渡邉義浩とは? わかりやすく解説

渡邉義浩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/11 00:21 UTC 版)

渡邉 義浩
人物情報
生誕 (1962-01-04) 1962年1月4日
日本東京都
出身校 筑波大学
学問
研究分野 東洋史
研究機関 北海道教育大学早稲田大学
学位 文学博士
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渡邉 義浩(わたなべ よしひろ、1962年1月4日[1] - )は、日本の中国史学者、早稲田大学教授、学校法人早稲田大学理事、早稲田大学孔子学院院長、学校法人大隈記念早稲田佐賀学園理事長。

経歴

出生から修学期

1962年、東京都で生まれた[2]筑波大学第一学群人文学類史学専攻で学び、1984年に卒業。同大学大学院歴史・人類学研究科に進学し中国古代史を専攻、1991年に博士課程を修了。終了時に提出した学位論文『後漢国家の支配と儒教』で文学博士号を取得[3]

中国古代史研究者として

修了後は、北海道教育大学講師に就いた。大東文化大学文学部助教授に転じ、後に教授昇格。その後、早稲田大学文学学術院教授に就いた。2018年、学校法人早稲田大学理事[4]、学校法人大隈記念早稲田佐賀学園理事長[5]

学界では、三国志学会事務局長[6]

研究内容・業績

著書

  • 『後漢国家の支配と儒教』雄山閣出版 1995
  • 『三国政権の構造と「名士」』汲古書院 2004、増補版 2020
  • 『後漢における「儒教国家」の成立』汲古書院 2009
  • 『西晋「儒教国家」と貴族制』汲古書院 2010
  • 『「古典中国」における文学と儒教』汲古書院 2015
  • 三国志よりみた邪馬台国』汲古書院 2016
  • 『「古典中国」における小説と儒教』汲古書院 2017
  • 『三国志事典』大修館書店 2017
  • 『「古典中国」の形成と王莽』汲古書院 2019
  • 『論語』の形成と古注の展開』汲古書院 2021
  • 『中国における正史の形成と儒教』早稲田大学出版部(早稲田選書) 2021
  • 『「古典中國」における史学と儒教』汲古書院 2022
  • 『中國古代における軍事と儒教』汲古書院 2025
以下は一般向け単著
  • 諸葛亮孔明 その虚像と実像』新人物往来社 1998
    • 『諸葛孔明伝 その虚と実』新人物文庫 2011
  • 『儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源』講談社選書メチエ 2010
  • 関羽 神になった「三国志」の英雄』筑摩選書 2011
  • 『三国志 演義から正史、そして史実へ』中公新書 2011
  • 魏志倭人伝の謎を解く 三国志から見る邪馬台国』中公新書 2012
  • 『「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち』講談社選書メチエ 2012
  • 十八史略で読む三国志』朝倉書店(漢文ライブラリー) 2012
  • 王莽 改革者の孤独』大修館書店(あじあブックス) 2012
  • 『三国志の魅力 英雄たちの「志」』汲古書院 2015
  • 『三国志 英雄たちと文学』人文書院 2015
  • 『十八史略で読む史記 始皇帝・項羽劉邦』朝倉書店(漢文ライブラリー) 2016
  • 春秋戦国』洋泉社歴史新書 2018
  • 漢帝国―400年の興亡』中公新書 2019
  • 『人事の三国志 変革期の人脈・人材登用・立身出世朝日選書 2019
  • 『三国志 研究家の知られざる狂熱』ワニブックス(プラス新書) 2020
  • 論語 孔子の言葉はいかにつくられたか』講談社選書メチエ 2021
  • 大隈重信と早稲田大学』早稲田大学出版部(早稲田新書) 2022
  • 孫子 「兵法の真髄」を読む』中公新書 2022
  • 『虚構から史実へ 中国史書による国家の正統化について』早稲田新書 2025

