PLDの武装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/17 15:52 UTC 版)
「パワーローダー (パワードール)」の記事における「PLDの武装」の解説
PLDには固定武装は一切無く、両手、肩(X-1系のみ背中)に備えられたパイロン、そしてポケット(X-4以降)に様々な武器を搭載することで、あらゆる作戦行動に対応することができる。ゲーム中では、ポケット装備以外はこれらのタイプに分類されている。 D…直接攻撃兵器 目標までが直接見渡せる範囲の敵に対してのみ有効な兵器。攻撃目標とする敵を直接指定して攻撃を指示する。目標のみを攻撃し、精密射撃が可能なD0、目標の周囲半径1ヘックスの範囲の敵にも同時攻撃可能なD1の2種があり、D1のみ臨機射撃(敵行動ターン中に行う、足止めのための射撃。ZOCの項に詳述)可能。 R…間接攻撃兵器 視界をさえぎる物の向こうも攻撃可能な兵器。攻撃目標の位置を指定して攻撃を指示する。敵のいない場所や索敵範囲外、味方のいる場所も攻撃可能であり、これを利用して敵が敷設した地雷を焼き払う、敵のいそうな場所に見当をつけて攻撃するといった使い方も出来る。R0、R1、R2、R3の4種が存在し、数字は目標の周囲半径何ヘックスが危害範囲となるかを示す。R0タイプは「パワードール2」より廃止され、Mタイプに置き換えられた。 M…ミサイル 索敵範囲内かつ射程内で、発射母機から6ヘックス以上離れている敵を直接指定して攻撃する。対空攻撃力のあるDタイプの武器で撃ち落したり、デコイで欺瞞したりという手段で回避可能。 S…煙幕兵器 攻撃目標周囲に煙幕を張る装備。「パワードール2」より廃止され、D、Rタイプの一種という扱いとなった。 A…周辺兵器 発射母機の周囲に弾幕を張る。「パワードール2」より廃止。 C,S(「パワードール2」以降)…補助装備 戦闘に使うものではなく、機体の性能向上に用いる周辺機器、及び作戦行動に使用する備品。 なお、「パワードール2」「パワードール2ダッシュ」「アドヴァンスドパワードール2」では、D1タイプ及びRタイプの武器を多用すると、エンディングで表示されるキャラクターの射撃の命中率が100%を超えるという珍現象が発生する。これは命中率を被弾させた敵の数を発射回数で割った値で示しているためで、バグではない(同様の現象は、同じくRタイプの武装を用いる自走砲による支援砲撃、航空人員による爆撃でも発生する)。 アサルトライフル(D0) 最初期のPLDより用いられている手持ち装備。人間の兵士が持つものと異なり、発射モードは3バーストのみ。照準管制を完全にPLD本体に依存するため、射撃に手間がかかる。取り回しと射程距離に重きを置いて進化が進んでいるが、それと引き換えに命中精度が犠牲になる傾向にある。それでも比較的命中精度が高いため、ゲーム中では主に敵機に止めを刺すのに用いられる。 スナイパーライフル(D0) ジアス動乱末期に登場した手持ち装備。威力と命中精度は高いのだが、初のスナイパーライフルであるW-800は、実は射程距離はX-4S専用のアサルトライフルP-9RSと同等。敵機の索敵能力を奪う「電磁障害弾」という特殊な弾頭を用いることもできる。独立戦争時から存在していたらしく、X-1用の武装にも同様のものが存在する(本編未登場)。 サブマシンガン(D1) 最初期のPLDより用いられている手持ち装備。発射モードはフルオートのみ。速射性は高いが命中精度に難がある。ゲーム中では臨機射撃に用いられる。ジアス動乱末期には、威力を犠牲にして装弾数を増加させた、臨機射撃に特化した仕様のものも登場している。 ガトリング砲(D1) 対空用のガトリング砲をほぼそのままPLDに搭載したもの。手持ち用と肩装備の2系統が存在する。手持ち用は腰部のサポートアームに載せて使用する。ゲーム中では臨機射撃のほか、対空射撃にも用いられる。 グレネードランチャー 手持ち用と肩装備とでは全く異なったものとなっているため、別個に説明する。手持ち用グレネードランチャー(R1) 一定の範囲に破片をばら撒く、連発式のグレネードランチャー。 肩装備グレネードランチャー(A1,D1) 対PLDショットガンとして開発されたが、独立戦争時は用途に適した散弾が開発できず、大型グレネードを使用弾として転用し、Sマインとして使用されたが、戦後散弾の開発に成功し、ジアス動乱時には本来の運用法がなされた。機械式発射機構によって低反動化されているが、そのために非常に重量のある装備となってしまっている。サイフェルト戦争時には廃止され、新たに開発された手持ち用に近い特性を持つものに置き換えられている(リニューアル版「パワードール1」に登場するのもこちらのタイプである)。 スモークディスチャージャー(S1,R2) 戦車用スモークディスチャージャーを転用した肩装備。独立戦争後には対人榴弾発射用のバリエーションも登場している。 ロケットランチャー(R1,R2) 重量がある割には威力が小さく、照準管制を完全にPLD本体に依存するため、射撃に手間がかかるためにPLDパイロットに嫌われているにもかかわらず、長射程の制圧能力を買われ、陸軍歩兵部隊の執拗な要求によって現役にある旧式の肩装備。ジアス動乱末期には、威力の問題が解消された多弾頭ミサイルに置き換えられている。 砲(D0) PLDの主力火器として用いられる肩装備。特にX-3開発初期から使用されているMC105mm砲は低反動、高命中精度から、ジアス動乱時に威力の高いMC120mm砲が登場して以降も愛用されている。