施行後の処罰事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 22:32 UTC 版)
「中華人民共和国サイバーセキュリティ法」の記事における「施行後の処罰事例」の解説
施行後の処罰事例の多くがコンテンツ自主審査義務の未実施に対する処罰となっており、同法が当局による検閲にも利用されていることが分かる。 サイバーセキュリティ保護義務の未実施2017/06 山西省。某企業のサイバー攻撃対策不備、警告、改善命令。 2017/07/20 広東省。某IT企業が重要システムのセキュリティリスク評価未実施。警告、改善命令。 2017/07/22 四川省。セキュリティ対策不備のサイト「教師発展平台」がハッキングされ、サイト管理責任者に5,000元、サイト運営会社に10,000元の罰金。 2017/08/01 重慶市。某IT企業が不法にユーザログイン履歴を保存。警告、改善命令。 2017/08/12 安徽省。セキュリティ対策不備のサイト「教師進修学校」につき、学校の法定代理人等に5,000元、学校に15,000元の罰金。 2017/08/30 ハルピン市。セキュリティ対策不備のサイト「方正農業社会化服務平台」がハッキングされ、改善命令、20,000元の罰金。 2017/09/28 淮南市。淮南職業技術学院から4,000名余りの学生の個人情報が漏えい。警告、改善命令。 2017/10/17 合肥市。某企業のセキュリティ対策不備で、警告、改善命令。 2017/12/12 長沙市。「瀏陽市煙花爆竹総会」サイトセキュリティ対策不備で、警告、改善命令。 2018/03/26 湖南省株洲市。某教育技術会社のセキュリティ対策不備、警告、改善命令。 2018/11/26 中国政府工業情報化部が阿里雲計算など電信企業7社への立入検査結果を2018/11/27から12/03の期間限定公開。社内管理体制の未整備に対する改善命令のみで処罰なし。 個人情報保護義務の未実施2018/01/10 メディアで報道された「支付宝賬単事件」で、Alipay、芝麻信用の責任者に体制整備を強く要請。 2018/01/11 スマホアプリのプライバシー侵害問題で、百度、Alipay、今日頭条の3社にユーザ情報の保護と選択権の原則の徹底を要請。 2018/07 テンセント(騰訊)、愛奇藝等大手動画サイトのアプリがスマートフォンのカメラ権限取得、ユーザからの過度な個人情報を収集などで、当局が個人情報保護管理や技術対策強化とセキュリティインシデント発生時の即時報告を要請。 ユーザ実名認証の未実施2017/08/09 北京市、天津市。求人サイトが違法な情報を掲載、ユーザ管理に重大な欠陥があり、即時改善を命令。 2017/08/17 浙江省。音楽配信サイトの違法ユーザ登録等の問題で、新規ユーザ登録7日間停止処分。 2017/09 広東省。某IT企業が真実の身分証明書未提示のユーザに電話サービスを提供、詐欺行為に悪用された問題で罰金5万元、営業停止、サイト閉鎖処分。 2017/09 広東省。阿里雲計算有限公司が真実の身分証明書未提示のユーザにネット接続サービスを提供、即時改善と登録情報の真実性確認を要請。 ネットコンテンツ審査義務の未実施2017/08/11 広東省。テンセントのSNS情報提供アカウントに暴力テロ、虚偽情報、わいせつな情報等国家の安全、公共の安全、社会秩序を損なった問題で、最高額の罰金による処罰。 2017/08/17 北京市。複数のサイトが不法に住宅に転用された農業用地賃借、販売情報を掲載、改善命令。 2017/08/17 浙江省。いくつかのサイトが違法行為を促す内容や、低俗なパロディーなどの有害情報を掲載、全面的な特別検査を実施、サイト運用をしばらく停止、責任者を厳正に処罰。 2017/09 広東省。某IT企業が、ユーザが自社サイトを利用して違法、有害情報を流していることに気づきながら即時停止させず、当局への報告を怠った問題で、警告、改善命令。関連する記録の保存と管理責任の確実な実施を要請。 2017/09/25 北京市。ウェイボー(新浪微博)がユーザに対しわいせつ情報、少数民族への憎悪を助長する情報と関連コメントを掲載、百度貼吧(掲示板サイト)もわいせつ情報、暴力テロ情報を掲載、いずれも管理義務の不十分な遂行で、前者には最高額の罰金、後者には重い罰金による処罰。 2017/10/15 天津市。某IT企業が運営するサイトの管理を怠り、違法情報を掲載したことで、即時改善命令。 