他の生物との関係
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本種の死んだ殻は岩の上にパイプ状の構造を作ることになり、岩表面の構造を複雑化し、他生物が利用することで種多様性を高める効果がある。ナベカやクモギンポ(どちらもイソギンポ科の魚類)が産卵床として利用することが知られている。コケギンポでは二枚貝に産卵する例もあるが、本種の殻を利用する率が高い。またこの種では雄が卵の保護を行うが、その際に雄が殻口から頭部だけを出すと、頭についている皮質の突起が周囲の付着生物と紛らわしく見え、一種の隠蔽の効果を持っているとみられる。 また本種の殻の隙間にはゴカイ類などが住み着いている。その中には本種が出して栄養分を集める粘液を食べるものがあると考えられる。クマドリゴカイ Perinereis cultrifera は実験室内の観察で本種が粘液を引き戻して摂食する際に殻口に出てきて、その一部を摂食することが観察された。これは一種の盗み寄生と考えられる。他にもゴカイの1種 Nereis sp. やシリス科の1種 Ophisthosyllis sp. が同様の行動を取っているらしいことも観察されており、同様の関係を持っている可能性がある。これらのゴカイ類の摂食が本種の栄養にどれほど影響があるかなどは未知である。
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他の生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 02:43 UTC 版)
後述のように、貝殻は人間に大いに利用されるが、自然界では他の生物がこれを利用する例が少なくない。もっとも有名なものがヤドカリである。
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他の生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 22:54 UTC 版)
稚マナマコ(体長 5~40 mm)を、生息域が共通するマハゼ・メバル・キヒトデ・イシガニ・イイダコ・アカニシなどとともに水槽内で飼育・観察した結果では、キヒトデ以外による捕食行動は確認されなかったという(キヒトデについては、自然の海底環境下でもマナマコを襲う例が皆無ではない)。また、同じく水槽内において行われた別の実験では、体長40 mm以下の稚マナマコがイシガニ(甲幅58.5-82.1 mm)に捕食されたと推定し得る例があるほか、稚マナマコとイシガニとが遭遇・接触した場合に、イシガニがその鉗脚で稚マナマコを掴むような行動をみせるなど激しく攻撃し、稚マナマコに皮膚の損傷(糜爛)を負わせる例も観察されている。 また、同じく水槽内で、稚マナマコとイトマキヒトデとを同居させて飼育した実験では、イトマキヒトデによる捕食行動が観察されはしたが、稚マナマコ以外は餌を与えない絶食条件下であってさえ、平均体長15.9 mmの稚マナマコを1日あたり平均1.8個体食べる程度であった とされるほか、同一の水槽内で飼育しても6日間に渡り捕食を受けなかった例 や、著しい飢餓にさらされた場合にのみ、稚マナマコを捕食することがあるとの報告 がある。これらの例から、自然条件下において、イトマキヒトデによる稚マナマコの捕食圧はさほど大きいものではないとの推定もなされている。ただし、同じく水槽内で稚マナマコとイトマキヒトデ(腕長39.2-58.2 mm)とを対峙させて飼育し、水槽内の底質として砂のみを敷き詰めた区と砂層の上に玉石を敷いた区とを設けた実験では、後者のほうが捕食された稚マナマコの個体数が少なかったことから、捕食頻度の大小には、捕食者が稚マナマコを発見する頻度の多寡も影響しているものと考えられている。 タイドプール内に健全な(または人為的に傷を与えた)稚マナマコを投じ、タイドプールに元から生息していた他の動物に捕食されるか否かを観察した例では、イソギンポ・イトマキヒトデ・ケアシホンヤドカリ・クロスジムシロガイは、稚マナマコに触れはしたものの、捕食することはなかった。また、アゴハゼとアシナガモエビとは、明らかに稚マナマコを食べようといったんは口に入れたがすぐに吐きだし、食べるのをやめてしまった。 この観察結果から、タイドプール内で稚マナマコと遭遇する可能性を有する肉食(ないし雑食)動物群にとって、マナマコは餌資源として魅力ある対象ではないか、なんらかの忌避物質を有しているか、あるいはその両方であるかの可能性が推定されている。 タイドプール内に健全な稚マナマコ(「アオ」型) 500個体を放った後、24時間放置してからプール内の水をすべて汲みだして大形動物を採取し、それらの消化管内容物中におけるマナマコ骨片の有無を確認した実験では、夏季の実験で採集された魚類8種89個体・カニ類2種2個体・ヒトデ類2種11個体の消化管内容物において、マナマコの骨片が認められたのは、わずかにハオコゼの1個体のみであった。一方、冬季の実験では、魚類4種11個体・カニ類1種28個体・ヒトデ類1種5個体を観察した結果、消化管中からマナマコの骨片は発見されなかった。ハオコゼについても、同時に採集された残り49個体のハオコゼの消化管内容物からは稚マナマコの痕跡が見出されなかったことから、決して選択的に稚マナマコを食べたのではなく、偶発的に捕食されたものと推察され、ハオコゼにとってもやはりマナマコは魅力的な餌とはみなされていないと考えられるに至った。 フサギンポ は、ウミウシ類・ユムシ類・多毛類などを餌とする が、陸奥湾産のフサギンポの成体では、径 1 cm程度に咬み切ったマナマコの 肉片を飽食している個体が多いと報告され、マナマコを好んで選択的に捕食している可能性が指摘されている。このほかに、ヤツシロガイもときにマナマコを襲って食べることがあるという。また、水槽内での飼育下では、カワハギやメジナが稚マナマコを捕食した例も報告されている。 呼吸樹には、繊毛虫の一種であるナマコヤドリミズケムシ(Boveria labialis)がときに見出されることがある。この生物は、トゲウネガイ属(Tellina)の二枚貝の鰓からも発見されており、マナマコに対して宿主特異性を持つものではないようである。