ランバ・ラル隊
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「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の記事における「ランバ・ラル隊」の解説
ランバ・ラル 声 - 喜山茂雄 ラル家の総領息子。高潔で非常に武人としてのプライドが高く、聡明な仁愛の人。反面、政略的な立ち回りが不器用で能力・功績の割に実績に結びつかない「万年大尉」。先に戦死の経緯であるガルマ仇討ち部隊としての活躍と壮絶な戦死とが描かれる。シャア・セイラ編以降、ジオン側の開戦経緯に密接に関わる重要人物であり、前述のドズルと双璧を成す物語の主役。もともとはダイクンシンパの活動家としてギレンやサスロとは同志として行動を共にしていた。その後、ムンゾ防衛隊で大尉となる。やがて、ダイクンが権力の中枢を担うようになるとザビ家派とラル家派とに分かれ、ダイクンの死後は深刻な政争劇に発展する。人情派であり、後に仇討ち部隊として行動を共にするハモン、コズン、クランプ。そしてラル仇討ちで活躍するタチとは正に古い馴染み。ハモンについては彼女の少女時代から知っている。また、護衛のためダイクンと行動を共にしていたため、理想と現実とのギャップに苦しむダイクンが政治に無縁なアストライアに癒やしを求め、男女の仲に到った事情も知っている。幼いキャスバルとアルテイシアにとってラルは父親か兄のような親しみを持てる存在だったことは原作同様の事実で、ダイクンの死後はザビ家との政争を制することより遺児二人と父親の身の安全を選択し、危ない橋を渡ってハモン、タチの協力で3人を地球に逃がした。そもそも父ジンバが主張したザビ家によるダイクン暗殺には懐疑的。ラル家は潰され、要職を解かれて一時期はハモンの酒場に入り浸りになり、やさぐれてつまらない喧嘩をするなど荒れていた。そんな彼の不遇を救ったのがドズルであり、MS開発計画という最重要機密に彼を抜擢した。そこで兵隊ヤクザだった旧知のガイア、マッシュ、オルテガらと共にモビルワーカーに毛が生えた段階の試作MSに搭乗して正に命掛けでテストパイロットとして腕をならした。先行採用機のプロトタイプザク(ブグ)に搭乗し「スミス海の戦い」で名を上げた。開戦後、MS熟練者として「青い巨星」の異名をとるが、ドズルから持ちかけられた「ブリティッシュ作戦」への参加要請には「悪魔のすることだ!」と異を唱えて軍を離れ、ザビ家に私物化されつつある祖国の状況を憂慮しつつもジオンにとって天下分け目の戦いであるルウム戦役にクランプ、コズンたちが従軍するのを見送った。 ドズルとの信頼関係は深く、ザビ家とラル家の恩讐を越えた強い信頼関係があった。故にギレンの指示に丸め込まれたドズルが「ブリティッシュ作戦」に“従事させられた”ことには我慢がならなかった様子で抗議の意味で辞職。その後、ラルが言わんとすることを理解したドズルはミネバを思い悔恨する。その後、ガルマ仇討ちという「私戦」に従事するため復隊するのを了承したのも、華々しい功績でラルを軍の中枢に据えたいというドズルの真意や弟ガルマに対する深い愛情ゆえと理解してのことで、キシリアの息のかかった地上軍総司令のマ・クベの協力など得られないと半ば了解した形で作戦に臨んでいる。(ウラガンのサボタージュの影響で)マ・クベ陣営には約束を反故にされるなど苦杯を舐めさせられたが、マ・クベ自身は「いつまでも日陰者ではな」とラルの能力を正当に評価していた。 また、能力・人格は軍内部でも高い評価を受けていたらしく、様々なガンダム関連作品でも彼の孤立無援な状況での死を惜しむ声は多かった。 もともと正妻の居ないラルがハモンを「愛人」(内縁の妻)として作戦に従事させたのも、二人が共犯者として様々な謀略に関わり、常に共に危ない橋を渡る仲だったからだといえる。既に没落したとはいえ名門の出であるラルと、元は不良少女でラルを少女時代から知り、雌伏時代を献身的に支えたハモンにとっての共通項がアストライアの辿った悲劇だった。それでもハモンはラルを「あなた」とあたかも長年連れ添った夫婦であるかのように呼んでいる。彼の戦死後、ハモン、タチを中心にして「仇討ち」が決行された。その際にハモンがアムロに「私とラルの人生は豊かだった。それを終わらせたのが坊や、貴方なのよ」と語るに到る。 クラウレ・ハモン 声 - 沢城みゆき 原作およびランバ・ラル編、ジャブロー編前編ではラルの内縁の妻で軍籍を持たない身でありながら、最愛の腹心としてラルを支え、彼の戦死後はタチと共に仇討ちを決行しリュウ・ホセイのコア・ファイターとの空中衝突で戦死する。だが、シャア・セイラ編以降の重要人物で主役の一人。