ミノックスシリーズとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ミノックスシリーズの意味・解説 

ミノックスシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/25 04:32 UTC 版)

ミノックス」の記事における「ミノックスシリーズ」の解説

わずか100mm程度大きさ金属製ライター引き延ばしたような形状成人男性の掌に収まるほどの小型カメラである。小型化高性能両立させるため様々なアイデア取り入れられ一般小型カメラ劣らない鮮明な写真撮影でき接写も容易であるなど優れた性能備えスパイカメラとして世界的に知られるカメラとなったスライド羽根型のフォーカルプレーンシャッターは横走り金属製露光スリットをもった先行シャッター作動中とシャッターチャージの時に遮光を受け持つ後行追尾し、シャッター動作中のみ同期して開く。シャッタースピード遮光幕スライド形式歯車不使用スプリングとシャッター・アンクルによるガバナー制御で1/2秒から1/1000秒まで制御できるレンズ性能きわめて秀であり、大倍率引き伸ばし堪える。ただし拡大率が大きいためブレ粒子現像ムラ、埃等の影響大きく写りが悪いと誤解されていることもある。ビルトインフィルター、焦点調節連動するパララックス補正ファインダー特徴である。 巻き上げボディープッシュプル操作よるもので、速写性に優れているフィルム送り自動補正機能(USPTO.Reg.2218966)(Cf:ドイツ特許登録番号698952:1940年11月20日:Kl.57a)は偏心カム用いた画面間隔一定給送システムである。巻き上げ軸の頂に変形歯車固定されていてスプリングの力で押されているが、操作桿が左に動き変形歯車の腕に接する時から軸の左回転始まりラック歯車噛み合い回転続け回転終え軸の回転角の量だけドラムフィルム巻き取る当初撮影しなくてもプッシュプルすればフィルムが無駄送りされてしまったがミノックスCから改善された。 最初期製造されシリアルナンバー3000初期のもの12の歯を有する現在のマガジンサイズより僅かに小さ菊の花びら状の巻取軸給送機構有していたが、すべり易いため三本爪の巻取軸に改良しそのまま現行品受け継がれている。 ミノックスI(1936年試作1937年発売) - 1936年タリン試作されたプロトタイプは「タリン・ミノックス」もしくは「ウル・ミノックス(Ur Minox )」、そして一般的に知られているリガ製造された物は「リガ・ミノックス」、もしくは「VEF・ミノックス」と俗称されている。ミノックス基本モデルであり、露出計別売された。ゲルツから技術移転受けた優秀な3群3枚ミノスティグマート(Minostigmat )15mmF3.5を固定装着する回折による画質低下抑えるため常時F3.5開放使用し光量不足条件下においても補助光なしに文献複写が可能であった最短撮影距離は0.2m。内蔵フィルターオレンジ像面湾曲大きくなるトリプレットレンズ欠点補正するため、像面に合わせてフィルム面を湾曲させる形状フィルム圧板を使用した。この圧板は極めて高度な精密加工技術要するシャッター幕は、窓あきの金属幕を簡単なガバナー走行させている。フィルムカウンターは順算式50撮りシャッターフィルム給送機構、ファインダーパララックス補正機構等の基本機構現行品同一又は類似である。1940年8月以降ラトビアソ連併合されたため「Made in USSR」のモデル存在し連続番号08300~12000番がこれに該当するボディー長83mm。 ミノックスII1948年発売) - ドイツ移りミノックスIを再生産した。ただしレンズコーティングされた3群4テッサー型のコンプラン(Complan )15mmF3.5となり、またフィルム安定性確保するために球面の第5レンズを置き、これと圧板でフィルムを挟む工夫をしてある。この第5レンズには格子状凹凸があり撮影結果には写らないものの、近接撮影バックボケ時に格子状凹凸影響思われる嫌なボケ生じ傾向があった。また使用期間長くなると第5レンズフィルム面にすり傷与えたり埃を付着させたり張り付いてまったりと色々問題発生した最短撮影距離は0.2m。内蔵フィルターUVイエローオレンジシャッター2枚極めて薄い金属製窓明き幕を精巧なガバナー走行させ、カメラぶれを防いでいる。製造台数12,000ミノックスIII1951年発売) - 第5レンズ外された。焦点面球状であることが幸いしフィルム安定性には影響がなかった。最短撮影距離は0.2m。