ミツバアケビとは? わかりやすく解説

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みつば‐あけび【三葉木通/三葉通草】

読み方:みつばあけび

アケビ科蔓性(つるせい)の落葉低木卵形3枚小葉からなる複葉4月ごろ、黒紫色の雄花雌花とをつける。実はアケビ似て紫色熟して裂け、白い果肉がのぞく。実は食用、つるはかごなどを作る


三葉木通

読み方:ミツバアケビ(mitsubaakebi)

アケビ科蔓性落葉樹


三葉通草

読み方:ミツバアケビ(mitsubaakebi)

アケビ科落葉つる性植物園芸植物薬用植物


ミツバアケビ

ミツバアケビ
科名 アケビ科
別名: アケビ
生薬名: モクツウ木通
漢字表記 三葉あけび
原産 日本
用途 山地涼しい場所に自生するツル性落葉樹花の色暗紫色で、アケビは5、ミツバアケビは3枚です。ツルアケビ同じく利尿通経などに用い若芽果実食用なります。ミツバアケビのツル強くしなやかなので、アケビ細工利用されることが多い。
学名: Akebia trifoliata Koidz.
   

三葉木通

読み方:ミツバアケビ(mitsubaakebi)

アケビ科落葉つる性植物園芸植物薬用植物

学名 Akebia trifoliata


三葉通草

読み方:ミツバアケビ(mitsubaakebi)

アケビ科落葉つる性植物園芸植物薬用植物

学名 Akebia trifoliata


三葉通草

読み方:ミツバアケビ(mitsubaakebi)

アケビ一種

季節

分類 植物


ミツバアケビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/07 03:49 UTC 版)

ミツバアケビ
花序 福島県会津地方 2009年4月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : モクレン亜綱 Magnoliidae
: キンポウゲ目 Ranunculales
: アケビ科 Lardizabalaceae
: アケビ属 Akebia
: ミツバアケビ A. trifoliata
学名
Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz. (1925)[1]
シノニム
和名
ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)

ミツバアケビ(三葉木通[3]・三葉通草、学名: Akebia trifoliata)はアケビ科アケビ属落葉性つる性木本。山野に生え、果実は食用になる。アケビとともに秋の味覚として親しまれてきたつる性の植物で、3枚の小葉があることからミツバアケビとよばれる[4]中国名は「三葉木通」[1]。地方の山菜名でキノメともよばれる。

分布と生育環境

日本中国に分布する[5]。日本では、北海道本州四国九州に分布し、山地に生育する[6]。下北半島[7]、北海道に自生するほど耐寒性も強い[4]。山野や山地の明るい緑林を好み、アケビよりいくらか山奥に生える[5]。アケビに比べて育成地域が広く、荒れ地や乾燥地でも旺盛に繁殖する[4]。果実がアケビよりも大きくなることから果樹としても栽培される[6]

形態・生態

落葉つる性の木本[6]アケビAkebia quinata)によく似ているが、葉で判別がつく[3]。つるの繁殖力が強く、が他の樹木にからんで這い上がり、地面を這う枝も出す[5]。つるの巻方向は、上から見て右巻き(S巻き)で巻き付き、茎は太いもので直径2センチメートル (cm) になる。樹皮は灰褐色から紅褐色をしており、丸い皮目がまばらにあり、不規則に亀裂が入り成木になると剥がれる[4][3]

互生し、掌状で小葉が3枚になる3出複葉である[5][6]。小葉は長さ4 - 6センチメートル (cm) 、幅1.5 - 4 cmのいびつな卵形から広卵形で[5][6]葉縁には波状の鋸歯ある[3]葉柄は2 - 14 cmと長く、小葉につく小葉柄は0.3 - 3 cmになる。ふつう落葉性であるが、暖地では冬でも葉が残ることもある[3]。葉の表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、両面とも無毛[4]。小葉の先端はわずかに凹み、基部が円形にやや膨らむのが普通で、日当たりの良い環境で育成した葉は厚みがある[4]

花期は4 - 5月で[6]、若葉が出ると同時に花を咲かせる[8]雌雄同株[5]、雌雄異花の植物で、アケビよりも花の色は濃い紫色である[9]。新葉のわきから総状花序を出して下垂または下曲させ、花序の先のほうに十数個の小型の雄花をつけ、基部に大型の雌花を1 - 3個つける[6]。雄花は濃暗紫色で径4 - 5ミリメートル (mm) になり、反り返った花弁状の萼片は長さ2 mmで3枚あり、6本の雄しべが球状に集まる[9]。雌花は3 cm前後になる花柄をもち、濃暗紫色で径15 mmほどになり、花弁状の萼片は長さ7 - 10 mmで3枚あり、円柱形になる雌しべが3 - 6本つくことが多い。花に花弁はない。

果期は秋(9 - 10月ごろ)[6]果実液果で、厚い果皮に包まれ、長さ10 cmほどのずんぐりした繭形か、長楕円形になる[6][9]。果実はアケビに比べて先端側のほうの膨らみが大きく、全体に太い[9]。雌しべの1 - 3個が結実すること普通であるが、なかには全て結実する場合もある[9]。秋に熟すると、緑色から紫色または赤紫色に変化し、果皮が裂開して[10]中にゼリー状の果肉がある。果肉は白色半透明で、中には黒色の多数の種子を含む。果肉は甘くておいしく食用になる[6]

冬芽は短枝上か互生し、卵形で、赤褐色の芽鱗が多数ある[3]。葉痕は半円形から腎形をしており、維管束痕が7個ある[3]

利用

アケビと同様に、果肉も若芽も食用になり、つるは細工に用いられる[3]

東北地方では、アケビより灰汁(あく)が少ないミツバアケビの若芽をキノメ(木の芽)とよんで珍重する[8]。若芽の採取時期は暖地で3 - 4月、寒冷地で4 - 5月ごろが適期といわれる[8]。若芽も果皮も灰汁があり、独特のほろ苦さと歯ごたえがある[8]。若芽は茹でて米飯に混ぜて「木の芽飯」にしたり、お浸し和え物、汁の実、炒め物などにする[8]。果実は中の果肉を生食したり、果皮に挽肉の味噌炒めを詰めて、油で焼いて食べられる[8]

つるは弾力があり丈夫でしなやかであることから、かごなどの民芸品になる[5][6]。籠編みの材として最高品といわれ、多くの生活用具に利用される[4]

脚注

参考文献

  • 金田初代、金田洋一郎(写真)「アケビ(木通、通草)」『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、66 - 67頁。ISBN 978-4-569-79145-6 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、227頁。 ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 谷川栄子『里山のつる性植物 観察の楽しみ』NHK出版、2015年6月20日、18-19頁。 ISBN 978-4-14-040271-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、10頁。 ISBN 978-4-05-403844-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、241頁。 ISBN 4-522-21557-6 

洋書

関連資料

本文の典拠ではないもの。

関連項目

  • 熊本大学 薬用植物のデータベースを公開
  • 日光植物園 東京大学の付属施設
  • プランツ・フォー・ア・フューチャー英語版 同名の植物データベースを主催するイギリスの非営利団体。本種の分布する気候帯や世界の国と地域、園芸や薬用への応用を記載。

外部リンク



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