両者の生態的関係についてはまだ明らかにされていないが、共生関係にある とも寄生性である ともいわれている。 体内には、独特の細菌フロラを有しており、消化管内にはバシラス属(Bacillus)や Virgibacillus が生息している。前者はプロテアーゼ・アミラーゼ・セルラーゼなどの酵素の産生能力を有し、後者はプロテアーゼ活性のみを持っており、マナマコが摂食した餌の消化吸収に寄与している可能性が指摘されている。長崎県産の「アオ」・「クロ」型の消化管からはOceanobacillus ・Virgibacillus・Gracilibacillus・Halobacillus ・Planococcus ・Sporosarcinaなどが見出され、その多くが 多糖類の分解能力を有している。。一方で、海水中にごく普通に住んでいるビブリオ属(Vibrio)の菌は一種類も見出されてなかったとされている。ただし、中国の大連近海で漁獲されたマナマコでは、Vibrio およびGammaproteobacteria が消化管内における優先種で、他にレジオネラ属(Legionella) の一種やBrachybacterium ・Propionigenium ・ストレプトマイセス属(Streptomyces)の一種なども記録されており、マナマコが住んでいた海域によって、その消化管内の細菌相は大きく変化するもののようである。 また、排泄物をサンプルとした間接的な推定ではあるが、マナマコの腸内細菌相には、生体重 2 g 以下の稚マナマコとそれよりもやや生長した個体との間で顕著な差異があり、マナマコの生長に伴って生じるポリヒドロキシ酪酸の生理的欠乏を補う役割を担っていると推定されている。 このほか、Salegentibacter holothuriorum とNeiella marina およびPhaeobacter marinintestinus は、それぞれ日本海(ピョートル大帝湾)産、中国の青島市近海産、あるいは 韓国の浦項市近海産 のマナマコから分離・培養された菌株をもとに、新種として記載・命名された細菌である。 養殖用の稚マナマコの育成水槽内では、シオダマリミジンコ(Tigriopus japonicus)が発生すると、高率でナマコが斃死する。ただし、これはシオダマリミジンコによる直接の食害が原因ではなく、稚ナマコの体表への接触・損傷によるダメージのためではないかとも考えられている が、捕食によるものか、接触に起因する二次的な斃死であるのか、明確な結論はまだ下されていない。 稚マナマコが生長し、その体長がおおむね 3 mm以上になるとシオダマリミジンコの攻撃への酎性を得ると推定されており、Nitzschia sp.やNavicula sp.などの付着珪藻が豊富な環境下では、稚マナマコの被害が軽減されることも示唆されている。
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他の生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 09:46 UTC 版)
アリは人間になじみのある昆虫の中では小さいことから、人間から見れば弱い存在と思われがちだが、肉食のものが多く活発で攻撃力があって集団をなすことから、他の昆虫にとっては恐ろしい存在である。様々な生態系でアリは最も重要な小動物の捕食者である。熱帯雨林においては、植食性動物ではシロアリ、肉食性動物ではアリが人間のバイオマスに匹敵するほどの大きなバイオマスを誇っているほどである。 またアリグモという、アリに擬態しているクモがおり、かつては仲間と思って近づいてくるアリを襲うと信じられていたが、現在ではむしろアリの姿でいることで他の動物からの攻撃を避けているとされる。他にもアリそっくりの姿をしたハエ、カマキリ、ツノゼミなどが世界各地で報告されている。 様々な植物で、花外蜜腺といって花以外の器官に蜜腺を持つ形質が進化しているが、これは蜜でアリを誘引し、その付近にアリを常駐させ、彼らに植食性の昆虫を襲わせることで体を守る適応的意義があるとされている。また植物の中には、アリに住まいを提供し、それらによって害虫の影響を排除しているアリ植物も知られている。アブラムシやカイガラムシの一部が蜜を出すのも同様な理由と考えられる。ほかに、アリに種子を運ばせるように適応したと思われる植物が多数ある。それらは種子にエライオソームと呼ばれる柔らかな付属物を持ち、これがアリの餌となるとされる。しかし、これはアリの卵に擬態しているのではないかとの説もある。 他方で、その量が多いことから、これを専食する動物も知られる。ツノトカゲ属、モロクトカゲが有名で、この両者は形態や行動にも似たところが多く、収斂進化の良い例である。日本ではアリスイ、アオオビハエトリやハリサシガメがある。名前の上ではオオアリクイというのがあるが、これはむしろシロアリ食である。 その他、アリの巣には特有の昆虫などが同居していることが知られている。それらの多くはアリの巣のみから発見されるが、アリとの関係は様々である。たとえばクロシジミは若齢幼虫がアリによって巣内に運び込まれ、アリに餌を与えられて育つ。その他にアリスアブやアリヅカコオロギ、アリシミなどが有名で、それらをまとめて好蟻性動物あるいは大抵は昆虫なので好蟻性昆虫と呼ぶ。 また、カラスやカケスなどの鳥類の中には体にアリをたからせるものがおり、蟻浴(ぎよく)と呼ばれる。これには、蟻酸により寄生虫を退治する効果があるといわれているが、詳しいことは分かっていない。籠で飼われているメジロやソウシチョウなどの鳥でも、籠の中に生きたアリを入れてやると、素早く捕獲してくちばしに挟んだまま全身に擦りつける動作が観察できることがある。
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他の生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 03:50 UTC 版)
殻の入り口の外套膜の内側に扁形動物のカイヤドリヒラムシが住んでいることがよくある。以前には寄生であるとされたが、実際には貝の排出物などを餌としており、貝には害がない。そのため、片利共生であるとされることがある。
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