主な種族
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人間 神々が自らの姿を模して物質界に創造した種族。神々が亡き後の「暗黒の時代」を生き抜いて、フォーセリア世界の覇者として「魔法の時代」「剣の時代」を創り上げた。 なお、かつて「魔法の時代」を築いたカストゥールの民はいわば「人間族の古代種」であり、「剣の時代」の覇者である現在の人間とは別種であると考えられている。 人間種は個体の能力差が激しく、そして適性も多種多様である。極一般的な両親から英雄的な活躍を果たす人間が生まれたり、その逆もまた然りである。 人型は種族の中では寿命が短く、現在の平均的な寿命は50歳生きれば長生きな部類である。反面、百歳以上生きる者もいる。おおよそ15歳程度で成人とされる。 エルフ 森の妖精。「神話の時代」に光の神々により召喚された妖精界出身の種族。「始源の巨人」の体毛から生まれた「世界樹」を起源とする種族ゆえに、神々に対する信仰を持たない。 妖精は「精霊界」の精霊力を「物質界」に伝える役割を持ち、その性格を今も残すエルフ族は物質界にあっても精霊との親和性が高く、精霊魔法の優秀な使い手と目されている。あまり一般的ではないが、学べば古代語魔法を習得することもできる。神への信仰心を持たないため、神聖魔法は習得できない。(ただし、これは遺伝的素養というよりも教育環境の問題であり、例えば人間に育てられたエルフであれば、神聖魔法を習得できる可能性はある)元々は植物の精霊力を管理する種族であったためか、物質界での棲家には森林を好み、エルフの集落は多くの場合森林地域に存在している。 種族の性向として変化を嫌い一般に人間社会と深く交わることを避ける傾向にあるが、亜種族の中では唯一人間との混血が可能。ドワーフを嫌ったりと、基本的に他種族に対して保守的。 例外的に、西部諸国のタラント王国やロードスのハイランド王国に隣接した鏡の森の集落群は人間の文化風俗を大きく受容しており、前者は国民としてエルフが登録されて王妃まで輩出している、後者は人間とほぼ変わらない集落を構え、外敵襲来時には人間の国に集団亡命して救援を仰ぐなど近隣の人間と比較的緊密な協力関係を築いている。 本来は同種であったダークエルフは、「神話の時代」に闇の神々によって召喚された者達の末裔で、特徴的な黒い肌を持ち、召喚したファラリス神を崇拝している。 外見は人間と比べると小柄・華奢で、尖った長い耳が特徴。体毛は薄く髭を生やすことはない。色素の薄い肌と頭髪をしており、金髪などに碧眼であるものが多く、整った容姿を男女共に備えている。 一般的なエルフは凡そ千年ほどの寿命を持っているが、より妖精に近い太古種族であるハイエルフは実質無限の寿命を持つとされる。ハイエルフ族はロードス島に集落の存在が確認されているだけで、アレクラスト大陸では魔法戦士リウイ2においてターシャスの森に一人登場した以外は確認されていない。 ドワーフ 大地の妖精。エルフと同じく「神話の時代」に光の神々により召喚された妖精界出身の種族。元は大地の精霊力を管理する種族だったが、精霊を操る能力は喪失しており、精霊魔法は使えない。古代語魔法を習得することもできない。頑固な性格が信仰心と結びつくことで神聖魔法を習得することは可能。エルフの様な太古種族起源なのか、人間と同じ神々に創造された種族なのかは不明。 背が低く頑丈な体型で、元々は大地の妖精であったので地下に集落を形成することが多く、暗視の能力を持つ。体は筋骨逞しく頑健である反面敏捷さでは大きく劣る。 金属の加工や細工に秀でており、真銀(ミスリル)の精錬は一部のドワーフのみが可能とされている。「歩く酒樽」と揶揄されるほど酒に強く、酒好き。良質の酒を造るが、ほとんど自分たちで飲んでしまうため人間達の世界にはほとんど出回らない。 