株仲間解散令とは? わかりやすく解説

株仲間解散令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 11:13 UTC 版)

株仲間解散令(かぶなかまかいさんれい)は、江戸幕府法令。商人の組合である株仲間の解散を命じた法で、天保の改革期に施行された。株仲間解放ともいう[1]


注釈

  1. ^ 札差の株は宝暦の末ごろまでは、抵当にすれば2、30両、天明期には300両借りることができた[29]
  2. ^ 株式の資産価値は1株で、下り廻船塩問屋は3000両から4000両、下り酒・水油・紙問屋は500両、干鰯・魚〆粕・魚油・瀬戸物問屋は300両、鰹節・塩干肴・藍玉問屋200両、畳表・釘・鉄・銅物問屋は100両、蝋問屋と木綿問屋のうち大伝馬組は1000両といわれていた[30]
  3. ^ にうち。難船を回避するため、荷物を海上へ投棄すること。

出典

  1. ^ a b c d e f g 「株仲間解散令」『国史大辞典』第3巻 吉川弘文館、523-524頁。
  2. ^ 「菱垣廻船」『歴史学事典』第8巻 弘文堂、532頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「二 株仲間解散令」北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、365-377頁。
  4. ^ 山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、275-283頁。藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、34-35頁。
  5. ^ a b c 「一 経済政策――株仲間解散と貨幣改革――」『天保の改革』藤田覚著 吉川弘文館、145-153頁。
  6. ^ 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、405頁。
  7. ^ 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、359頁。
  8. ^ a b 「株仲間の解散と流通システムの混乱」杉山伸也著 『日本経済史 近世 - 現代』 岩波書店、124-125頁。
  9. ^ 藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、34-35、57-60頁
  10. ^ 『日本法制史』 青林書院、171頁。松岡英夫著 『鳥居耀蔵 天保の改革の弾圧者』 中公新書、21頁。
  11. ^ 「株仲間解散令」『国史大辞典』第3巻 吉川弘文館、523-524頁。「一 経済政策――株仲間解散と貨幣改革――」『天保の改革』藤田覚著 吉川弘文館、145-153頁。「株仲間解散に反対する遠山」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、192-193頁。「株仲間解散令をめぐって」藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、57-60頁。
  12. ^ 岡崎哲二著『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』 講談社選書メチエ、117頁。
  13. ^ 「株仲間解散令」『国史大辞典』第3巻 吉川弘文館、523-524頁。鈴木浩三著 『江戸のお金の物語』 日本経済新聞出版社、182頁。鬼頭宏著 『日本の歴史 19 文明としての江戸システム』 講談社学術文庫、254-255頁。脇本祐一著 『豪商たちの時代 徳川三百年は「あきんど」が創った』日本経済新聞社、269頁。『日本法制史』 青林書院、182頁。鈴木浩三著 『江戸の風評被害』筑摩書房、172-173頁。「株仲間解散令」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、217-218頁。藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、34-35、57-60頁。「財政政策の展開――株仲間の解散」藤田覚著 『水野忠邦 政治改革にかけた金権老中』 東洋経済新報社、156-158頁。「幕府による文政・天保期の改革と藩専売制の進展」桜井英治・中西聡編 『流通経済史 新体系日本史12』 山川出版社、170頁。
  14. ^ a b c d e f g 「株仲間の解散」北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、502-505頁。
  15. ^ 藤田覚著『天保の改革』吉川弘文館、145-146頁。岡崎哲二著 『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』 講談社選書メチエ、98-99頁。北島正元著 『水野忠邦』吉川弘文館、362頁。
  16. ^ a b c 「5 株仲間解散令」藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、78-83頁。
  17. ^ 「佐藤信淵の復古法」北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、506-509頁。
  18. ^ 「株仲間を解散させたもの」北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、505-506頁。「七 株仲間解散の客観的意義」北島正元著『水野忠邦』吉川弘文館、392-395頁。
  19. ^ 「一 経済政策――株仲間解散と貨幣改革――」『天保の改革』藤田覚著 吉川弘文館、145-153頁。「株仲間解散に反対する遠山」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、192-193頁。「株仲間解散令をめぐって」藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、57-60頁。「5 株仲間解散令」藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、78-83頁。「天保の株仲間停止令」岡崎哲二著 『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』 講談社選書メチエ、100-102頁。北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、284-285頁。
  20. ^ 北島正元著 『水野忠邦』吉川弘文館、361-362頁。「阿部正蔵」『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 藤田覚著 山川出版社、62頁。
  21. ^ 北島正元著 『水野忠邦』吉川弘文館、363-364頁。
  22. ^ 桜井英治・中西聡編 『流通経済史 新体系日本史12』 山川出版社、269-270頁。
  23. ^ a b 「株仲間解散令」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、217-218頁。
  24. ^ 藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、147頁。藤田覚著 『水野忠邦 政治改革にかけた金権老中』 東洋経済新報社、157頁。山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、274-275頁。
  25. ^ 「株仲間を解散させたもの」北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、505-506頁。北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、377-378頁。
  26. ^ a b 鈴木浩三著 『江戸のお金の物語』 日本経済新聞出版社、182頁。
  27. ^ a b c 山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、275-283頁。
  28. ^ a b c d 「諸問屋組合再興への先鞭」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、218-220頁。
