施行後の各業種での影響とは? わかりやすく解説

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施行後の各業種での影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 23:25 UTC 版)

株仲間解散令」の記事における「施行後の各業種での影響」の解説

安政年間行なわれたと推定される株仲間停止後の流通機構についての調査によれば下記のような影響があった(本庄栄治郎幕末株仲間再興是非」)。 灯油 - 文政期から灯油高値となったため、天保3年1832年)に霊岸島に油寄所を設けて役人駐在するなどの対策がとられたが、市中日用にも差し支えるようになり、さらに高値となって天保8年1837年)には供給途絶えた。そこで、油問屋経由売買復したが、6年間の空白があったため十分な仕入れができず、市中品不足となっていた。株仲間解散によって自由な商売命じられたが、油屋損失を嫌い、新規に参入しようとした者は油の性質なども分からなかったため、日用支障きたした灯油原料である菜種生産地である近畿地方では、他国への直接売買盛んになり大坂江戸中央市場への入荷増えなかった。関東地廻り油の早急な増産不可能だったため、江戸で膨大な需要賄うだけの入荷量を確保することはできなかった。 海産物 - 仲間解散命じられたが、仲間外の素人では御用の肴・乾物献上差し支えるとして、仲間行事御用肴同乾物納番納人に、仲間会所御用品撰立所と改称して、日々御用品集荷をさせた。 蠣殻灰・石灰 - 蠣殻灰の竈数は享保期に10口、寛政期人足寄場に2口設けられて、計12となった。しかし、解散令によって竈数が増加し焼き立て蠣殻不足し従来からの竈持ち焼き立て差し支えようになった石灰も、素人漆喰練売が、取り締まり無く自由に買い取りしたため品不足となった舂米つきごめ) - 大道舂(だいどうつき)と呼ばれる者たちが享保12年1727年)から御舂屋御次米の舂立を務めてきたが、仲間解散令により舂立を免じられたため、御賄方(まかないかた)御掛に差し支え生じようになった - 寛政期ごろから桶職人住居の表役裏役差別立てて役銭受けて御国役を務め仕法だったが、仲間停止以来方の御用が不便となったため、嘉永5年から従来仕法通りとなった海運 - 諸商売自由、諸荷物船積み諸国勝手次第となったことで、廻船船頭水主までが航海中に不正の取り計らいをするようになった。浦改め検査)が無いため、難船(船の遭難)または荷打をした旨を申し立て商人多額損失こうむって世間では品不足となった。そのため、天保14年1843年)に9店が共同出資して、大坂堅牢な船を選んで廻船させ、元菱垣積諸問屋諸品積合の世話をし、難船場合大坂江戸の9店で処置することとした。これでようやく船の取り締まりや、大坂からの買い付け貨物運送滞りなく行われるようになった木材 - 文政12年1829年3月大火の際、買い付け自由が命じられたため、素人競って買い取ったため品薄になり入荷した材木所在不明となり、8月になって払底状態にあった。そのため天保5年1834年2月大火の際に、諸国板材問屋限って引き受けること、問屋手筋荷主から引き受けるように努めるべきことが命じられ同年3月には木材潤沢になった。しかし、株仲間解散後弘化3年1846年正月大火の際には、再び素人職人直買したため荷物所在不明となり、同年9月ごろにようやく市場沈静化した。 出版物 - 出版物統制は、書物問屋仲間選んだ行事点検する自主規制基本で、許可決め難いもののみ町奉行所伺い出る方式だった。町奉行所は、書物問屋仲間通して書物に関する法や申し渡し徹底させていたが、仲間解散により直接統制をすることになり、「著者版元町年寄町奉行所」という検閲方式になった御寮織物司および高機元八組の陳情書によれば株仲間解散後は、西陣織よび糸取引携わる者の中で困窮した者や、仲間停止後に創業した織屋などが、古くからの慣行従わず手抜きをした商品出荷し、それが従来の慣行を守る織屋にも影響およぼしている。このままでは西陣織粗製濫造され、御用織物でさえ手抜きをした物が納められこれまでの当地名産という名声失われるではないかという懸念示されている。 幕府御用商人は、江戸城消費される魚・鳥野菜塩・味噌・醤油などの食材供給する商人らは、たとえ「御用損」が出ても、従来問屋仲間割り合って「仕理」(補填)してきたが、仲間解散により幕府御用に関する損失対し商人たちが「自儘」(我儘)を申し募るようになったこのように様々な業種流通滞って物資や財・サービス供給不足もたらし幕府御用にまで支障を来すようになっていた。

※この「施行後の各業種での影響」の解説は、「株仲間解散令」の解説の一部です。
「施行後の各業種での影響」を含む「株仲間解散令」の記事については、「株仲間解散令」の概要を参照ください。

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