他の生物とのかかわり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 08:58 UTC 版)
子実体には、ほかの多くのキノコ類と同様に、多種多様な昆虫が集まる。九州の英彦山において、春季(4-5月)に採集されたツキヨタケの子実体(前年に発生し、内部が腐敗しかけたものの表層組織が乾固したことによって翌春まで残存したもの)からは51種の昆虫(偶発的に子実体に付着していた種をも含む)が得られた例がある。また、韓国南部では、ゴミムシダマシ科に属するチビヒサゴゴミムシダマシ (Cryphaeus rotundicollis Chûjô et Lee) およびクロツヤキノコゴミムシダマシ (Platydema nigroaeneum Motschulsky) が、ツキヨタケの子実体(新鮮なものか腐敗しかけたものかは明らかにされていない)から見出された例が記録されている。 また、ツキヨタケの人工培養菌糸体は、マツノザイセンチュウ (Bursaphelenchus xylophilus (Steiner & Buhrer) Nickle) を誘引し、かつこれを殺す性質があるが、誘引・殺傷の機構についてはまだ明らかにされていない。ただし、マツノザイセンチュウの誘引実験に際し、培養したツキヨタケの菌糸体を生きたままで用いた場合と熱湯で処理してから用いた場合とを比較すると、前者ではヒラタケに匹敵するほど著しい誘引活性を示したのに対し、後者では対照とした菌(ハイイロカビ)にも劣る活性しか確認されなかったことから、ツキヨタケの菌糸の生死が誘引活性の発現に影響しているのではないかと推定されている。なお illuden S には、グラム陰性・陽性菌に対する発育阻害や、サツマイモネコブセンチュウ(eloidogyne incognita)の致死率向上効果が認められている。
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