やま‐ぐわ〔‐ぐは〕【山桑】
ヤマグワ
北海道から本州、四国、九州、沖縄にかけて分布しています。伊豆諸島にもあります。(ハチジョウグワVar. hatijouensis)。養蚕のために使われているものの中には、ヤマグワの系統のものが多いといわれています。この他に養蚕用として中国原産のトウグワ(Morus alba var. tokuwa)が明治初期に日本に導入されています。ヤマグワの蓄積は非常に少ないこともあり、用途が限られています。 ■木材 ■用途 |
ヤマグワ
ヤマグワ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 06:21 UTC 版)
ヤマグワ(山桑、学名:Morus australis, Morus bombycis)は、クワ科クワ属の落葉高木。養蚕に使われるクワに対する、山野に自生するクワという意味でよばれている。中国植物名(漢名)は鶏桑(けいそう)という。学名の一つである Morus bombycis は、カイコの学名である Bombyx に由来する。樹高10メートル、幹径では60センチメートルまで生長する。日本、南千島、樺太、朝鮮半島、中国、ベトナム、ミャンマー、ヒマラヤに分布する。樹皮は灰褐色で、縦方向に不規則な筋が入る。葉は卵形や広卵形であるが不整な裂片を持つものもあり、形は様々である。開花期は4月。ほとんどが雌雄異株であるが、ときに雌雄同株。花は小さくて目立たず、花後につく果実は1 cmほどの集合果で「ドドメ」ともよばれており、はじめ赤色であるが夏に熟すと黒紫色になり、食用にされる。完熟果実を食べると唇や舌が紫色に染まり、昔は子供たちのおやつによく食べていた。 養蚕用に栽培されることも多い。日本では一般には養蚕には用いられていない種であるが、栽培桑の生育不良で飼料不足となるときに用いられた。霜害に強く、栽培桑が被害を受けたときに備えて養蚕地帯では霜害が割合的に少ない山地に植えて置き、栽培桑の緊急時の予備とした。しかし、ヤマグワの葉質は栽培桑よりも硬いため、カイコの成長が遅くなり、飼料としては性質は劣る。北海道では、栽培種のクワの生育が困難だったため、開拓初期に各地で様々な試行錯誤が行われ、ヤマグワを用いて養蚕が行われた時もあった。
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