内蔵フィルターUVグリーンオレンジ製造台数12,000ミノックスIIIs1954年発売)/ミノックスA(1958年改名) - ミノックスIIIシンクロ接点加えた。このモデルまではプロトタイプのリガミノックスとほぼ同一大きさであり、特別な愛着を持つマニアが多い。最短撮影距離は0.2m。単独露出計オプションとして発売されていた。ミノックスBの発売後はミノックスAと呼称された。製造台数87,000ミノックスB(1958年発売) - ミノックスIIIsセレン光電池発電方式露出計内蔵されモデル露出計シャッタースピードとは連動しておらず、針を読み取りシャッター速度手動回転させて移し換えるセレン光電池連動範囲広く使い易くなった。最短撮影距離は0.2m。内蔵フィルターUV、4×(初期10×)NDグリーンフィルム感度設定はシャッターダイヤルを1/100秒の位置にして引き出して裏面歯車回転させASA/DIN感度合わせる製造台数385,000ボディ−長98mmミノックスC(1969年発売) - 電子シャッター組み込み絞りは常にF3.5開放のため、その絞り値での絞り優先AEとなる。最長露光時間は約7秒。ボディーレンズ窓がひとまわり大きくなった。超小型ガバナー代わりに電子シャッターマグネット電池などが入ったためボディー長は120mmになったこのためデザイン上の観点から上面シャッター速度と距離のダイヤルフィルム感度ダイヤル加えた。またミノックスB以前にあったフィルムが無駄送りされる問題点改善された。フィルムカウンター逆算36撮りとなった1970年以降レンズが像面平坦型のミノックス15mmF3.5となった内蔵フィルターUVNDソ連スパイだったアメリカ人ジョン・アンソニー・ウォーカー使っていたことで知られる製造台数174,000ミノックスBL1972年発売) - ミノックスBの露出計素子CdS受光素子換えモデルミノックスCが大きくなったため従来からのユーザーには不評で、その要望応えたもの。上面は2ダイヤル戻された。製造開始第一次オイルショック後不況期当たったため各部コストダウン進められと言われ例え刻印されていたダイヤル文字後期型プリントになり使用しているうちに消えてしまう場合がある。製造台数18,000ミノックスLX1978年発売) - 電子シャッター搭載しSPD素子による絞り優先AEAE場合シャッター速度15秒~1/2000秒まで完全連動する。特に高速度シャッター超小型カメラ大敵である手ぶれ防止効果がある。電子回路ミノックスCより一段と改良された。ボディー長108mm、90g。手ぶれ防止ランプ電池電位低下警告ランプ露出オーバー警告ランプ附された。製造台数35,000ミノックスEC1981年7月発売) - F5.6固定焦点自動露光連動電子シャッター機。ミノックス初の低価格普及機アマチュア写真愛好家向け。好評で、ミノックスB、ミノックスCに次ぐ台数製造された。製造台数145,000ミノックスAX1992年発売) - ミノックスLX外装手動式。完全メカニカルシャッター機。高級志向ハイレベルユーザー向けに限定販売された。製造台数1,222ミノックスTLX1996年発売) - ミノックスLX後継機チタン仕上げ電子シャッター回路改良し耐久性の向上図った現行品ミノックスMX1998年発売) - 日本ミノックス判カメラアクメルMD改良型AEシャッターを単速1/125秒とし、距離計機能そのまま機構有する普及機現行品ミノックスCLX1999年発売) - ミノックスLXベースとし、ボディー真鍮製でハードクロームメッキと外装のみを高級化した改良機種重量150g現行品ミノックスECX

※この「ミノックスシリーズ」の解説は、「ミノックス」の解説の一部です。
「ミノックスシリーズ」を含む「ミノックス」の記事については、「ミノックス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ミノックスシリーズ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミノックスシリーズ」の関連用語

ミノックスシリーズのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミノックスシリーズのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのミノックス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS