その由来は人に「尊尊敬上の心」があるため。

後には「冠礼」・「婚礼」・「葬礼」・「祭礼」を四礼と呼んだ。

五礼

周礼』大宗伯には礼が五つに分類されている。

  1. 吉礼 - 天地鬼神の祭祀(邦国の鬼神につかえる)
  2. 凶礼 - 葬儀・災害救済(邦国の憂いを哀れむ)
  3. 軍礼 - 出陣・凱旋(邦国を同じくする)
  4. 賓礼 - 外交(邦国に親しむ)
  5. 嘉礼 - 冠婚・饗宴・祝賀(万民に親しむ)

礼学

礼は儒家によって観念化され、秩序原理にまで高められた。荀子によって理論的整備がなされ、六経の一つとして挙げられると、礼を研究・実践する学問である礼学が起こった。

秦代焚書坑儒によって礼に関する多くの書物が散佚し、漢代に伝えられた『礼』は士礼17篇(現在の『儀礼』)のみであったという。高堂生がこれを伝え、后蒼武帝の時、博士となり、その弟子、戴徳(大戴)・戴聖(小戴)・慶普の三家に分かれて学官に立てられた。また『礼』に対して注釈や補充説明をした「記(礼記)」がある。『漢書芸文志には『記』131篇・『陰陽明堂記』・『王史氏記』、后蒼が著した『后氏曲台記』が記載されている。現在に伝わっている礼記は戴徳が伝えた『大戴礼記』、戴聖伝えた『小戴礼記』(現行本『礼記』)である。

後漢鄭玄古文経の『周官』を中心として『儀礼』と『小戴礼記』を三礼として総合的に解釈する体系的な礼学を構築した。

礼の格言

  • 三顧の礼 - 劉備諸葛亮を迎えたときの礼
  • 礼に始まり礼に終わる - 1907年7月『武徳誌』に内藤高治が発表した論文「剣道初歩」が初出
  • 克己復礼 - 『論語』顔淵篇
  • 礼は庶人に下らず、刑は大夫に上らず - 『礼記』ほか

脚注

  1. ^ 渡邉 2018, p. 21.
  2. ^ 渡邉 2018, p. 23.
  3. ^ 論語』「顔淵」
  4. ^ a b c 中島 2012, pp. 118–122.
  5. ^ a b c 中島 2012, pp. 123–130.
  6. ^ 孟子』「告子上」
  7. ^ 加地伸行 『孔子』 角川ソフィア文庫 2016年 ISBN 978-4-04-400045-5 pp.198 - 199.
  8. ^ 『孟子』「滕文公下」

参考文献

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 23:41 UTC 版)

大水滸シリーズの登場人物」の記事における「礼」の解説

岳飛伝高山部族出身の女。他の部族の民と同様に高い身体能力持ちブーメランのような飛刀武器にする。実力自信持っており、男と偽って戦闘参加試みたこともあった。一族傭兵として雇うために訪れた秦容を襲うも失敗長の命で秦容仕え、のちに秦容の妻となる。2人の間には、秦輝が生まれている。

※この「礼」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「礼」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/09/19 10:48 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. レイ相手に対して感謝気持ちや、それを表す言葉
  2. レイ相手に対して感謝の気持ち表わす贈り物
  3. レイ社会常識としての作法や行規範礼儀
  4. レイ頭を下げるあいさつ。おじぎ。
  5. レイ宮中儀式

熟語


出典:『Wiktionary』 (2021/07/22 14:48 UTC 版)

発音(?)

熟語





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