妖精族の中では最も人間と緊密に交わっており、金属製品を輸出して、農産物や軽工業製品を輸入している。ゴーバやグードンなど人間とドワーフが共同で都市を構えている例もある。 エルフほどではないが、人間を遥かに凌駕する長寿を誇る。またエルフに対するハイエルフに相当するハイドワーフが過去に存在し、精霊魔法が使えたと伝えられる。 属する精霊力の違いから、エルフとの仲はあまりよくない。 グラスランナー エルフやドワーフと同じく、妖精界から召喚された種族で、成人しても人間の半分ほどの身長しかなく、子どものような体型をしている。 「草原を走る者」の異名の如く、身のこなしの素早さと手先の器用さは抜きん出ている反面、力はとても(エルフより)弱い。だが、体はそこそこに頑健である。 性格は非常に楽観的で、好奇心がとても強く、定住することを好まずに、好奇心の赴くままに移動することを好む。流浪の生活ゆえかその多くが狩人そして盗賊としての技能を有している。 ドワーフと同じく精霊を操る能力は喪失してしまったが、昆虫や植物の感情に同調することができる(会話というほど明瞭なものではないが、ある程度行動を教唆・誘導できることが小説では描写されている)。 古代語魔法を修得することはできない。またエルフ同様に、(こちらは種族というよりも性格上の問題で)神を信仰しないため、神聖魔法も修得することもできない。つまり彼らはあらゆるルーンマスター技能を修得できない。しかし、魔法に対しては総じて非常に強い耐性を持つ。(ゲーム的には、精神点が非常に高い) なお、ロードス島では土着のグラスランナーは過去に絶滅したため存在せず、作中に登場するグラスランナーは全てアレクラスト大陸から渡った冒険者である。 ハーフエルフ 人間とエルフの混血児。 その出生から、多くは差別され、迫害されてきた。 外見も能力も、人間とエルフの中間。どちらの社会で育てられたかで多少の違いが出る。一例としてエルフに育てられた場合、神を信仰することはない。 時折(主に人間の両親から)先祖返りによるハーフエルフが生まれることがあり、「取替えっ子(チェンジリング)」と呼ばれて忌み嫌われることが多い。ちなみに人間の両親からエルフが生まれてしまうケースも、ごく稀に存在する。 人間に混じると多少華奢であることから、エルフに混じると人間に似て丸みを帯び、しかしわずかに尖っていて大きい、あるいはエルフと同じくロバのようだがやや短い耳を持つことから、それと分かる。寿命は200年程度と人間よりは長いが、1000年の寿命を持つとされるエルフ、無限の寿命を持つハイエルフには遠く及ばず、人間同様強く寿命を意識する存在である。フォーセリアには、耳と同時に黒い肌を受け継いだダークエルフとのハーフも存在している。 『ソード・ワールドRPG』においては、人間とエルフの長所を共に受け継ぐ存在として設定されている。エルフ譲りの高い知力を活かして魔術師や精霊使いになることが最良の道とされ、戦士として身を立てることは不可能ではないが筋力の低さから困難であるとされている。人間社会に育った場合、プリースト技能を取得することも可能であるため、司祭になるケースもままある。フォーセリア社会におけるハーフエルフ フォーセリアのハーフエルフはダークエルフなどの妖魔と異なりあからさまな排斥の対象でこそないものの(ただしダークエルフとのハーフはファンドリア以外ではダークエルフ同様に排斥の対象である)、多くは白眼視を受けて育ち、屈折した部分や影のある性格を持つことになる。ハーフエルフへの偏見はエルフ、人間いずれの社会にも存在するが、エルフ社会の方も強く、『ロードス島伝説RPGリプレイ』のティエルのようにあからさまな蔑視・迫害を受ける例が少なくない。このため、エルフ社会に育った多くのハーフエルフは森に留まるよりは人間社会で生活することを選ぶ。