ベンケイソウ科とは? わかりやすく解説

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ベンケイソウ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 09:50 UTC 版)

ベンケイソウ科
カネノナルキCrassula ovata
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ベンケイソウ科 Crassulaceae
学名
Crassulaceae DC.
  • 本文参照
Echeveria ‘Black Prince’ . 2018 Taichung World Flora Exposition, Taiwan.

ベンケイソウ科(ベンケイソウか、: Crassulaceae)とは、被子植物のひとつである。およそ331400を含む。

特徴

多肉質の葉および茎を持ち、水分を貯蔵できる。分布は世界中に広がっているが、特に北半球と南アフリカに多く、水の乏しい乾燥した地域に産する。 常緑の多年草で、カネノナルキ(金のなる木)のように茎が木質化し小灌木のようになるものもあれば、エケベリア属のようにロゼット状になり茎はごく短く退化するものもある。葉の大きさ、形、色や繊毛の有無など形態はさまざまである。

この科の植物は食用としてはグラプトペタルム属の一部が野菜とされる程度で、重要なものではないが、花卉園芸用に多くの種が流通する。それら品種の多くは特異な魅力を持ち、頑健で育てやすいことから人気が高い。カネノナルキやカランコエもこの科に属する。

多くは属、種間での交雑が容易で、野生、または人為の交雑があり、しばしば分類は容易でない。旧来の分類ではベンケイソウ科はバラ目に含まれたが、分子系統解析ではユキノシタ目に属する結果が得られる。

また、CAM型光合成(Crassulacean Acid Metabolism)という名称は、最初にこの科の植物からこの代謝経路が発見されたことにちなむ。

分類

3亜科に分ける[1]タコノアシ属 Penthorum を含める体系もあるが、APG IIIでは別系統のタコノアシ科としている。

クラッスラ亜科(アズマツメクサ亜科) Crassuloideae

約2属196種。

  • クラッスラ連 Craseae
    • クラッスラ属 Crassula
    • チラエア属(アズマツメクサ属) Tillaea - アズマツメクサ
カランコエ亜科(リュキュウベンケイ亜科) Kalanchoideae

約4属200種。Kalanchoe から セイロンベンケイ属 Bryophyllum を分離することがあるが、分子系統解析からはKalanchoeに含めるべきであるという結果が出ている[2]

センペルビヴム亜科(クモノスバンダイソウ亜科) Sempervivoideae

約28属975種。セダム属 (マンネングサ属)Sedumにその内の420種が分類されるが、近年の研究によるとこの属は多系統であり[2]、例として、かつてセダム属に分類されていたベンケイソウ Hylotelephium erythrostictum のグループがヒロテレフィウム属に、キリンソウ Phedimus aizoon var. floribundus のグループがフェディムス属に分けられている。

脚注

  1. ^ Crassulaceae in Stevens, P.F. (2001 onwards).”. Angiosperm Phylogeny Website Version 7, May 2006 (continuously updated since). 2012年8月22日閲覧。
  2. ^ a b Mark E. Mort et al. (2001). “Phylogenetic relationships and evolution of Crassulaceae inferred from matK sequence data”. Am. J. Bot. 88 (1): 76-91. PMID 11159129. 

参考文献

  • Urs Eggli, ed. Illustrated Handbook of Succulent Plants: Crassulaceae (Springer, 2003) ISBN 3-540-41965-9
  • 大場秀章「ベンケイソウ科」CRASSULACEAE, 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社

外部リンク


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