他の生物群との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 01:02 UTC 版)
詳細は「深海生態系」および「熱水噴出口」を参照 冷水湧出帯と熱水噴出口の生物群は、どちらもエネルギー生産を光合成に依存していない。これらの生態系は主として化学合成からエネルギーを得ている。双方には共通点が多い。以下のようなものがある。 還元型の化学物質(硫化水素 H2S や炭化水素)が存在している。 局所的な貧酸素状態、あるいは無酸素状態。 豊富で活動的なバクテリアと、化学合成細菌による局所的な有機物生産。 またどちらも通常、高い後生動物の生物量と低い生物多様性を持っている。これは基礎種(英語版)の密度の高さによって説明できる。 しかし熱水噴出口と冷水湧出帯では違っている点も多い。冷水湧出帯はより安定的だが、熱水噴出口の性質は不安定である。局所的な高温。温度、pH、硫黄濃度、酸素濃度などの激しい変動。沈殿物が無い場合があること。比較的短期間であること。また、流量の増減や火山性の爆発などの予測できない条件があること。熱水噴出口が易変性で比較的短期間だけ続く環境なのに対し、冷水湧出帯の化学物質放出はゆっくりだが安定的である。冷たい温度と安定性のためか、冷水湧出帯の生物の多くは熱水噴出口の生物よりも長生きである。
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