入門書

  • 図解雑学 三国志』ナツメ社 2000
  • 『図解雑学 諸葛孔明』ナツメ社 2002
  • 『図解雑学 三国志演義』ナツメ社 2007
  • 『図解雑学 宗教から見る中国古代史』ナツメ社 2007
  • 『三国志研究入門』三国志学会監修、日外アソシエーツ(日外選書fontana) 2007
  • 『「三国志」軍師34選』PHP文庫 2008
  • 『「三国志」武将34選』PHP文庫 2009
  • 『「三国志」最高のリーダーは誰か』ダイヤモンド社 2010
  • 『史上最強カラー図解 三国志のすべてがわかる本』ナツメ社 2010
  • 『三国志 ナビ』新潮文庫 2014
  • 『図説 から明かされたもう一つの三国志』青春出版社(青春新書) 2016
  • 『一冊でまるごとわかる三国志』大和書房(だいわ文庫) 2016、新版 2019
  • 『三国志 運命の十二大決戦』祥伝社新書 2016
  • 『はじめての三国志』ちくまプリマー新書 2019
  • 始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎』集英社新書 2019
  • 『教養として学んでおきたい三国志』マイナビ新書 2021
  • 横山光輝で読む三国志潮新書 2022
  • 『三国志が好き!』岩波書店・岩波ジュニアスタートブックス 2023
  • 『横山光輝で読む「項羽と劉邦」』潮新書 2023
  • 『「中国」は、いかにして統一されたか:始皇帝の六国平定』「世界史のリテラシー」NHK出版 2024
  • 『中国史で世界を読む』マイナビ新書 2024
  • 『「十八史略」で読む「三国志」 横山「三国志」で迫る具体像』潮新書 2024
  • 『「韓非子」入門』ミネルヴァ書房 2024

共編著・監修

  • 『三国志研究要覧』中林史朗共著、新人物往来社 1996、新版 2011
  • 『両漢の儒教と政治権力』編、汲古書院 2005
  • 『両漢における三礼』編、汲古書院 2006
  • 『両漢における詩と三伝』編、汲古書院 2007
  • 『両漢儒教の新研究』編、汲古書院 2008
  • 『激突と調和 儒教の眺望』(知のユーラシア 3) 菅本大二共編、明治書院 2013
  • 三国志演義事典』仙石知子共著、大修館書店 2019
  • 『中国文化の統一性と多様性』編、汲古書院 2022
  • 『中国古代における軍事と国家統治』編、汲古書院 2024
  • 『神話世界と古代帝国 アジア人物史 1』集英社 2023
執筆担当:第10章「儒教王権の誕生」567-622頁
入門書
  • 『三国志の舞台 世界歴史の旅』田中靖彦共著 山川出版社 2004
  • 『図解雑学 中国』松金公正共著 ナツメ社 2004
  • 『三国志 漢文講読テキスト』石井仁・津田資久・伊藤晋太郎・田中靖彦共編 白帝社 2008
  • 『「三国志」の女性たち』仙石知子共著 山川出版社 2010
  • 『三国志 戦略と義の壮大なドラマ』監修 主婦の友社 2010
  • 『三国志「その後」の真実 知られざる孔明没後の後伝』仙石知子共著 SB新書 2016
  • 『中国古代史入門 中華思想の根源がわかる!』洋泉社・歴史新書 2016
  • 『中国時代劇で学ぶ 中国の歴史 最新版』監修、キネマ旬報社・キネマ旬報ムック 2016
  • 陳寿 三国志 100分de名著日本放送協会共編。NHK出版(放送テキスト) 2017
  • 『中国時代劇で学ぶ 中国の歴史』監修、キネマ旬報社・キネマ旬報ムック 2017-2018
  • 『はじめて学ぶ中国思想 思想家たちとの対話』井川義次・和久希 共編、ミネルヴァ書房 2018
  • 『史実三国志 新たな発見に満ちた真実の三国志に迫る!』監修、宝島社ムック 2019
  • 『地図でスッと頭に入る 三国志』監修、昭文社 2021
  • 『図解 眠れなくなるほど面白い 始皇帝の話』日本文芸社 2022
  • 『地図でスッと頭に入る 中国戦国時代』監修、昭文社 2022
  • 『ざっくりわかる 8コマ三国志』解説、ジェントルメン中村画、朝日新聞出版 2022
  • 『一冊でつかむ三国志 ビジュアル版』監修、河出書房新社 2024

