あいつ・きとは? わかりやすく解説

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アイツキ

読み方:あいつき

  1. 挨拶
  2. 〔的〕挨拶のこと。仲間入りの為めの儀礼を云ふ。其の種類には初対面の挨拶大勢寄つてゐるときの挨拶弟子披露挨拶喧嘩の仲直をするときの挨拶等があり、各々挨拶の異ることは一般場合と同じであるが、此の社会では特に挨拶言葉を云ひ直した行き詰つたりすることが大禁物で、一端云ひ出した最後淀みなく述べねばならぬのである。昔は博徒侠客の間に行はれたもの、現今でも玄人遊人土工坑夫等には此の儀礼あり、一種厳然たるものがある。近来に於ては不良少年仲間でも此の儀礼を採り入れられたと聞く此の儀礼を「ジンギ」ともいふ。「契りの意味もある。
  3. 之は挨拶のことで「ヅキサカ」(※「ずきさか」)「ジンギ」と同じ場合もある。即ち入団挨拶契約其の儀式のことで、最近では不良者間にも彼の的屋仲間でやる名乗の「ジンギ」を採用するやうになつたと云はれてゐる。
  4. 仁義福井
  5. 的屋犯罪者同志つきあいあいさつなど。〔一般犯罪
  6. つきあいのこと。やし仲間お互いにとりかわす一種儀礼あいさつのこと。初対面のあいつきとか、弟子入りおとしまえ、などいろいろの場合があるが、てきやだけでなく、遊び人土方職人床屋などそれぞれそうした仁義やりとり習慣があったが、現在ではほとんど見ない。だんだん消失している。職人達のいわゆる仁義というのが、この、あいつきのことで、よく映画芝居で見る変な恰好中腰睨み合ってするやりとりである。両方とも体を斜めにして、心もち頭を下げ、肩を、いからし垂れた拳はいつまたけんかになっていい様固く握っている。が、くわしく記せば、道路上の、家屋内の喧嘩の…と、いろいろ場合によって文句もちがい、姿勢にも変化があるのである。この場合に、もし自分一本立ちの兄イならば、親指四本の他の指の中に、つまり拳の中にかくし、もし、親分もち、即ち子分ならば、拳のそとにあらわしておく。そしてこの、体をななめにして坐ったり、中腰になったりすることは、喧嘩体勢外大いにわけがあるのである。それは、むかし、印袢天を着ていた時分一目相手にその背中のしるしを見せるためのものだったのだが、それが今、形だけのこっていのである
    こうして、じっと睨み合っているうちにだんだんと極度緊張ふるえてくる。いつまた挨拶のしようで、ゴロ(けんか)になるかわからないからである。参考までに、そのやりとり一節香具師奥義書から転載してみる。
    A 間違いました御免なさんせお友達さんじゃござんせんか
    B 御意ござんすおひかえなさい。
    A おひかえなさい。
    B おひかえなさい。
    A 手前旅中ござんすおひかえなさい。
    B 旅は同旅にてござんすおひかえなさい。
     と相手方発言中止していわゆるあいさつ控えた時、次のような言葉がはじまるのである
    A さっそくおひかえ下さって有難うさんにござんすあげます言葉前後間違いました御免なさんせ手前生国申しやすと東京にて御座んす東京申しましてもいささか広うござんす。が、何区何町何番地御座んす稼業持ちましての親分××一家××××申しやす。
    姓名あげますは失礼さんにござんすが、××申しやす。稼業昨今かけ出し若い者御座んす。いず方に参りましても親分さんに御厄介相かけがちのものに御ざんす。面体お見知りおきの上今日万般じっこん願いやす。
    B 申し遅れました手前生国申しやすと、
    と、同じようなことをくりかえし終ってやっと同時に
    AB そろって、よろしく御願い申しやす。と、結ぶのだが、この場合、大ぜいのだち(仲間)が寄り集まっているときには、その冒頭語に一寸した変化があり、
    御一同さんにあげます言葉前後ちがいましたら御めんなさい……」
    と云って、前述通り生国名のり、ついで親分又は兄イの縁につながることをのべ、後段前文のままでいいわけである。
    この間右手方の大ぜいは、極めて静粛に又、極めて厳粛にあいつきを聞いている。そして言葉が終れば同時に頭を下げてかんたんに一同「よろしくお願い申しやす」と云って形式終るのである
    それから、これが親分で、下の者に対するアイツキとなれば、それは更に一そうかんたんで威張ったのである。即ち「手前何々一家(と家名名のり何の××……よろしく」と云ったようなことで万事OKである。なお今日ではやくざ仁義のようなものは、不良っ子たちが、好奇心見栄でやるだけで、本職のやくざたちは、一切やらないせいぜい「私は松戸の山春の××です。よろしく」というぐらいである。面白いことに、こうした仁義は、今日では昔のそれと趣き異にして昔は儀礼だったのが、今ではむしろ、相互に反感持ち合っている時にやる。ちょうど、ゴロ挑戦意味するようなものである。〔香具師不良
  7. 仲間とりかわす儀礼つきあい交際反転したもの。〔香〕
  8. 〔香〕〔犯〕あいさつ的屋犯罪者同志つきあいあいさつなど的屋仲間では、初対面の挨拶とか、弟子入りおとしまえなど色々の場合があるが、的屋だけでなく、遊び人土方職人床屋などそれぞれそうした仁義やりとり習慣があったが、現在ではほとんどみられなくなった

分類 ルンペン大阪不良者犯罪。、的、香、香具師香具師不良香具師犯罪

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