芽
(新芽 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 06:48 UTC 版)
芽(め、英: bud)とは、維管束植物において、茎の頂端分裂組織とそれに由来する未熟な茎と葉からなる構造である(図1)。芽は、伸長して新たなシュート(葉や花をつけた茎)となる。芽のうち、茎の先端にあるものを頂芽、茎の側方につくものを側芽といい、種子植物ではふつう側芽は葉の腋につくため腋芽ともよばれる(図1)。ふつうの芽は頂芽や腋芽であるため、これらの芽は定芽、葉や根などそれ以外につく芽は不定芽とよばれる。また芽のうち、成長して葉のみをつけるものは葉芽、花のみをつけるものは花芽、葉と花をつけるものは混芽とよばれる。低温や乾燥など生育不適期に休眠状態にある芽は休眠芽とよばれ、特に冬季にある休眠芽は冬芽とよばれる。休眠芽はしばしば特殊化した葉である芽鱗に覆われており、このような芽は鱗芽(有鱗芽)とよばれ(図1)、一方で芽鱗をもたない休眠芽は裸芽とよばれる。切り離されて新たな個体となる芽は、むかご(珠芽)とよばれる。専門用語ではないが、新たに生じて間もない芽は、新芽(しんめ)、若芽(わかめ)、嫩芽(どんが)とよばれる[1][2]。
注釈
出典
- ^ 新芽. コトバンクより2023年7月11日閲覧。
- ^ 若芽. コトバンクより2023年7月11日閲覧。
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “出芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. pp. 640–641. ISBN 978-4000803144
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “再生芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 515. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 芽. コトバンクより2023年6月18日閲覧。
- ^ a b c d 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1373. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq br bs 清水建美 (2001). “2. 芽”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 220–231. ISBN 978-4896944792
- ^ a b c d e f g h i j k l 原襄 (1972). “5.1.1 芽”. 基礎生物学選書 3. 植物の形態. 裳華房. pp. 47–49. ISBN 978-4-7853-5103-8
- ^ a b c d e f g h i j k l m 原襄 (1994). “2.2.1 芽”. 植物形態学. 朝倉書店. pp. 16–19. ISBN 978-4254170863
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 馬場多久男 (1988). 冬芽でわかる落葉樹. 信濃毎日新聞社. pp. 4. ISBN 978-4784091058
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “頂芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 919. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e f g h i j k 広沢毅・林将之 (2010). 冬芽ハンドブック. 文一総合出版. p. 7. ISBN 978-4829911747
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “側芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 835. ISBN 978-4000803144
- ^ 清水建美 (2001). “1. 幼植物”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 213–220. ISBN 978-4896944792
- ^ 清水建美 (2001). “(1) シュート”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 167–168. ISBN 978-4896944792
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “幼芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1420. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “頂芽優勢”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 919. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e 原襄 (1994). “解説2.2”. 植物形態学. 朝倉書店. pp. 16–19. ISBN 978-4254170863
- ^ a b c d e f 熊沢正夫 (1979). “9.3 副芽”. 植物器官学. 裳華房. pp. 99−101. ISBN 978-4785358068
- ^ a b 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “副芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1193. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c “水上演習林観察日誌32”. 日本大学 演習林. 2023年7月1日閲覧。
- ^ a b c 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “不定芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1207. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e f g h i j k l 熊沢正夫 (1979). “16 不定芽”. 植物器官学. 裳華房. pp. 172−184. ISBN 978-4785358068
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “葉芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1420. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “花芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1207. ISBN 978-4000803144
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “蕾”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 936. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “混芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 500. ISBN 978-4000803144
- ^ 長谷部光泰 (2020). “15.1.1 苞鱗種鱗複合体をもつ複合雌性胞子嚢穂の進化”. 陸上植物の形態と進化. 裳華房. pp. 200–205. ISBN 978-4785358716
- ^ a b c d 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “休眠芽”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 314. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 冬芽. コトバンクより2023年7月7日閲覧。
- ^ 夏芽. コトバンクより2023年7月7日閲覧。
- ^ 多田多恵子 (2002). “フクジュソウの焦燥”. したたかな植物たち ―あの手この手のマル秘大作戦. エスシーシー. pp. 156–161. ISBN 978-4886479228
- ^ a b 広沢毅・林将之 (2010). 冬芽ハンドブック. 文一総合出版. p. 8. ISBN 978-4829911747
- ^ a b 庄野邦彦 (2020年12月31日). “冬芽について”. 植物Q&A. 日本植物生理学会. 2023年7月7日閲覧。
- ^ 広沢毅・林将之 (2010). “サワグルミ”. 冬芽ハンドブック. 文一総合出版. p. 10. ISBN 978-4829911747
- ^ 広沢毅・林将之 (2010). “ホオノキ”. 冬芽ハンドブック. 文一総合出版. p. 24. ISBN 978-4829911747
- ^ a b c d e f g h i j 藤重宣昭 (2020). “芽内形態(芽型)”. 農業用語の基礎知識. 誠文堂新光社. pp. 106–107. ISBN 978-4416520796
- ^ a b c d e f 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “芽内形態”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. pp. 232–233. ISBN 978-4000803144
- ^ a b c d e f g 熊沢正夫 (1979). “23 芽型”. 植物器官学. 裳華房. pp. 299−303. ISBN 978-4785358068
- ^ a b c d e f g 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “芽中形態”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. pp. 232–233. ISBN 978-4000803144
- ^ a b Simpson, M. G. (2006). “Glossary of terms”. Plant Systematics. Academic Press. pp. 547–578. ISBN 9780126444605
- ^ 長谷部光泰 (2020). 陸上植物の形態と進化. 裳華房. p. 172. ISBN 978-4785358716
- ^ a b 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “覆瓦状”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1193. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 佐藤公行 (2021年9月18日). “若芽・新芽が美味しいわけ”. 植物Q&A. 日本植物生理学会. 2023年7月7日閲覧。
- ^ “食べているのはどの部分?”. 野菜のひみつ. 農畜産業振興機構. 2023年7月7日閲覧。
- ^ “タケノコ(筍)”. とれたて大百科. JAグループ. 2023年7月7日閲覧。
- ^ “森と水の恵み・山菜図鑑”. あきた森づくり活動サポートセンター. 2023年7月7日閲覧。
新芽(あらめ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 17:06 UTC 版)
主人公の妹。高校生。主人公の実家に住んでいる。鷹匠をやっており、フクロウを使ってカラスなどを追い払っている。
※この「新芽(あらめ)」の解説は、「狐のお嫁ちゃん」の解説の一部です。
「新芽(あらめ)」を含む「狐のお嫁ちゃん」の記事については、「狐のお嫁ちゃん」の概要を参照ください。
「新芽」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「新芽」を含む用語の索引
- 新芽のページへのリンク