主に使用される砲弾は、対車両用のAPFSDSである徹甲弾と、対歩兵、軽装甲、PLD用の古典的な榴弾である榴散弾の2種である。なお、HESH、HEAT等の近代的な榴弾は、対戦車用途では戦車の装甲の発達のために有効打とならず、対PLD用途では直撃が望めないため廃れている。サイフェルト戦争時には手持ち用の「ハンドキャノン」が登場しているが、両手で持つ巨大なものとなっているうえに、命中精度に難がある。無反動砲(本編未登場) X-1シリーズ用の背中装備。X-1シリーズの構造上、機体姿勢の変更でしか照準できなかったため、射撃体勢をとるのに時間がかかり、なおかつ射撃間隔も長かったという。 速射砲(D0) 対戦車・対空両用砲を転用した、独立戦争末期に導入され始めた肩装備。初速が高いため、徹甲弾の威力は高いが、榴散弾では近接信管の反応が間に合わないという事態を生み出し、対PLD能力が低下している。独自の3バースト射撃機構を持つため、重量と反動が増大しており、砲弾の消費が激しい。 リニアキャノン(D1) ジアス動乱時に試験導入がなされた肩装備。一説には宇宙戦艦の砲をスケールダウンしたものといわれている。小口径だが、初速がごく高いため、絶大な破壊力と多い装弾数を持つ。サイフェルト戦争時にその姿が見られないことから、PLDに搭載するには何らかの問題があったものと見られる。ゲーム中においては、X-4Sの項で述べた通り、その破壊力でゲームバランスまで破壊していた。「アーマード・コア」のWG-1-KARASAWAと並ぶゲームバランス破壊兵器と称する向きもある(初心者救済用装備であるという点も共通している)。 ミサイル(R0,M0) 肩装備のミサイルランチャーから発射する。独立戦争時はオムニ独立軍、地球政府軍ともに地球のミサイル技術を使用していたため、地球とオムニの環境の違いから射程が短くなっていた(リニューアル版「パワードール1」では、ゲームシステムの違いによりこの設定は無視されている)が、その後オムニ星向けのミサイル技術が確立し、射程が改善された。そのため独立戦争時とその後では同一名称のミサイルでも射程に大きな差ができている。サイフェルト戦争時には手持ち用ランチャーが登場している。サイズや搭載アビオニクスの都合上、電子戦機に装備不可能なモデルが存在する。 複合センサ(マルチセンサ)(C0,S0) PLDの索敵能力を向上させる、後付け式の索敵ユニットである手持ち式、作動後5分間だけ索敵を行うポケット装備、X-4S専用の肩装備であるVP-1の3系統。ゲーム中では、最高の索敵能力を持つ機体の両手に最高スペックの手持ち式マルチセンサを装備させることが「お約束」と化していた。 プローブ 索敵できない物陰等に投げ込んで索敵を行うポケット装備。ファストルック・ファストキル(敵に見つかる前に敵を見つけ、撃破する)を行うためには必須の装備である。 スタンポッド 格闘時に用いるポケット装備。敵の格闘能力を奪う、対物スタンガンである。 スタンナックル 「パワードールFX」にのみ登場する、格闘用の固定武装。 デコイ ミサイルを欺瞞するのに用いるポケット装備。先述の「お約束」装備等、ミサイルを迎撃できる火器を持てない際に装備する。サイフェルト戦争時には、確実性に欠けるが使用可能回数が多いチャフが登場している。ゲーム中では、敵はデコイが尽きるまでミサイルを浴びせてくるため、ミサイルを「デコイで回避する」よりも「撃たせない」方が重要である。 パッシブセンサ ジアス動乱末期に登場したポケット装備。敵の索敵範囲に入ったことを感知し、警報を発する。同時期のX-4RR及びX-5RRには標準装備されている。 対戦車地雷 ジアス動乱末期に登場したポケット装備。敵味方を識別する能力を持つため、味方が踏んでも起爆しない。 高性能爆薬(C0) 破壊工作に用いる爆薬。PLDにポケットが無かった独立戦争時は手持ち装備であったため、爆薬設置要員の武装に悩むこととなった。 降下ユニット 空挺にて用いられる、背中に取り付けられる翼状のブースター。降下高度はX-3系用のDS/G110では450〜12000mの範囲に対応している。X-4系用のDS/GE210Bは、大型化と可動範囲の拡大が行われ、アクティブスラスターとRFC(能動的質量移動による姿勢制御システム)によって姿勢制御能力が格段に向上している。また、両肩後ろから垂れ下がる外観とグレイ・ホワイトの配色により「エンジェルウィング」の愛称を持つ。降下中の地対空ミサイル対策として、チャフ、フレアが搭載されており(「オムニ戦記2540」にて、DS/GE210Bに搭載のチャフを使用するシーンが描かれている)、降下完了後は切り離し、投棄される。ちなみに、本ユニットが不調をきたし、安全な降下が不可能となった場合のバックアップ用パラシュート等は付いておらず、その場合は機体もろとも放棄、脱出する。これは運用思想上、降下に失敗した機体は戦力として期待できず、回収不能になりやすいためである。「オムニ戦記2540」の冒頭にて、機密保持のためにヤオ・フェイルンが降下に失敗した自機を回収しようとしているが、これは本来やってはいけないことであり、運用マニュアルでは自爆させることになっている。 自爆装置 降下失敗や作戦上の都合等で機体を回収できず、放棄しなければならない場合に機密保持のために使用する。厳密には「武装」ではないのだが、「オムニ戦記2540」にて、放棄した機体を調べようとした敵を撃破するために使用された。 この他、手榴弾と発煙弾がジアス動乱時からポケット装備として登場している。
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