漢学とは? わかりやすく解説

かん‐がく【漢学】

読み方:かんがく

日本で、中国古典をもとに中国思想詩文研究する学問国学洋学に対していう。

中国で、漢代訓詁学(くんこがく)、また、それに基づく清代考証学をいう。


漢学 (かんがく)

儒学じゅがく]をはじめとした、中国学問のことです。


漢学


漢学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 19:33 UTC 版)

漢学(かんがく)とは、前近代、特に江戸時代日本における、中国伝来の漢籍中国思想漢詩文の研究。学問の総称。国学洋学蘭学)に対して用いられる。西洋由来の中国学支那学、シノロジー)とはやや異なる。

歴史的経過

江戸時代

江戸時代中期までにおいては、外国の優れた学術は漢籍の形で中国から入ってくるのが一般的であったため、外来の学術研究は全て「漢学」と考えられてきた。ところが、ヨーロッパの書籍から直接知識を得ようとする洋学(蘭学)が出現するようになると、従来の学問(日本固有の学術及び中国伝来の学術)はこれと区別する意味で「皇漢学(こうかんがく)」と称されるようになる。ところが本居宣長など国学や神道を研究する人々は漢学(からまなび)こそ古来日本以来の精神を毒しているとこれを排する動きが強まり、「皇漢学」という呼び名も次第に廃れて国学と漢学は分離されるようになった。

いわゆる音韻学

漢学の重要な素養として漢詩、特に近体詩が書けることがあった。しかしながら、音韻体系が全く異なる日本語話者にとって、中国語の音韻体系を学習するのは非常に困難なものであった(いわゆる、和習(倭臭)の問題)。まず、中国語に比べ発音体系が単純な日本語では、元の中国語では異なる音と認識される漢字が同音となることが多く、音読みではを踏むものの、中国語では韻を踏まないということとなるため、音読みでは同音となるものの使い分けを学ぶ必要があった。当初は、個々の漢字で反切を丸暗記する等していたが、後に便法として字音仮名遣いが工夫された。また、近体詩において、平仄は最も重要な要素であるが、その前提である声調四声)を、一字一字について覚える必要があった。

このような学習が、明治初期まで漢学の重要な分野であった。

戦前

明治初期の私塾では、二松学舎國學院などが数多く存在した。明治政府西洋各国の学問の摂取を進めると、古い儒学系統の学問は衰えて、代わって西洋の学問研究を取り入れた「支那学」として再構築されるようになる。ところが支那学の中心となった学派が京都帝国大学であった事から、これに反発する東京帝国大学の学派や、古来日本が文明を取り入れた中国と当時の列強による半植民地状態の中国を切り離して考える国粋主義者の中には、依然として「漢学」という呼称を用いる者があった。1932年には、東京帝国大学教授の高田眞治が、明治期に存在した漢学関係の会[1]を復興する形で「漢学会」を設立した[2]

戦後

第二次世界大戦後、「支那学」「漢学」はどちらも「中国学」と言い換えられるようになった。ただし「漢学」は戦後も稀に用いられている[3]。なお、近代以前の漢文で書かれた中国文学を専門として研究する場合には、「漢文学」という呼称が用いられている。

脚注

  1. ^ 斯文会の母体の一つの「東亜学術研究会」
  2. ^ 東京大学百年史 部局史1』東京大学出版会 1987 p.518
  3. ^ 漢學會/文学部関連学会/研究活動|国士舘大学 文学部”. 国士舘大学. 2020年10月30日閲覧。

関連文献

関連項目


漢学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 22:22 UTC 版)

張明澄」の記事における「漢学」の解説

誤訳・愚訳 漢文読めない漢学者たち!』で、『唐詩選』をはじめとする唐詩誤訳原文間違い、意境の至らなさなどを痛烈に批判した同書目次一部列挙すると、下記のとおり非常に挑戦的である。 漢詩の韻も知らない○○訳者 鬼女美女と訳す漢学者たち 文法知らないからこんな訳になる 奇妙きてれつ地上最低の○○漢詩区切り知らない訳者ち ○○訳にかかると名詩も大掃除の詩になる 正訳と誤訳まじった○○唐詩選 特に批判対象となったのは、吉川幸次郎の「新唐詩選」や、前野直彬の『唐詩選』など、岩波書店から出版され漢詩翻訳であり、張は激し調子王翰の「涼州詩」などに対す吉川らの解釈否定した発表当初中国文学界からは黙殺されたが、後になって漢詩解釈専門家である松浦友久が張の説を取り上げ吉川解釈比較して検証をしている[要出典]。松浦検証によれば王翰の「涼州詩」に対して吉川解釈も張の解釈いずれも歴史的に見て正しく解釈として成立するものだという[要出典]。 さらに『間違いだらけの漢文』(1971年久保書店)では、唐詩の他に、『周易』解釈や、『紅楼夢』など白話文誤訳についても言及している。特に『周易』については、『周易真実』(1998年)で、当時漢字つまり甲骨文金石文使われている漢字の意味解釈するべきであるとし、その順序も坤卦から始まり乾卦で終わるように改めるべきと主張する。これについては、漢学者からの反応は全く見られないまた、魏志』「倭人伝」を正しく読めば邪馬台国位置出水平野にあった自説展開するが[要出典]、これについても『誤読だらけの邪馬台国』(1992年久保書店)には反響乏しくこれといった賛同反論もない[独自研究?]。

※この「漢学」の解説は、「張明澄」の解説の一部です。
「漢学」を含む「張明澄」の記事については、「張明澄」の概要を参照ください。

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