しゃつ【▽奴】
つぶね【▽奴】
ど【奴】
ぬ【▽奴/▽怒】
読み方:ぬ
〈奴〉⇒ど
〈怒〉⇒ど
め【▽奴】
やつ【▽奴】
読み方:やつ
[名]《「やっこ」の音変化という》
1 人を卑しめていう語。また、目下の者に親愛の意をこめていう語。「なんて—だ」「弟はいい—だ」
2 物事をぞんざいにさしていう語。「そっちの—をとってくれ」
「狐はさこそは人をおびやかせど、事にもあらぬ—」〈源・手習〉
[代]三人称の人代名詞。他人を卑しめたり、対等以下の人にくだけた態度で親しみをこめたりして用いる。あいつ。「—はまだ来ないか」
やっこ【▽奴】
読み方:やっこ
[名]《「やつこ」の音変化》
1 下僕。しもべ。
2 江戸時代、武家の中間(ちゅうげん)。頭を撥鬢(ばちびん)に結い、鎌髭(かまひげ)を生やし、槍・長柄(ながえ)・挟み箱などを持って行列の供先を務めた。
3 江戸初期の男伊達(おとこだて)・侠客(きょうかく)。町奴と旗本奴とがあった。
4 「奴頭」「奴豆腐」「奴踊り」「奴凧(やっこだこ)」などの略。
5 江戸時代の身分刑の一。重罪人の妻子や関所破りをした女などを捕らえて籍を削って牢(ろう)に入れ、希望者に与えて婢(ひ)としたもの。
「近世まのあたり見及びたる—には、江戸の勝山、京には三笠、蔵人」〈色道大鏡・四〉
[代]「やっこさん
」に同じ。
「どっちかと言や、—の方がずっと熱をあげてるでしょうな」〈高見・如何なる星の下に〉

や‐つ‐こ【▽臣/▽奴】
読み方:やつこ
《「家つ子」の意》
[名]
1 古代の最下級の隷属民。財物として売買・譲渡の対象となり、労働に使役された者。家族を構成することができなかった。奴婢(ぬひ)。
「住吉(すみのえ)の小田を刈らす児—かもなき—あれど妹がみためと私田(わたくしだ)刈る」〈万・一二七五〉
「君をば天とす。—らをば地とす」〈推古紀〉
3 そのものにとらわれて心身の自由を奪われることのたとえ。とりこ。
「ますらをの聡(さと)き心も今はなし恋の—に我(あれ)は死ぬべし」〈万・二九〇七〉
4 人などをののしっていう語。やつ。
「松反(まつがへ)りしひてあれやは三栗の中上り来ぬ麻呂といふ—」〈万・一七八三〉
奴
奴
奴
奴
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奴(やっこ)は、江戸時代の武家の下僕のこと。『古事記』が編纂された古代においては奴は奴隷階級を意味したと考えられる[要出典]。
特色
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武家に働く者の中でも低い身分にあたり、「中間(ちゅうげん)」や「折助(おりすけ)」と呼ばれていた武家奉公人の蔑称である。古代の奴婢制度の奴、及び「家つ子」(やつこ)が語源とされる。「ヤケ=家の子」の意味に注目すると、ギリシア語でもラテン語でも「家の人」と言う意味を有する言葉は「奴隷」を指す[1]。
奴の仕事には農民や一般町民の二男三男など、家の仕事を継げない者が雇われ、武士が出かける時の荷物持ちほか、雑務をこなしていた。[要出典]。
奴のお仕着せの半纏(はんてん)には、主家の家紋ではなく、大きな四角形を染めた。この紋所は「釘抜紋」と言い、座金を写した四角い形から、食材を大きめの立方体に切ることを「奴に切る」と表現する。常温または冷やした豆腐を奴に切って供する「冷奴」[2][3]、温めると熱奴や湯奴[4]などと呼ぶ。
正月に凧揚げをする際に見かける「奴凧(やっこだこ)」は、奴が半纏の筒袖の端を指でつまみ、左右に腕を広げた(袖を張った)姿を模し[注釈 1]、袖を袋状に貼って安定装置にしてある[6]。
また男性の芸人、さらに遊廓や花柳界の女性がこの身分の男性の言行をまねたことから遊女や芸者を「○○奴」と呼び、現在も芸名に用いられる。
作品中の奴
歌舞伎、歌舞伎舞踊、祭りの大名行列[注釈 2]等には、たびたび上記の奴の扮装をした『繻子奴』(しゅすやっこ)が登場する。服装は釘抜き紋の綿入れ半纏に太い丸ぐけ(帯)を締め、伊達下がりを見せて[9]武家ではない事を示し、足袋は黒または暗色の場合が多い[5]。その勇ましさを写した端唄に『奴さん』という曲がある[10][11]。
-
奴に扮した時代行列の出場者。赤く塗った顔の化粧は力持ちの象徴。 (大名行列、会津若松市)
脚注
注釈
出典
- ^ 鬼頭 1994, p. 217.
- ^ 露谷 1911, p. 30頁 (コマ番号0017.jp2), 「(三十四)奴豆腐」.
- ^ 村井 1924, pp. 185-186頁 (コマ番号0113.jp2-0114.jp2), 「磯奴豆腐」、「枝豆の奴豆腐」.
- ^ 露谷 1911, pp. 67−68頁 (コマ番号0035.jp2-), 「(九十七)湯奴 」.
- ^ a b 歌川 1862, 「奴凧平(市川市蔵・夢想兵衛 下り中村鶴助)」2枚組の右片.
- ^ 秋山 1986, pp. 1362–1365.
- ^ 共進社 1929, p. (コマ番号0122.jp2), 「時代風俗行列」.
- ^ 共進社 1929, p. (コマ番号0124.jp2), 「元氣な奴さん / 大久保彦左衞門」.
- ^ 豊国 1860, 「一世一代岸沢古式部 § 花見帰の供奴」.
- ^ 酒井 1923, p. 1.
- ^ 吉田 1936, p. 46.
参考文献
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本文の典拠、項目内は執筆者名順。
- 秋山幸雄「Kinetic Kite(特集1:精巧玩具—遊びの中の精密工学—解説)」『精密工学会誌』第66巻第9号、2000年、1362–1365頁、doi:10.2493/jjspe.66.1362。
- 鬼頭清明『大和朝廷と東アジア』吉川弘文館、1994年。ISBN 4-642-07422-8。全国書誌番号: 94047002。。
- 酒井竹保「奴さん」『竹保流尺八音譜著名端唄全集』竹保流尺八教師養成所、1923年(大正12年)、1頁 。 (コマ番号0004.jp2)、国立国会図書館インターネット公開
- 杉本苑子『歌舞伎のダンディズム』NHK出版、1989年。全国書誌番号:
89059616。
ISBN 4-14-018057-9。
- 講談社文庫に増補改版(1998年)全国書誌番号: 98065715、 ISBN 4-06-263690-5。
- 露谷兵二『豆腐の御用』ツユタニ堂、神戸、1911年(明治44年)、30頁 (コマ番号0017.jp2)、67−68頁 (コマ番号0035.jp2-)頁 。2021年12月4日閲覧。国立国会図書館デジタルコレクション、インターネット公開。
- 村井政善『最新実用和洋料理』博文館、1924年(大正13年)、185-186頁。全国書誌番号: 43047169 。2021年12月4日閲覧。doi:10.11501/982376、国立国会図書館デジタルコレクション、インターネット公開。
- 吉田晴風「端唄 §91 奴さん」」『尺八練習百曲集』全日本音楽出版社、1936年(昭和11年)、46頁 。doi:10.11501/947266、国立国会図書館インターネット公開。国立国会図書館内で一部分のみ印刷可。
- 写真
- 共進社(編)『写真交名大鑑 : 御大典奉祝記念』共進社出版部、1929年(昭和4年) 。頁番号なし、doi:10.11501/1112182、インターネット公開。石川県金沢市内の谷口時代風俗行列の1点。
- 錦絵