2017/11/14 福建省。某メディア企業サイトに大量の違法情報が掲載されたことで、即時改善命令。 2017/11/17 咸陽市。SNSメディアが生放送サイト、SNS等で虚偽情報を流布、サイト更新停止10日間、期限内の改善命令、同じ問題の再発時は厳正な検査実施。SNSアカウントは更新停止7日間、期限内の改善命令。改善完了確認後、運営再開許可。 2017/12/29 北京市。ニュースサイト(今日頭条、鳳凰新聞)PC用アプリが継続的にわいせつ、低俗情報を掲載、違法にネットニュース配信サービスを提供、違法行為の即時停止、自主点検、違法コンテンツの一掃、再発の根絶を命令。 2018/01/11 上海市。マリオット・インターナショナルが中国語版メールマガジンとアプリのユーザ登録画面に香港、マカオ、台湾、チベットを「国家」と表記、当日18時から1週間の自主閉鎖を命令。全面的な改善と違法な情報の徹底削除を要請。 2018/01/12 上海市。ZARA、メドトロニックが公式サイトに台湾を国家と表記、ウェブサイト改善通知書を送付、違法情報の即時訂正、当日18時に謝罪声明を発表するよう命令。 2018/01/14 北京市。ネットクイズ番組で香港、台湾を国家とする問題を出題、全面的な訂正を命令。 2018/01/27 北京市。ウェイボー(新浪微博)ユーザに対し審査を経ず違法情報を提供、継続して虚偽、低俗、わいせつ、民族差別等の違法、有害情報を掲載。直ちに自主改善、全面的な訂正を命令。 2018/01/31 広東省。ニュースサイトに虚偽、低俗、わいせつ情報等を掲載、違法行為の即時停止、自主点検、違法情報の全面削除を命令、健全な情報コンテンツ管理の長期的有効策策定、類似の状況の再発根絶を命令。 2018/04/04 ショートムービーサイト、アプリの「快手」「火山小視頻」に全面的改善を命令。 2018/05/12 浙江省。SNS情報提供アカウント「二更食堂」が低俗な文章を掲載、違法有害情報の全面削除、関係者の厳重処理、同アカウントを7日間停止。 2018/05/18 ショートムービーセルフメディア「暴走漫画」が革命英雄烈士のイメージを害する動画を配信、関係16アカウント閉鎖、39アカウント削除。 2018/06/01 ネット生放送サイト「美拍」で未成年の低俗情報放送、関係責任者に厳重抗議、全面的改善を命令。 2018/06/06 検索サイト「搜狗」に掲載の広告に共産主義革命の英雄を侮辱する内容を掲示、関連情報を即時削除し、コンテンツ改善を厳正に命令。 2018/07/26 「内涵福利社」「夜都市Hi」「ビリビリ動画」「秒拍」「56視頻」等が有害な動画を配信、2018/08/25まで中国国内アプリストアから一時削除。 2018/08/02 ニュースサイト「好奇心日報」がネットニュースサービス長期営業許可なくニュース配信、2018/09/02までウェブサイト、スマートフォンアプリ等一律営業停止処分。 2018/08/16 湖北省漢川市。テロリズム関連音声配信で、男性2名を各拘留7日間、罰金1,000元、拘留10日間、罰金1,900元。 ネットワーク製品およびサービスに対する法的要求違反2017/09/09 広東省。広州動景計算機科技が提供するウェブブラウザ向けネット高速化サービスにセキュリティ欠陥と情報漏えいリスクが存在したが、適時全面改修できなかった問題。即時改善、補助救済措置を命令。新サービス提供開始前のセキュリティ評価体制と、運用開始済みサービスの定期点検、既存サービスの全面点検、類似の問題の再発防止を命令。 また、中倫弁護士事務所による2018年同法執行事案の総括によれば、2018年の事案は2017年と比較して個人情報保護およびいわゆる「ネット環境浄化」に高い関心があるとしている。 同総括では、ユーザ実名登録制の不備、ユーザの不適切な情報発信の管理不備が事案の5割を占め、一般的な情報セキュリティ管理不備事案は3割弱にとどまっている。執行を受けた企業は、生放送サイト、ECサイト、インスタントメッセージサービスなどネットメディアとIT企業に集中している。かつ、一般的な情報セキュリティ管理不備による執行も3分の2以上が公安部によるものとなっている。
※この「施行後の処罰事例」の解説は、「中華人民共和国サイバーセキュリティ法」の解説の一部です。
「施行後の処罰事例」を含む「中華人民共和国サイバーセキュリティ法」の記事については、「中華人民共和国サイバーセキュリティ法」の概要を参照ください。
- 施行後の処罰事例のページへのリンク