  29. ^ 「札差の株」小野武雄編著 『新装版 江戸物価事典』 展望社、188頁
  30. ^ 藤田覚著 『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 岩波書店、197頁
  31. ^ 鈴木浩三著 『江戸商人の経営 生き残りを賭けた競争と協調』日本経済新聞出版社、176-177頁。脇本祐一著 『豪商たちの時代 徳川三百年は「あきんど」が創った』日本経済新聞社、269頁。
  32. ^ 藤田覚著 『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 岩波書店、196頁。
  33. ^ 「遠山の株仲間再興論」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、198-199頁。
  34. ^ 『日本経済史 1600-2000 歴史に読む現代』 慶應義塾大学出版会、59-60頁。『日本法制史』 青林書院、182頁。
  35. ^ 脇本祐一著 『豪商たちの時代 徳川三百年は「あきんど」が創った』日本経済新聞社、269頁。
  36. ^ 岡崎哲二著 『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』講談社選書メチエ、142-143頁。
  37. ^ 鬼頭宏著 『日本の歴史 19 文明としての江戸システム』 講談社学術文庫、258-259頁。
  38. ^ a b 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、390-391頁。
  39. ^ a b c 「株仲間解散に反対する遠山」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、192-193頁。
  40. ^ 山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、275-283頁。
  41. ^ 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、391頁。
  42. ^ 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、388頁。
  43. ^ a b 「幕府による文政・天保期の改革と藩専売制の進展」桜井英治・中西聡編 『流通経済史 新体系日本史12』 山川出版社、170頁。
  44. ^ 「二 株仲間解散令」北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、365-377頁。「株仲間の解散と流通システムの混乱」杉山伸也著 『日本経済史 近世 - 現代』 岩波書店、124-125頁。山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、275-283頁。
  45. ^ 「株仲間の解散と流通システムの混乱」杉山伸也著 『日本経済史 近世 - 現代』 岩波書店、124-125頁。「株仲間解散令をめぐって」藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、57-60頁。山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、275-283頁。「遠山の株仲間再興論」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、198-199頁。
  46. ^ 「流通機構の混乱」岡崎哲二著 『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』講談社選書メチエ、106-112頁。
  47. ^ 大伝馬町組木綿店・白子組木綿店・錦店・鉄釘店・油店・蝋店・薬種店・砂糖店・紙店。
  48. ^ 藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、118-120頁。
  49. ^ 本庄栄治郎著『西陣研究』、47-48頁。「生産にも及んだ混乱」岡崎哲二著 『江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間』講談社選書メチエ、112-113頁。「遠山の株仲間再興論」『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 藤田覚著 岩波書店、198-199頁。
  50. ^ 北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、311頁。
  51. ^ 北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、485頁。同 『水野忠邦』 吉川弘文館、310頁。
  52. ^ 『牧民金鑑』上巻、309頁。
  53. ^ 藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、131頁。
  54. ^ 「株仲間解散令」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、217-218頁。
  55. ^ a b 「株仲間解散令をめぐって」藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、57-60頁。
  56. ^ 北島正元著 『水野忠邦』吉川弘文館、364-365頁。
  57. ^ a b 「財政政策の展開――株仲間の解散」藤田覚著 『水野忠邦 政治改革にかけた金権老中』 東洋経済新報社、156-158頁。
  58. ^ 「株仲間解散に反対する遠山」藤田覚著 『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 岩波書店、192-193頁。「株仲間解散令をめぐって」藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、57-60頁。「5 株仲間解散令」藤田覚著 『天保の改革』吉川弘文館、78-83頁。北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、284-285頁。北島正元著 『水野忠邦』吉川弘文館、364-365頁。「遠山景元」『歴史学事典』第9巻 弘文堂、443頁。
  59. ^ 北島正元著 『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、511-512頁。北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、366-367、473頁。
  60. ^ 大石慎三郎著 『将軍と側用人の政治』 講談社現代新書、236頁。
  61. ^ 「銭相場の引上げ」北島正元著『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫、499-501頁。北島正元著 『水野忠邦』 吉川弘文館、390頁。
  62. ^ a b 「遠山と筒井――町奉行経験者の意見」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、221-222頁。
  63. ^ 山口啓二著 『鎖国と開国』 岩波書店、286頁。鈴木浩三著 『江戸の風評被害』筑摩書房、172-173頁。「株仲間再興への取り組み」藤田覚著 『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』 岩波書店、194-195頁。藤田覚著 『遠山景元 老中にたてついた名奉行』 山川出版社、77-78頁。「幕府による文政・天保期の改革と藩専売制の進展」桜井英治・中西聡編 『流通経済史 新体系日本史12』 山川出版社、170頁。
  64. ^ 「嘉永の問屋再興令」岡崎哲二著 『江戸の市場経済』 講談社選書メチエ、102-103頁。宮本又次著『株仲間の研究』324-338頁。「老爺の一憤」松本剣志郎著『悪の歴史 日本編 下』 大石学編著 清水書院、223-225頁。
  65. ^ 脇本祐一著 『豪商たちの時代 徳川三百年は「あきんど」が創った』日本経済新聞社、236頁。
  66. ^ 「天保の改革」『歴史学事典』第13巻 弘文堂、436頁。