不良少女で夜遊びに明け暮れていた時代に年齢詐称して働いていた酒場「エデン」で純粋な心を持つ歌姫アストライアと知り合いその人生が一変する。アストライアがダイクンに見初められたことでハモンは子供ながらに二人の間を取り持つためキャスバル誕生でも重要な役割を果たす。またアストライアの後を受けた歌姫としてバーテンダーのクランプと共に「エデン」を切り盛りする。 アストライアへの思慕と友情はひとかたならず、彼女が産んだキャスバルとアルテイシアを政争から逃がすため、連邦軍人に成りすまして二人をガンタンクで逃がすという危険を冒す。その後、自身への恋慕を利用してタチを動かし、二人とジンバ・ラルを地球に逃がした。その後も愛する我が子を他人に委ねた心痛を病として苦しむアストライアを影ながら見守る。ドズルの配慮で対面を果たし、アストライアを勇気づけるがその甲斐もなく、アストライアは早逝する。 ザビ家に睨まれたことで要職を解かれ、不遇を託つランバ・ラルも献身的に支え、ラルに陽の当たる道を歩ませたいと痛切に願うが、不器用な性格故に上層部と衝突して地位を喪うラルを温かく見守る。ラルの項にある台詞に集約されてしまうが、愛に生き、愛に死んだ女性。 タチ・オハラ 声 - 北沢力 少尉→中尉。原作では単にラルに心酔し、ハモンのラル仇討ちに力を貸すだけの存在。本作では重要な役所をこなす。ジオン共和国時代に、常連として通っていた店の歌姫ハモンに入れあげ、「用心棒役」となっていた。色仕掛けで彼女に協力し、ジンバ・ラルとキャスバル、アルテイシア兄妹を貨物便で地球に送る。当初は頼りない青年士官であったが、「ルウム編」では情報部所属の軍人として再登場。開戦後はキシリア機関の目を掻い潜りセイラと接触。彼女にキャスバル(エドワウ)とシャア・アズナブルの入れ替わりを匂わせる情報を届けている。 その後は地球で諜報活動に就いていたが、ラルの戦死と、ホワイトベースに対するハモンの仇討ち計画を知り、密かな想い人ハモンへの最後の奉公とばかりにあらゆる伝を動員して旧型ザクとマゼラアタックなどの装備とホワイトベースの進路情報を手に馳せ参じる。自身もザクに搭乗してホワイトベースに特攻をかけるがガンタンクの射撃を受け、最後にハモンの役に立てて本望と言い残して戦死。また、ハモンとの再会時に、ラルほどの人材を捨て駒にするジオンに明日はないと敗戦を予言していた。 クランプ 声 - 近藤浩徳 ラルの副官。長らくクラブ「エデン」のバーテンダーに身をやつしていたが、ムンゾ防衛隊時代からラルの部下。ルウム戦役で軍に復隊した。仇討ち部隊が編制されるとハモンと共に参加した。白兵戦では艦橋制圧のため外部から爆破・侵入しようとするも、キッカの姿を見て驚き退くよう促す。ミライがキッカを庇い、割れた窓から侵入しようとした際にミライに撃たれて戦死。 コズン・グラハム 声 - 丹沢晃之 クランプと同様にムンゾ防衛隊時代のラルの部下で仇討ち部隊にも参加。階級は曹長→准尉→少尉。ブリティッシュ作戦に憤ってラルは軍を抜けたがコズンはルウム戦役に参加。その際にザクバズーカの一撃で戦艦を撃沈するシャア中尉の活躍を見て自身の予備弾を委ねようとするが、「従軍出来なかったラル大尉の分まで働け」と諭されている。 ラル隊の一員として熟練パイロットぶりを発揮するも、アコース機がやられてラルの撤退命令が出たにも拘わらず、ガンダム鹵獲にこだわって撤退が遅れる。怒ったカイのガンキャノンに背後からラリアットを喰らわされて逆に機体もろとも鹵獲され捕虜となる。WBクルーが素人集団だと見抜き、尋問を巧みにはぐらかす。セイラが食事にかこつけてコズンに個人的接触を図ってシャアの情報を引き出そうとしたのを勘違い。頃合いを見計らい脱走を図る。ラルにWB内の状況を報告し、自機を取り戻そうとするが、セイラに見咎められ同行するように誘うが拒絶され、組み敷くが逆にキックで反撃された。その後、機体奪還を諦めて身一つで逃亡を図ろうとするも追跡していたセイラに合流したオムルのバズーカでハッチごと吹き飛ばされて死亡した。 アコーズ ラルの部下。コズンとのコンビでラルのグフを援護する。しかし、二度目の交戦でダニーのガンキャノンにザクの頭部を吹き飛ばされた後、ビームライフルでコクピットを撃ち抜かれ戦死。原作での名前はアコース。 ゼイガン ラルの部下。バイクに乗り、偵察任務を敢行する。 ステッチ ラルの部下。3度目のWB襲撃でWBに取り付いて攻撃するがミライが異常姿勢での操艦をしたことで振り落とされた。その後、白兵戦を仕掛ける作戦でもザクに搭乗。アムロの操作するガンダムに撃破され戦死。
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