他生物との関係
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8a. 変形菌食性のマルヒメキノコムシ属 (ヒメキノコムシ科) 8b. ケホコリ (ケホコリ目) の子実体上に寄生した Byssostilbe (子嚢菌門フンタマカビ綱) 上記のように、変形菌は微生物 (細菌、菌類、他の原生生物) の捕食者であるが、変形菌を食物とする生物も存在する。変形菌の子実体には、カタツムリやダニ、トビムシ、双翅目 (幼虫)、甲虫などの動物が集まっていることがある。特に甲虫が多く知られており、変形菌食性の種が含まれる科としてタマキノコムシ科、デオキノコムシ科、タマキノコムシモドキ科、マルハナノミダマシ科、テントウダマシ科、ヒメマキムシ科、ツツキノコムシ科、ヒメキノコムシ科がある。変形菌の属によって、集まる甲虫の種構成が異なることが報告されている。このような甲虫の中で、ヒメキノコムシ科 (右図8a) が最も普遍的であり、変形菌子実体でのみ見つかり、幼虫も成虫も変形菌子実体を食物としている。ヒメキノコムシ科の成虫はしばしば変形菌の胞子を多数付着させており、また大顎に胞子の運搬に関わると考えられている窪みが存在する。この甲虫は、おそらく変形菌の胞子散布に寄与していると考えられている。一方でセスジムシ科やベニボタル科の甲虫は、変形菌の変形体捕食者であると考えられている。 変形菌の子実体上には菌類が寄生していることがあり、Nectriopsis やByssostilbe、Melanospora (子嚢菌門フンタマカビ綱)、Acrodontium (子嚢菌門クロイボタケ綱) などが報告されている (右図8b)。
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他生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:57 UTC 版)
他の生物との関係は、相利共生か片利共生のどちらかである。病原性の古細菌は確実なものは知られていない。寄生の例としては、"Ca. Nanoarchaeum equitans"が、別の古細菌Ignicoccus hospitalisとの共存下のみで増殖する例がある。 メタン菌と原虫の相互作用は相利共生として理解されている。これは、反芻動物や白アリの消化器官でセルロースを分解するために働く。原虫は嫌気条件でエネルギーを得るためにセルロースを代謝し、その過程で廃棄物として水素を放出する。水素が蓄積すると原虫は増殖が阻害される。メタン菌はこの水素の除去を行い、原虫は効率的なエネルギー生産を可能とする。有機酸や水素を放出する嫌気性細菌との間にも同様の共生関係が成り立つ。この関係は古細菌同士でも可能で、メタン菌であるMethanopyrus kandleriが存在すると、水素を放出するPyrococcus furiosusはM. kandleriに付着してバイオフィルムを形成する。こういった関係はいくつかの原虫、菌類でより進展しており、例えばPlagiopyla frontata、Nyctotherus ovalisなどは細胞内に共生メタン菌を保有する。 ヒトの体内で最も一般的なのはMethanobrevibacter smithiiというメタン菌である。このメタン菌を保有するマウスは体重増加が報告されており、栄養吸収や肥満に関係している可能性がある。高齢者に多いMethanomassiliicoccus luminyensisは、有害なメチルアミンを無害なメタンに分解する。一方、口腔内に存在するMethanobrevibacter oralisについては、免疫応答に関与することで歯周病を悪化させる危険因子であるとされている。メタン菌はヒトにとって、有益でも有害でもありうる。 メタン菌以外では、海綿Axinella mexicanaとタウム古細菌"Ca. Cenarchaeum symbiosum"の関係が報告されている。
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