株仲間解散令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:57 UTC 版)

天保の改革」の記事における「株仲間解散令」の解説

高騰していた物価安定させるため、株仲間解散させて、経済自由化促進しようとした。しかし株仲間中心となって構成されていた流通システム混乱してしまい、かえって景気低下招いた。なお、この際株仲間解散諌めた矢部定謙無実の罪着せられ非業の死遂げている。

※この「株仲間解散令」の解説は、「天保の改革」の解説の一部です。
「株仲間解散令」を含む「天保の改革」の記事については、「天保の改革」の概要を参照ください。


株仲間解散令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 01:40 UTC 版)

株仲間」の記事における「株仲間解散令」の解説

詳細は「株仲間解散令」を参照 天保の改革進めた水野忠邦株仲間による流通独占物価高騰原因であるとして、天保12年1841年)から13年1842年)に掛け冥加金の上納を停止させ、株仲間大半解散命じた。 しかし、当時経済実態農村工業発達新興商人都市でも地方でも台頭したことによって、株仲間独占はむしろ形骸化しつつあった。また、株仲間には代金不払いなどの不正を行った仲買情報共有し仲間内商取引一切停止するといった懲罰加えることにより、幕府などの公権力代わりに債権契約履行保証する役割があった。 ところが、水野をはじめとした幕府首脳幕府権力保護受けた株仲間弱体化や、商取引制度的基礎になっていたという現実理解出来なかったために、株仲間解散させれば全国的な流通網を動かせる考えたのである結果、かえって流通混乱招き景気悪化招いた。 なお、この政策反対した町奉行矢部定謙改易追い込まれ伊勢桑名藩憤死している。

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「株仲間解散令」を含む「株仲間」の記事については、「株仲間」の概要を参照ください。


株仲間解散令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 13:36 UTC 版)

株仲間再興令」の記事における「株仲間解散令」の解説

天保12年1841年12月当時老中水野忠邦政権は、株仲間解散令によって全ての株仲間解散させた。江戸物価上昇は、株仲間による不正な流通独占にあるとして行なわれ政策であったが、かえって市場混乱させ、中央市場への物資流通阻害する結果もたらした。 そのため、水野忠邦失脚し天保の改革失敗した後の嘉永年間株仲間再興し都市特権商人のみならず在郷商人含めた新たな流通統制行なうことになった法令骨子は、 株仲間解散により商法破壊され物価低下せず、かえって流通阻害されたため、文化年間以前のように問屋組合再興命じる。 株札交付せず、冥加金の上納も不要仲間加入希望する者があれば必ず許容し明白な理由なく人員制限することを禁ずる。 というもので、文化10年1813年)に公認され独占的弊害多かった問屋仲間よりも前の姿に戻す狙いがあった。

※この「株仲間解散令」の解説は、「株仲間再興令」の解説の一部です。
「株仲間解散令」を含む「株仲間再興令」の記事については、「株仲間再興令」の概要を参照ください。

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