訳書

  • 袁宏『後漢紀』 中林史朗共訳著、明徳出版社(中国古典新書続編) 1999 - 完訳ではなく抜粋版
  • 范曄『全譯 後漢書』(全18冊・別冊) 司馬彪劉昭ほか補注、汲古書院 2001‐2016
    監修を担当、岡本秀夫・池田雅典・島田悠・高橋康浩・渡邉將智・堀内淳一・小林春樹・高山大毅・田中靖彦・水野厚志 訳・注解
  • 曹操墓の真相』河南省文物考古研究所編著、監訳、谷口建速訳、科学出版社東京 2011
  • 三国志 Three Kingdoms』放送番組・日本語版監修 2010
  • 顔之推『全譯顔氏家訓』主編、汲古書院 2018
  • 『全譯 三國志』(全9冊予定) 仙石知子・高橋康浩共編、汲古書院 2019-刊行中
  • 『全譯 論語集解』(全2巻) 主編、汲古書院 2020
  • 『論語集解 魏・何晏〈集解〉』(全2巻) 早稲田大学出版部(早稲田文庫) 2021 - 現代語訳
  • 『後漢書』(全12巻予定) 早稲田大学出版部(早稲田文庫) 2022-刊行中 - 現代語訳
  • 魏武注孫子』講談社学術文庫 2023[7]
  • 『全譯 魏武帝註孫子』関(關)俊史共編、汲古書院 2023

TV出演

  • 超三国志「徹底解明! 英雄たちの真実」(2019年8月3日、NHK-BSプレミアム)
  • 100分de名著陳寿 三国志」(2017年4月、NHK教育テレビジョン
    • 新版テキスト「集中講義 三国志 正史の英雄たち」(2019年6月、日本放送協会編、NHK出版)

参考

外部リンク

脚注

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.354
  2. ^ 著者プロフィール(新潮社)
  3. ^ CiNii(学位論文)
  4. ^ 副総長、常任理事、理事および監事 - 早稲田大学
  5. ^ 学園点描 渡邉義浩 新理事長就任挨拶 挙行早稲田佐賀中学校・高等学校、(2019-01-10)
  6. ^ 【告知】最新学説で「三国志」に迫るツアー 初回は「呉」が舞台 8月出発”. 産経ニュース (2019年6月7日). 2019年11月30日閲覧。
  7. ^ 底本は魏の曹操による全篇校注
先代
村上公一
大隈記念早稲田佐賀学園理事長
2018年 -
次代
(現職)
先代
森田典正
早稲田大学孔子学院院長
2018年 -
次代
(現職)

渡邉義浩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 13:08 UTC 版)

貴族 (中国)」の記事における「渡邉義浩」の解説

渡邉貴族淵源となったのが豪族ではなく名士」であるとする。 「名士」は豪族出身であることが多いが、庶民貧しい者たちも「名士」になりうる。「名士」になるために必要なのは他の「名士」に「名士」であると認められることであり、認められるために必要なものは郷論の中での文化的名声である。「名士」は互いに連絡取り合い親交を結ぶことで「名士グループ作る代表的なグループとしては荀彧を代表とする潁川グループ孔融を代表とする北海グループ諸葛亮を代表とする荊州グループなどがある。これらグループ三国政権協力しその中で勢力張り、自らの地位固めていった。 これら「名士」が政権の中で確固たる地位確立し、やがて貴族へと変化していった。貴族貴族たる所以大土地所有でも官僚たる地位でもなく、文化的価値独占しているという点にあり、このことが豪族層からの支持を生み、地方郷党対す間接的な支配力及び皇帝からの自律性生む渡邉考えは川勝・谷川影響が強い。しかし川勝・谷川が「本来ならば封建領主化するはずであった豪族が自らの自己規定により貴族となった」とするように封建領主化するのが「本来」という考え未だ大土地所有を貴族条件とする呪縛から完全に解き放たれていない批判し大土地所有とは完全に無関係な文化的価値こそが貴族貴族たる所以であるとする。

※この「渡邉義浩」の解説は、「貴族 (中国)」の解説の一部です。
「渡邉義浩」を含む「貴族 (中国)」の記事については、「貴族 (中国)」の概要を参照ください。

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