シャア・セイラ編
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「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の記事における「シャア・セイラ編」の解説
U.C.0068、独立運動の象徴たるダイクンが、議会での対連邦重要演説中に急死を遂げる。人々はダイクンの突然の死に衝撃を受け、大混乱に陥る。求心力を失った政治混乱の中、共に同志として独立運動を支えてきたデギンを戴くザビ家一派とジンバ・ラルを戴くラル家一派の政争が始まる。ダイクンの死についてザビ家は「連邦による暗殺説」を流布し、ラル家は「ザビ家による暗殺説」を流布することで人々は混乱する。 キャスバルとアルテイシア・ソム・ダイクンの幼い兄妹は、父の死を理解し悲しむ暇もなく葬儀の帰路に半ば暴徒と化した群衆に囲まれるが、ランバ・ラルに保護される。これに協力したのはキシリア・ザビだった。サスロはみすみすダイクンの遺児をラル家に委ねた妹を詰問する。その後、ザビ家を乗せた車に仕掛けられた爆弾が爆発しサスロが死亡。同乗していた弟のドズル・ザビも重傷を負う。サスロの死とザビ家のマスコミ工作により世論はザビ家寄りとなり、ラル家は窮地へと追い込まれる。ランバ・ラルはラル家ではアストライア達を守りきれないと判断。ダイクンの正妻ローゼルシアを頼る。 ローゼルシアはアストライア達を邸宅に迎え入れるが、実質軟禁状態となった。陰謀論に取り憑かれた父ジンバに対し現実主義者たる息子のランバ・ラルは、ザビ家の権力確立を見越してダイクンの遺児を政争から遠ざけるため、アストライアの旧友であるクラウレ・ハモンやタチ・オハラと謀り、キャスバル、アルテイシアそしてジンバを地球に逃がす算段をつける。こうして幼くして実母アストライアと引き離されたキャスバルとアルテイシアは、地球の資産家テアボロ・マスの養子としてエドワウ・マス、セイラ・マスと名を変えて育つことになる。アストライアは女の嫉妬による苛酷な意趣返しで、ダイクン邸の塔にある狭い一室に軟禁状態となり、若くして病を患い衰弱していく。 サイド3の政争は情報統制に成功したザビ家の圧勝に終わり、ムンゾに残ったランバ・ラルは正に冷飯喰らいとなる。そして後のジオン公国軍の母体とされるムンゾ自治共和国防衛隊や私兵集団である保安隊を一族で押さえていたザビ家はサイド3市民を掌握する。その結果、デギンがダイクンの後継者として共和国議長となり、更に一族がジオン独立運動の正当な後継者であることを示すため国名をジオン共和国と改め、ギレン・ザビ国民運動部長主導による対連邦戦争遂行体制の整備が進められていく。 独立戦争遂行を至上命題としてダイクンの遺児に執着しない長兄のギレンに対し、キシリア・ザビ親衛隊隊長はキャスバルの非凡さを知るあまり、部下たち(後のキシリア機関)を使って執拗に動向を監視する。ジンバ・ラルはエドワウにザビ家こそダイクン暗殺の首謀者だと繰り返し吹き込む。ザビ家一派が油断ならない存在だと子供心にも理解していたエドワウはそれを信じるようになる。やがてジンバは庇護者たるテアボロの了解も得ずにサイド3で工作を行おうとしたことで、ザビ家から刺客を送られ命を落とす。エドワウはどうにか刺客を退けるが、巻き添えでテアボロは重傷を負う。 地球に住むこともままならなくなったテアボロは、友人であるヤシマ財閥当主シュウ・ヤシマに相談し、サイド5ルウムの観光コロニーであるテキサスコロニーに移住。そこでエドワウは自分と容姿がそっくりなシャア・アズナブルという青年と知り合い打ち解ける。その後、アストライアの早すぎる死がエドワウとセイラに伝えられる。それを境にしてエドワウはセイラも不安を覚えるほどに不敵で暴力的に豹変し、通っていたハイスクール(養父のテアボロが出資した私立学園であり、校長はテアボロの部下であるにもかかわらず)でもその才覚と意気の凄まじさを校長に怖がられ、キシリア配下の監視役が付きまとってくると襲い掛かってケンカになるがセイラが制止する。 シャア青年はジオンの思想に傾倒し、ムンゾの宇宙軍士官養成学校に入学希望し、合格していた。そしてエドワウは、ルウムの学校に進学するため旅立つと言う。「キャスバルがテキサスコロニーを出る」という知らせはキシリア機関の耳に入り、謀殺が企まれる。エドワウは、ムンゾに向かおうとするシャアと同じ船に乗る体を装って謀り、エドワウとして乗船させ自分は残る。こうして本物のシャア青年は「不幸な宇宙船事故」で「エドワウ・マス」として命を落とす。全てを見越してわざと一便遅らせたエドワウは、シャア青年から奪った入学許可証でシャア・アズナブルと偽って士官養成学校に進学。ザビ家の末子たるガルマ・ザビの学友となる。初代校長はドズルが就き、式の貴賓として招かれたのは連邦宇宙軍総司令であるヨハン・イブラヒム・レビルだった。
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