- 歌川豊国(画家)「花見帰の供奴」『一世一代岸沢古式部・踊の師匠おきの・花見帰の供奴・小船乗小六・太左衛門改望月朴清』(image/jp2)ゑひすや(えびすや)、1860年(万延1年) 。2021年12月3日閲覧。 国立国会図書館デジタルコレクション、古典籍資料(貴重書等):錦絵、インターネット公開。3枚つづきの1枚。
- 歌川豊国「奴凧平(市川市蔵・夢想兵衛 下り中村鶴助)2枚組の右片(1 - 2 / 2)」『豊国画帖』(image/jp2)海老林、1862年(文久2年) 。2021年12月3日閲覧。国立国会図書館収蔵、古典籍資料(貴重書等):錦絵、インターネット公開。
関連項目
項目内は50音順
関連資料
本文の典拠ではない資料、項目内は発行年順。
- 文学「夢想兵衛胡蝶物語」
- 滝沢馬琴「夢想兵衛胡蝶物語」國民圖書株式会社編『曲亭馬琴集』国民図書〈近代日本文學大系第15-16巻〉、1927年。
NCID BN05298685。
- 滝沢馬琴『昔語質屋庫 ; 夢想兵衛胡蝶物語』鈴木重三、徳田武編、汲古書院〈馬琴中編読本集成第12巻〉、2002年。 ISBN 4762933570、 NCID BA56850998。
- 文学その他
- 駸々堂編輯部(編)「奴さんの正体ぢや」『蛮カラ王北村一舟斎』大阪:駸々堂〈大正文庫 ; 30〉、1914年(大正3年)、32頁- (コマ番号0023.jp2)、インターネット公開。
- 雪花山人「黙れッ奴さんとは何んだ」『明烏十勇士 : 武士道精華』大阪:立川文明堂(たつかわぶんめいどう)〈立川文庫 ; 第39編〉、1913年(大正2年)、143頁 (コマ番号0078.jp2)、doi:10.11501/905613、インターネット公開。
奴
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上町 鉢巻に宇金(黄)、襷に紫と赤を用いる。 下町 鉢巻に太古(薄オレンジ)、襷に紫と新橋(水色)を用いる。 勢いよく走り見物人すれすれに穂先を突き出す押えの槍 挟箱担ぎ 子供達による奴踊 湯立神事(作占い)
※この「奴」の解説は、「綴子大太鼓」の解説の一部です。
「奴」を含む「綴子大太鼓」の記事については、「綴子大太鼓」の概要を参照ください。
奴
奴
奴 |
「奴」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はいやな奴だ
- 彼はほんとにおしゃべりな奴だ
- 人間は運命の奴隷である
- 彼はいい奴だ
- …を奴隷のように扱う
- 奴隷となる
- 奴隷制度の廃止に努力する
- 彼は大した奴だよ
- 同じこと言っている奴が友達に一人いました
- あそこにもそんな奴が1人居た
- この反奴隷制度団体の会員はみな、世界中のいかなる形の人種差別の廃絶を願っております。
- 奴隷制度反対運動と女性の権利運動の関係に関する研究
- 彼は色欲の奴隷になった。
- 彼の声には奴隷根性が感じられた。
- 彼らは奴隷状態から逃れようとした。
- その時代、奴隷所有は当たり前のことだった。
- 彼らは奴隷所有社会について議論した。
- その奴隷所有者は彼の奴隷を手荒に扱った。
- 隣の家の人が本当にいやな奴なの。
- 彼はみんなが彼を知ったかぶりをする奴だと言っていることに気づいていない。
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