金属製品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/20 08:44 UTC 版)
この文化には、特徴的な様々な金属製品がある。たとえば鋳物のトルク、平斧、平たい三角ダガー、両端がらせん状のブレスレット、板状の頭部をもつ針類、ロックリング(en:lock ring)などがあり、これらの製品は中央ヨーロッパの広い範囲、およびその外へと流通していた。 大量に貯めこまれたインゴットが発掘されており、ときには600個ものインゴットが一度に見つかることがある。たくさんの斧を貯蔵していることも多く、ザクセン=アンハルト州のディースカウでは293本ものフランジ斧が蓄えられていた。おそらくこれらの斧は道具としてのほかにインゴットとしても用いられていたと考えられる。インゴットを蓄える慣習はだいたい紀元前2000年より後の時代になると廃れていき、骨壺墓地文化の時代に再び行われるようになる。これらは旅回りの青銅鋳物師たち、あるいは襲撃を恐れて自らの富を隠していた富裕層が貯蔵していたものであると理解されている。現代でも、武器というものは敵の目につかない地下などに収納しておくものであり、また当時は斧というのは主要な武器であったのであるから、自然なことと思われる。装身具を貯めておく習慣はアドレルベルク群において顕著。 考古学上の証拠品から、ウーニェチツェ文化の金属工業は活発で創造的であったものの、どれも支配層のステイタスシンボルとしての武器や装飾品に関わるものばかりであり、後代になってよく見つかるようになる家庭や大がかりな軍事の場面で使う品々はあまりない。ドイツのホフハイムとタウヌスの間にあるアドレルベルク集団墓地では、矢で射られて死亡した男性の腕から石製の鏃が見つかっている。 有名なネブラ・ディスクは、ウーニェチツェ文化のものとされる。この文化に特徴的な銅製のダガーが、この円盤とともに複数発見されたことによる。
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