御意
「御意」とは、おぼしめし・ごもっとものことを意味する日本語表現である。
「御意」とは・「御意」の意味
「御意(ぎょい)」とは、目上の人や身分の高い人の考えや気持ちそのものを意味する「おぼしめし」としての意味と、身分の高い人の考えや指示に対して同意や肯定を示す「はい」、畏まって返事をする時に使う「ごもっとも」や「おっしゃるとおり」という意味の日本語である。話し言葉が大きく変化している現在では、御意という言葉使いも時代劇で見かける程度になっていたが、現代版のドラマや話題になった漫画でも見ることができる。ドラマの「ドクターX」では、登場人物の蜂須賀が、御意の言葉と共に拝礼する「御意ポーズ」で登場することがお約束となっている。上司からの命令に対して取る仰々しいポーズのことで、何度も頻繁に出てくることから記憶に残りやすい。他にも漫画の「鬼滅の刃」は、大正時代が舞台なので難しい言い回しも多く出ており、その中に御意を使う場面がある。鬼を滅するための組織「鬼殺隊」のトップである産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)が部下である柱たちへ出した命令に対して、彼らは「御意」と返事をしている。このように、御意は目上と目下あるいは上司と部下との会話の中で使うのが基本である。しかし、言葉の語呂や語感の良さを気に入って、仲間内で返事をする時に軽いノリとして御意を使う人もいる。これは正しい使い方ではないので注意しなければならない。現代においては些か時代錯誤な感じのする御意ではあるが、ビジネスシーンなどでは目上の人へ畏まった言い方として使う機会がある。御意に従う・御意のまま・御意に召すのように慣用句の形として使われている。御意以外で一般的には指示や意見を受けたときの受け応えとして「承知」や「了解」があるが、これらは返事をする相手の立場によって使い分けなければならない。「承知(いたしました)」は謙譲語としての承認を意味しており、目上の人からの指示や意見に「その通りに従います」という意味で使われる。一方で「了解(しました)」は、相手の指示や意見に対して「わかりました」という認識で使う返事である。「了解しました」は丁寧語になるので、自分と同等もしくは目下の人に対して使う言葉だ。よって御意のように目上の人に対して使うのであれば「承知」の方が正しく、「了解」を使うのはNGとなる。
「御意」の語源・由来
「御意」は鎌倉時代から江戸時代にかけて武士が中心となっていた武家社会の時代に使われていた言葉で、「お考えのとおりに命令を実行いたします」という意味の「御意のとおり」が語源とされている。身分により上下がはっきりと区別された縦社会では、下のものが上に逆らうなどあってはならず意見を述べる行為さえ御法度に当たる。法に触れれば自分の命だけではなく、一族郎党まで連帯責任を取らされることもある世界だったのだ。主君の命令には絶対服従とする中で、肯定する言葉として生まれたのが意見や意向など考えを示す「意」という漢字に敬意を表す「御」を加えた御意(ぎょい)である。ただ単に「わかりました」という返事の意味合い以上に、強い服従の意思が込められている。そのため御意を使うのは武士のみで、商人や農民たちには使われなかった。武士の時代が終わっても軍など厳しい上下関係があるところなどで使われていたが、現在では御意を使う機会は少なく日常で耳にすることはあまりない。「御意」の使い方・例文
御意にはいくつかの慣用句があり、それによって使い方も変わってくる。「御意に従う(目上の人の考えや気持ちを受け入れる、聞き入れること)」
・この国の国民は皆、国王の御意に従っている。
・社長の御意に従うしかなかった。
・私たちは先代社長の御意に従うことに賛成だ。
「御意のまま(目上の人の言う通り、考えの通り)」
・得意先の会長の御意のままに振り回されて困った。
・主人の御意のままに行動することが誇りである。
「御意に入る、御意に召す(目上の人が気に入ること)」
・お祖父様の御意に召されて上機嫌だ。
・社長の御意に入るとは羨ましい限りである。
・長官の御意に召されるとは幸先が良い。
「御意を得る(目上の人の考えを聞く、目上の人に会う)」
・大臣の御意を得ることができて勉強になった。
・天皇の御意を得られて緊張している。
御意
御意とは、御意の意味
御意とは、目上の人や高貴な人の考えを意味する語のこと。また、「御意のとおり」の略語として、相手の発言に同意したり、命令に従う意志を示したりする際に用いる返事である。御意の語は現代ではほとんど用いられないが、時代劇や時代小説などではしばしば見られる。例えば、殿様が自分の考えを述べた時に、家来がその通りである、ごもっともであると思った時に「御意のとおり」「御意にございます」「御意」などと返答する。ちなみに最近では、親しい間柄において了解を意味する言葉として「御意」の語を使うことがある。
御意の語の使い方
- 御意に従う
目上の人の考えや気持ちを受け入れる、聞き入れる。 - 御意のまま
目上の人の言う通り、考えの通り。 - 御意に入る、御意に召す
目上の人が気に入ること。 - 御意を得る
目上の人の考えを聞く、目上の人に会う。
御意の英語表現
御意を英語で表現すると your will や your pleasure などとなる。pleasure は、喜び、光栄、嬉しいといった意味がある。ぎょ‐い【御意】
「御意」の例文・使い方・用例・文例
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