存在として稀なハーフエルフが冒険者に多く見られるのはこうした経緯によるものである。もっとも、迫害と縁なく育ったハーフエルフも多く見られる。 展開 1990年代初頭まではソード・ワールドでも屈折したハーフエルフの例が多かったが、『スチャラカ冒険隊』のアリシアンひいては『ソード・ワールドRPGリプレイ第1部』のGMにしてソード・ワールドRPGアドベンチャーの執筆者でもある山本弘の影響でかお気楽である、明朗快活であるなど従前のイメージとは異なる性格付けをされることも増えてゆき、1993年から1996年まで企画が展開されたソード・ワールドRPGアドベンチャーではハーフエルフの武闘家ボウイというキャラクターも登場した。近年では『新ソード・ワールドRPGリプレイ』のマウナ・ガジュマ、『新ソード・ワールドRPGリプレイNEXT』のマロウのように社会的困難に直面しつつも明るさを失わないハーフエルフという、両者の折衷型といえる性格付けをなされたハーフエルフも現われている。 ハーフエルフと人間やエルフの交配 『ソード・ワールドRPG』においては、ハーフエルフと人間、ハーフエルフとエルフの中間は存在しないことが明記されている。人間の血液型のA型とB型のように、ハーフエルフの子供は人間・エルフ・ハーフエルフのいずれかとなる。また、『サーラの冒険シリーズ』には、エルフの父親とダークエルフの母親から生まれたハーフの盗賊・ミスリルが登場している。 初期の『ソードワールドRPGアドベンチャー』で山本弘は母親がハーフエルフであるサラサ・アディについて「エルフの血のせいか耳がやや長い」という描写を行い物議をかもしている。この一件は「サラサは耳の尖った人間」という形で決着し(「クォーターエルフは反則です。」という読者投稿イラストも当時ハガキ紹介ページで紹介された)、これが契機となってフォーセリアでも「クォーターエルフは誕生しない」ということが結論付けられた。『魔法戦士リウイ』においても、主人公リウイの母親はハーフエルフであるとされているが、リウイにエルフの血は見られない。 しかし作品によってはハーフエルフよりエルフの血の低い混血児が登場しているので「クォーターエルフが反則」というのは決して一般的な制約ではなく、個別作品内での設定に過ぎない。 リザードマン 沼地や湿地帯、離島など、多くは人間社会から離れた地域に生息する種族。竜族を崇拝している。 厳格な階層社会を築いていることが知られており、「クー・ルー」と呼ばれる掟に従って生きる。ただ一般には「トカゲ人間」として、妖魔や魔獣と同じ扱いを受けることが多い。これは人間や他の妖精族が持つ様な神への信仰や一般的な善悪や道徳の規範が「クー・ルー」と大きく隔たっているためである。 これとは全く起源を異とする『リザードマン』もフォーセリアには存在する。 それはクリスタニア大陸に存在する結界の神獣王ルーミスが自身の従者として創造したとされる種族で、創造主であるルーミスを信仰し、人間と同程度の知性と強靭な肉体を持ち、非常に保守的で仲間意識の強い集団を形成している。何故か全員左利きである。 彼らにとってはルーミスは絶対であり、その意思に反する者は誰であろうと容赦しないが、ルーミスを信ずる同胞は種族を超えて手厚くもてなす。 竜人族(リザードマン)はドラゴンと同じく「始原の巨人」の鱗から生まれたとされている。上位種である貴族種(ノーブル種)は太古種族に分類され、非常に知性が高いと考えられている。上位種と区別する場合、下位種はスレイブ種と呼ばれる。 リザードマン達が使う言葉は、竜語魔法で使われる魔法語(ドラゴン・ロアー)の下位語と思われ、老竜(エルダードラゴン)をはじめ竜族が使う言葉と同じである。 この他にも、多くの種族が存在する。
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